怒りとグクツ
信じていたフラビージョに騙されて(怒 り:500%)の七海は、マゲラパッパ達を瞬殺するとフラビージョ達と対峙した。ハリケンレッドとハリケンイエローは既にフラビジェンヌに倒されていた。自分の所為で仲間が・・・・
七海はハリケンブルーに変身し、二人を倒したフラビジェンヌに怒
りの一撃を放った!
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ハリケンブルーの一撃を受け爆発を起こしながらフラビジェンヌが倒れた。
「次はオマエの番よ!フラビージョ!信じてたのに・・・絶対に許さない!」
ハヤテ丸を構え、ハリケンブルーはフラビージョに言った。全身から怒りが噴き出している様だった。
「騙される方がバカなのよ。おかげでアタシはこのコントローラーが手に入ったけどね。」
フラビージョはまったく悪びれる様子もなかった。この圧倒的に不利な状況であるにも関わらず、何か妙な自信に溢れていた。冷静であれば気付いただろうが、怒り心頭の今のハリケンブルーはその事に気付いていなかった。
「許せない!ハヤテ丸、乱モード!ハアッ!・・・・えっ?!」
ハヤテ丸を上段に構えたハリケンブルーは、突然、気の抜けた声を上げた。右の太腿部に何か冷たい感覚が走ったからだった。見るとシルバーのインナースーツに包まれた七海の太腿部を太いヤリが貫通していた。すぐにソレは焼ける様な痛みに変わった。後ろからヤリが引き抜かれ、ハリケンブルーはフトモモから血を流し地面にヒザを付いた。
「キャアァァァァァ!い、痛いぃぃぃ!何?!何が一体?ウアァァァァァ!!」
悲鳴を上げ、ハリケンブルーが振り返ると、そこには倒したハズのフラビジェンヌが血の滴るヤリを持って立っていた。
「そ、そんな!確かに倒したハズ・・・・どうして?なんで?!」
「おバカさん。念の為に装甲をチョットだけ厚くしておいてよかった。それに頭に血が上ったクノイチなんて怖くも無いわよ。」
フラビジェンヌは用心深さも思慮深さもフラビージョの300倍
だった様だ。最初の一撃をワザと受け、油断させて致命傷を与える。俊敏ささえ封じれば、非力なハリケンブルーなど簡単に倒せる。フラビジェンヌは右足を庇いながら立ちあがったハリケンブルーの周りを8の字に回り始めた。みるみるスピードが上がってゆき、すぐに目で追えなくなった。
「え~い。暗黒一の槍様ゆずりの8の字さっぽ~。」
妙に明るい声と共にハリケンブルーの身体から火花が上がり、スーツごとメッタ切りにされ始めた。
ドカッ!バシュ!バシュ!バンッ!
「きゃあ!うああっ!うああっ!きゃあぁぁぁぁ!うあっ!ぐあっ、い、いやぁぁぁぁぁ・・・・・」
あまりのスピードに倒れる事もできず、為すがままに切られ続けた。シノビスーツは白煙を上げていたが衝撃に耐え、スーツは七海の身体を守り切った。しかし、ダメージはかなりの物で、特に突き破られた太腿部の傷は更に拡がり右脚は血塗れになっていた。
「あら~?思ったより、丈夫なのね~。でも~、これならどうかしら?」
ダメージを受け倒れて動けないハリケンブルーをフラビジェンヌが2本の長い棒の様な物を向けながら言った。
「は~い!いっもむっしさ~ん!キャハハハッ!えいっ!えいっ!えいっ!」
「ぎゃあ!ぐふっ!うあっ!ヒイッ!や、やめてっ!ヒイッ!ヒイッ!ヤメテッ、ヤメテェ!」
フラビジェンヌはレットとイエローから奪ったハヤテ丸をガンモードにしてハリケンブルーの身体に射ち込んでいった。やはり、残虐性も300%だった。七海を守り続けたシノビスーツも、その力には敵わず、次々と爆発を起こし破壊されていった。自分達の力で自分の身体を破壊されていった。白煙が止んだ時、ブルーのスーツは焦げた穴が何ヶ所も開き、インナースーツが覗いていた。マスクにも幾つか弾痕がつき、ショックで七海は気を失っていた。
「あら~?寝てないで、起きてちょ~だい!起きて、起きて。もしも~し?チィッ!起きろって言ってるんだよ!オラッ!」
突然、態度が一変し、キレたフラビジェンヌは踏付け始めた。ギャッ、と言う声を上げハリケンブルーの頭部はどんどん地面にめり込んでいった。1/3ほど埋まった所で七海が弱々しく声を上げた。
「・・・うあぁぁぁ・・・やめてぇ・・・ううっ・・・痛いよぅ・・・」
うめくハリケンブルーを無理矢理立たせると、今度は二刀流でシノビスーツを切り裂き始めた。いとも簡単にスーツは切れた。
「ハリケンブルーを細切れにしてやる!野乃 七海!オマエはタダの落ちこぼれのクノイチに戻るんだよ!」
ハリケンブルーもハヤテ丸を構えるが、フラビジェンヌの太刀筋がまったく見えない。なんとか防ぐだけで精一杯だった。しかし、確実にハリケンブルーは追い詰められていった。一本、二本 と着実に切り裂かれていった。
「この技で殺してやる!死ね、ハリケンブルー!激流斬!」
「う、嘘!そんな事って・・・ウギャアァァァァァァ・・・・・・」
フラビジェンヌにスーツごと身体を切り裂かれながら、七海は悲鳴を上げた。青いシノビスーツは自分が最高のニンジャである、という心の拠り所だった。落ちこぼ れの自分を伝説のニンジャにしてくれる、そのスーツがズタズタに切り裂かれる。しかも、水忍、最強の技で。ハリケンブルーはジワジワと死に始めていた・・・・
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ハリケンブルーは磔にされていた。シノビスーツはズタズタに切り裂かれて、インナースーツも血塗れだった。ベルトのエネルギー装置は、スカートごとむしり取られ、既にただの布と変わらなかった。ハリケンジャイロは腕ごとフラビジェンヌに握り潰されて手首がメチャメチャになっていた。
「・・・・ううっ・・・助けてぇ・・・お願い・・・・もう・・・許してぇぇぇ・・・・」
悲惨な姿にされたハリケンブルーは、命乞いを始めた。七海は完全にフラビジェンヌに敗北した。策も、技も、全てにおいてハリケンブルーを圧倒していた。もう既に伝説のニンジャは死に、そこにいるのは落ちこぼれのクノイチ(野乃 七海)がいるだけだった。
フラビジェンヌはハリケンジャー達から奪ったハリケンガジェットを合体させ、クエイクガジェットを完成させた。超重量弾を打ち出すタイプだった。
「も~ワタシ、飽きちゃった~。バイバ~イ、ハリケンブルー。精々、苦しんで死んでね。ウフフッ。」
そういうと、クエイクガジェットを七海に向って発射した。超重量弾が磔にされた七海の上に落下し、その身体を地中に沈めていった。
「ぐがぁぁぁぁ!か、身体がぁぁぁ・・潰れるぅぅぅ・・ウギャァァァァ・・・・」
ベキベキベキ、ブチブチブチッと不気味な音を立てボロボ ロのシノビスーツとブルーのマスクは装着者ごと地中で潰れていった。