序染:オワリノハジマリ

※この話は、「時を越えし復讐」の序章という設定の、おまけ的な読み切り短編です。


「はあ、、はあ、、はあ、、はあ、、」
どこからか、苦しそうな悲痛な息を吐いている音が聞こえる。
どこか、誰か、、何も見えない。。
真っ暗な暗闇の中…すべてを飲み込む様な闇だ。
そこに、瀕死の重傷を負った一人の男がいた。
この男は、傷の痛みに苦しそうに息をしながら、、その眼はとても強く、憎悪でいっぱいだった。
「許せねえ、、絶対に…!」
自分をこんな目にあわせた者へ、恨み事を吐く。
彼は、ロンダーズの一人、アベルだった。
先日タイムレンジャーと戦い、敗れたのだ。
アベルはインターシティ警察の元捜査官でユウリの同僚だった。
「タイムレンジャーめ…! ユウリ…!」
ユウリはとてもきれいで、彼にとってはマドンナのような存在だ。
彼は長きに渡ってユウリをストーカーしてきた。
ユウリに対し異常な執着心と、悪意の混じった好意を持っていた。
先日、2000年の地球に行った彼は、そこでタイムピンクとして働く彼女に近づいた。
彼女の攻撃を易々と抑え、捕らえて暗殺者にしようとした。
だが、タイムレンジャーの仲間の助けもあり、それは失敗となった。
それだけではなく、彼らによって返り討ちにあい、負けてしまった。
彼は何とか重傷の体で地球を逃げ出し、ここに来たのだ。
重傷の身で無理して大移動して逃げたため、傷が酷くなってしまった。
ここは地球ではない、ロンダーズが支配するある星の一つだった。
もはや誰にも使用されていないプラントに逃げ込み、ひどい傷に苦しんでいた。
ロンダーズの元に行けば、、だが彼のプライドが許せなかった。
タイムレンジャーに大敗し、重傷を負った。
こんな惨めな姿で帰りたくない。
せめてもう少し傷が癒えるまではここに…そう思った。
ここで安静にして傷を自分で癒している最中、アベルは考える。
どうしてもこのままで終わらせたくない。
「タイムレンジャーめ、許さんぞ!」
ここで何とか傷を癒し、回復したら仕返しに地球に戻ってやる。
そう思うアベルだった。
だが、アベルの頭の中には、タイムレンジャー全員でなく、やはりユウリ…。
彼女一人だけを思い浮かべる。
変質的な好意、やがてその感情は、彼女を貶めたい、苦しめ嬲り者にしたい、というすさまじい悪意へと変貌する。
やがてアベルは、どうやってユウリを生き地獄に叩き落とすか、彼女に味あわせるか、を考えるようになる。
もはや他のタイムレンジャーのことは頭から消えていた。
誰か、彼女の仲間を人質に脅迫するか、、だが誰を…。
思い浮かぶのはやはりタイムレンジャーの仲間だが、、。
正直もう彼らに興味はなかった。
ユウリを苦しめ嬲ることができれば…。
あの気高いユウリを叩き潰すためには、やはり…。
性的に辱めて嬲りあげるか、、と思い付き、あやしい笑みを浮かべる。
ロンダーズ製の特性隠しカメラを使い、ずっと彼女を監視しよう。
そして嬲りあげて捕らえたユウリを、ロンダーズの刑務所に入れよう。
ロンダーズの数多い刑務所の一つ、一番屈辱的に過酷なあの刑務所…。
あそこで、辱め捕らえたユウリを、さらに一生辱めてやる。
「だが誰を人質に使うか…。」
そう考えるアベル。

