心蝕する妖魔スーツ〔セーラーセレーナ戦隊魔装の誘惑・前編〕

妖魔と戦うセーラー戦士のひとり星川ウララは、光忍戦隊シノビンジャーのヒーローショーを観に行き、束の間の休息を楽しんでいた。
ウララの推しは、シノビブルー。入場前には、入口のシノビブルーのポスターを写真に撮ってSNSにあげた。完全なオタ活。今日は小さなスタジオでの少人数開催だから、シノビブルーが手の届く近さまで来るかもしれない。そのレア感にウララの気持ちは高揚する。
ショーが始まると、司会の女性が観客に呼びかける。
「みんなの声援があれば、正義の心は負けないよ!さあ、ヒーローを呼び出そう!」
ふだんの戦いのプレッシャーを吹き飛ばすかのように大声で応援する。
「シノビブルー!」
20歳をすぎて戦隊ヒーローショーを見に来るのもどうなのかと最初は思っていたけど、勇気を出して来てみたらハマってしまった。
「もう1度!」
「シノビブルー!」
「ここは我らが占拠した。喜べ、人間ども。この会場の人間は、われら妖魔のシモベになってもらう」
そう言って現れたのは、セーラー戦士と敵対する敵幹部のひとりゾレイク将軍。司会の女性は突然の出来事に驚くが、進行を続けようとする。
「あなたたちなんか、正義の味方がやっつけてくれるわ!」
「残念ながら、それはないな」
「…みんな逃げろ」
舞台の端からスーツアクターの男性が這い出てくるが、すぐに舞台の袖に引き摺り込まれる。そして、司会も戦闘員たちに捕まり、袖に引き込まれようとする。
「台本と違うことをやらないでよ。何なの、あなたたちは!」
司会の女性が反抗する。護身術を習っているのか、動きがいいが、多勢に無勢。
「威勢がいいな。ふふふ、お前ならヨウマレンジャーに迎え入れてやってもいいぞ」
「何を言っているの?ヨウマレンジャーって来年の戦隊?たしかに私はスーツアクター志望だけど、ここはそんなスカウトをするところじゃないでしょ。今は本番よ!はやく、こんなこと止めなさい!」
最初は演出だと思っていた観客も、会場の雰囲気の異常さに気づき、一目散に逃げはじめる。しかし、星川ウララだけはただ一人、そこに立ち止まった。
「われらに臆せずとどまるとは、なかなかに度胸があるな。気に入った。お前は俺の女にしてやる」
「その人を離しなさい」
ウララはそういうと、戦闘員たちを蹴散らし、司会の女性を奪い返す。
「さぁ、あなたも逃げて!」
「あ、有難うございます」
「これだけの手練れとはな。人間にしておくのは惜しいぞ。お前は誰だ?」
「シャイニングエレメントパワー、ライフアップ!」
光に包まれた星川ウララの身体がセーラースーツに包まれる。
「輝く正義の光が悪き闇をも包み込む、セーラーセレーナ!」
ゾレイク将軍はセーラーセレーナの変身を見るや高笑いしながら、変身ブレスを構えた。
「ハハハハハ、貴様、セーラーセレーナだったのか。ますます欲しくなった。では、俺も変身した姿を見せてやろう。ダークエレメントパワー、ヨウマチェンジ!」
ゾレイク将軍の身体は闇に呑まれ、ふたたび姿を現したときには戦隊スーツに身が包まれていた。そのデザインはシノビブルーと少し似ているが、ネイビー色のスーツは黒くいびつな光沢を発し、ベルトには妖魔の刻印、喉元下の胸の真ん中には「妖」の字が刻まれている。
「光を呑み込む闇の戦士、妖獣戦士ヨウマブルー!」
「え、ゾレイクが戦隊戦士!?それに、なんでシノビブルーに似ているの?」
「ふふふ、貴様たちの文明には戦隊戦士なるものがいるようだな。それを参考に我々も戦隊スーツを開発し、俺は妖獣戦士に生まれ変わったのだ。ふふふ、この姿はなかなかに心地いいぞ」
「戦隊戦士はセーラー戦士と同じで、正義の象徴なのよ!はやく変身を解きなさい!」
