2.拉致監禁
【襲われた少女】
時間は正午を過ぎた頃…。
彼と別れて帰路に向かう少女。
彼といれない事に少し寂しい気持ちだが、彼の母親とお店は大丈夫だろうか、と心配もした。
おばさんは快活で気丈だがとても優しく、自分の事も実の娘のように接してくれた。
(おばさん、、大丈夫だったかしら…?)
だから、おばさんの心配の方が大きかったのだ。
そんな少女に容赦なく、真夏並みに太陽が照りつける。
「あっついなあ…」
未だ最高気温30度を超える真夏日、歩いているだけで、汗をかきそうだ。
汗の染みるブラウスをパタパタと振りながら、だるそうな様子だ。
薄いブラウスの下のブラが透けないかどうか、心配だ。
そこに一台の車がゆっくりと近づいてきた。
窓はマジックミラーで、外から中が見えない。
雪子は妖しい車に気付かず、一人歩いている。
「あの娘に違いないな。」
「ああ、違いない。」
車がどんどん近付く。
雪子が人通りの少ない緑地公園に差し掛かった時、車は雪子の横で止まった。
すると、大柄な男二人が出てきて、雪子を覆った。
「きゃっ!」
雪子は両腕を捕まれ、車の方に引きずられた。
と、思ったら、雪子は素早く男達から抜け出し、華奢な方の男にタックルをした。
「ぐおっ」
思わぬ反撃にその男は倒れてしまった。
雪子も一緒に倒れてしまったが、素早く起き上がる。
「あっ…、ちぃっ!」
すぐさま他の男が襲い掛かり、少女は男達から逃げようと走った。
何が何だか分からないが、襲われている以上、逃げるのが最善だ。
死線を潜り抜けた、シュシュトリアンならではの素晴らしい動きだ。
すると、車の助手席から巨漢が出てきて雪子に迫る。
「何してやがる! 逃がすな!」
「くそっ、待てクソガキィ!」
男3人は、雪子を追い走ってくる。
「ひっ! な、何なのよ、一体!?」
それに怯んだ雪子は、必死に逃げ出す。
「だ、誰かあっ!!、ひゃっ」
すぐそばまで迫った男に肩口を掴まれそうになり、なりふり構わず全速で走る。
(くっ……これじゃ、悲鳴を上げられない!)
大声を出すには溜めが必要だ。
その分、走る速さは僅かに減ってしまう。
男3人に執拗に追われ、全速力で走っていた雪子だが、男達はやはりもっと速く、みるみる追いつかれる。
敵と戦うシュシュトリアンの雪子でも、女の子では屈強な男たちの身体能力にはとても敵わない。
不幸な事に定期テストの帰り故に小学校の下校より早く、さらにこの町は幼稚園や保育園の設備が充実していて、この時間帯に公園に居る人たちはほとんどいなかった。
といっても、子供や主婦に助けを求めるわけにもいかない。
とても助けを求められる状況でない事を理解した雪子。
さらに、
(あ、、しまった…!)
男達から逃げて気付かぬうちに、住宅街から離れた林の中の緑道を走っている。
これなら助けを呼ぼうがとても住民には届かない。
追手はすぐそばまで迫っている。
たまらず少女は走り続け、林のさらに奥まで走らされてる。
どう考えてももう逃げられない。
とどめに、行き止まり…
仕方なく少女は、振り返り男たちをキッと睨みつけて構えた。
「な、、何なの!? あなた達はっ…」
すると、一番いやらしい顔をしている男が、グヘヘと笑いながら喋る。
おぞましさにぞっとする笑い方だ。
「どうだ、助けを呼べまい? 定期テスト帰りで小学生すらいない時間帯だし、大きな緑地公園の森の中じゃ、悲鳴も届きにくい。そうだろう? 山吹雪子ちゃん。」
「なっ…?」
この男達は、自分の事を丹念に調べ上げている。
自分のプロフィールや行動パターン、さらに町の様子まで調べている。
そう、自分を付け狙っていたストーカーだ。
気付いた少女は、恐怖と共に怒りが沸いた。
「あ、あんた達が…! よくも…!」
しかし男はその怒りをサラッと流す様に言う。
「しかも、頼りの白馬の王子様は、空き巣被害に遭い、守ってくれない。」
「な!? 何でその事まで…? ま、まさかっ」
何故そこまで、、さらに驚く少女だった。
「王子様がいなければ、可憐なお姫様はどうなるか…」
「っ……!!」
あの空き巣は、このストーカー達の仕業だったのだ。
そこまで周到に計画して自分を陥れるストーカーに、少女は怒りなど吹っ飛び、恐怖に支配され、体が震える。
いや、それだけじゃない。
3人で少女を挟み込む様に追い、少女の逃げ道を制限し、人気のない森の奥に追い込んだのだ。
用意周到な罠。
その上で自分をどうする気なのか、、考えるだけで怖くなる雪子だった。
「な、何だって言うのよ!」
一般人相手とはいえ、さすがに身の危険をリアルに感じた雪子。
もはや、変身するしかない!
【闘う少女】
思わずシュシュトリアン変身アイテムを取り出したが、その時、
ガサッ
「ハッ…、きゃあっ!!」
突然死角から4人目が飛びだし、少女にタックルを浴びせた。
敵わず少女はふっ飛ばされ、変身アイテムを落としてしまった。
「あっ!?」
地面に倒れた少女は、遠くに落ちた変身アイテムに目を向けたが、男達にあっさりと拾われ、奪われてしまった。
「クックックッ…」
男達は下劣な笑みを浮かべて倒れている少女にゆっくりと迫る。
男の一人はカメラで少女と男たちを撮っていた。
何に使うつもりなのか?
何にせよ、少女にとっては不快な行為だ。
「く、、くそおっ…」
転んだ際に強く打った腕を抑えながら、よろよろと立ちあがった少女だったが、4人の男たちは、徐々に包囲網を狭めていく。
{巨漢男をA、華奢な男をB、いやらしいカメラ男をC、途中出てきたタックル男をD、とする。}
「い、一体、あたしをどうするつもり!?…きゃっ!」
雪子が質問し終えるか否かのうちにDが再び攻撃してきた。
しかし雪子は今度は冷静に避け、Dに蹴りを浴びせた。
だがDも見事ガードして、素早く距離を取った。
そのシーンも、Cはカシャッとカメラに収めていく。
さっきの全速力とあわせ、疲れた少女は息が荒い。
だが、体力自慢な男達はまるで余裕だった。
男達は少女の息が整わないよう、間を空けずに攻撃してきた。
攻撃するのは、主にBとDで、時々一番強そうな巨漢Aも攻撃してくる。
緊張感に加え、少女の体力と精神をじわじわと削っていった。
「ぐっ」
攻撃はあくまで一対一だった。
「っきゃあ!」
しかし、男達はかなりの手だれで、シュシュトリアンとはいえ生身では女の子の雪子の方が分が悪い。
圧倒的なパワーの差があるからだ。
少女の攻撃は男達に完璧にガードされ、男達の攻撃も少女はガードできるが力で押され、ガードする華奢な腕や足を痛めつけられる。
「ま、待って! どうしてあたしを狙うの!? ひゃっ」
死角からの拳が少女の頬をかすめる。
避け切れなかったら戦闘不能になっていただろう。
殴られそうになった、少女特有のプ二プ二の頬を抑えながら、雪子は構える。
男達は少女の必死の質問に答える事もせず、少女に攻撃を加える。
少女は攻撃を防ぐので精一杯で、喋る余裕が無くなっていく。
男達は最初、わざと執拗に追い回し雪子を疲弊させ、戦闘力を削除させておき、待ち伏せた4人目に雪子が変身アイテムを出した時を狙って攻撃させ、アイテムを奪ったのだ。
しかし、少女が変身できる事も男たちは知っているのだろうか?
