乙女ノクルシミ
「来てやったぜ、ケガレシア!
走輔たちに送られてきたケガレシアからの挑戦状
その指定された場所にやってきた7人の前に、ケガレシアと一体のバンキ獣が姿を現す
「ホホホ、よく来たでおじゃるなゴーオンジャー」
ケガレシアはいつものように妖艶な笑みを浮かべ、ゴーオンジャーを挑発する
「ここがお前達の墓場でおじゃる」
「何だと!?」
「落ち着け、走輔」
激昂しかけた走輔を、大翔が宥める
大翔は、目の前の敵にいつもとは違う“余裕”があるのを察していた
それは軍平や連も同様だった
「ホホホ、わらわの作った最高傑作“ヘドロバンキ”が相手をするでおじゃる」
あくまで余裕な態度の害水大臣に、
「ふん!何が最高傑作よ!」
「どうせいつもみたいなしょうもない蛮機獣なんでしょ、オ・バ・サ・ン!」
美羽と早輝が挑発を返す
それに対しケガレシアは、
「こ…この小娘!誰がオバサンでおじゃるか!わらわは偉大なる機械生命体の乙女でおじゃる!」
顔を真っ赤にし、頭のバルブから蒸気が噴き出す
「ケガレシア様、落ち着くドロ~!私が必ず奴らを倒すドロ~!」
その言葉にケガレシアはハッとし、バルブを締めなおす
「そ、そうでおじゃるな。では頼むではおじゃるぞ、ヘドロバンキ!」
「かしこまり~!
ヘドロバンキが前に立つ
「ゴーオンジャーよ、かかってくるドロ~!」
「みんな、あんな奴早くやっつけちゃお!」
敵に向かい、7人の戦士が並び立つ
「行くぞ!」
走輔の合図と同時に7人はそれぞれの変身アイテム―ゴーフォン、シフトチェンジャー、ウィングトリガーと、炎神ソウルを構え―
「チェンジソウル・セット!」
「レッツ・ゴー・オン!」
叫ぶ
一瞬にしてその身体を鮮やかな色彩のスーツが包みこみ、
「メットオン!」
マスクが装着される
「炎神戦隊ゴーオンジャー!」
7人の戦士はそう叫ぶと、敵へと立ち向かう
「てやっ!
レッド、ブルー、ブラックが、攻撃を仕掛ける
しかし、
「何!?」
打ちこんだ拳は、まるで何にも当たらなかったかのように手ごたえがなく、同時に、
「ドロドロドロドロ~!」
ヘドロバンキは一瞬にして液状化し、姿を消す
次の瞬間、
「ぐわっ!」
3人の背後に攻撃が直撃し、大きく吹き飛ぶ
「えいっ!」
「この!」
イエローとグリーンがキックを放つ
しかし、
「ドロドロドロ~!」
同様に受け流され、
「うわぁ!」
「きゃっ!」
背後からの攻撃に倒れる
「ふん!」
「はあああああ!」
上空からゴールドとシルバーが切りつけるが、
「ドロドロ~!」
それも無効化され、大きく吹き飛ぶ
「ぐっ!」
「ああっ!」
「何なんスか、こいつ…」
「強い…!」
何とか立ち上がった7人に、
「ドロドロドロ~!ゴーオンジャーも大したことないドロな~!」
嘲るように、ヘドロバンキが言う
「何だとぉ!?」
その言葉に怒りを露わにするレッド
それに続くように6人も並び立ち、それぞれの武器を構える
レッド、ブルー、イエロー、グリーン、ブラックは給油ノズル型の銃・マンタンガンを、
ゴールドとシルバーはシャトル型の短剣・ロケットブースターを、それぞれ構えた
「喰らえ!」
「ゴーオンキャノンボール!」
「ミッション1・バーニングダガー!」
「ミッション2・フリージングダガー!」
5人の銃から一斉に発射された弾丸と、ゴールドの短剣から放たれた火炎、シルバーの短剣から放たれた冷気が、ヘドロバンキに襲いかかる
「ドロドロドロドロ~!?」
攻撃が直撃し、大きな爆発が起こる
「やったか!?」
ブラックが声を上げる
しかし、
「何!?」
ゴールドが驚きの声を上げる
なぜなら、
「ドロドロドロ~!」
爆炎から現れた敵は全くの無傷であった
「嘘…」
呆然としたようにシルバーが呟く
「ドロドロ~!そんな攻撃効かないドロ~!」