「正義の象徴にしては、どちらもエロい姿だな。ふふふ、この光沢といい、この滑らかな肌触りの着心地といい、戦隊スーツというやつに包まれると興奮するな」
セーラーセレーナは、ヨウマブルーの光沢を放つスーツ、そしてそれに包まれた興奮した股間を思わず見てしまい、内股をギュッとしめる。
(あの光沢すてき…私もあんなスーツに全身を包まれてみたい…ダメ、そんなこと思っちゃいけない)
ウララは以前からいずれ戦隊のガワコスもしてみたいと思っていた。そして、自分が戦隊スーツに包まれることを想像して淫する夜もあった。
「セーラーセレーナ、俺のすがた、気に入ってくれたか。エロい姿どうしで抱き合ってもいいのだぞ」
「汚らわしい!わたしが倒して、そんなもの脱がせてみせる!」
攻撃に転じようとした瞬間、ヨウマブルーはセレーナを後ろから既に抱きしめていた。
「この妖魔スーツは、エロいだけでなく、こんなにも性能がいいんだ。お前たちの文明も少しは役にたつな」
ヨウマブルーはそう言いながら、セレーナのスカートのなかに手を入れる。
「ふふふ、言葉では否定しながら、ここは湿りはじめているじゃないか」
「は、放しなさいぃ!あぁぁぁん」
ヨウマブルーはセレーナの身体にまとわりつき、股間を触るとともに胸を揉みしだく。
「どんどん湿り気を帯びてきたぞ。さては、セレーナお前もゼンタイフェチというやつか」
「ち、違うぅ!は、放してぇ!」
どれだけ振り解こうと、びくともしない。
「俺のスーツの触り心地いいだろ。ここにいる中から、ゼンタイフェチの人間を探し出し、ヨウマレンジャーのメンバーにしようと思っていたが、セレーナお前こそヨウマピンクにふさわしい。俺の理想の女だ」
「あぁぁぁぁん!な、なにを言うの?(妖魔スーツで触れられただけで気持ちいいのに、もし着たらどうなっちゃうの)」
「俺と色違いのピンクの妖魔スーツを着て、お前はヨウマピンクに生まれ変わるのだ。素敵だろ?」
「そんなスーツなんて、わたし着たくない!(あぁん、着てみたい!このスベスベな光沢に包まれてみたい!)」
「どんどん濡れていくぞ。妖魔スーツを着て、俺と楽しみたくなってきたんだろ。カラダは正直だな」
「(妖魔スーツどうしで、スリスリしてみたい)き、着たくなんてない!うぅッ!」
セレーナの鳩尾にヨウマブルーの拳がめり込む。
「まあ、われらがアジトでゆっくりと話し合おうぜ」
セレーナの意識は遠のいて行った。
 * * * * * * *
「こ、ここは?あぁぁぁん」
セレーナは立ったまま、両手両足首を鎖で繋げられていた。なぜかカラダが気持ちいい。
「ようやく目が覚めたな」
「その戦隊戦士の格好をやめて、この拘束を外しなさい!」
ヨウマブルーは、またセレーナのカラダにまとわりつく。
「これからパートナーになる相手にそんなツレないことをいうな。セレーナ、いや妖獣戦士ヨウマピンクよ」
「あぁぁん、私はヨウマピンクなんかじゃない(なんで!?なんでこんなにカラダが気持ちいいの?)」
「ふふふ、自分の格好をよく見てみるんだな」
「え、これは?!」
「ヨウマピンクの妖魔スーツがよく似合っているぞ」
「うぅぅぅぅ~ん」
「それに気持ちいいだろ?」
セレーナのカラダは、カラダの線を強調するかのように、ヨウマピンクの戦隊スーツに包まれていた。
正義の戦隊戦士シノビブルーの仲間シノビホワイトにはスカートがあるが、ヨウマピンクの妖魔スーツにはスカートがなく、ハイレグのきわどいデザインになっている。
「あぁん、こんな全身スーツすぐに脱いでやるわ。この鎖を外しなさい!」
「完全なヨウマピンクになれば、簡単にこんな鎖外せるぞ」
ヨウマブルーはセレーナの腕に【12】の数字が表示されたヨウマチェンジャーを着ける。