いや、何日も自分をストーキングしてきた男たちだ。
考えるだけで気持ち悪いが、おそらく知っているだろう。
だが男達は少女の質問には一切答えず、容赦なく攻撃を仕掛けてくる。
これではらちが明かず気持ち悪い。
少女には、言い知れぬ焦りと恐怖と不安、そしてダメージが蓄積されていく。
Aの蹴りが少女の二の腕を狙う。
素早く腕を出してガードする少女だったが、男の強烈な蹴りは細腕のガードを突き破り、少女はダメージを負う。
「痛いっ!」
「へへへ」
ニヤけながら、さらに攻撃を加える男達。
【捕縛された少女】
男達は一撃ずつ少女にダメージを与えてはヒット&アウェイを繰り返す。
これでは、攻撃の隙にカウンターを浴びせる事も出来ない。
そればかりか、体力を削られる雪子のガードの力も徐々に弱まっていく。
そして、さっきからこの戦闘の様子も、いやらしいCにカメラで撮られているのだ。
いや、攻防はもはや一方的で、少女が徐々に嬲られていく様子を撮られているとも見える。
「っ…!」
恥辱に顔を赤らめる雪子だった。
だが、そこに隙があった。
「ハッ…、し、しまっ…」
死角からDの回し蹴りが、少女の脇腹に炸裂した。
「ぐう…っ!!」
何とか体を後方に飛ばしてダメージを少し緩和した少女だったが、それでも男の蹴りの威力はすさまじい。
少女は堪らず脇腹を抑え、その場にうずくまった。
だが、男達は容赦なかった。
「いあっ!」
Bが雪子の黒髪を掴み、顔を引っ張り上げると、その頬に思い切りビンタした。
「がっ…!」
堪らずふっ飛ばされた雪子、地面に倒れてしまう。
「う……」
男達の気配に、頬を抑えながら顔を上げた雪子。
だが、目の前には男達が立って少女を見下ろしていた。
「あ…」
思わず恐怖感に竦んだ少女だったが、男達はさらに容赦ない。
足を挙げ、蹴りを浴びせてくるA。
喰らったら一たまりもない。
「くっ」
体を素早く転がして紙一重で避けた少女。
「ほう」
さらに少女は勢いそのまま、Bに足払いをした。
「おわっ」
バランスを崩したBの隙を狙い、三人の包囲網から抜け出した少女。
三人と距離をとり、向き直した少女。
しかし、敵は三人でなく四人だという事を、少女は忘れていた…。
ガチャリッ
「…えっ?」
慌てて振り返る。
背後には、さっきから執拗に自分を撮っていたCがいて、何かを左手首に嵌めた。
金属製の何か、何だろう…、と思う間もなく、右手を背後に捻り上げられる。
「あうっ…!」
Cもかなりの手だれだった。
あっという間に両手首を後ろ手にされ、
ガチャリッ
右手首にも何かが掛る音が。
「ゲームオーバー。」
少女の背中を抱き寄せたCが耳元で囁く。
「くっ!」
ドカッ
「おっとと」
慌てて少女は後ろのCの脇腹に肘打ちし、抱擁から脱した。
しかしCは素早く後ろに飛び、肘鉄を避けていた。
少女がCに振り返ると、Cはまたも自分にカメラを撮った。
「捕まっても尚、気丈に抵抗する姿…、可愛いよお。」
その姿に唖然とする雪子。
(捕まって…、ど、、どういう事…?)
嫌な予感に慌てて手首を動かす。
ガチャッ、ガチャガチャ、、
両手首は後ろ手に組まれたまま金属製のリングが嵌っており、動かそうにも動かせない。
振り返ってみて気付いた。
やはり手錠だった…。
少女の心に、冷たい恐怖が沸く。
頑強な金属製の手錠で拘束されてしまった。
二つのリングの間には鎖がなく、両手首がほぼ束ねられた状態だった。
とても拘束力の強い手錠を、後ろ手で…。
これで、少女の上半身はほぼ不自由になってしまった。
(ま、まずいわ…っ)
ただでさえ自分より遥かに強い男達に襲われている状況下、まともに闘えるわけがない。
しかもよりにもよって、いやらしいCによって手錠で拘束されてしまうなんて…。
ずっとカメラを撮っていたから、油断した、いや油断させられたのだ。
またも男達の狡猾な罠に嵌った事に屈辱な雪子だった。
警察が犯罪人を捕まえるための手錠…。
まさか悪と戦う自分が犯罪者に手錠で捕まるとは…。
悔しげに立ち尽くしていた少女に、後ろから二本の腕がゆっくりと少女の体を這う。
いやらしい感触に、慌てて逃げようとするが。
「やっ! う、、うぐぅっ!」
素早くCに後ろから口を塞がれ、もう一本の腕で腰を荒々しく抱かれ、立ったままCに抱き締められ、捕まってしまった。
目の前には、A,B,Dがいて、余裕綽々に少女に迫る。
「んぅッ、、んん…っ、んんんーーっ!」
恐怖から少女は逃げだそうともがくが、Cの力は思いのほか強く、ここまでガッチリと抱き締められては、とても抜け出せない。
男性に抱擁される体験が無いうぶな少女は、こんないやらしい抱擁に、不快感に涙が出そうだった。
Aが少女の目の前で少女の顔を覗き込むように眺める。
このAは他の3人と別格で、ずっと強い、と雰囲気で分かる程の男だ。
こんな男に殴られたら…。
Aはそんな少女の恐怖をたっぷりと煽る様に、ゆっくりと少女の髪を撫でた。
それから、少女のこめかみに軽くビンタした。
「んっ!」
それだけでも、少女の恐怖を煽るには充分だった。
だがAはそれ以上少女に手出しせず、Cのカメラで撮り始めた。
代わりに、BとDが少女を殴り始めた。
「んっ! ぐむうっ!」
少女の足や胸、こめかみ等、殴れる所はどんどん殴っていった。
顔をあまり殴ってこないのが幸いだったが、それ以外の場所には容赦なく攻撃してくる。
捕われた少女は身動きとれず、ガードも出来ない状態で攻撃され、どんどん弱っていく。
一旦攻撃の手が止んだ時、いやらしいCが少女の耳たぶを舐め上げた。
「むうっ!」
あまりの汚辱に塞がれた口からくぐもった悲鳴を上げる雪子。
瞳からは、涙を浮かべていた。
「へへへっ」
その時少女は、Cが少女の顔を眺めていて、抱擁の力を少し抜いた事に気付いた。
すぐさま痛い体に鞭をふり、Cの脇腹に再び肘鉄を浴びせた。