ヘドロバンキは全くの余裕で、ゴーオンジャーを挑発する
「そんな…」
グリーンが思わず後ずさる
「オホホホ!見たでおじゃるかゴーオンジャー、これがわらわの最高傑作の実力でおじゃる!」
ケガレシアの甲高い笑い声が響く
「ヘドロバンキは身体を水のように軟化させることも鋼のように硬化させることもできるのじゃ!おまけに火炎も冷気も電流も通さないスペシャル仕様におじゃる!」
勝ち誇ったように笑う
「馬鹿な…」
「おやおや、さっきまでの威勢はどこに行ったでおじゃるか?」
更に上機嫌に笑い、続けて
「ヘドロバンキ、もっとお前の力を見せてやるでおじゃる!」
「かしこまり~!」
ケガレシアからの指示を受け取ると、ヘドロバンキは、
「喰らうドロ!必殺・ヘドロ返し!」
毒々しい色の球体を目の前に作りだし、それを思い切り投げつけた
「うわああああああああああああ!」
巨大な球体は7人に直撃し、ゴーオンスーツから大きな火花が上がる
「オホホホ!このヘドロ返しは、相手から受けた攻撃のエネルギーを吸収して、数倍の威力で返す技でおじゃる!ゴーオンジャーといえどひとたまりもないでおじゃる!」
愉快でたまらないように、ヘドロバンキの能力を説明するケガレシア
「く…そ…」
「ダメだよこいつ…強すぎる」
直撃を受けた7人は、立ち上がることもままならない
「いいザマドロ~!もっと苦しむドロ~!」
ヘドロバンキは倒れているイエローに近づき、首を持ち上げる
「く…は…」
「まずはケガレシア様を愚弄したお前からドロ~!」
「早輝!」
立ち上がり、駆け寄ろうとした6人に、ウガッツ達が襲いかかる
「くそっ…!」
「さあ。苦しむドロ~!」
腕に力が入る
その時、
「…レーシングバレット!」
「ドロッ!?」
イエローはベルトのバックルを押し、専用武器を出現させる
思わぬ攻撃にたじろぐヘドロバンキ
「ド…ドロ!小癪な!」
周囲を飛び回る小型の弾丸に、ヘドロバンキは対応できない
レーシングバレットは強力な小型モーターのパワーで、イエローのコントロール通りに自走し敵を攻撃する、威力は低いがスピードと手数の多さが特徴の武器だ
目にも止まらぬその速度に、ヘドロバンキは目で追うことすらままならない
「スピードがアイツの弱点か!」
ウガッツと戦いながら、レッドがハッとしたように言う
「成程…素早い動きで翻弄すればついていけない、というわけか」
ゴールドが続く
「目が回るドロ~!」
きりきりまいな様子の敵に、これを勝機と見たイエローは、
「行くよ!バレットクラッシュ!」
レーシングバレットを高速突進させる必殺技を放つ
「ドロッ!?」
小型の弾丸はヘドロバンキの胸部に突撃し、突き刺さる
次の瞬間、
「かかったドロね~!」
「…え!?」
レーシングバレットは確かに敵の胸部に直撃した
しかし、
「身体を軟化させれば攻撃は受け流せるドロ~!」
その言葉通り、沼に石を投げたようにレーシングバレットはヘドロバンキの身体に吸い込まれていく
「そんな…返して!」
「返すワケないドロ~!」
レーシングバレットがヘドロバンキの胸部に完全呑にみこまれててしまった
「ドロドロドロ~、お返しドロ~!」
「きゃあ!」
レーシングバレットを吸収したヘドロバンキは目にもとまらぬ動きでゴーオンイエローの周囲を動き回り、攻撃する
「感謝するドロ!お前の武器のお陰でもっと強くなれたドロ!」
皮肉な口調でヘドロバンキが告げる
「きゃああああああ!」
大きく吹き飛ぶイエロー
「ドロドロ!どうドロか、ケガレシア様!」
「素晴らしいでおじゃる、でも遊びはそこまでにするででおじゃるよ!」
「了解ドロ~!」
ヘドロバンキはイエローに向き直る
「…!?」
対して身構えるイエロー
「喰らうドロ!ヘドロンシャワー!」
ヘドロバンキの口から、液化したヘドロが発射される
「早輝、避けろ!