「さあ、ダークエレメントパワー、ヨウマチェンジと唱えて完全なヨウマピンクに生まれ変わるのだ」
「ダークエレメントパワー…なんて言うわけないでしょ」
「そうか、残念だ」
「は、はやく解放しなさい」
「フフフ、良かろう」
ヨウマブルーは、セレーナの腕に着けられたヨウマチェンジャーのボタンを押す。すると、ヨウマチェンジャーにヨウマピンクのスーツが吸い込まれ、セレーナはもとのセーラー戦士の姿に戻った。ヨウマブルーはセレーナの鎖も外す。すぐにセレーナは、ヨウマチェンジャーを外そうとするが、外すことが出来ない。
「これも外しなさい」
「解放してやるかわりに、それくらい我慢しろ。この変身ブレスは1ヶ月経たないと外れない設定になっている。ヨウマピンクの姿になりたいときは、妖魔チェンジャーのこのボタンを押せば、いつでも変身できるぞ」
【変身1回目】
そういうと、変身ブレス妖魔チェンジャーの変身ボタンを押す。数字が【11】になる。
「あぁぁぁぁぁぁん!」
セレーナは嬌声をあげながらマスクオフ姿のヨウマピンクに変身し、思わずヨウマブルーに抱きついてしまう。
「変身する瞬間も気持ちいいだろ」
また変身ブレスの解除ボタンを押すと、セレーナはもとのセーラー戦士の姿になる。
「気持ちいいわけない」
「本当にそうか」
【変身2回目】妖魔チェンジャー【10】
「嗚呼あぁぁぁぁl」
変身ボタンを押され、ふたたびヨウマピンクに変身したセレーナをヨウマブルーは愛しそうに抱擁する。
「気持ちいいだろ」
「…違う…ああぁぁぁ」
また、ヨウマブルーは解除ボタンを押す。セレーナの息が荒い。
「だいぶ興奮しているようだな」
「違う!違う!」
また変身ボタンが押される。
【変身3回目】妖魔チェンジャー【9】
「嗚呼あぁぁぁぁぁぁl」
「気持ちいいんだろ」
「…ちがう、あぁぁぁ」
「認めないと、同じ繰り返しだぞ。気持ちいいんだろ」
「違う!」
再び解除ボタンが押される。しかし、セーラー戦士の姿に戻ったセレーナはひとりで立っていられず、ヨウマブルーにすがりつく。
「そんなに感じているのか」
「…違う…嗚呼あぁぁぁぁl」
【変身4回目】妖魔チェンジャー【8】
変身ボタンを押され、ヨウマピンクの姿になったセレーナはあまりの気持ちよさにヨウマブルーを強く抱きしめる。
この変身と解除が繰り返し行われた。
【変身5回目】妖魔チェンジャー【7】
変身の回数が増えるほど、変身している時間は長くなり、セレーナは無意識にヨウマブルーに妖魔スーツに包まれたカラダをこすりつけるようになる。それは変身解除されたセーラー戦士姿のときにも行われ、まるでヨウマピンクへの変身を求めるかのようにカラダを絡めていく。セレーナはセーラー戦士の姿のまま無意識につぶやきながら、カラダをヨウマブルーにこすりつける。
「…いい…いい…」
「そろそろ認めたらどうだ?」
「…いい…いい…ッちがう!」
「認めないか。さすがだな、セーラーセレーナ。じゃあ、もう一度変身させても意味がないな。気持ちよくないんだろ」
「あぅっ、あぁ違うの、気持ちいいわけじゃないけど…いいのぉ…」
「どういうことだ?ふふふ、もっと気持ちよくなりたいということか?」
セレーナは思わず頷くが、ハッと気がつき、変身させられるのを止めようとする。
「や、やめて!おかしくなっちゃう!」
その瞬間、ヨウマブルーは変身ボタンを押す。
【変身6回目】妖魔チェンジャー【6】
「嗚呼あぁぁぁぁl気持ちいい!気持ちいい!違う!…あぁん、気持ち良くなっているのは私の本心じゃない。このスーツのせいなの!」
「気持ちいいと認めろ!それもすべては妖魔スーツのせいなんだ。仕方ないことだ」
