リンの悲劇:監禁場からの長い連行
それから一日がたち・・・・・・・・・・
リン「・・・ん・・・・・・・」
いつの間にか気を失っていたリンは眠りから覚めた。
リン(起きよう・・・。)
とリンが体を起こそうとした時、
ギュウッと体を締め付けられる感触にびっくりした。
体が動かない・・・リンは目を見開いた。
しかし、何も見えない・・・。
両手は背中の後ろに組まれたまま、びくともしない。
リン(何・・・一体どうなってるの?)
リンは、力をこめて体をゆすってみた。
すると、ギシッ、ギシイッ っときしむ音がした。
手首に、足首に、胸に、腰に、何かが巻きついている、いや締め付けている感触がする。
恐怖感を覚えたリンは、払拭するように、声を上げようとした。
しかし、
リン「んんっ!! んんーーっ!!」
それは声にならなかった。リンは小さなうめき声を上げただけだった。
リン(そ、そうだ・・・あたし・・ゴーマに捕まって・・・連れて行かれて・・・)
リンは必死に気絶する前のことを思い出す。
リンはハッと思い出した。
縛られたまま砂地を連行されて、何時間か歩いたあと、ワゴン車に着いた。
男はワゴンの後部のドアを開けて、片手でリンの肩を掴んで、もう片方の手でリンの股間に突き刺さった拳銃を思いっきりグイッと股間に押し付けた。
リン「あっ!! あっ、くあああっ!!!!」
リンは鋭い痛みに叫んだ。
しかし男は肩を掴んでリンの抵抗を抑えながら、銃をさらに押し付けて何とその力でリンの体を持ち上げたのだ。
そしてそのまま、必死に泣いて暴れるリンを押さえ込み、後部座席に押し込んだ。
銃口がとても強く女陰の肉壁、クリトリスを刺激し、とてつもない官能が一気に駆け上がり、絶頂を迎えた。
ビクンビクンと身体が痙攣し、あまりの痛みも加えて、リンは気を失った。
リンの意識は、そこで途絶えた。
思い出したリンは、屈辱と恐怖と悔しさで泣いた。
今のリンは、自分がどういう状況なのか分からないが、おそらくロープで手足と上半身を縛られ、目にはアイマスクがかけられている。
さらに、手ぬぐいで猿轡を噛まされていた。
口の中の感触から、ハンカチのようなものを口の中に咥えさせられ、その上から手ぬぐいを彼女の口に噛ませて後頭部でしっかりと結び付けられていた。
変身は解かているのだろう、スカートの感触がスーツの時のみに出なく、普段着の膝丈のものだった。
リンは眠っている間に男たちによって好きに縛り上げられた。
リンは屈辱感で猿轡を噛む口に力が入る。
眠らされていた間、一体自分は何をされたのか、リンは不安で仕方なかった。
リンは自分の体を拘束して放さないロープを解くために体中に力を入れた。
リン「んっ・・・! んううっ!!」
しかし、変身をとかれて、ただのか弱い少女でしかないリンに、そんなことが出来るはずもない。
リンは不甲斐なさに悔しがりながらも、必死にもがいた。
そしてどのくらいの時間がたったろうか・・・・
どこからか人の気配が・・・足音が聞こえる。
しかも一人や二人じゃない。
おそらく自分を監禁した犯人たちだ。
リンは緊張し、怯えた。
またひどい目にあわされる・・・怖かった。
と、足音がリンのすぐそこで止まった。
リンは緊張した。
自分を捕らえた犯人は間違いなくそこにいる。
もし犯人でなかったら、とっくに助ける。
そう確信したリンは犯人のとる行動に身を固めた。
しかし、なにもない。
それでも犯人は何もしてこない。
ただ黙ってリンを見下ろすだけ。
目隠しをされているリンには分からず、ずっと緊張していた。
しかし、犯人はそんなリンの緊張を長引かせるように何もしてこなかった。
しばらく時間がたって、
リン「んう・・・?」
不思議に思ったリンが声を上げたその時、
リン「んっ、んむう!?」
犯人はいきなりリンの胸に触ったのだ。
目隠しをされたリンは身構えることも出来ずにいきなりの感触に身をちぢこませた。
そして、胸を触り終わった犯人は、最後にリンのお尻を撫で上げた。
リン「んひゅっ!」
リンはお尻を撫で上げられた感触に身を凍らせた。
犯人はリンのアイマスクに手をかけたかと思うと、
それを乱暴にばっと外した。
リン「んんっ。」
リンは自分の体を見た。
