白虎2


2001年○月3日
冴「ん…」
目を覚ました。ここは自分の部屋のベッドだった。
時間が経つにつれ、寝ぼけてボーっとしていた頭が晴れ、昨日のことを思い出し、、
冴「あ…あっ…」
ボケーッとしていた顔が見る見る引き攣る。
そう昨日、男たちに襲われ、、廃ビルにさらわれ、、押し倒され、、裸にひん剥かれ、、必死にもがいて泣いて、、容赦なく殴られ、、そして、男の大きなペニスを、、
冴「いやあっ!!!」
ペニスの光景を思い出したところで、冴はたまりかねて悲鳴を上げ、頭を抱えベッドに丸まってしまう。
もう何も思い出したくない!
しかし、記憶はどんどん頭の中を駆け巡る。
あの後どうなったのだろう、自分は結局殴られて気絶してしまい、その後のことは分からない。
自分の股間に痛みがないことから、処女を喪失していないことは確かだ。
少し安心した。
けど、どうせいやらしい事をされたに違いない。
屈辱に顔を赤らめ、涙を浮かべる。
冴(どうしてあたしが、、こんな…ひどいっ!)
しばらく冴は布団に顔を押し付け泣き咽ぶ。
…やがて落ち着いて、冷静になった頭で疑問を感じる。
しかしなぜ自分の処女が守られたのか、自分は確かにあの時気絶していた。
想像したくもないが、男たちにとっては好きに自分を嬲り者にできたはずなのだ。
それがなぜ、、しかもちゃんとベッドでパジャマまで着て寝ていたし。
冴「ひょっとして、、夢だったのかな…」
そんなはずはない、、痛みも感触もすべて鮮明に記憶にある。
しかしそう思ってしまう、いやそう思いたかった。
と、その時、外が少し騒がしいことに気づいた。
何だろうと、窓から見てみる。
すると、少し遠めの廃墟の周りが騒がしいことが分かった。
冴(パトカーが、、あそこは…! あたしが、、乱暴された、とこだわ…)
何かあったのだ、いったい何が?
確かめようとも、体が委縮してしまい、とても行こうと思えない。
昨日の事がフラッシュバックされてしまうのだ。
やはりあれは夢じゃなかった、、と淡い希望がつぶれた…。
不甲斐ないながらも、冴は逃げるようにガオズロックに向かう。

ガオズロックでは、皆何か深刻に話し込んでいた。
仲間は冴に気付き、
青「あ、ホワイト。おはよう!」
昨日遊園地に連れて行ってくれたブルー。
あの時は自分もただ楽しかった…。けどそのすぐ後、自分は…。
とても目を合わせられない冴。伏し目がちに
冴「お、おはよう…。」
青「? 何だ、元気ないな。どうしたんだ?」
思わずドキッとしてしまう冴。何とか笑顔で
冴「う、ううん。何でもない、よ。そ、それよりっ、皆、何話してたの?」
うまく話をそらした冴。
とても言えるわけがない。自分は乱暴されてしまった、など。
黒「ホワイト。お前も聞いたか? あの猟奇殺人事件。」
冴「え? な、なあに? それ…。」
ドキッとしながらも冴は何とか平静を装って聞き返した。
ニュースも見ないのかお子ちゃまは、とイエロー。
ムウッと頬を膨らます冴。
すかさずレッドが説明する。
それを聞いて冴は驚きを隠せない。
何と、昨日冴が乱暴された廃ビルであの5人の男が惨殺されたのだ。
死体の一部は焦げバラバラで血の海という、とても異常な状態だったという。。
冴(そんな、、そんな、あの場所で、、あの先輩たちが、、殺されたなんて…。どうして?、、どういうこと、なの??)