「そうよ、仕方ないことぉ。あぁん、妖魔スーツ気持ちいいのぉ!あぁん、わたしを妖魔スーツで洗脳してヨウマピンクにしようとしているのね」
そういいながらセレーナはヨウマブルーの股間に自分の股間をすりつける。
「あぁん!さあ、早くわたしを洗脳しなさい!だけど、絶対にわたしは洗脳になんか決して屈しない!あぁぁぁんんんん!」
「フフフ、勇ましいな。さすがセーラーセレーナ。それに敬意を表して、今日は帰してやろう」
「あぁん、わたしを女妖魔に…え!?あぁん、なんでなのぉ?」
ヨウマブルーが愛撫をやめると、セレーナは意外な展開に物足りなさそうな表情を浮かべる。
「意外か?それとも何か期待していたのか?」
「違う!こんな場所から解放されて、清々するわ!…は、はやく変身を解除しなさい!」
「自分で解除ボタンを押せば、すぐに人間の姿に戻れるぞ」
「そ、そうね」
そう言いながらも解除ボタンを押すことに躊躇するセレーナに、ヨウマブルーはニヤリとしながら助け船を出してやる。
「しかし、そうだな。この基地を出るあいだは、その姿のままでいろ、いや家に帰るまでだ。折角だからヨウマピンクの姿を楽しむんだな」
「家に戻ったら、すぐに解除ボタンを押してやる」
「ハハハ、あと大事なことを伝えておいてやろう」
「大事なこと?」
「13回変身すると、お前はヨウマピンクの姿から戻れなくなる」
妖魔チェンジャーの数字が【6】になっている。
「妖魔にならずに変身できるのはあと6回だ。注意しておけ。この妖魔チェンジャーが0になって変身したら、お前は妖魔の女戦士ヨウマピンクに生まれ変わる。フフフ、その前に気が変わって、早く俺のパートナーヨウマピンクになりたくなったら、ダークエレメントパワー、ヨウマチェンジと唱えるんだ。いいな」
「ぜったいにあり得ないわ。1ヶ月耐え切ってみせる」
その言葉が終わる前にヨウマブルーはヨウマピンク姿のセレーナを抱きしめ、スリスリをし始める。
「あと7回だ。変身しすぎないようにな。いずれ自らヨウマピンクになりたくなるだろうがな」
「あぁん、自分で変身なんてしない…そんなこと望まない…うぅぅぅ~ん」
ヨウマブルーが自分の股間をセレーナの妖魔スーツにこすりつけると、セレーナも無意識に女陰をヨウマブルーの妖魔スーツに押しつけてスリスリしはじめる。その様子にヨウマブルーはニヤリとしながら、セレーナを自分のカラダから引き離す。
「あぁぁぁ~ん」
「ヨウマピンクの姿を気に入ってくれることを楽しみにしているぞ。はははははは!」
「ない…絶対にない…」
「戦闘員よ、セレーナにベンチコートを着せて、そのまま外に連れて行ってやれ」
 * * * * * * *
部屋に戻ったセレーナは、ベンチコートを脱いで解除ボタンを押そうとするが、なかなかに押せない。むしろ、妖魔スーツに包まれた自分のカラダをなで回し、愛撫を始めてしまう。
「…ダメなのに…ダメなのに…気持ちいい…」
セレーナはカラダをなで回しながらも、どうにか正気に戻ろうとし、解除ボタンを押そうとするが、押したくない。
「そうだ、シノビブルーを見て、正義の心を思い出そう!」
そう言い、DVDを見始めるが、そこに映るのは、さっき自分を愛撫したシノビブルーの姿。戦隊スーツの胸に「妖」の字がないし、ベルトも違うけれど、ヨウマブルーを思い出してしまう。
「ちがう、この人はヨウマブルーじゃない!」
そう言いながら、セレーナの手は自分の女陰に向かう。
「あぁん、ヨウマブルー、もっと、もっとぉ、あぁん、嗚呼あぁぁぁぁl」
イッてしまったセレーナが気づくと、朝になっていた。翌朝は日曜。いつもの習慣でテレビをつけると、シノビブルーの姿が目に入る。ヨウマピンク姿のセレーナはまたしても自分の体をなで回し、女陰に手をやる。