思わず声を上げるブラック
「え…何これ!?」
胸部にヘドロが付着し、それが範囲を広げていく
「このヘドロで身を包まれた者は、固まってヘドロ像になるドロ!」
「何!?」
愕然とするレッド達の前で、イエローの身体はどんどんヘドロに覆われていく
「そんな…嫌!」
必死にもがくイエロー
しかしその行為は、ヘドロが広がるのを進めるだけだ
「身体が…動かない…」
見る見るうちに首から下はヘドロで固められてしまった
「オホホホホ!無様でおじゃるなぁ!ゴーオンイエロー!」
ケガレシアの笑い声がこだまする
しかし、今の早輝にそんなことを気にする余裕はない
そして、
「う…あ…
うめき声を上げながら、楼山早輝の頭部を包むマスクまでもがヘドロに覆われた
「オホホホ!どうでおじゃるかゴーオンイエロー、ヘドロ像になった気分は?」
おちょくるようにケガレシアが笑う
「…って、ヘドロ像になったら喋れないドロ!ドロドロドロ~!」
漫才をするようにヘドロバンキも続く
ひとしきり笑った後、
「ふう…しかしあの生意気な小娘もこうなれば可愛いものでおじゃるなあ」
そう言うとケガレシアはヘドロ像と化したゴーオンイエローの額に口づけを落とした
「オホホ、いい姿でおじゃる…」
満足そうに笑う
どす黒いヘドロに全身を覆われたゴーオンイエローには、もはや輝くような光沢のある黄色は見られない
ただ一点のみ、額に真赤なルージュのキスマークが残るだけだ
「この…よくも早輝を!」
未だウガッツとの戦闘が続く中、ゴーオンシルバーが囲む敵を切り伏せ、飛び上がった
「美羽、止せ!」
ゴールドが制止しようと叫ぶが、その声は届かない
上空に舞い上がったシルバーは、ロケットダガーに着いた3つのスイッチを押す
「ミッション6・ジェットダガー!」
ロケットダガーをフルパワーにして放つ必殺技が、上空からヘドロバンキを襲いかかる
「はああああああああああああ!」
目にも止まらぬスピードで、ダガーの刃は敵の腹部を刺し貫いた
「ドロッ!?」
しかし、
「ドロロロロロ!おバカさ~ん!」
ダガーはシルバーの右腕ごと、ヘドロバンキの腹部に吸い込まれた
「そんな…!?」
自分の必殺技に絶対の自信を持っていた美羽は、目の前の事実に愕然とする
「さっきの説明聞いてなかったドロか?私は身体を軟化してどんな攻撃も受け止められるドロ!」
「くっ!…離しなさい!」
敵の言葉も耳に入らず、シルバーは必死で右手を引き抜こうとする
「無駄ドロ!私の体内に引きずり込まれたモノはどーやっても抜けないドロ!やっぱりゴーオンジャーは単細胞の集まりドロね!」
敵の侮辱に、美羽はマスクの下で顔を歪める
「まぁ、でも離してやってもいいドロよ?」
「…きゃあ!?」
突然右腕を引っ張る力がなくなり、勢いで尻もちをつく
(どうして…?)