完全に頭が混乱してしまった冴。
その様子におかしく思ったブルーが心配そうな目を向けるが、冴にはそれに気づく余裕もなかった。
と、イエローが、、
黄「ホワイトォ!!」
冴「きゃっ!!」
耳元で大声で呼ばれ、びっくりする冴。思わずムッとして
冴「な、なによぉ!?」
黄「さっきから呼んでるだろうが。何ぼーっとしてるんだよ。まだ寝てるのか?」
冴「あ、、(しまった…思わず。)な、何でもないわよ。」
自分の動揺を気付かれたんじゃないかと冷や冷やして、何とか気丈に応対する。
黒「まったくこれだから子供は…。」
と、いつも通りからかわれる始末。
そして解散になった。今日も自宅に帰ることにした冴。
どうしてもあの現場が気になるのだ。
そこへ、さっきから心配そうに冴を見ていたブルーが来た。
青(あの殺人現場は冴の自宅と近い。まさかあの後何かあったんじゃ…。あの予感はもしかして…。)
ブルーが冴に話しかける。
青「なあ、お前今日様子が変だったぞ。どうしたんだ? 何かあったんじゃないか?」
と優しく気遣い話しかける。そんな優しいブルーに、
実は・・・そうすべてを打ち明けて泣きすがりたい冴。
あんな酷い事をされてしまったのだ。
彼女の小さい体と心は、もう押しつぶされそうでたまらないのだ。
しかし言うわけにはいかない。
花も恥じらう年頃の女の子にとって、性的に乱暴されたことを打ち明けることは極めてつらく恥ずかしく、死んでもできないことなのだ。
そう、誰にも言えるはずがないのだ。
冴は必死に泣きそうになる自分を抑え、
冴「ううん。何でもないよ。もう、心配性なんだからブルーは。」
と笑顔を作って答える。
そして「帰るね」、とその場から逃げた。
冴(ごめんねブルー。心配してくれて、とてもうれしいよ。けど、言えないの…絶対に。ごめんなさい!)

・・・そして家路に就く冴。
まだ怖い、、けど行かなきゃっ!
口をキュッと結んで覚悟を決め、現場に行く冴。
近づくにつれ、昨日の出来事がどんどんフラッシュバックされていく。
現場に着いたころは、体はすっかり震えてしまっていた。
現場は警察により管理され立ち入り禁止になっていて、周りにはまだ何人か野次馬がいた。
とても入れそうにない…、帰ろう、諦めて家に帰る事にした。
と、後ろに人の気配が。全く気付かなかった。
驚愕で身が凍る思いがする冴。
そして、突然耳元で、
男「昨日のこと、全部知ってるよ。大河冴ちゃん。」
冴「…!!!」
驚きに目を見開いた。
誰?後ろを振り返ろうと、しかしすかさず。
男「しっ。動くな、大人しくしてろ。言うことを聞かなかったら、刑事さんに昨日君がそこにいた事をばらすぞ。乱暴されたこともな。」
冴「あ…。」
もう駄目だ。すべて知られている。
体の力が抜け、抵抗する前に抵抗する気力を奪われてしまった。
その男はさらに、
男「いやだろう? さあ、そのまま大人しく左に歩くんだ。」
どうしようかと何とか逃れる術を考えようとしたが、昨日の乱暴でただでさえ動揺しており、その上急な脅迫で冴はすっかり混乱してしまい、冷静な考えができない。さらに、
男「早くしろ。バラされたいか?」
考える隙を与えず脅迫してせかす為、冴は悔しくも大人しく左に歩く。
警察が目の前にいるこの状況の中、後ろの男は恐ろしく冷静に冴を脅迫し、さらに現場から連れ去ろうとする。
その男の周到さ狡猾さに冴は怯え慄きながら歩く。
すぐ後ろに男がついて歩く。
誰なのか、振り返ってせめて顔を確認しようか。
いや、これだけうまく脅迫されているこの状況下、下手な動きは見せない方がいい。
それほどこの男に対し静かなそれでいてとても大きな畏怖がするのだ。
あっという間に自分の間合いに入られたのだ。
それだけでも、自分より格上だと思い知る。
その後も、男は静かに冴に指示し町を歩かせる。
そして、ある建物に入らせる。
不安がさらに増し、足を止め戸惑う冴。
しかしすかさず後ろの男は再度脅しをかけ、進ませる。
地下への階段、、冴の顔が恐怖に引き攣り体が震える。
やがて、ある地下室に入る。
後ろで扉が閉まり、ガチャリと鍵が閉まる。
分厚い扉が閉められ、使われてないだろう部屋に二人きりになった。
男「声を上げても無駄だぞ。外までは届かない。」
こんなところに連れ込まれて、一体…。
不安と恐怖が冴の心を支配する。
冴(鍵までかけて閉じ込めて、、あたしを、どうするつもりなの…?)