「ぐおっ」
今度はまともに食らったらしく、Cは呻き声を上げて倒れる。
「ぷはあっ、、はあっ、、はあっ、、」
呼吸さえも制限するようなCの口塞ぎから解放され、荒々しい吐息の少女だった。
その顔はダメージの苦痛と屈辱と恐怖で歪んでいる。
「ほお、やるじゃないか。お嬢ちゃん。」
Aはそう言って、カメラをCに返す。
すぐにBとDが襲いかかってきた。
危機感から少女は集中力を増し、男達の攻撃を避け続けた。
Cに捕まっていた時に散々殴られた体が痛く、痛みに顔を歪ませながら避ける。
もはや、避けるだけで弱っていく。
特に集中的に攻撃された膝から下がとても痛く、二人の包囲網から脱せない。
しかも、両手首を後ろ手に縛る手錠…。
そんな状態で二人の攻撃をかわし続けたのは、やはり戦士、大したものだった。
しかし、そんな状態もすぐに終わった。
Dに胸への裏拳を喰らい、その隙にBに背中を蹴られた。
フラフラな足が折れ、少女はとうとうその場に膝まづいてしまった。
「うあっ!!」
すぐにBとDが覆い被さり、少女をうつ伏せに押し倒した。
少女は力いっぱい抵抗したが、所詮高校生の娘、男の力の前には無力に等しい。
「いやっ、放して! うっ…!」
雪子が叫んだその時、Dの大きな拳が彼女の華奢な腹に命中した。
少女は痛みから体をよろけた。
少女はうつぶせのまま二人に押さえ込まれた。
「大人しくしろっ!」
Dは縄を持っていた。
「今お前にいい物をやるよ。」
少女はDが縄を持っているのが目に入った。
(縛られる…)
少女は怯えた。
男は少女を後ろ手のまま組み敷き、縄を巻き付けようとした。
「やっ、、やめて…!」
そして間を入れずに少女の体を押さえつけていた男が、彼女の後ろ手に組まれた腕を縛った。
「は、はなして! いっ、痛ぃ…!」
さらに彼女の胸、腰をなれたような手つきで縛り上げた。
グルグル、、ギュウッ、、ギリギリイッ
容赦のない力だった。
「やめ、てよっ! はなしてぇ!!」
彼女は縄を巻き付けられている間、必死に抵抗したが、男の力がそれを許さなかった。
「いっ、、いやあっ!!」
雪子は声を上げた、が、Bが布切れを持った。
「誰か助け…んぐっ!?」
雪子は助けを求めようとしたが、その時布切れを小さな口の中に押し込まれてしまった。
その間も、少女の体は縄で縛り上げられる。
「あんぐぐ…! あぐッ…」
最後に、Dが縄尻を思いきり締め上げ、結び付けた。
ギリッ、、ギリリィッ!
「あぐぅっ!」
とうとう完膚なきまでに、縛り上げられてしまった雪子。
布切れを押し込まれた口から、絶望のため息を漏らす。
グイッ
「ぐ…っ!」
縄尻を引っ張られ、無理やり上半身を引き起こされ、その場に女の子座りさせられた。
「捕まっちゃったね。」
傍で囁くC。
「っ…!」
思わずCを睨み上げる少女。
しかし、惨めな思いは募るばかりだった。
【締め上げられた少女】
少女は、無惨に縛り上げられた自分の身を見て、再びため息を漏らし俯く。
小ぶりだが形のいい胸は見るも無残に絞り上げられ、胸の谷間にまで縄が這われていた。
胸の谷間から首や肩口にまで縄は這い、割縄で二の腕にもキッチリと縄を締め付けられていた。
腕はビクとも動かせない。
全ての縄は、背中で結わえ付けられていた。
手錠を掛けられた後ろ手にだけは他の縄が何重にもかけられ、背中の縄に連結されていた。
おぞましい緊縛姿を見ただけで、絶望に抵抗感が削ぎ落されそうだった。
(酷い、、酷過ぎる…)
あまりに残酷な仕打ちに、とうとう少女の目から涙がこぼれる。
傍でじっくり少女の縄化粧を眺めていたCは、そんな少女の目元に指を触れ、涙を掬った。
「んんっ!」
Cのいやらしい行為に、思わず少女は怒って顔を逸らした。
「ケッケッケッ」
だが、Cはそんな少女の怒りなど意にも返さず、少女に見せつけるように指についた涙を舐めた。
あまりのおぞましさに少女の体はブルブル震えた。
(い、、いやっ! こ、こんな奴に捕まって、、あたし、ボロボロにされちゃう!)
生理的嫌悪感から来る恐怖で、少女は男達の隙を見てすぐに立って走り出した。
(に、逃げなきゃ!)
しかし男達は冷静な様子だった。
何故なら…。
ギリイッ!
「んぐうっ! …かはぁッ」
少女の体が引き戻された。
体中の縄、特に胸を締め付ける縄が連結し締め上げられる苦痛に、思わず口いっぱいに詰められていた布切れが吐き出された。
苦痛のあまりその場に膝をついてしまった。
Dが緊縛された少女の縄尻をしっかりと握っており、少女は縄尻の長さの約2m以上男達から離れる事ができないのだ。
男達に繋がれてしまっている…。
家畜さながらの、何とも言えない屈辱感だった。
「ふっ、、残念だったな、お嬢ちゃん。お前はもう逃げられないんだよ。」
長い縄尻を握るDが、嘲る様に言い放つ。
「っ…!!」
悔しいが、何も言い返せない少女だった。
さらに、Dが力強く縄尻を引っ張り、少女を自分の方に引き寄せる。
「うぁっ…」
堪らず少女の小さな体が後ろに引き寄せられる。
(じょ、冗談じゃないわ!)
当然少女は嫌がり、足を踏ん張ってもがくが、少女の小柄な体とその力では、到底男の力には敵わない。
ズズ、、ズズズ、、
「う、ああぁ…っ!」
さらに、胸を中心にロープに締め上げられる苦痛と不快感に呻きながら、悔しくも男達の方へ引き摺られていく。
余裕綽々と少女に近付く男たち。
(あたし、、もう、逃げられないの…?)
「ったく、布を吐きだしやがって…。」
Dが、俯く少女の横に落ちた布切れを拾おうとしていた。
チャンスだった!
「はっ!」
「いてっ!」
少女は素早くDの縄尻を持つ手首を蹴り上げ、自分を繋ぎとめるDから解放された。
そのままの勢いで少女は、緊縛されたまま走り出す。
「待て、このメスガキ!」
(もう、今しか逃げられない!)