やはり変身はとかれ、薄いピンクのノースリーブのシャツと白い膝丈のスカート姿だった。
手足は丈夫そうなロープで縛られており、胸の上下にもロープが締め付けられて、そのロープは再度後ろでのロープに連結されていた。
リンはその瞳でキッと犯人たちを睨んだ。
やはり、兵5人と、そして人の姿に戻ったヘラントスだった。
しかし男はリンの睨みに動じず、怪しい笑みを浮かべた。
リンの起こった顔もかなり可愛いものであり、何より雁字搦めに縛り上げられて身動き一つ取れないようにされながらも犯人である自分を睨むそのリンの姿に、ヘラントスはいじらしく思え、可愛くてしょうがなかった。
ヘラントスは片手をリンの顔に近づけた。
リンは思わずびくついたが、慌てて男をまた睨んだ。
リンの唯一つの抵抗であるその睨みが、男の欲望を掻き立てていることに、うぶなリンは気づかない。
男の手はゆっくりとした動きで、リンの頬を撫でた。
リンは思わず顔をそらせたが、男はもう片方の手でリンの頭を押さえた。
そして、耳を撫でて、つまみ、それから首筋、あご筋、オデコ、唇とじっくり撫でていき、
最後に頭を押さえた手でリンのストレートロングの黒髪を撫でた。
髪をすくい、離すとさらさらと元に戻った。
何度か繰り返すと、男の手に花の香りがついた。
リンのヘアーシャンプーのにおいだろう。
男は満足げに、あからさまにその匂いを嗅いだ。
それを見ていたリンは屈辱に打ちひしがれ、男に怒りの目を向けた。
その瞳には涙が浮かんでいた。
と、男たちの後ろからもう一人男が現れた。
きっとゴーマの一員だろう。
すると、ヘラントスが
ヘラントス「参謀、お待ちしておりました。ホウオウレンジャーを捕らえました。」
リンは驚いた。
なんとゴーマの参謀が現れたのだ。
参謀「うむ、よくやった。ホウオウレンジャーもこうなっては形無しだな、ふふっ」
リンはこの言葉に怒りを覚えながらも、縛られた体で反発しては何をされるか分からないので、我慢して耐えた。
参謀「では・・・」
と、不意に参謀がリンに近づき、怯えながらも睨むリンにお構いなくリンの頭を掴んでうつむかせ、リンのかわいらしいピンクの髪留めを乱暴に外した。
リン「んくっ!!」
リンの髪がぱさっとなびき、リンは苦痛に顔をゆがめた。
リンは参謀の乱暴な行為に文句を言いたかったが、猿轡をされては情けないうめき声を出すのがやっとであり、ささやかな抵抗として参謀を睨みつけた、瞳に涙を浮かべながら。
しかし、それすらも男たちを喜ばす行為だと、リンは気づかない。
参謀は満足げに言った。
参謀「この髪留めをお仲間のところに脅迫状と一緒に持っていけばよい。ふふふ・・・」
やはり男たちの目的はリンを人質にとってダイレンジャーを全滅させる気なのだ。
リン(みんな・・・)
リンは自分のせいで仲間を追い込む羽目になることに、涙を流した。
男たちに気づかれないよう声は必死に押し殺しながら、リンは泣いた。
しかし、男たちは容易にそのことに気づき、ニヤニヤと見ていた。
参謀「では、アジトまでしっかりその娘を連れて行けよ。」
ヘラントス「はっ!」
リン「!?(ま、まだあたしをいたぶり続ける気・・・?)」
リンは参謀の言葉に今までの恐怖がよみがえっておののいた。
参謀は去っていった。
ヘラ「ほら、立て!」
ヘラントスはリンの足首のロープを外し、リンの縄尻を取って無理やり立ち上がらせた。
リンはいやいや立ち上がった。
自由な足で男たちを蹴り飛ばそうと思ったが、ヘラントスの実力は十分すぎるほど分かっていたし、変身してない生身の体では勝ち目0である。
せめてもの抵抗として、リンは猿轡をかまされた顔でヘラントスを睨んだ。
と、すかさずヘラントスは拳銃を取り出し、彼女の目の前に突きつけた。
リン「んっ!」
たまらず顔を背けるリン。
撃たれる!と思ってしまった。
少しの沈黙の後、リンは恐る恐る顔を上げた。
銃は突きつけられたままだ。
ヘラントスは銃口を彼女に見せるように、銃を動かした。
目の前で銃口を見たリンは慄いた。
銃口は何か白透明の液体がこびり付いていた。
それを見たリンは、その液体が何かすぐに分かり、顔を赤らめる。
その銃は、ホウオウレンジャーで捕縛された時の、股間に押し当てられていた銃だった。
