悪夢!危険なワナ
 
街外れの廃工場で(今村 みく)は、物陰からネジレジアの戦闘員(クネクネ)達の様子を窺っていた。
学校帰りの寄り道の途中でクネクネ達を発見した。いつも他の4人から、普段の生活から戦い方についても
(全く、何も考えていない)と言われ、バカにされ続けていたみくは、誰にも連絡を入れずに追跡を始めた。
「ネジレジアの基地を見つけ出してやるんだから!私の事、もうバカだなんて言わせない!」
その考え方が既に迂闊過ぎる事にも気付かずに、みくは廃工場内までクネクネを追跡していた。
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 今村 みくが学校を休んだ。誰にも連絡が入らなかったが、皆、サボ リだと思って気にも留めなかった。
(城ヶ崎 千里)もその一人だったが、学校の帰り道で不思議な占い師に声を掛けられた。
「そこの貴方。一番の御友達が大変な事になっていますよ。貴方の助けを求めています。」
普段なら無視する所だったが、みくが休んでいた事もあって話を聞いてみる事にした。
「御友達、みくさんだったわね。みくさんは廃工場みたいな所で、2,3人の男に捕まっている様よ。
ああっ・・・乱暴されてしまっているかも知れない・・・・」
そう聞かされた千里は、瞬達3人には知らせずに廃工場に向かった。もし、さっきの話が本 当ならば
みくの為にも、耳には入れられない。みくの気持ちを考えれば絶対に瞬に知られてはいけない。
「インストール!メガレンジャー!」
千里はメガイエローに変身した。私的な使用は禁じられているが、状況が状況だけに仕方が無かった。
用心深くメガイエローは工場内に侵入した。一番奥まで行くと突然全ての扉が閉ざされた。
「ようこそメガイエロー、貴方達の処刑場へ。」
声の方ヘ振返ると、先程の占い師と黒い鳥の姿をしたネジレ獣が悠然と立っていた。
占い師がローブを脱ぎ捨てると青いスーツの幹部(シボ レナ)へと姿を変えた。
「シボ レナ!どうして私がメガイエローだって知ってるの?!」
メガレンジャーの正体はネジレジアには知られていないハズだった。しかし、これがワナだとすると
千里がメガイエローだと知らなければ、仕掛ける事は不可能だ。一体何処から情報が・・・
「知りたければ、コイツを倒してみる事ね・・・カラスネジレ!やれ!」
カラスネジレはメガイエローに襲いかかった。
「くっ、ブレードアーム!!」
メガイエローの腕が光り、ブレードアームが振り下ろされる瞬間、カラスネジレの拳はヒジにヒットした。
振り下ろす力で倍 化されメキッ、という物が潰れる音と共にメガイエローのヒジは破壊された。
「ぐぎゃぁぁぁぁぁ!!ヒジが、ヒジがぁぁぁ!」
砕けたヒジを押さえのたうち回るメガイエローの腕を掴みカラスネジレは捻り上げた。
「もうこんな腕はいらないよな。ウリャ!!」
メキメキメキメキッ、バキッという不気味な音を発して、急速に光を失ったメガイエローの腕は破砕された。
「ウギャァァァァ、ヒギィ、ヒギィ、ヒギィ・・・・・ううっ・・・メ、メガスナイパー!」
破壊されていない片腕でメガスナイパーを撃った。利き腕ではなかったが、この距離なら当るハズだった。
が、避けられた。まるで、メガイエローの動きを読んでいたかの様にまた・・・・
「ムダな抵抗はよせ。苦しむだけだぞ、メガイエロー。いや、(城ヶ崎 千里)。」
そう言い、カラスネジレはメガスナイパーを奪い取り、肩に撃ち続けた。ビームはスーツと千里の体を貫き、
肩部に大穴を開けた。メガイエローは両腕を奪われ、苦痛の為に悲鳴を上げて無様に地面を転げ回った。
「無様だな、メガイエロー。苦しいか?んんっ?」