そう思った雪子は、ボロボロな上に縛り上げられた身を振って、必死に走りだした。
しかし、加速する前にAが目の前に現れた。
「ばあっ!」
「なぁ…っ!?(は、、速い!)」
巨体の割に凄い速さで前に回り込まれ、動揺している少女の目の前に現れた。
雪子は止まろうとしたが、もはや足はフラフラで踏ん張りが利かず、減速したもののAに向かい飛び込んでいった。
Aは両手を広げ、自分の胸に飛び付く少女を抱き締め、捕まえた。
ガシイッ
少女をたくましい両腕でガッシリと捕まえたまま、Aの視線まで抱き上げた。
「あ…っ」
どうしようもない絶望的な状況に追い込まれた事を自覚した雪子。
「はっはっはっはっ! どうした? もう逃げなくていいのか?」
少女と向き合う形で、意地悪く挑発するA。
しかし、少女はそんな挑発にムッとする余裕もないくらい絶望に震えていた。
腰から胸元辺りまでを太い二本の腕が絡みつき、その力は、どう考えても少女の非力じゃ脱せられない。
脱しようにも、上半身を雁字搦めに縛り上げられていて、男の腕を振りほどこうとする事も出来ないのだ。
Aの厳つい大きな顔は少女の愛らしい小さな顔のほぼ目と鼻の先くらい近い。
若干少女の顔の位置の方が下であろうか。
しかし、160㎝にも満たない小柄な少女より40cm近く高いAは、それでも少女の足が地面に着かない程上に抱き上げているのだ。
「どうした? 早く逃げないと痛い目に遭うぞ?」
そう言って少女の唇にキスしようと迫る。
「いっ、、いやあ!」
慌てて避けた少女は、Aの拘束を脱しようともがく。
しかしやはり、縛られた上半身が悲鳴を上げるだけで、何の抵抗にもならなかった。
いや例え縛られていなくても、元気な状態でも、この男のパワーには敵わず拘束を脱せないだろう。
この後のAの締め上げから、重々理解できた…。
「ふんんっ!」
ミシ、、ミシミシ、、
「く、ああああっ…あああぎゃ、あぁ…っ!」
桁外れのパワーに、捕われた少女は、悲鳴を上げて苦しむしかなかった。
いや、あまりの締め上げに少女は呼吸もつまり、悲鳴すら満足に出せなかった。
この程度の声量ではとても住宅までは聞こえないだろう。
Aは、目の前で苦しむ少女の苦痛の表情と悲鳴をスパイスに、強弱をつけて締め上げていた。
ギュ、、ギュギュウッ、、
「ぎやああぁーっ、、う、あぁああーっ!」
強弱を付けた締め上げは、常に少女に極上の苦しみを与え、少女は首から上を振って悶える。
よほど痛く嫌なのだろう。
そのもがきも段々と弱まっていった。
あまりのダメージに抵抗する力すらも無くなってきたのだ。
だが、Aは残酷だった。
「フフフ、もう終わりかお嬢ちゃん? じゃあ、お前の唇を奪って…」
「やっ! やああーっ! …っが!」
ミシ、ミシシ、、
キスをすると脅されると慌てて少女はイヤイヤをして抵抗を再開する。
残酷にもAは、抵抗を再開した少女に、地獄の締め上げを再開した。
「ふうううっ!」
ギュウッ、、ミシミシミシッ、、
「あっぎゃあーっ……ああ…っ!」
花も恥じらう純情乙女な少女には、ファーストキスをこんな形で奪われるのだけは死んでも嫌だったのだ。
Aは少女の純情さを利用し、少女の抵抗力を根こそぎ削り取る気なのだ。
しかし、少女にはどうする事も出来ず、苦痛に悶絶していく。
(初めては、、好きな人と…、テツ君…っ!)
想いを抱く彼の姿が頭の中で浮かぶ。
だが、意識がもうろうとしてきた。
「あっ、、ああ……っ、テ、、ツ…君……」
ガク…
とうとう力尽きた少女。
ボロボロに痛めつけた少女の寝顔を間近で眺めながら、Aは嘲る。
「フフフ、愛らしい娘だな。気を失う寸前、好きな男の子に助けを求めたのか?」
「おいおい、大丈夫ですか? 死んでないでしょうね?」
慌ててCが聞く。
「ふっ、心配するな、気を失わせただけだ。骨が折れないギリギリに力を抑えてやった。ま、強弱を付けたから感覚的にはそれ以上に痛いだろうがな。」
恐ろしい事を淡々と言うAだった。
同調してBが言う。
「それにしてもこの子、キスと脅すと異常に嫌がりましたね。まさかこの歳でキスもまだだったのか。」
「そうらしいな。可愛い顔してるのに、、こりゃ相当うぶな娘だぜ。」
するとCがゴクッと喉を鳴らしながら、
「へっへへ、早く運びましょうよ。このお嬢ちゃんを…。」
「ああ、カメラはちゃんと撮ってあるだろうな? Cよ。」
「もちろん、バッチリですよ! 何十枚も収めたことか。」
すると、Dがカメラを受け取り、
「よし。じゃあ、俺が写真を現像して、娘の自宅に送り付けますよ、脅迫状としてね。」
「頼んだぜ。じゃあ俺達は、この娘を車まで運ぶぞ。残してきた女が車を近くまで運んできてるからな。」
「「了解です!」」
BとCがそろって言った。
Aは放り投げるように、気絶した少女の華奢な体をCに渡した。
Cはいやらしく、生唾を飲んで少女をお姫様抱っこして眺めていた。
夏の暑さと男達との格闘と甚振りから、少女は汗びっしょりで、何とも言えない女の匂いがムンと漂っていた。
顔つきも体つきもまだ未完成の少女だが、匂いには女の心地よさが充分であった。
子供でもなく大人でもない、年頃の少女特有の危うい艶めかしさ、、
その上、男達と戦い敗れ、散々嬲られた上での屈辱の緊縛姿。
汗びっしょりの薄いブラウスに包まれ、きつい胸縄で絞られた胸部は、水色のブラがスケスケだった。
それだけでなく、男達の暴力でブラウスのボタンがいくつか弾け、素肌と共にブラも覗いていた。
ブラは質素だがリボン付きの可愛らしい水色だった。
たまらない匂いと光景に、Cは少女を抱きしめる。
これからこの娘を、いいように嬲り物にできる事を想像すると、涎が出そうだ。
すると、呆れたようにBが呼ぶ。
「おい、早く行くぞ、C!」
「あ、はい!」
AもCに忠告する。
「いいかC、その嬢ちゃんは大事な人質だ。触るだけにしとけよ。」
と、Cを窘めた。
BもCに忠告する。
「キスだけであれほど嫌々してたんだ。相当うぶなお嬢さんだぜ。やり過ぎて壊れちまったら、人質の価値が半減しちまうからな。」
「は、はい…。」
お預けを喰らったCは残念そうに、腕の中で眠る少女の無垢な表情を眺め、口惜しい思いだった。
前を歩く男達の目を盗み、Cはこっそり少女の頬にキスをした。
柔らかい肌の感触に、満足のCだった。
【捕われた少女】
男達は歩くとすぐに車が迎えに来た。
わざわざ公園内の道を走ってきたのだ。
運転していたのは30代くらいの女だった。
Aが助手席に座り、Cは気絶した少女を後部座席の中央に座らせた。
少女を挟み込むように、BとCが両サイドに座る。
少女の寝顔を眺めるC。
「テ、、ツ…君……」
少女は僅かな声で寝言を言い、寝返りを打つ。
ジャラ…
手錠の金属音に気付いたB。
「手錠を外してやるか。これだけ縄化粧してりゃ、もう必要ないだろう。」
手錠の鍵はBが持っていたのだ。
少女の身動きを拘束していた手錠を鍵で外した。
「この小娘、愛しの彼の夢でも見てるんだぜ。」
さっきの寝言を嘲るA。
「ん……」
その時、少女が目覚めた。
「ハッ…」
一瞬で全てを思い出し、理解した。
この車に乗せ、攫われる。
まだCはドアを閉めていなかった。
「やだっ、、きっ、きゃあーーっ!!!」
少女の悲鳴と同時に慌ててドアを閉めたC。
悲鳴はほとんど外に届かなかっただろう。
しかもここは森の奥である。
助けは絶望的だ。