そしてその液体は、執拗な銃口に股間への甚振りのせいで官能で溢れ出た、自分の恥ずかしい愛液だったのだ。
時間が経っていやらしいお汁は乾き、白く変色し、クッキリと跡を残していたのだ。
ヘラ「くくく、分かるだろう? これはお前の身体から染み出たいやらしいお汁だ。」
リン「っ…」
卑猥な単語を突きつけられ、嫌悪に顔を歪ませる。
嫌悪の対象は敵だけでなく、自分にも…
そんなリンの苦悩の様子に愉しみながら、ヘラントスは言葉責めを続ける。
ヘラ「全く、俺のお気に入りの拳銃をこんなに汚くしやがって。淫乱な女だ。」
リン「っ…!!」
さらに顔を歪ませ、耳まで真っ赤になるリン。
よく見えるように銃口を目の前に突きつけられたリンは、銃口には愛液の跡がかなり残っていて、相当量の愛液が身体の奥から銃口に溢れてしまったことが分かる。
そしてヘラントスは、恥ずかしがるリンを愉しそうに見ながら、銃口に顔を寄せ、盛大に匂いを嗅いだ。
ヘラ「いやらしい匂いだ。」
リン「…」
もはや睨むこともできなくなったリンにさらに追い討ちを掛けるように、ベロリと愛液を舐めた。
ヘラ「ああ、うめえな。」
リン「ぅぐっ…!」
卑猥な行為・言動に、大人しく立ち尽くすリンは身を震わせてしまった。
自分の浅ましい官能の証拠を見せ付けられたリンは、弱々しく俯いて大人しくした。
そして、縄尻を掴んだヘラントスはもう片方の手でリンの背中をドンッと乱暴に押した。
よく分からず立ち尽くしているリンに男は冷たく言い放った。
ヘラントス「歩け。」
再度リンの背中をドンッと押した。
リン(わ、わかったわよ・・・)
リンはしぶしぶ従った。
また屈辱の連行が始まった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
リン「ふう・・・ふう・・・ふうっ・・・」
疲れで塞がれた口からくぐもった息を吐き出す。
あれからどのくらい経ったろうか。
時間を確認しようにもそれは出来ない。
手首にある腕時計を確認しようにも、その手首は後ろ手に回されて縄がかけられ、しっかりと縛られており、それはできない。
ただ、最初は東の空にあった太陽が、今は南にある。
敵のアジトから連れ出されてからずいぶん経つ。
アジトは周囲を山林で囲まれており、リンは狭くて荒くて暗い林道を歩かされた。
すぐ後ろにはリンを捕らえたヘラントスが彼女の縄尻を持って連行していた。
嫌がるリンを小突きながら乱暴に荒い林道を連行していた。
周りには、兵士5人がリンを見張りながら歩いていた。
その内の、リンの隣にいる兵士の手には、大型の拳銃が握られており、常にそれをリンに向けていた。
おそらくリンに余計な抵抗をさせないためだろう、リンが少しでも抵抗のそぶりを見せると、彼女のこめかみ、又は首筋に拳銃を押し付けた。
自分の卑猥な愛液がこびり付いた銃口。
それを見せ付けるように銃を押し付けてくるのだ。
それだけでかなりの恥辱で、抵抗する元気を萎えさせてしまう。。
もちろんヘラントスも黙ってるはずがなく、リンを乱暴に小突いたり、あごを乱暴にしゃくったり、髪を引っ張ったりしてリンをいたぶった。
リンは苦痛に顔をゆがませ、猿轡をされた口から呻き声を上げる。
ヘラ「大人しくしろ!!」
、とわざわざ小柄なリンの耳元まで顔を下げて声を荒げて脅し、華奢な背中をドンッ!と押して縄尻を引っ張ってまた連行する。
しかしヘラントスは満足そうな顔をしている。
それに気づいているリンは、悔しくて仕方なかった。
しかし、足の速く強い男6人に囲まれ、不自由な体に縛られたリンでは逃げることは不可能であり、厳重な猿轡で助けを呼ぶことすら出来ない。しかも・・・
ヘラ「へへっ、これさえあれば仲間に助けを呼べるのになあ。おっと、口塞がれてるんじゃ元々呼べないか。ははははは!!」
リン「・・・・・!!」
リンから奪ったオーラチェンジャーを見せ付けられ、その行為・言葉にリンは憤りでいっぱいだが、奴の言うとおりだった。
捕まった時にオーラチェンジャーをヘラントスに奪われており、仲間に通信で助けを呼ぶということも出来ない。さらに、
ヘラ「おい、これなんだか分かるか?」
奴はリンにオーラチェンジャーに付けられている小型機械を見せ付けた。
リン(なに・・・これ?)