カラスネジレは思いきり、メガイエローのマスクを踏み付けた。
「ぐあっ!や、やめてぇぇぇぇ・・ぐえぇぇぇぇぇ・・・」
マスクに大きなヒビが入り始め、メガイエローは遂に気を失った。
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メガイエローは大きな装置のある部屋で目 を覚ました。マスクは外されて磔にされ、身体中に激痛が走っていた。
「お目 覚めかしら、メガイエロー。それとも千里ちゃん、って呼んだ方がいいかしら。」
シボ レナがわざとらしく聞いてきた。この状況が余程愉快なのだろう。
「そうだったわ。メガピンクに会いたいんでしょう?(今村 みく)に。」
メガイエローは、その言葉に反応した。メガピンクも捕われている可能性が高かったからだ。
「メガピンクに何をしたの?!」
メガイエローの問いには答えず、シボ レナは冷たく微笑んだ。
「さあ、感動の御対面よ。再会を喜びなさい!」
シボ レナの言葉と共に大きな装置が左右に開いた。中を見たメガイエローは驚愕した。
メガピンクがそこにいた。が、スーツはピンク色の表面層を生皮を剥がされた様に全て剥ぎ取られ、
内部の基盤や動力コードなどが、まるで人体標本 の様に剥き出しになっていた。マスクも外装部が全て外され、
医療用のヘッドギアの様にされ、マスク内の装置にはコードが接 続され、情報を引き摺り出し続けていた。 
その奥の(今村 みく)の瞼はテープで固定され、白目 を剥いてブツブツと何か呟いてる。
(それ)はもう(メガピンク)では無くなっていた。スクラップになった(メガピンク)と(今村 みく)の残骸だった
「ああっ・・・・酷い・・・・みく・・・ゴメンなさい・・救えなかった・・・・」
おそらく、ボ ロボ ロにされ、スーツの接 続を切られずに表面層を剥ぎ取られたのだろう。きっと皮膚を引き剥がす様な
苦しみだったに違いない。
「メガピンクから、お前達の情報は全て戴いた。各個人の戦闘パターンや本 名もね。」
「・・・シボ レナ!許さない!絶対にネジレジアを許さない!必ず倒してやる!」
メガイエローは怒 りに燃えていた。みくは本 当の友達で、戦友だった。それをあんな姿に・・・
「許さない?貴女、自分の状況が分っている?フフフッ、貴女はこれからモルモットになって貰うのよ。」
磔にされたメガイエローの左右にアンテナの幾つも付いた装置が移 動して来た。
「そのスーツ、どの位まで電磁波に耐えられるか、調査しないと。上手くいけば残りのメガレンジャーもおしまいね。」
瞬間、高出力の電磁波がメガイエローに照射された。マスクやスーツの液晶や装置が破裂した。
「ウギャアァァァァァ!やめてぇぇぇぇ!スーツが爆発しちゃう!う、うあぁぁぁぁぁ!」
身体中で爆発を起こしながらメガイエローは磔台で苦痛に身悶えていた。やがて、肩の傷口の血が沸騰し始めた。
「ギャアァァァァァァ!身体がぁ、身体が、弾けるぅぅぅぅ!血が、血がぁぁぁぁ!御願いぃぃぃぃ、助けてぇぇぇぇぇ!」
やがて全身の血管が弾け、メガイエローの口からは、絶叫と泡立った血液が溢れ出ていた。
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デジ研の部室に集まった健太たちは、なかなか現れない千里を待っていた。
待ちくたびれた健太は木に群がったカラスに石を投げ始めた。やがて瞬も投げ始め二人一緒にカラスに命中した。
一斉にカラスが飛び立ち、健太たちは(それ)を見てしまった。
木に吊るされて、レモン色のスーツを血塗れにして、その肉をカラスについばまれたメガイエローと
(ピンク)では無くなったメガピンクの悲惨な最期を・・・・・