けど、少女はなりふり構わず悲鳴を上げた。
怖くて怖くて仕方がない。
「いやああっ!! 助けてえーっ!!!」
少女を慌てて押さえ付けるCに反し、Aは淡々だった。
「うるさいな。黙らせろ、B。」
「ああ。」
すぐにBは、少女の鳩尾に拳を喰らわせた。
「ぐ…っ!」
吐き気すら伴う当て身に、少女は息が詰まり苦しむ。
悲鳴が止んだ隙に、Bは素早くハンカチを取り出し、少女の口の中に突っ込んだ。
「いやっ、やうぇて…!」
少女は嫌がるが、当て身のダメージで力が入らず、再度詰め物をされてしまった。
さらにBは手拭いを取り出し、真ん中をクルクルと捻ると、その部分を少女の唇にあてた。
少女が何かと思う間もなく、唇と唇の間を割くように手拭いを噛ませてきた。
さらに布の両サイドを思い切り引っ張った。
抵抗しようとする少女だが、緊縛とダメージの深さで、大した抵抗にならない。
しかもとどめに、逆隣りのCが少女の両肩を抱き、抵抗を完全に封じ込めてしまった。
「う、、ぐうっ…!」
いやらしく自分を眺める男に肩を抱かれる事に不快だったが、その隙にBが強く手拭いの両端を後頭部に引っ張り、手拭いを少女に深く噛ませた、
そのまま両端を後頭部で結び、少女に厳しく猿轡を施した。
さらに今度は縄を取り出し、少女の制服のチェックのスカートを捲り上げた。
「んむうぅっ!?///」
思わぬ痴漢行為に少女は顔を染めてもがく。
だが左隣で肩を抱いていたCが、さらに右腕で少女の細い首を絞めるように抱き付き、抵抗を封じ込めた。
その隙に、Bは少女のスカートを捲ると、スベスベな太ももを一撫でした。
「っ…ぐ!////」
おぞましい感触に、首締めに苦しいながらも呻く少女。
Cはというと少女を抱きしめた高揚感から、さらに少女の耳に息を吐いたりキスしたり、少女を辱めていた。
Bは淡々と縄を少女の太ももに巻き付けていった。
その手つきはやはり手慣れたもので、補強の絞りまで完璧だった。
少女は縛られながら、自分を縛るロープがとても滑らかである事に気付いた。
半袖からこぼれる素肌の腕を縛るロープの感触からも、それが分かる。
手首と首筋のロープの感触も、、
今まで少女が使ってきた、ホームセンターのざらざらな荒縄の感触じゃない。
おそらく油がまぶしこまれているのだ。
そのため表面はとても滑らかで、さらに縄の細い線の密度が通常より厚くなっている。
滑らかゆえに、ほどこうにも指が滑るだろう。
線の密度の厚さゆえに、縄はほつれず頑丈な強度を保つだろう。
被緊縛者からしたら、とてもおぞましい改造を受けたロープなのだ。
そんなロープをわざわざ作って、自分を捕え縛り上げた。
もはや自分は助からないのでは…。
次々に分かる狡猾な男達の計画に、次第にそう思わざるを得ない、雪子だった。
そう考えている内に、運転席の女が甚振られている少女を眺めていた。
「あらあら、可愛らしいお嬢ちゃんじゃないの、、相当痛めつけられたのねえ…可哀想な事をして…。」
妖しい目つきとは裏腹に、ボロボロな少女への甚振りに同情しているようなコメントをした。
やはり同じ女だから同情してくれているのか…。
少女は、散々自分を痛めつけた男達に比べ、女に多少安心感を持った。
そんな少女を眺める女に、助手席のAが催促する。
「いいから早く出せ。」
「はいはい…」
女は車を発進させた。
雪子が車に押し込められてから3分、彼女の体の自由は完全に奪われ、誘拐されてしまった。
太ももも縛られた。
これで走って逃げる事も攻撃する事も出来なくなった。
絶望的な状況に陥れられて誘拐されてしまった雪子は、共に悪と戦う頼りの妹達に心の中で助けを求める。
(月子、、花子、、助けてっ!)
その時月子と花子は家で雪子の帰りを待っていた。
「遅いなー、姉ちゃん。」
二人はまさか今雪子が囚われの身になっているとは思いもしなかった。
【攫われた少女】
車の中・・・・・・・・、
ギリギリッ…ギリィッ…
雪子は縄を解こうともがいた。
しかし容赦ない捕縛術を受け、縄は少女のやわな肉体に食い込んでいた。
視線を落とすと、形はいいが小ぶりだった胸は縄によって強く絞られ、惨めな形に変形しているのがブラウス越しにも分かる。
可愛らしい制服も、男達の乱暴な緊縛によって無惨にしわができており、ブラウスのボタンもいくつか弾け飛んでいて、水色の質素だがリボン付きブラや、素肌のお腹も見えていた。
そうでなくても、汗びっしょりかいたブラウスと厳しい胸縄に絞られた胸からは、ブラがスケスケだった。
(酷い……)
あまりに惨めな姿に耐えられなく、少女は何とかおぞましい緊縛から脱そうともがくが、ギリギリッと、まるでハンモックが揺れるような忌まわしい音と共に、縄を受けたやわ肌が痛みに走り、恥辱と苦痛に猿轡を強く噛む。
ジャキッ
さらに、Bに銃を突きつけられ、少女は竦んで抵抗をやめた。
(この人たち、私をどうする気なのかしら。)
少女は後部座席の中央に手足を縛られ猿轡を噛まされたまま座らされていた。
その両サイドには二人の男が座り、脱出口を封じていた。
男たちは少女を縛り上げ、彼女の体を逃げ出せないように座らせた。
さらに彼女の太ももには拳銃が突きつけられ、彼女の抵抗を強制的に止めていた。
少女は震えていた。
彼女の猿轡された口から息が漏れる。
Cがその様子をじっと見ていた。
信号のため車が止まった。
普通の車ならそばで歩いている人が気付いてくれるかもしれないが、この車の窓はマジックミラーで、外から中が見えないようになっていた。
少女は思ったよりもやっかいな場所に閉じ込められてしまったのだ。
少女は車が山の方に向かっていることに気付いた。
(あたし、どうなっちゃうのかな……。)
そしてしばらくして少女を眺めていたCが、彼女の肩をつかむと自分の方に引き寄せ、彼女の顎を摘んで自分の顔の前に持ってきた。
「ううっ…!」
彼女は泣きそうな顔をしていた。
「フフッ、見れば見る程、可愛い顔をしてるじゃないか。」
Bもうなずいて言う。
「ああ。」
Cは彼女の髪に触れた。
Bは彼女の頬に拳銃を突きつけた。
「大人しくしてれば、命だけは助けてやるかもしれないぜ。」
Cは彼女の頭をなでながら、脅し口調で言った。
「うっうううっ…」
彼女はそれに怯えながらも、気丈に睨んだ。
しかし、そんな姿を、Cは喜んで眺めていた。
屈辱だった。
戦士として闘ってきた自分がこうも簡単に捕まり、好きなだけ弄ばれていることに…。
その時、Bはアイマスクを取り出し、Cの方に向かされていた少女に突然目隠しをした。
「んっ、、んんん!?」
いきなり視界を奪われた驚きと恐怖に、声を上げたが、
「あがくんじゃねえよ!」
耳元で凄みのある声で脅され、少女は大人しくせざるを得なかった。
Cが肩を抱き、おとがいを掴んでいるため、少女は抵抗させられなかったが。
「大人しくしてろよ。」
目隠しをされた少女は、おずおずと頷き、大人しく座っていた。
何も見えない恐怖と不安が少女をじわじわと支配する。
一体、どこに連れていかれるのだろう…。
男達に、特にCにどんな事をされてしまうのだろう…。
「ん、、んん……」
恐怖と不安は強まり、気付かぬうちに震えて呻いていた。
そんな様子を、Cは堪能していた。
車はさらに雪子を人気のない山へと連れて行った。
目隠しをされていたが、車の振動から、充分に分かった。
(やだ…。どこに連れていく気なの!?)