リンは不安を覚えながらも分からない。奴は得意そうに説明する。
この小型機械はゴーマ族が新開発した物で、電波を妨害する機械なのだ。
つまり、仲間にはリンの居場所が分からないようにされてしまったのだ。
それにリンは眩暈を覚えた。
どんなに怖くても、痛くても、悔しくても、いつかは仲間が助けてくれる。リンはそう健気に信じていた。
しかし、奴の告白はそんなリンの希望を削り取った。
それでもきっと・・・リンは淡い希望を抱きながら、男達に乱暴に連行されていった。
林道から山道に入ってからもこの連行は続いた。
リン「ふうっ・・ふうっ・・(・・・一体、どこにあたしを連れて行くつもりなの?)・・ふうっ・・!」
リンはかなり疲弊していた。
彼らはこの変化に富む山道でもペースを変えることなく乱暴にリンを連行している。
不自由な縛り上げられた体では歩くのも難しい上、女の自分では男達のペースは早く、さらに縄を打たれ猿轡をかまされ、男達に散々恥辱・屈辱や暴虐を味合わされて、今も屈辱の連行をされているリンは、身も心も疲れ果てて行った。
少しもペースを落とす事も許されず、リンが少しでもペースを遅くすると、ヘラントスは早く歩け!とリンを小突いて引っ立てる。
しかし安定しない山道で、しかも女には速いペースで歩かされている。
もともと疲れている上に更なる負荷がかけられ、彼女の細い足は悲鳴を上げて転ぶ。
ヘラ「何やってんだ! 立て!!」
腰を蹴り、縄尻を掴んでリンを無理やり引き起こす。
リン「うぐうっ・・」
痛みにうめくリン。ドンッとまた強く背中を押される。兵士がリンのこめかみに拳銃を押し付ける。
それにリンは平静を装おうとするが、明らかに恐怖で震えていた。鼻や猿轡された口から息が漏れる。
ギッ ギシイッ
後ろ手に締め付けられた縄が悲鳴を上げる。
リンは何とか自分を縛り上げている縄を解こうと、ずっと手首に力をこめていた。
今だけでなく、男達にアジトから連れ出されてから、ずっとだ。
しっかりときつく結ばれた手首の縄は最初こそは緩む気配もなかったが、長い時間諦めずに手首に力をこめていた彼女の不屈の心が、縄に少しだがたわみを作っていた。
手首が千切れるくらい痛かったが、それでも力をこめてやっとたわみを作ったのだ。
リン(もう少し・・・もう少しで解けるかも・・・解けたら、こいつからすばやくオーラチェンジャーを奪って変身すれば、逃げられる・・・)
ドカッ!! リン「ぐうっ!!!」
ヘラントスはいきなりリンの尻に蹴りを食らわせた。
それにリンは仰け反って倒れる。
ヘラントスは彼女に馬乗りになり、何も言わずに彼女の緩んだ手首の縄を、再び強く縛りなおした。
リン「んん・・・」
彼女の塞がれた口から、なんともやりきれない無念を含んだ呻き声が発せられた。
ヘラ「小娘が・・・無駄なあがきしやがって!」
また無理やり引き起こされる。
ヘラントスはまたリンの耳元でドスの聞いた声で
ヘラ「お前いいかげんにしろよ・・・手間かけさせやがって!」
リン「・・・んんっ・・・・・・」
大柄な男の至近距離からのあまりの凄みに、リンは思わず怯んだ。
ヘラ「大体、逃げられるわけねえじゃねえか。手首のロープを解いたとしても、上半身は縛られっぱなしなんだぜ? 万が一解けたとしても腰から上に手がいかねえんじゃ俺のジャケットの裏のポケットにある通信機が取れるわけねえじゃねえか。馬鹿なガキだな!」
リン「・・・・・・」
リンは黙りこくった。それに気を良くしたヘラントスはリンの耳元に近づいて、
ヘラ「ま、仮に変身できて拘束を解いたとしてもよ、俺がお前に負けると思うか?」