PPPPPP
ヨウマチェンジャーを着けられた右腕とは反対の左腕につけているセーラー戦士のブレスレットから鳴る音。セレーナは焦りながら、自慰をやめ、顔以外が映らないように注意しがら、通信に出る。
「ウララ?」
「ぁ…どうしたの?」
同じセーラー戦士セーラーベルからの通信だ。
「なんか、息が荒いけど大丈夫」
「…ち、ちょっっと運動していたの」
「休日なのに、さすがだね。そんなことより、妖魔が出たの。来て!場所は送るから」
「わ、わかったわ」
セレーナは通信を切ると、躊躇いながらも解除ボタンを押し、ベンチコートを持って現場に向かった。
 * * * * * * *
現れたのは、ヨウマブルー姿のゾレイク将軍。そして、幹部のひとり淫ヴィーナス。セーラーベルが驚く。
「え、シノビブルー?」
「ふふふ、俺はゾレイクあらためヨウマブルー!お前たちの正義の象徴を欲望の象徴に変えてやるのだ。はははははは!素晴らしいだろ、セレーナ」
セレーナは、その声にかぶせるかのように叫ぶ。
「汚らわしい。セーラーベル、ヨウマブルーはわたしに任せて!」
「ひとりじゃ危ないわ」
「任せて!」
「危ないよ!」
「任せて!」
「わかったわ、セレーナ」
セーラーベルは淫ヴィーナスと、セーラーセレーナはヨウマブルーと対峙する。ヨウマブルーは、セレーナに近づきささやく。
「昨日のことを知られたくなければ、こっちに来い」
「…わかったわ」
セーラーベルと淫ヴィーナスが戦う場から離れると、ヨウマブルーはセレーナに命令する。
「さあセレーナ、お前もヨウマピンクに変身するのだ」
「いやよ!」
「ふふふ、そう言うな」
ヨウマブルーはすぐさま、セレーナを後ろから抱きしめ、妖魔チェンジャーの変身ボタンを押す。数字は【5】になる。
【変身7回目】妖魔チェンジャー【5】
「嗚呼あぁぁぁぁl」
「ふふふ、昨日の続きをするぞ。ふたりで気持ちよくなるんだ」
「こんなふうにして、あと6回わたしを変身させて、ヨウマピンクに生まれ変わらせるつもりね」
「そうしたいところだが、この妖魔チェンジャーには欠陥があってな」
「欠陥?」
「12回変身すると、外すことが可能になるのだ」
「1ヶ月待たなくても外せる?」
「あと5回、俺の愛撫に耐えて欲望に打ち勝てばいいのだ。まあ、外さないという選択肢もあるがな」
「あと、5回…のぞむところよ」
「フフフ、6回変身すると戻れなくなるからな。気をつけろよ」
「言われなくてもわかっているわ」
そこに突如として声がかかる。
「セレーナ!セレーナ、どこ?」
「ベル!?」
慌てるセレーナにヨウマブルーがささやく。
「今から変身解除してたら間に合わない。これを被れ」
渡されたのは、ヨウマピンクの変身マスク。かぶるのを躊躇うセレーナをヨウマブルーは急かす。
「早くこの妖魔マスクを被らないと、ヨウマピンクに変身している姿が見られてしまうぞ、さあ!」
セレーナは、妖魔マスクをかぶる。すると、セーラーベルが姿をあらわし、ふたりの姿を見て叫ぶ。
「セレーナ!え?敵が増えている。その女も妖魔の戦士?」
「セーラーベル、俺のパートナーヨウマピンクに会うのは初めてだったな。さあハニー、名乗ってやれ」
「…え?」
すると、ヨウマブルーはセレーナを抱き寄せ、ささやく。
「早く名乗らないとあやしまれるぞ」
「か、輝く正義のひかり…輝く正義のや、闇が悪きや、ひ、光をも包み込む、ヨウマピンク!」
そう叫びながら、セレーナはセーラーセレーナに変身したときのポーズを取ってしまう。
「え?!せ、セレーナ」
「ち、違うわ!」
ヨウマブルーが横から助け船を出す。