部屋の中央に震えて立ち尽くす冴の前に男は回り、冴と男の目が合う。
男は20代中頃だろうか、180cmはありそうな大きな体にラフな服装で、笑みを浮かべて小柄な冴を見下ろしていた。
その視線に冴は怯えを見せ、思わず片手で胸を庇う仕草をする。
そんな仕草が何とも可愛らしい。
気丈にならなきゃ、と冴は自分を奮い立たせ、キッと男を睨んで見上げる。
そんな健気な小さな少女にフッと笑いながら、男はデジカメを取り出し、冴の目の前にかざした。
冴「きゃっ!!!!」
それを見た冴は思わず悲鳴を上げ目を覆う。
何と、昨日自分を襲った男たちの、無残にバラバラにされた惨殺死体の写真だった。
冴はガタガタと身を震わせる。
その写真の無残な光景に、そしてそんな写真を淡々と見せてくるこの脅迫者に。
さらに冴は思いつく。先輩たちを殺したのはこの男なんじゃないかと。
恐る恐る冴は聞く。
冴「あんた、、一体、何者なの?」
男はニヤけていた顔を消し、無表情になって部屋の隅にあるTVに向かいリモコンを操作した。
その様子に冴は不安がるが、気丈な顔を保って黙って見つめる。
と、画面が映り、それを見た冴は息がつまりそうな思いだった。
何とそれは昨日の冴の男たちによる乱暴の映像だった。思わず悲鳴を上げる。
冴「いやあぁっ!!!」
TVから容赦なく冴の乱暴されて抵抗するときのくぐもった悲鳴が聞こえる。
映像はとても鮮明で、冴の表情や裸体が至近距離で映っており、思わず冴は
冴「いやっ!! やめてぇー!!!」
と目を伏せ耳を覆うが、すかさず男が冴の後ろに回り込み、冴のか細い手首を掴み後ろ手に極めた。
冴「いやっ、はなして! あうっ」
男は必死にもがく冴の両手を、片手で後ろ手に極めたまま、もう片手で冴の顎を掴み、画面を見させた。
やはり只者ではない、、空手の使い手である冴が、捕まえられた手首を振りほどこうとしても、男はその力と技で、彼女の抵抗をうまく無効化して捕らえていた。
その力は容赦なく、後ろ手も顎も、びくとも動かせない。
さらに男は冴を捕らえたまま冴を押し、嫌がる冴をTVの目の前まで連れて行った。
自分の惨めな姿がありありと鮮明に映っている。顔まで…。
冴「いやっ…!」
思わず目を瞑り逸らす。それを見た男は。
男「生意気な事を言える立場じゃないって分ったかい? ガオホワイトちゃん。」
冴「…っ」
後ろから冴の顔を覗き込み、顎を掴んだ手で冴の顔を無理やり自分に向けさせた。
冴は何も答えず、口惜しそうな表情をする。
冴「うっ…」
また男は冴の顔を画面に向ける。
羞恥と悔しさに冴の顔は真っ赤に染まり、目に涙を浮かべる。
と、後ろから男が冴の耳たぶを舐めた。
冴「ひゃあっ!」
生々しい男の舌の感触だ。
だが初めてじゃない。昨日乱暴された時、男たちに体中を舐めまわされた。
あの感触が蘇ってくる。
男はわざと思い出させるようにやっているのだろう。
自分を辱めるために、そして自分の立場を分からせるために、、。
後ろ手に極められ顔を固定された状態では、男の舌から逃れる術はない。
そんな冴の耳を男は丹念に執拗に舐ぶる。
冴「ひゃ、、あぁ…あああ…」
耳の蹂躙に冴は悲鳴を抑えきれず、悲痛な顔で我慢していた。
そんな冴の様子に男は満足して耳を解放し、ホッと安心した冴の耳に最後に息を吹きかけた。
冴「ひああっ!」
解放されたと思って油断したところに一発、冴はビクンと大きくリアクションをした。。
遊ばれていることに冴は屈辱がするが、それ以上に今のこの性的に弄ばれている状況に頭が混乱してしまっている。
もう冷静な判断ができない状態だ。
男「(ふふ、、まだまだウブだな。ちょっといやらしい事をしたらすぐに動揺しちまうなんてな。可愛い娘だ。)さて、自分の立場が分かったかな? 冴ちゃん。」
ヒックと小さい嗚咽を漏らす冴の耳元に男は口をくっ付けて息を吹きつけながら囁く。
男の愛撫に動揺している冴は答えられない。すると男が再度囁く。
男「分かったのか? 分からないのか?」
冴「グスッ、、分かった…ひゃっ、ああああ!!」
掠れた声で何とか返事をする冴の耳に、男の舌が容赦なく襲う。
男「頭の悪いガキだな。俺がその気になれば、昨日のことを公表できるんだぞ! 口のきき方に注意しろ!」
冴「や、、やめ、て…。」
まだ続く耳の蹂躙に冴は懇願する、だが男は無情にも、
男「分かったのか? 答えろ!」
冴「ひうっ…わか、、りました…っ。」
そう言った途端、男の耳への蹂躙が止んだ。
男「いい子だ。」
やっと冴の体を離す。
冴は崩れるように床に膝を落とした。
あれほどの蹂躙だ、まだウブな冴には相当辛い。
TVはいつの間にか終わっていた。
男「昨日お前が気絶した後のこと、教えてやるよ。」
その言葉に冴は俯いていた顔を上げて男を見る。
「ニャー」
そこに、1匹の小さな猫が現れた。振り返る冴。
だが男は話を始め、冴は男の方に向き直す。
男「お前が気絶した後、俺はやつらにこのビームを浴びせたんだ。」
男は素早くビームを冴に向けて発射した。
冴は心臓が止まる思いだった。
だがビームは冴の長い黒髪をかすめ後ろに、
「ニギャッ!!」
後ろから鈍い声が、まさかっ!