その通りだった。リンはこの男に敗北して、捕まったのだ。
端から見れば、男達の緻密な作戦だけだが、要所要所でリンの隙を作り、逆に自分には全く隙を見せない、驚くほどに。
さらに、長時間リンの足を捕まえていたその腕力は、明らかにリンとの格の違いを思い知らされた。
それに、ここまで計画的に彼女を陥れた男だ。
もしもの時の対策も打ってあるに違いない。
そんなリンに止めを刺すようにヘラントスは、
ヘラ「お前は弱い。もう逃げられないんだよ。諦めろ。」
と、リンの耳元に唇が触れるか否かくらいの近さでねちっと囁いた。
リンは屈辱に顔をゆがめた。必死に平静を装おうとする姿が、ヘラントスには可愛らしく感じ、頭をポンポンと叩いた。
そして、ヘラントスは態度を急変させ、
ヘラ「オラ、早く歩けよ!!」
背中を押され、また引っ立てられた。
リン(こんな乱暴な連行・・・まともについて行ける訳ないじゃない・・・)
屈辱と恐怖と共に、リンの胸中は不満でいっぱいだった。
しかし抗議をしようと声を上げようにも、猿轡された身では情けない呻き声を上げる事しかできず、男達の嘲笑・暴力を招くだけである。
リンは屈辱のストレスを発散する最後の手段も奪われていた。
その後ヘラントスは時折膝でリンのお尻を蹴りながら引っ立てていった。転びそうで転ばないように力を調節して・・・。
リン(いたっ、痛い! や、やだ、こいつ・・・お尻を蹴らないでよ!)
ヘラ「へへへっ」
リン「・・・・・・・・!!」
縛り上げられたリンはヘラントスの嘲笑を聞いた。奴は明らかに楽しんでいる。
ヘラントスは、リンの抵抗に生意気だと憤りがしたが、反面ワクワクしていた。
ここまでひどい目に遭いながらも、まだ希望を捨てない彼女の強い心に。
普通だったら泣き喚いて許しを請うところなのに。
ヘラ(へへっ、久しぶりに嬲り甲斐のある娘が手に入ったもんだ。こりゃ楽しみだぜ。)
ヘラントスはそんなことを考えて、にやけた顔でリンを見つめながら引っ立てている。
当然リンもそれに気付いていた。あからさまである。
せめてもの抵抗として、リンは泣くもんか、と気を引き締めようとした。
こいつにせめて、弱みだけは見せてはいけない。でないと心まで蹂躙されそうだから。
心だけは、最後までこいつの思うようにさせない。そうリンは思った。
しかし彼女はこの男に敗北し、成す術もなく縛り上げられて、何の抵抗も許されず連行されている。
たくさん痛い目に遭わされ、さらにたくさんいやらしい目に遭わされた。
これらの屈辱を長時間、しかもじわじわ味合わされたリンの瞳からは、自然に涙が出ていた。
それに気づいたヘラントスはニヤニヤしながら、
ヘラ「おい、お前泣いてるぜ? へへっ」
とわざわざリンの瞳の涙をぬぐった。おそらくリンの弱みを見せまいとする心理状態も見抜き、それをも叩き潰すような行為だった。
リン「ううっ!!」
リンはあまりの嫌悪感から顔を背けた。しかし、
ビシッ リン「んっ!! むうっ・・・!!!」
頬を叩かれ、あごを無理やりしゃくりあげられて、また再び奴はリンの涙をぬぐった。
指についた涙の水をリンに見せびらかし、奴は満足そうにそれをリンの頬に擦り付けた。
リン「・・・!!(どこまであたしを辱めれば・・・)」
リンはまた涙を流す。それに奴はいやらしく舌を舐め、リンの涙をまた拭いながら顔を下げてリンの耳元に自分の口を近づけた。
リンは拒絶したかったが、逆の耳のそばのこめかみに、また兵士が拳銃を突きつけてきた。
それにリンは怯え、動きを止めた。奴ももう片手でリンの肩を抑えて動きを封じている。