「ふふふ、ヨウマピンクも残酷な女だ。さっき倒したセーラーセレーナの真似をして、小馬鹿にするなんてな。ふだんは、光から生まれし闇の女戦士と名乗っているのにな」
「…光から生まれし闇の女戦士…そうよ、私は光から生まれた闇の女戦士、妖獣戦士ヨウマピンク!」
そう叫ぶと、セレーナはヨウマブルーにカラダを預けながら、扇情的なポーズを取る。
「え、セレーナが負けた!?セ、セレーナをど、どこにやったの?」
「そっちの谷底に落ちたようだぞ、なぁ、ヨウマピンク」
「き、昨日と今日、2回もわたしに敗れて、ぶ、無様ね」
ベルはヨウマピンクを睨みつける。
「セレーナは昨日もあなたたちと戦ったの?」
「そ、そうよ。私とダーリンが力を合わせれば、無敵よ」
ヨウマブルーはヨウマピンクを抱き寄せて、カラダをすりあわせる。
「ふふふ、そうだな。ヨウマピンク」
「あぁぁん、だめぇ」
ヨウマブルーはヨウマピンクにささやく。
「拒否すると、あやしまれるぞ。さっきもセレーナだとバレそうになっていたぞ」
「き、気持ちいいよ、ダーリン…」
そう言いながらカラダを絡め合うことで、ヨウマピンクは快感に呑み込まれていく。
「もっと見せつけてやれ。気持ちいいだろ?」
「あぁん気持ちいい…気持ちいいよぉ…」
ベルが嫌悪の表情を浮かべる。
「け、穢らわしい!」
「ふふふ、そんなこというな。ピンクも元はお前たちと同じ人間だったのだからな」
「え?人間!?人間なの?」
「ヨウマピンクに生まれ変わることをみずから望んだ淫乱な人間の女だ。俺と妖魔スーツどうしでスリスリしあって、まぐわい、楽しむためにな。人間を裏切って、生まれ変われて嬉しいだろ、ハニー」
「そ、そうよ!わ、わたしはヨウマピンクになれて幸せ…あぁぁん、そんなに激しくしないで…気持ちいい…」
「俺も気持ちいいぞ。快楽に身を委ねろ、ヨウマピンク」
ブルーはピンクと陰部どうしを擦り合わせる。
「んんん!…なんでこんなに気持ちいいのぉ。あぁん生まれ変わると、こんなに幸せになれちゃうのぉ…」
「ふふふ、淫乱でかわいい女だろ。さぁ、我が戦士ヨウマピンクよ、もう1度セレーナの真似をして名乗ってやれ」
ヨウマピンクはセレーナのポーズを取りながら名乗りを上げる。
「光から生まれし闇の女戦士、妖獣戦士ヨウマピンク!」
続けてブルーも名乗る。
「光を呑み込む闇の戦士、妖獣戦士ヨウマブルー!」
そして、ピンクを片手で抱き寄せ、ブルーは叫ぶ。
「人間を欲望に導く妖魔の戦士、妖獣戦隊ヨウマレンジャー!」
さっきのグダグダな名乗りとは打って変わって、決まる。セレーナは嬌声をあげる。
「あぁん、私たちすごくかっこいい!名乗りって、こんなに気持ちいいものだったの!?(なんでセレーナの名乗りより気持ちいいのぉ?)」
ブルーはピンクをギュッと抱きしめる。
「気持ちいいのは当たり前だ。お前はヨウマピンクになるために生まれてきた女だからだ」
「…私はヨウマピンクになるために生まれてきた女…」
「そうだ。俺たちはヨウマレンジャーになるため、結ばれるために生まれてきたんだ。だから、抱き合うと気持ちいいだろ?」
「あんンッッッ気持ちいい!あぁぁ本当に気持ちいいのぉ!ブルーとわたしのカラダって、なんでこんなに相性がいいのぉ!気持ち良すぎるよぉ!」
ヨウマピンクは、ヨウマブルーの首に手をからめ抱きしめながら、セーラーベルに自慢げに誇らしく言う。
「うふふ、わたしたちカッコよくてお似合いでしょ」
ヨウマピンクは、ヨウマブルーに乳房と女陰をこすりつけて甘える。セーラーベルは汚いものを見るように言葉を吐き捨てる。
「あなたたちなんかに、私たちセーラー戦士は負けない!こんどは私が相手よ!」
ブルーはピンクを愛撫しながら、ベルに言う。
「セーラーベル、いいのか?はやくセレーナを助けにいかなくて?生きていればいいがな」