恐怖は増し、少女はまだ縄を解こうと抵抗していた。
(なんとか、、なんとかしなきゃ……っ。くっ…けどっ…ダメ……とてもほどけない…!)
やはり女の子の力ではとうてい無理だった。
彼女を囲んでいるBが少女の密かな抵抗に気づき、彼女の顎をつかんだ。
「うぐっ」
そして彼女の頬に拳銃を突きつけた。
「おい、無駄だってのがわからないのか!?」
Bは彼女の細い腕を握った。
「んんっ!」
とても痛かった。
「こんな細腕で縄を解けるわけないだろうが! 死にたくなかったら大人しくしてろ!!」
少女はふるえながらうなずいた。
「けっ、クソガキが。」
車はやがて荒い山道に入っていき、車が揺れた。
それでも雪子はおとなしく座っていた。
さっきの男たちの乱暴な行動に怖くて動けなかったのだ。
そんな少女の恐怖を煽るかのように、車は荒々しく揺れながら確実に目的地へと走っていった。
少女を監禁するアジトに……。
【囚われた少女】
雪子が拉致されてから3時間、車は山奥の廃屋に着いた。
といっても、目隠しをされた少女には分からない。
(どこだろう、ここ……)
たとえ解放されても帰れそうにない、そんな場所にさらわれてきたのでは?と目隠しをされながらも勘付いた少女。
Cは車からでると、車から引きずり出した小さな女の子を軽々と抱えた。
少女はCに乱暴に車から引き出され、立たされた。
「歩け。」
Bの命令が聞こえた。
「ん、んん!?」
少女は驚いた。
太ももを縛られた自分に、自分の足で歩けというのか?
だったら、太ももの縛めもほどいてほしい。
「んーーっ、、んんーーっ!」
少女は猿轡をされた口と足を僅かに動かすジェスチャーから、
(あたしは歩けないわ。歩かせるんならせめて、太ももの縄をほどいて!)
と頼もうとした。
しかし男達は残酷だった。
ビシイッ
「んんっ!!」
お尻を強く叩かれた。
目隠しをされては、身構えられずまともに食らってしまい、とても痛い。
「甘ったれてんじゃねえよ! 膝から下は自由なんだ! おら、速く歩け!」
Aにそう命じられ、乱暴に背中を押された。
その脅迫に押され、少女は何とか歩くしかなかった。
しかし膝から下だけでは満足に歩けず、すぐにバランスが崩れる。
しかしバランスが崩れそうになると、Bが縄尻を乱暴に引き上げ、少女を無理やり引き起こす。
少女はもはや引き摺られる形で、屈辱にまみれながら歩いていく。
頑丈そうな扉の音が聞こえた。
建物の中に入ったのだろう。
すると、前からドンッと胸を押された。
「んむうっ!?」
思わぬ行為に、仰向けに倒れそうになった。
しかし、背中と太ももの裏を支えられたと思ったら、ひょいっと小さい体が宙に浮いた。
「むうっ!??///」
Cにお姫様抱っこされたのだ。
さらにCはふためく少女が可愛いという様にギュッと抱きしめた。
「んひゅっ!?…ん、んんーーっ!!//////」
「いい匂いだ。」
男に抱き寄せられる感触に、うぶな少女は、恐怖と共に羞恥に顔を赤らめた。
お姫様だっこされて廃屋の中に入れられると部屋の中の中央にあるテーブルのような台に寝かされた。
「んーっ、んぅーーっ」
動けない、そう分かってても抵抗せずにはいられなかった。
ギリギリッ
しかし縄のこすれる音がするだけだった。
それに、
「動くなっつってんだろ!」
銃によって動きが止められた。
するとBは少女のスカートのポケットに手を入れた。
目隠しで見えないが、何かを探しているようだった。
「ん…んぅ……っ//」
おぞましい感触に少女は震えあがる。
男のごつい指の感触が、薄いスカートを通じて少女の肌に触れる感触…
スカートをまさぐられるのが嫌がったが、拳銃を突きつけられているので大人しくしているしかなかった。
Bは彼女のスカートのポケットから携帯電話をとりだした。
Bは少女の家に電話をかけたようだ。
ハンズフリーにしたのか、少女からも電話の向こうの音が聞こえる。
次女の月子が出たようだ。
花子もそばにいたようだ。
雪子の身に何かあったのではないかと心配してたようだ。
『もしもし、お姉ちゃん?』
「お前の姉、山吹雪子を誘拐した。」
『えっ?…な、何の冗談か知らないけど、悪戯電話は止めてよお姉ちゃん!』
簡単には乗ってこない、思ったより賢い娘だ。
「嘘だと思うんなら、郵便受けに行ってみろ。私からの手紙が入ってる。」
月子は、花子に取りに行かせたそうだ。
しばらくして、少女たちの悲鳴にも似た声が電話から聞こえた。
何かと思った雪子に、Bは残酷な事実を教えた。
「実は、お前を襲ってから車に押し込むまで、何十枚も写真を撮ったんだ。それを、脅迫状と一緒にお前の家に送ったのさ。お前を誘拐した証拠としてな。」
(! な、、何ですって…?)
唖然とした少女の様子に気付いたBは、満足げにネチネチと囁く。
「今頃妹達は、慌てふためいているだろうぜ。何せ、お前の甚振られている写真、無惨に縛り上げられている写真、いやらしく愛撫されている写真まで、たっぷりあるからなあ。」
「…ぐッ///」
あのいやらしいカメラを、そんな汚い事に…、よりによって妹達に見せるとは…。
屈辱だったが、今の雪子には悔しげに猿轡を噛み締めるしかできない。
すると、電話の向こうから、月子が応対した。
『あなた誰なの? お姉ちゃんに何したの?』
「安心しろ、元気でいるさ。多少殴りつけて泣かしはしたけどな。」
(何が多少よ…! 散々痛めつけたくせに!)