あわてて振り返る冴。そこにはビームで無残に焼かれバラバラになった猫が。。
冴「いやあああああーー!!!!!」
あの小さな猫が、あんな無残な姿に…。
男のあまりにひどい行為と光景に、冴は泣き崩れてしまった。
冴「ううっ、、ぐすっ…ひ、ひどい…うぇ、、なんて、、酷い事を…!」
だがそんな冴の顎に男は無情に指をかけ、
冴「うぅっ…!」
無理やり上向かせ、涙をぼろぼろ流している冴は、恐怖と悔しさと怒りの混じった目で男を見る。
男「いい目だ。」
冴「くっ、うぅ…!」
悔しげに唸り、男を睨む。
と、男が静かに。
男「お前の恥ずかしい姿を、ばらしてもいいのか?」
ことさら大げさに言うと、冴はすぐにまた怯えが戻り、目を泳がせてしまう。
男「さっきの話の続きだ。」
冴「…っ!」
淡々と話しを再開しようとする男に、冴は憤るが、下手な事はもうできない。
黙って話を聞く。
男「さっきのビームでやつらを殺して、気絶したお前を家まで送り届けたんだ。引き千切られてたお前の衣服や下着はちゃんと回収してやった。感謝しろ。」
などと勝手な言い分をする。
昨日のことがやっと明らかになった。さらに男は続ける。
男「お前が気絶してくれたのは幸いだったよ。昨日俺を見られずに済んで、それによって今日のような至高のシチュエーションもできたしな。」
冴(あたしを脅して、、怖がるあたしを愉しんで…っ! それが至高だなんて…!)
この男にとてつもない脅威・恐怖を感じる。
あんな残虐なことを平然とやる人間なのだ。
そんな人間に捕まってしまった自分はこれからどうなってしまうのか…そんなこと、考えることすら心が拒む。
男は摘んでいた冴の顎を乱暴に離し、憤る冴を無視してポケットから何かを取り出す。
またデジカメだ。それを操作し始める、何だろうか。
さっきのエグい写真を思い出し、気丈に睨みながらも、怯えを隠せない冴。
そしてもう片手で再び冴の顎を乱暴に摘む。
冴「くっ…!」
屈辱な冴の目の前にデジカメの画面を晒し、それを見た冴は驚き青ざめる。
冴「あ、、ああぁ…」
昨日の乱暴の様子がたくさん写真に撮られていた。
冴の裸や表情まで、事細かに。
男「おっと。これを取ろうとしても無駄だぞ。データはもうPCに移した。何千枚でも、何万枚でも作れるぜ。」
それを聞いた冴は、絶望感からへなへなと体の力が抜けて行った。
冴「そ、、そんな…(もう駄目、、あたし、助からない。こいつに、逆らえない…。)」
男「おれが何が言いたいか、分かるよな? 俺はもうお前の住所は知っている。お前の家に入った際にもうお前の連絡先も携帯の中の電話帳も控えさせてもらった、全員分な。」
さらに冴は絶望感が増していく。
男「お前が少しでも俺に逆らったら、お前の恥ずかしい写真・映像がお前の知り合い全員に知れ渡ることになる。」
冴「…!(いや、、そんなの、、いやだ!)」
男は冴の表情を愉しみながら顎に添えていた指でいやらしく顎筋や頬や唇を撫で、ゆっくりと囁く。
冴は当然嫌がって男の指から避けるが、男はそれでも執拗に冴を愛撫し、話を続ける。
男「お前のパパやママや、お友達、お仲間。それにその年頃だ、気になっている男の子もいるんだろう? 大事な人間すべてにお前の痴態を知られたら、みんなどう思うだろうな。」
見る見る冴の顔が青ざめていく。
男「みんな引くだろうな。そして汚らわしいものでも見るような眼をお前に向けるようになるぞ。信頼して安心しきっていた大事な人間にだ。そうなったら、お前は一人ぼっちになっちまう。」
いやな事を長々と具体的にねちっこく囁き、冴は絶望感いっぱいの表情になっていく。
冴「ぃゃ…いや…」