敵が自分を解放したことに疑問する美羽
しかし、その疑問はすぐに解かれる
「…えっ!?」
ロケットダガーを握っていた右手からヘドロが広がっていく
「ドロロロロ!お前もヘドロ像になるドロ!」
ジワジワと、ヘドロは肩口まで広がる
「…こんなもの!」
左手で、ヘドロを払い落そうとする
しかし、
「ドロロロロロロ!無駄ドロ無駄ドロ!私の特製ヘドロはどうやっても剥がせないドロ!」
払い落そうとした左手にヘドロが付着し、ゴーオンシルバーの身体を浸食を始める
「嫌!アニ、走輔、助けて…!
未だウガッツの群れに苦戦するゴールド達に、救いを求めるように手を伸ばす
そのまま、左腕も硬直する
「美羽!」
間もなく、首から下がヘドロに覆われ
「い…や…助け…」
ゴーオンシルバー・須塔美羽は、目の前で妖艶な笑みを浮かべる敵・ケガレシアに、弱々しい声で懇願するように言った
しかし、その台詞の言い終わることなく、頭部のマスクまでもがヘドロに覆われる
「ドロドロ~!ゴーオンシルバーヘドロ像の完成ドロ!」
物言わぬヘドロ像と化したゴーオンシルバーのマスクを、ケガレシアは愛おしそうに撫でながら、
「オホホホ、まさかあの高飛車娘の命乞いを聞けるとは…素晴らしいでおじゃる!」
「貴様ぁ!」
「早輝と美羽を返せ!」
ウガッツ達を何とか全滅させたレッド達は、ケガレシアとヘドロバンキに怒り、叫んだ
普段は冷静な大翔も我を忘れたように怒りを露わにする
「オホホホホ!そうもいかないでおじゃる!“コレ”は大事な“戦利品”でおじゃるからのう!」
高笑いするケガレシア
「絶対許さねえ!」
レッド達5人が、各々の武器を持ち、挑みかかる
次の瞬間、
「何!?」
ケガレシアとヘドロバンキ、そして2体のヘドロ像は、地面から現れた魔法陣の光に包まれる
「今日のところはここまでにするでおじゃる!お前達とはまた今度遊んであげるでおじゃる!」
そういうと、ケガレシアは馬鹿にするようにゴーオンシルバーのマスクを舌で舐め上げた
「待て!」
その叫びが届くことはなく、2人と2体の姿は忽然と消えた
「クソッ!」
「ただいま戻ったでおじゃる~!」
蛮機族ガイアークの本拠地・ヘルガイユ宮殿
そのエントランスに、上機嫌な声が響き渡った
「お帰りゾヨ~、ケガレシア」
「作戦はどうだったナリか?」
同志であるヨゴシュタインとキタネイダスがケガレシアを出迎える
「オホホホ、見るでおじゃる。ヘドロバンキ!」
「かしこまりぃ~」
ケガレシアが合図を送ると、3人の眼前に2体のヘドロ像が出現した
「おお…!」
「すごいナリ!」
幾度となく煮え湯を飲まされてきた2人が見紛うはずもない
2体のヘドロ像―身体中を掻き毟るような形で固まっているものと助けを求めるように手を伸ばしているもの
どす黒い色のゾレは、紛れもなくゴーオンイエローとゴーオンシルバーのものであった
「ゴーオンジャー何て本気でやればチョチョイのチョイでおじゃる」
誇らしげにケガレシアは言う
「なら早速…木端微塵にしてやるナリ!」
ヨゴシュタインは憎々しげにそういうと、武器・ヨゴシュピアを振り上げた
「待つでおじゃる!」
それをケガレシアが制止する
「…何ナリか?」
止められたことに不服そうにするヨゴシュタインに、ケガレシアが妖しく微笑む