悔しげに震える雪子。
「いいか、俺の言うことをよく聞くんだ。今から俺が言うものを言う通りに持ってこい。それは、お前らが大事に持っている秘宝●●だ!」
『なっ!? 何でそれをあんた達が知ってるのよ!?』
●●とは、シュシュトリアンとして闘うために御酉様から渡された秘宝で、実はシュシュトリアンの力の核でもあった。
何でそれをこいつらが……
「それだけじゃないぞ、シュシュトリアンさんよ。」
『「!!??」』
やはり、自分達の正体までも知られている。
……
Bが言うには、以前シュシュトリアンが秘宝を狙う敵と戦っている現場を目撃したらしい。
(…そう言えば闘い終わった時、末っ子の花子がべらべら喋ってたような…。)
闘い終わった緊張感の解放から、つい口に出してしまったのだろう。
それも結構な大声だった。
おそらくその時に隠れて見て聞いて、知ったのだろう。
花子にはすぐに雪子がお灸を据えたが。
(あの秘宝目当てであたしを誘拐したのね…)
「警察や親には知らせるな。お前ら二人だけでやれ。変身もするなよ? 言うことを守らなければ……分かってるな。」
「んーぅ、んんーっ(やめて、妹たちを巻き込まないで)」
「姉の声を聞かせてやるよ」
すると男は雪子の猿轡と目隠しをはずした。
久しぶりの視界に目が眩むが、この部屋も薄暗く、すぐに慣れた。
と、思ったらすぐに胸に拳銃を押しつけてきた。
「んっ!!」
恐怖に少女は竦み上がった。
「妹たちと話をさせてやる。余計なことは言うな。言ったら…分かってるな。」
Bは顔を少女の耳元に近付け、ねっとりとした言い方で脅した。
脅しに押され、少女は涙を流しながら頷いた。
少女の耳に電話を近付けた。
拳銃を押しつけたまま…
「も、、もしもし…」
『お姉ちゃん、だいじょうぶ?』
可愛い妹の声に、雪子は蓄積した恐怖と不安に心が弾けそうになった。
けど、何とか耐えて月子と話す。
「うん、ごめんね…、こんなことに巻き込んで。」
『いいのよ、必ず助けてあげるからねっ。』
「うん、ありがと…んむぅっ!?」
いきなり雪子はBに口を塞がれた。
「ぐう…、んぐ…っ!??」
『お姉ちゃん、どうしたの!? お姉ちゃんっ!』
「大丈夫さ、姉の命が惜しければお前ら二人だけで来い、いいな。さもなくば…」
ガチャッ
電話を切って、雪子の口から手を放した。
「ぷはっ、ひ、卑怯ものっ、うっんん…」
「黙れ。」
Bは淡々としかし乱暴に雪子に猿轡を施していく。
(悔しい…っ!)
再び猿轡を噛まされてしまった。
さらに再び目隠しも施された。
「大人しく寝てろ。」
「んっ!」
男が座っていた雪子を突き倒した。
「ぐ…っ」
「しかしうまく考えたな、姉妹のうちの一人をさらって残りに秘宝を持ってこさせるとは…」
「ああっ、相手がガキならそのまま捕らえるのも簡単だしな。」
「!!?」
その言葉を聞いて雪子は驚いた。
(どういう、意味? ま、まさかっ…!)
少女は察した。
先程の妹達との会話から、男たちは雪子と秘宝を交換すると思っていたが、それは罠だった。
本当は、三姉妹全員を捕縛する事だったのだ。
唖然とした様子の少女に、Cがゆっくりと覆いかぶさる。
「んっ…!?////」
怯む雪子の体を抱きしめるようにCの手が這い、少女の耳元に口を寄せ、息を吹き付けながら囁く。
「お前らを怪猫猫姫ってのに渡せば、宇宙制服をされても俺達は功績が讃えられ、星の一つもくれるかもしれん…」
「っ……!!(なん、、て、事を…! こ、こいつら、最低っ、最低よ…。同じ、地球人、、なのに……っ!)」
自分が守ってきた地球人に裏切られ、少女の絶望感は半端無かった。
それだけではない。
そんな奴らに自分は捕まり、さらにそのせいで大事な妹達も捕まってしまう。
そして、地球が……
少女は自分の非力さに泣いていた。
一方、月子たちは……
「どうしよう、お姉ちゃんを人質を取られたら、頼みの変身もできない…。」
どうしようもなかった。
【弄ばれる少女】
再び目隠しと猿轡をされてからどれくらい経ったろうか?
少女には今、どうなってるのか分からなかった。
先程、台から床に下ろされた。
床はコンクリートだろうか、無機質に固い。
男達の会話とドアの音から、何人かは外に出ていった事は分かる。
けど、誰かの気配は感じる。
自分の見張りだろう。
何人だろう、どこにいるんだろう。
(見張り、、あの女の人だったらまだ安心かな…)
自分を誘拐した犯人の一人とはいえ、自分を同情するようなコメントをした。
同じ女としても、あの恐ろしい男達に比べたらまだマシだと思えた。
グゥ~
腹の虫が大きく鳴り、少女は恥ずかしげに頬を染める。
こんな時でもお腹は空くものだ。
朝食を抜いた上、昼ご飯の前に拉致されたため、若い少女は当然腹ペコだった。
(今日、まだご飯食べてなかったんだ…。お腹、空いちゃったな…。)
等とぼんやり思っていた。
「安心しろ、今仲間が飯を買いに行ってるぜ。」
「んんっ!!?」
いきなり耳元で息を吹きかけるように囁かれ、少女はビックリ仰天した。
声からしてCだろう。
いやらしいこの男は、少女を怯えさせるため、わざと気配を消して脅かしたのだ。
目隠しをされた上、気配を消されては、とても気付かなかった。
見張りがいる事は分かっていたが、それがCだった事に、少女は嫌悪感を肥大させる。
(何て事…っ。よりによって見張りが、一番いやらしいこの男だなんて…。)
一番強く恐ろしいAも怖いが、やはり花も恥じらう少女にとっては、いやらしいCに一番警戒し怖がっていた。
案の定、Cは貼り付くような笑みで、少女の体に触れる。
小さな体を抱くように、肩と脇腹に掌を這わす。
「んッ…ぐう…!///」
誰もいない為、Cにとっては絶好の狩り場だった。
Cの息も荒くなっていく。
興奮しているのだ。
嫌悪感と気持ち悪さに身を竦める少女。
(やめて、、誰か…助けて!///)
適わぬだろう祈りをする少女だったが、意外にも適う事になる。
またドアの開く音がし、Cは慌てて少女から手を引いた。
Cのペッティングから解放された少女は、とりあえず安心と深く吐息をつく。
「その女の子に変な事しないでよ? 大事な人質なんだから。」
どうやら運転手をしていた30代位の女性のようだ。
「チッ、分かったよ…。」
渋々少女から離れるC。
女の足音が近づいてきた。
少女は安心した。
犯人グループの中では、この女が一番ましだと思えたからだ。
あんな乱暴でいやらしい男達に比べたら…。
しかし、それは間違いであると、すぐに気付く。
女は実は、男達とは全く違うタイプの残酷さを持っていたのだ…。
目隠しをされた少女は、自分に近づく女の動向に、聴覚を集中させて意識した。
ビニール袋の音が聞こえる。
どうやらコンビニ弁当か何かを持ってきたのだろう。
女が傍でビニール袋から食べ物を出しているのだろうか。
ビニールの音が長く鳴る。
蓋を開けたのか、食べ物の匂いがした。
その匂いに、腹ペコな少女はさらに食欲に駆られた。
グゥ~
再び腹の虫が鳴り、少女は頬を赤らめた。
その様子に、女はクスクス笑い、少女の顎を摘んだ。
「可愛いわね、お嬢ちゃん♪」
そう言って、顎から頬、髪をゆっくり撫でてきた。
「んぅッ…///」
くすぐるような感触に、少女は慌てて顔を逸らす。
しかし、女は再度少女の顎を摘み、
「抵抗しないのっ。ごはん食べたくないの? 腹ペコなんでしょう?」
そう言って少女の抵抗を封じる。
「うぅ…」
もう一度少女の顔を撫でまわす。やはり堪らず逃げる少女だが、女は今度は髪の毛を掴んだ。
「うぐっ!」
痛みに呻く少女の耳元で、女が湿った吐息を吹きながら囁く。
「静かになさいな。拘束を緩めてあげるのよ。じゃないと、食べられないでしょう?」
そう言って、少女の耳たぶに口付けをした。
「ん…っ!///」
少女はこの女に、男達とは違うおぞましさを感じた。
実は女はサディスティックなレズビアンなのだが、うぶな少女がそんな趣向を知るわけもなく、女に弄ばれるようにされるがままとなる。
女は、少女の太ももの縄をほどき始めた。
チャンスである!