もう少しだな…体を震わせ否定の言葉を呟く冴に、男は確かな手ごたえを感じていた。
男「やがてみんなお前から離れ、それだけじゃない。お前に向かってこう言うんだ。汚い!変態!淫乱!とな。お前はもう…」
冴「いっ、いやあーー!! やめてぇーー!!!」
たまりかねて冴は叫ぶ。そのまま嗚咽を漏らす。
男(堕ちたな。)
冴「うぅっ…何でも、言うこと、、聞くから…。だからお願い…やめてぇ…。」
嗚咽を漏らしそう言った冴はとうとう泣いてしまった。
無理もない。まだ冴は年端のいかない少女だ。
戦士としては一流でも、女としてはまだまだ未熟な冴は、性の事に関してはか弱い女の子だ。
男はそこを見抜き、女として容赦なく冴を責め、落とした。
目の前で膝を落として俯いて泣き咽る少女を、愉悦の表情で眺めながら、彼女のサラサラな黒髪の感触を愉しむように頭を撫でる。
…やがて、泣いて、少し落ち着きを取り戻してきた冴。
戦士としての気高い強さに奮い立たされる。
負けたくない…涙に濡れた瞳で男を気丈に見上げ、
冴「(このままこいつの思うままにされるなんて、絶対にいやっ!)…けど卑怯よ。自分よりはるか年下の、ティーンの女の子を従わせるために、脅かしたり、そんな汚い手しか使えないなんて…。」
男「ほう」
だが男は、指で彼女の顎をしゃくり、そんな冴の反抗に余裕で答える。
そんな余裕綽々の態度に冴は憤りながらもさらに反抗を続ける。
冴「そんなにあたしを従わせたいなら、力づくですればいいじゃない!」
男の愛撫から顔を逸らし、、悲痛な面持ちで屈辱を払拭するように男に向い吠える。
一体男がこの後どう出るか、全く分からない冴は、それに怯えながらも気丈に男を睨む。
男「じゃあ無理やり犯すとしよう、君の希望通りにね。」
冴「えっ…!? きゃっ!!」
すかさず男が冴の小さい体を押し倒し、手首を捕まえ馬乗りになった。
あまりの男の素早さに、冴は正に抵抗する暇すらなかった。
そして冴を仰向けで捕らえた男は、そのまま冴に覆いかぶさり、
冴「いっ…いやぁあーーー!!!」
唇を奪おうと、男の顔が冴の顔に接近する。
もがいてもびくともせず、恐怖のあまり悲鳴を上げる。
覚悟をきめて冴は口をキュッと結んで目を閉じた。
だが、何もない。恐る恐る目を見開く冴。
冴「?…ひ…っ!!」
あまりの至近距離に驚いた。
男は冴を至近距離で見つめていた。
鼻同士がくっつき、唇同士はかろうじて触れていなかったが、もはやその体温すら感じ取れるほどギリギリの至近距離で男は顔を止めていた。
冴はショックと恐怖で体が震える。
しばらくその状態が少し続く。
男の冷酷な鋭い眼と、冴の涙に潤んだクリッとした大きい瞳が合う。
いきなりの恐怖から、沈黙。。
冴はショックからボロボロと涙を流す。
そんな様子を見て男が口を開く。
男「分かったかい? 無理やりすればいい、と言っておきながらお前はこの様だ。」
冴「う…っ…ぅ…!」
嗚咽を漏らす冴。さらに男は続ける。
男「こんな事はいやなんだろ? だったら無理に意地を張る必要はない。大人しく俺に従うんだ。」
冴「あたし…脅されるのもいやよっ…!!」
馬乗りにされ至近距離から見つめられ唇同士が触れるか触れないかの絶妙な状況に怯えながら、冴は涙声で気丈に返す。
もう冴は泣いてしまい、それにため息をつく男。
男はさらに何と、冴の流れる涙を、いやらしく唇で吸い取った。
冴「いやっ!!やだっ!!」
嫌悪に思わず冴は体を痙攣させ、目元に感じる舌と唇の感触に嫌悪感と羞恥いっぱいに悲鳴を上げる。
必死に逃れようと顔を動かす冴にも男は巧妙に舌・唇を的確に冴の顔に当て、愛撫していった。
しつこく愛撫し、やがて疲れて抵抗を諦めた冴に満足し、顔を離し、体も解放した。