それをいい事に奴はリンの耳に息を吹きかけ、口付けして、舐めて、それから自分の顔を彼女のさらさらな黒髪に感触を確かめるように押し付け、匂いを嗅いだ・・・
リン「っ・・・!!(いや!・・・やだ、やめて!)」)
リンは嫌悪感いっぱいだったが、リンが動いたり呻くたびに兵士はこめかみの銃を強く押し付け、リンの動きを封じた。
そしてヘラントスはリンの耳に唇をつけたまま、息を吹きながら馬鹿にした口調でささやいた。
ヘラ「泣き虫が・・・いや、弱虫。」
リンの瞳から涙があふれた。ひどすぎる屈辱だ。
戦士として、そして女として、この男はリンを嬲り上げ、敗北を突きつけた。
ヘラントスは、涙を流しながらも泣き声だけは必死で押し殺すリンを可愛くてしょうがないという風に頭を撫でた。
兵士は相変わらず銃を彼女のこめかみに突きつけており、リンは成すがままに頭をヘラントスにいやらしい手つきで撫でられた。
奴はリンの頭を撫で終わると、その手でリンの頭を小突いて言った。
ヘラ「いつまで休んでんだ泣き虫! さっさと歩かねえか!!」
奴はまた乱暴にリンの背中を突いて連行を始めた。
本当に、どんな時でもリンを嬲り、彼女に捕虜であることを自覚させているように扱う。
それがリンを無意識に涙させる。
やがて、太陽が中空を過ぎ、ある山の中腹の大木が倒れている道に来たところで、
ヘラ「止まれ」
リン「っ・・・!」
いきなり縄尻を引かれ、苦痛に顔をゆがませるリン。何かと思って振り返る。
ヘラ「ここで休憩する」
休める・・・そうリンはホッとした。しかし、
ヘラ「まだ先は長いからな」
と奴はにやけながらハッキリ言った。
リンは驚いて、
リン(いつまで・・・いつまでつづけるのよ!?)
そう抗議しようにも、猿轡をされては言葉が発せられない。
大人しく従って、耐えるだけ・・・
男達は倒れた大木に座った。
ヘラントスも、リンを引っ立てながら男達の真ん中に来て止まった。
リン(座ろう・・・)
そうリンは自然に大木に腰掛けようとした。しかし、
ドカッ! リン「んぐっ!!」
いきなりお尻を強く蹴られ、つんのめって頭から道に倒れた。
痛がる暇もなくすぐに引き起こされた。
わけが分からずヘラントスに振り返り見上げるるリン。すると、
ヘラ「誰が木に座っていいって言ったよ! 捕虜は地べたで正座だろうが!! オラ座れ!」
リン(そ、そんな・・・)
あまりの命令にリンは体を震わせる。
しかし逆らうことは出来ず、リンは大人しく地べたに正座した。
ヘラントスは倒木に座り、隣の兵士から鎖の短い手錠を受け取ると、何も言わずいきなりリンの後ろ手に縛られた手首に嵌めた。
ガチャリ という金属音と手首の感触に驚き、リンは振り向いて自分の手首の手錠とヘラントスを大きく開いた瞳で見た。
ヘラントスはニヤニヤしながら
ヘラ「これでロープが解けちまってもお前は縛られたまんまだな」
とリンの肩と頭を満足げにポンポン撫でながら言った。
リンは嫌がったが避けなかった、というより呆然としてそれどころじゃなかった。
奴に見つかってからもリンは、見つかる前ほどではないが、少しずつ手首に力を入れて縄を解こうと奮闘していた。
しかし、今のヘラントスの行為は、そんな彼女の努力を全て踏みにじり、無に帰させた。
リン(もうだめ・・・どうしよう・・・)
リンは辺りを見渡して、ささやかな抵抗に睨み付けようとした。が、
男達は道の両端の倒木に座っており、リンは彼らに囲まれるような、さらに見下ろされるような位置で、地べたに正座している。
リンは捕虜であると自覚させるやり方、それはかなりの効果を持っており、リンは怯えて顔を下に下ろした。