数日後、アベルは傷をある程度癒し、アジトに帰り自分の部屋に着いた。
アベルは捜査官時代の資料を探り、一つを手に取った。
それは、捜査官のプロフィールのファイルだった。
その中の、ユウリのページを見つけ、改めて彼女のプロフィールを見た。
輝かしい経歴、、今に見てろ…! そう思うアベル。
そこには、彼女のプロフィールが本当に詳しく載っていた。
ストーカーで個人的に調べた手書きのプロフィールも書き出し加えていたからだ。
その量は莫大で、そのページはもう手書きだらけだった。
彼女の体のサイズも詳しく分かる。
アベルは部下に命じて、材料を用意した。
そして、何かを作り始めた。
真剣な面持ちで作っていく。
…しばらくして、少しずつ形ができてくる。
それはショーツだった。
白いシルクの布を使い、彼女のためのショーツを作っていた。
彼女のサイズを詳しく理解し、一回り小さく作ることに…。
それは何故か、、
このショーツのクロッチ部に、バイブを取り付けるつもりだ。
そのバイブを、彼女の敏感な陰部にきっちりと押し込み、苦しめるためだ。
だんだんショーツが形となっていく。
これが彼女の股間を、お尻を包む…。
そして今に、バイブを取り付け彼女の陰部に挿入し、彼女の愛液に溢れそれでもなお苦しめる…。
そんな姿を想像し、涎が溢れそうになる。
我慢しろ…今はしっかり準備するんだ…。
興奮を必死に抑え、彼女を陥れる準備を進める。
時折、愛おしそうに作りかけのショーツを撫で、シルクの手触りを堪能する。
このすぐ後、手製ショーツは完成し、思った以上の出来に満足げにまじまじと眺める。
「我ながら、いい出来だ。ふふふ。次は、バイブをつけなくては。」
アベルは予め工場に連絡し、ユウリ専用の大きめのバイブを作らせた。
もちろん、彼女のサイズに合うであろうバイブをだ。
当然股間の内側のサイズなど調べようがなく、アバウトだったが。
そして、バイブはもう届いたという報告を受けた。
部下に命じ、届いたというバイブを用意させた。
すぐに部下がバイブを持って戻り、アベルは受け取る。
大きめで、勃起したペニスのリアルな形をしたバイブだ。
人の親指より一回り大きいくらいのだ。
表面はゴム製で、リアルな感触を装着者に味わわせる事ができる。
付属品のリモコンを取り出す。
そのリモコンは、いっぱいスイッチがあった。
アベルは一つずつ押して、バイブの動きを確かめる。
ON/OFF、強、中、弱、ノーマル/うねり…。
ヴィイイインッ!
スイッチを押すたびに、大きなバイブが小刻みに様々な振動をした。
アベルはその出来に感心してバイブを眺める。
それから、作ったばかりのショーツを裏返し、クロッチ部にそのバイブの付け根をつける。
そして付け根に付いた固定具で、ショーツのクロッチ部に装着した。
とうとう完成だ。
ショーツのクロッチ部に、しっかりと取り付けられたバイブは、勃起したペニスみたいな大きさを維持したまま、ショーツの内側に向け勃っていた。
「くくく。本当にペニスだな。こんな大きいバイブを挿れられちゃあ、ユウリもひとたまりもないな。」
完成した淫具を満足げに眺めながら、いやらしく笑みを浮かべる。
このシルクのショーツをユウリに穿かせ、この大きなバイブをユウリの陰部に挿入し、振動し、、。
想像するだけで、気が興奮し、こっちが勃ってしまう。
今は我慢だ、、と新たな準備に取り掛かる。

その後、幹部の一人、‘ビアンス’に会いに行った。
今回の凌辱作戦の協力を要請しにだ。
アベルは、戦闘員としての彼の手腕を作戦構成力を高く買っていた。
しかも、無類の女好きとして知られるビアンス。
ユウリを嬲り苦しめるには、うってつけだ。
案の定ビアンスは、アベルの作戦に嬉々として受け入れ、逆に頼み込んだほどだ。