「こ奴らはオブジェとしてここに飾るでおじゃる。敵のわらわ達に晒し物にされるのは、こ奴らにとって死ぬより屈辱的でおじゃる!」
「…」
その提案に、ヨゴシュタインは渋々槍を下ろす
「まあ…ケガレシアの好きにするナリ」
やや不満げではあるが、この功績がケガレシアのものである以上異論はないようだ
「オホホホ…感謝するでおじゃる」
「あ!いいこと思いついたゾヨ、ケガレシア!」
と、キタネイダスがケガレシアに耳打ちする
「それはいい考えにおじゃる!早速頼むでおじゃる!」
そういうとケガレシアは、嬉しそうに自室へと戻って行った
数時間後、2体のヘドロ像はヘルガイユ宮殿のバルコニーに並んで立っていた
ゴーオンイエローとゴーオンシルバー―今はその名が示す鮮やかな黄色や眩い銀色は全く無く、身体中が不快感を催すような黒いヘドロに覆われている
しかし、一点のみ―両者の頭部に、その『所有者』の真っ赤なルージュがべっとりと残っていた
また、2体のヘドロ像は平たい台のようなものに乗せられており、その台にはスイッチが着いている
「オホホホ…」
『所有者』ことケガレシアは上機嫌に笑うと、2つのスイッチを押した
すると、
『スマイル満開!ゴーオンイエロー!』
『キラキラ世界!ゴーオンシルバー!』
2人の女戦士の名乗り口上が流れる
毅然としたその声は、しかし今2体のヘドロ像の哀れさを引き立たせる演出でしかない
「ではキタネイダス、頼むでおじゃる」
「任せるゾヨ!」
合図を受け、キタネイダスが手に持った機械を操作する
「ビックリウムマシン、照射ゾヨ!」
そのアンテナから、2筋の光線が発され、ヘドロ像に向けられる
「これは…!」
ヨゴシュタインが驚きの声を上げる
間もなく部屋の隅にある大型のタンクに、毒々しい緑色の液体が充満する
「やったゾヨ!大成功ゾヨ!」
緑色の液体―それは、活性させることで蛮機獣を巨大化させる『ビックリウムエナジー』
キタネイダスの研究により、ヘドロ像にこの光線を照射することでこのエネルギーを生成することができことが明らかになった
更には、ヘドロ像となった人間の生命エネルギーが強いほど高純度なものが得られる、ということも
「すごいでおじゃる!」
「流石キタネイダスナリ!」
「止すゾヨ、照れるゾヨ!」
かくして楼山早輝と須塔美羽―2人の女戦士の身体は、ガイアークのエネルギー源として利用されることとなった
「ビックリウムマシン、照射!」
尽きることのない二人の生命エネルギーは、ビックリウムエナジーを生み出す半ば永久機関のようなものだ
今日もまた、新たにタンクが充満する
その様子を見て、ケガレシアは満足気にほほ笑んだ
あの無骨なマスクの下であの小生意気で高飛車な娘達の顔が苦悶と恐怖に歪んだ表情のまま固まっていると思うと、ゾクゾクする程の快感を覚える
もはやケガレシアは他のゴーオンジャーの存在など忘れ、毎日2体のヘドロ像を鑑賞していた
(オホホ…わらわに刃向ったことを永遠に後悔するでおじゃる!)
再び台に付けられたスイッチを押す
『スマイル満開!ゴーオンイエロー!』
『キラキラ世界!ゴーオンシルバー!』
可憐で、しかし凛とした声―それはもう、ケガレシアにとって堪らなく愉快なもので
「オホホ…ホホホホ…オーホッホッホッホッホ!」
狂ったような笑い声が、ヘルガイユ宮殿に響き渡った