冴は羞恥と屈辱に顔を赤らめ、体をかばうように腕で抱き男から恐る恐る離れようとする。
いちいち反応が可愛らしい、男は真にそう思った。
男は素早く冴に近寄り後ろに回り、驚き動揺する冴を後ろから抱きかかえ、捕まえた。
冴「きゃあぁっ!!」
嫌がって悲鳴を上げ抵抗するが、最初よりももう力は弱々しい。反応も鈍くなっている。
まあ、これほどの濃密な辱めは幼い身じゃとてもきついだろう、、仕方のない事だ。
最後に男は無理やり抱き寄せた冴に念を押すように後ろから耳元で囁く。
男「いいか。お前の恥ずかしい写真と映像、これをばらまかれたくなかったら、これからは俺に大人しく従うんだ。お前の住所も連絡先も、電話帳も手中にあるんだからな。分かってるな。それと、お仲間に駆け込むのはやめろよ。すぐさまばらしてやるからな。ずっと監視していることを、忘れるなよ。」
確かにそうだ。最初に接触してきたとき、いやにタイミングが良かった。
自分の行動を見ていなければできない業だ。
とても信じられないし、信じたくもないが、信じるしかない。
男に抱きすくめられた冴は、絶望にがくりと首をうなだれる。
男「いい香りだ。」
冴「!…っ」
冴を抱きしめ、きれいなストレートロングの黒髪の感触と匂いを堪能しながら、男は満足げに言う。
男「小さい胸だ。まだまだ魅力に欠けるな、お嬢ちゃん。」
自分への侮辱に何も言い返せない。
当たっているだけに、悔しい思いをしながらも、冴は大人しく我慢するしかない。
そして駄目押しとして、
男「お前は俺の奴隷だ。分かったか?」
冴「ぅ…っ!」
奴隷…屈辱的な単語を自分に課され、絶望に涙を流す冴。
だが冷酷にもそんな冴に男は
男「返事しろっつってんだろ!!」
と、耳元で荒々しく大声を出す。
その迫力に冴はすっかり竦み上がってしまい、
冴「わ、分かりました…。」
敬語で答える。自分は従わされている身なのだと、重々と思い知った。
男は冴の死角で、こっそりとポケットからハンカチを取り出し、
それを冴に気づかれぬよう、冴を抱きしめたまま構え、
男「またすぐに連絡してやるからな。これからが楽しみだ、ククク」
冴「な…っ!…んっ!?」
不安をいっぱい与え驚かせたところで、素早くハンカチで冴の鼻と口を塞ぎ、
冴「んむっ! んっ…~~」
驚きもがく冴をものともせず冴の鼻と口を押さえ薬を嗅がせ続ける。
やがて冴の動きが緩慢になり、目がトローンとし、
冴「む…ん…。」
冴は男の腕の中でスヤスヤと眠りに落ちた。
そんな冴の愛らしい寝顔を見ながら、男は囁く。
男「おやすみ。チュッ」
冴の頬に口付けをし、頬の弾力のあるスベスベな感触に満足し、その場から立ち去る。
後には、そこで眠る冴が一人残される。
薬はエーテルなので、すぐに目を覚ますだろう。

…そして3時間ほど経っただろうか、冴が目を覚ました。
冴「ん…うっ!」
頭がズキッと痛む。薬を嗅がされた影響だ。
冴「ここは…。あたし、、確か…。!…あ、、あああ!」
眠らされる前のことを思い出した。
乱暴されたことをすべて知られ、ここに連れてこられ、人を惨殺した酷い怖い男で、そんな男に脅されて、、、
冴「うっ…ふっ、うぅ、、えっ、ぅええ~~!!」
恐怖、屈辱、羞恥、さらに今後への不安恐怖…様々な感情が小さな体を駆け巡り、耐え切れず子供みたいに泣いてしまった。
少し前までは、そうブルーと遊園地に行っていた時までは、敵と戦う厳しい状況だったが幸せな生活だった。
それがたった1日で…。
どうしてこんなことに、、今後自分は何をされるのか、どうなってしまうのか…怖くて仕方ない。
その後泣きはらした虚ろな目で、家路に就いた。