アベルは、さらに数十人の戦闘員に協力させた。
彼女を監禁する山奥のアジトを用意し、拘束のための道具を用意する。
さらに、ずっと監視するための特性の監視カメラを2つ用意する。
ユウリ用と、まだ決まらぬ人質用だ。
この監視カメラは特殊で、カメラ本体はハチくらいに小さくかつ自由に飛び回ることができる。
それだけではなく、透明に姿を消し気配も消し、目標に見つからないようにすることもできる。
目標にセットし、付属品のリモコンの操作をすれば、目標にカメラを向けたまま自由に飛びまわれる。
そして捉えた映像は、そのまま付属品のTVで生中継できる。
もちろんズームの倍率もバッチリで、映像も音もハイクオリティだ。
ロンダーズの新型の監視カメラで、彼女らを貶めるのだ。

さらに調査を進め、彼女の携帯の連絡先も容易に手に入る。
だんだん準備が整ってきた。
ユウリを陥れるための準備が…。
そんな事、地球のユウリは知る由もないが。

その数日後、鍛錬場にアベルはいた。
傷が全快したアベルはそこで、部下十数人と戦っていた。
素早く力強い身のこなしで部下と戦い、あっさり倒す。
(これなら、、ユウリを十分に辱められる。)
自分の回復した体に、迫るユウリへの辱めに、アベルはワクワクしてきた。
それからアベルは、ロンダーズの刑務所に連絡し、ユウリをいずれ連れてくることを話した。
ユウリのプロフィールも伝えた。
彼女のサイズに合った囚人服とローター、拘束具を作るためだ。
ユウリの刑務所での姿を想像し、気が興奮する。

アベルは自分の部屋に戻った。
と、封筒が置かれていた。
(おっと、頼んだものが来たようだ。)
中を開けると、そこには錠剤が入っていた。
これは媚薬である。
これをユウリに飲ませ官能をいやらしい行為を誘引させる。
そして恥ずかしい証拠を取り、脅迫の材料にしてやる、、そう思った。
だが、少しずつ疑問に思ってきた。
本当にこれだけで彼女が大人しく従うだろうか、、
ユウリはかなり気が強い上に、冷静だ。
こんな程度の質では、ユウリには効かないんじゃないか…?
やはり人質が必要だ…。
だが誰を、、再び考える。
正直、タイムレンジャーの仲間には興味がなかった。
それに、どうせ人質にするなら、嬲り甲斐がある人間が良かった。
そうなると、、やはり女か。
(いったい、誰にしようか…。)
嬲り甲斐がある女で、かつユウリを極上に苦しめられ服従させられるほどの、ユウリにとっての大事な存在…。
アベルは、ユウリを監視してきた、ここ数カ月の彼女の周りの出来事を思い出す。
アベルは、暗殺者にさせようと行動に出る数ヶ月前から、ユウリをそっと監視してきたのだ。
その出来事を思い返していくうちに、ある少女の顔が思い浮かんだ。
そう、ユウリが捜査として時空を超えて会いに行った2001年。
ガオホワイトの大河冴。
ユウリを監視していた時に、一時一緒に行動していた冴の事も、アベルはよく見ていて、覚えていた。
だが、彼女を思い浮かべるとともに、少し不満だった。
冴はまだ16歳で、年相応以下に幼い外見だった。
(まだ子供、、だったよなあ。)
アベルは正直、監視していた時も、幼い冴には惹きつけられなかった。
可愛い子だとは思ったが、幼いゆえ、性的な興味はあまりなかったのだ。
(まあ、ユウリはあの少女を可愛がっていたし、人質としては使えるが…。どうせ女の人質を作るなら、人質自身も辱めて愉しみたいからなあ。)
別の人間にするか、、
一応部下に冴の調査を命じ、他の候補を考える。
だがどう思い返しても、結局大河冴に戻る。
同じくユウリと面識がある戦隊の、ゴーゴーファイブの巽マツリも候補にした。
が、それでも大河冴の顔が浮かぶのだ。
あんな子供に…何故だろうか?