「くっ!次にあったとき、必ずお前たちを倒す!」
セーラーベルは谷底に続く道に降りていくが、ヨウマピンクはそのあともヨウマブルーにカラダをからめつけ、妖魔スーツをスリスリし続ける。
「あぁん、ヨウマブルーさまぁ」
「セレーナ、セーラーベルはもう行ったぞ」
「妖魔スーツ、気持ちいいよぉ」
「ふふふ、そんなに気持ちいいか、生まれ変わりたいだろ」
「気持ちいい、生まれ変わ…り!?…いや、ち、違うの!」
「ハハハ、気持ち良くないのか?」
「…ち、違う、これは妖魔スーツのせい。それに今のはあなたに言われて、仕方なく演じていただけよ!」
「ふふふ、それも良かろう。今日もその姿のまま、家に帰れ。いいな」
「…わ、わかったわ」
そう言うと、セレーナは妖魔マスクを脱いで戦闘員に渡し、妖魔スーツの上からベンチコートを着て、その場をあとにした。
 * * * * * * *
セーラーセレーナ、星川ウララが自分のマンションの入口に着くと、後ろからセーラーベル、木村ましろが走って抱きついた。
「ウララ、大丈夫?」
「う、うん、大丈夫」
「怪我を見せて!」
そういうと木村ましろはベンチコートを脱がそうとする。一瞬「妖」の字が見えそうになるのをウララは懸命に隠す。
「だ、大丈夫。そ、そんな大した怪我じゃないけど、ちょっと汚れちゃって。恥ずかしいから見ないで」
「わかったわ。あれ?インナー桃色なの?珍しいね」
セレーナは、中が見えないように、ベンチコートの襟元をギュッと握りしめる。
「あ、そ、そうなの。き、着慣れていない色だから変でしょ?恥ずかしいよ、ジロジロ見ないで」
「ウララって、ピンクが似合うと思うから、いいと思うよ」
「え、似合う?似合うの?!」
「ほんと似合うから、もっと着ていいと思う」
「わたし、ピンク似合うんだ…着ていいんだ」
「今日はゆっくり休んでね。それで、今度はふたりで、ヨウマブルー、ヨウマピンクと戦って倒そうね」
「そ、そうね。じゃあね、ましろ」
 * * * * * * *
セレーナは、部屋に入るとすぐにベンチコートを脱いだ。そして変身解除せず、鏡の前に立って、ピンクの妖魔スーツに包まれた自分の姿をまじまじと見る。
「ほんと似合ってる。あぁぁん、わたしピンクすごく似合っているぅ!」
そう言いながら、妖魔スーツの手触りを確認していく。
「あはん、すごくいい。すごくスベスベしてるぅ。あぁん、この光沢もエロイよぉ。あぁん、わたしこんなエロくて気持ちいいスーツに包まれちゃっているぅ」
そして、鏡の前で変身ポーズを決める。
「光から生まれし闇の女戦士、妖獣戦士ヨウマピンク!あぁん、すてきぃ!私こんなにエロかっこ良かったの!?」
セレーナは、興奮のあまり自分のカラダを撫で回す。
「この妖魔スーツ、私のために作られたみたい。すごくピッタリ。あぁん、わたし以上にピンクの妖魔スーツが似合う人はきっといない…私はヨウマピンクになるために生まれてきたのかも…」
ほてった顔でうわ言を言い、全身を激しく自慰するセレーナは、あまりの興奮に倒れこんでしまう。すると、手がDVDのリモコンに当たり、シノビブルーの映像が再生される。
「あぁんダメぇ。こんなことしてちゃダメ!正義の心は負けないのぉ」
セレーナは、画面のなかのシノビブルーを見ながら、指で女陰をなぞり始める。
「正義の心は負けないのぉ。あぁんダメなのに、正義の戦隊を見ているのにエッチな気分になっちゃうよぉ。あぁぁん、クチュクチュ言っているぅ。わたしはセーラセレーナなのに!ヨウマピンクじゃないのに!気持ちいい!気持ちいいぃぃ!ああぁぁぁぁんんん!」
妖魔チェンジャーの数字は残り【5】を示していた。
【つづく】