男達は彼女を見下ろし、後ろのヘラントスは相変わらずリンの後ろ手の縄尻をしっかり握っている。
とてつもない屈辱的な行為にリンは体をぶるぶる震わせた。涙があふれてくる。
泣き声だけは漏らすまいとするが、たまに嗚咽が漏れ、その度に男達は嘲笑した。
男達は、リンを観察するように静かにリンを見張っている。
銃を持った兵士は、リンの目の前にいた。
時折その兵士は、リンのこめかみに銃を押し付け、怯えるリンの涙を拭う。
銃で脅されたリンは顔を背けることも出来ずに、ただ兵士を睨み付ける、せめてもの抵抗として。
少女のそんな行為が、男達のたまらないスパイスになるのだが、リンは気付かない。
兵士はそれだけでなく、銃を彼女の目の前で突きつけ、銃口の愛液を彼女に見せ付ける。
リンに恥ずかしい思いをさせるためだ。
そう看破したリンは表に出すまいと辛抱するが、ウブなリンは自然に顔を赤らめ歪ませてしまい、結局男たちの嘲笑を招いてしまうのだ。
さらにしつこい事に、銃口を彼女の鼻先に突きつけ、匂いを嗅がそうとしてきたのだ。
リン「んっ…!(やめて、、こんなひどい事…)」
もはや抵抗など意味を成さないと思い知ったリンは、ツンと臭い自分の愛液の匂いを恨めしく思いながら、屈辱に打ちひしがれて涙を流す。
そしてヘラントスがいきなり彼女の縄尻を引っ張って痛がる彼女を無理やり立たせた。
リンは憤りしながらも、大人しくした。
地べたに直接正座していたため、足が痛かった。
足がまだカクカクしていた。大して休憩にならなかった。
また、屈辱の連行が始まる。
リン(怖い、怖いよう・・・だめっ! 弱気になったらだめよ、あたし!)
リンは必死に折れそうな心を奮い立たせた。
しかし兵士らとヘラントスはそんなリンにお構い無しに、銃を突きつけ、背中を強く突いて、
ヘラ「さあ歩け!」
リンを引っ立てた。小突きながら・・・。
ヘラ「日暮れごろには本部に着くだろう。それまで大人しく歩くんだ。」
リン「・・・・・・!!」
リンはその言葉に驚き、空を見上げた。
太陽はまだ、中空を少し過ぎた辺りだった。
・・・また長時間歩かされた。
その間にも、ひどい事、いやらしい事を散々されてきた。
男達は満足そうな顔をし、リンは屈辱でいっぱいな顔をしていた。
夕暮れ近くなった。
結局リンは朝からずっと連行された。休憩は二回、合計一時間半くらいだけだ。
少なくとも8時間は連行されていたのだ。休憩を除いても6時間以上である。
リンは弱りきっていた。
そして、兵士の一人が、突然彼女にアイマスクをさせた。
リン「うっ! ううっ!!」
いきなり視界を奪われたリンは唸ってもがいた。しかし、
ヘラ「動くな!」
ヘラントスにあごを乱暴にしゃくられて、兵士に銃をこめかみに押し付けられた。
リンは抵抗をやめた。そしてまた背中を突かれて歩いた。
視界が利かず、リンは何度もこけそうになり、その度に縄尻を引っ張られて苦痛に顔をゆがませながら引き起こされ、また歩かされる。
時折横から乱暴に肩を突かれ、方向を直される。
そして頭を小突かれながら、リンは成すすべなく連行されていく。
そして、何かギイーーという音が聞こえたかと思うと、すぐに山道から、何か人工の建物に入ったのだと、シューズから通った足の感触で分かった。
リン(ここは・・・こいつらの本拠地? まさか、さっきの音は扉の・・・そうか、だから目隠しを・・・)
リンの思惑は当たっていた。
リンはついに敵のアジトの本拠地に連れ込まれてしまったのだ。
これから自分は何をされるのか、それを思うだけで足がすくみそうだが、それでもリンは大人しく連行されていくしかないのだ。