翌日、冴の捜査資料が届き、見ていく。
部下はタイムマシンで冴を何日もかけて調べ上げた。
経歴はもちろん、体型から性格、好き嫌いや人間関係まで…、たくさんの情報を入手した。
まさにアベルがストーカーまでして作成したユウリのプロフィール並みの、詳細なプロフィールが分かった。
そして、そのプロフィールを見ていくうちに、アベルは見る見るあやしい笑みを浮かべるようになる。
最初は渋っていた、大河冴に対し、異様な興味を持つようになる。
彼女はユウリと同じく戦隊員で、天真爛漫で幼いが、気が強い。
気が強いと言っても、いじめられていた過去を克服するため、また戦士として戦い弱い人々を守るために、健気に気を引き締め、そう装っているだけにすぎない。
本当は素直で可愛らしいか弱い女の子だと、アベルは看破した。
また、冴はただ可愛らしいだけでなく、将来が楽しみな素質を持っている。
ユウリとはまた違うタイプ…それでもユウリと同様に嬲り甲斐がある子だ。
いや、冴の場合は嬲り甲斐というよりもいじめ甲斐があるという感じだが。
あんな純情な子なら、辱めに敏感に反応して泣き崩れさせるのは、とても容易い。
そしてそれがそのまま、ユウリへの屈辱に繋げることもできる。
大切な子が、自分のせいで辱められ苦しむ、、。
その姿に、ユウリは悔しくて、申し訳なくて仕方ないだろう。
これでユウリを従わせることができる。
冴はユウリにとって、まさにうってつけの人質だ。
そして、冴自身も辱めて、至高の愉しみを堪能できる。
アベルは直感的に冴の素質を見抜いていたのだ。

成熟しかけの若く異様な色気を醸す、強気で誇り高い、21歳のユウリ。
色気にはまだ程遠い、未熟であどけない、天真爛漫だが健気に強気を演じる、16歳の大河冴。
そんなタイプの違いは、今までの生き方・生活環境の影響だろう。
ユウリは、幼い頃に家族を目の前で無残に殺され、それからは復讐心を糧に一般とはかけ離れた生き方をし、刑事となって命を張って職務を全うしていた。
大河冴は、今まで両親から一人娘として精一杯の愛情を受けて育てられ、学校に通い良い友達に囲まれて、普通にのびのびと過ごし、真っ直ぐで天真爛漫な子へと成長した。
比べれば比べるほど面白い対照性で、異なるタイプの二人の女を嬲り者にできることに、気が興奮してくる。
「これは、、最高の辱めができるかもしれないぞ…!」
二人への辱めを考えるうちに、高揚感に身を震わせる。
「ようし、あの娘をターゲットにするか。ユウリへの見せしめのためにな。あの子もたっぷりと辱めて、ユウリと共に刑務所にぶち込んでやろう…クククッ。」
そう決意したアベルは、冴への辱めのための準備をした。
冴はユウリとはタイプが違う。
ユウリと同じ辱めではつまらないし、冴に合った辱めを考えなければ。
刑事としての強靭な精神力を持ったユウリと違い、冴は武道を心得てる事を除けば、普通の女子高生だ。
凌辱地獄に叩き落とすのは、ユウリに比べはるかに容易だ。
ユウリの時よりもずっと早く、次々に作戦を思い付いていく。
どれもたまらない、、だが落ち着け。
その中から冷静に考慮して、最も冴を辱められ、かつユウリを苦しめることができる作戦を。
冷静に考え、次々に作戦を組み立て、準備をしていく。
彼女の体のサイズを調べ上げ、再び刑務所に連絡する。

…全ての準備は整った。
まずはユウリへの人質の、冴を辱めるために、2001年の地球に向かう準備をする。
そして人間の男に化け、2001年の地球へと向かった…。
今、ユウリと大河冴の凌辱への幕が開ける。


≪完≫