そう思った時、
ガチャッ
こめかみに拳銃の感触が…。
「動くなよ、大人しくしてろ。」
Cが拳銃で少女の動きを封じた。
少女は絶望にため息を漏らし、体の力を抜いた。
「ウフフ、、」
いやらしく笑いながら、女は少女の太もものロープをほどいたが、再度縛り直した。
女とは思えないほど容赦ないきつさで、少女は思わず猿轡を強く噛み締めた。
一体何をしているのかと思ったら、今までピッタリと閉じ合わされた太ももが、多少開くようになっていた。
(どうして、、歩きやすいようにしてくれたのかしら? けど、何のために?)
捕虜は少しでも逃げる可能性と意思を奪うようにされるものだ。
なのに、これでは逆効果ではないか?
疑問に思う少女に、女は今度は後ろ手のロープをほどきにかかった。
(!!? ど、どういう事?)
少女からしたらもちろん嬉しいが、犯人の意図がつかめず、不安が強まる。
手首のロープがほどかれた。
しかし、上半身のロープはそのままで、少女は肘から下を動かすので精一杯だった。
これは犯人達の計算済みだった。
女は少女の手首を前に持ってくる。
後ろ手になる様に肘から上も縛られていたが、何とか力づくで少女の腕を前に持ってきた。
当然、縄の締め付けに少女の腕は悲鳴を上げた。
(いっ、、痛いっ!)
痛がり、困惑する少女を尻目に、細い手首を前手に束ね、その手首に金属製の何かを掛けた。
ガチャリッ
(!?っ…この感触は、、手錠……)
再び絶望的な拘束具。
今度は前手に手錠を嵌められてしまった。
拉致された時の絶望感を思い出す。
どんなにもがいても、痛いだけでビクともしない拘束力。
震え出す少女だが、この行為の魂胆は分かる。
(自分でご飯を食べさせるためね、これは。後ろ手に縛られちゃ、食べられないもの…。)
女は一旦緩みかけた上半身の拘束を、再度きつく縛り直した。
上半身の緊縛を緩められた時、少女は逃げるチャンスでは?と思いかけた。
しかし、手首に嵌る手錠の感触で、それは気のせいだと諦めた。
少女に食べ物を与えるため、拘束を変える…
だとしたら今度は、猿轡を外すのだろうと思ったが、女は少女に恥ずかしい質問をした。
「トイレは大丈夫?」
恥ずかしげに頬を染める少女だが、切実な問題だ。
実はさっきからトイレに行きたかったのだ。
けど、恥ずかしくて困惑して固まってしまっていた。
「あら、行きたくないのね。」
「んんーーぅ」
すると少女は慌てて首を横に振った。
「トイレに行きたいのね?」
コクコク、と首を縦に振る少女。
すると女は少女の頬を包む様に撫でながら、意地悪く質問する。
「大かしら? 小かしら?」
(!!? なっ、、何を言うのよ!///)
恥ずかしくてふためくだけの少女だったが、そんなうぶな反応を可愛いという様に少女の頬を撫で、女は問い詰める。
「答えないと、連れて行ってあげないわよ。」
「っ…!///」
何て意地悪な女なのだ。
「へっへっへ。」
傍でいやらしい男が眺めている前で、恥ずかしい答えを言いたくなんてない。
花も恥じらう少女には、物凄く恥ずかしい質問だ。
しかし、、
「トイレに行きたいんでしょう?」
トイレに行きたいのは事実で、少女は渋々と頷くしかなかった。
「じゃあ、どっちに行きたいか答えなさい。おしっこ?」
「っ…/////」
よりによって、小でなくおしっこと聞いてくる。
本当に意地悪い女だ。
少女は真っ赤な顔を横に振る。
女は楽しそうに口を三日月型にする。
「じゃあ、、ウンチ?」
「っ!!///」
少女は、耳まで真っ赤になり、恥ずかしげに頷いた。
「ふへへへっ、ウンコに行きたいのか!?」
盛大に言うCに、少女は耳を塞ぎたかった。
しかし、縛られていてそれも出来ない。
女は満足げに笑いながら、少女を見下ろして言う。
「じゃあ行きましょうか、ウンチに♪」
「っ…!///(やめて、、言わないで…!)」
女は再び少女にロープを掛ける。
手錠にロープを結んでいる。
それを引っ張った。どこへか?
太ももに女の指の感触がして、ビクッと震える。
男とは全く違う、繊細で冷たいペッティングに、芯まで震えそうだった。
女は少女の太ももを一撫でし、
「プ二プ二と張りがあって、とてもスベスベな太ももね。シミ一つない…。」
耳元で羨ましそうな女の声が貼りつく。
さらに女は付け根にまで指を這わせ、内腿も擦った。
そしてついに、ショーツに覆われた股間に到達した。
「っ…ぅ…っ!////」
やわやわとショーツの感触を確かめる様な緩いペッティングに、少女は息がつまりそうな位身を凍らせていた。
「ッフフ、ナプキンはしてないわね。今は生理じゃないみたい。」
(なっ!? それを確かめるためだけに、こんないやらしい事を…!)
憤る少女に、女はさらに問う。
「次の生理は近いの? 一応、紙ナプキンを買ってきてあげたんだけど。」
(買ってきてくれたんだ…)
「あなた、生理きついらしいからね。」
「っ!!////(そんな情報まで…!)」
確かに、個人差もあるが、雪子にとっては生理はとても苦しい。
生理日に無対策だと、相当しんどい。
それを考慮しての女の気遣いは嬉しかったが、やはり気持ち悪い。
ストーカーに、自分のプロフィールを詳しく調べられた事は分かっていたが、まさか生理の事まで…。
少女は顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。
犯人達は、じわじわと少女を恥辱責めにしていく。
「で、生理は近いの?」
恥ずかしさのあまり質問に答えてなかった少女に、女が再度問う。
少女は、おずおずと首を横に振る。
生理は過ぎたばかりだった。
「そう、良かったわ。」
目隠しで見えないが、女は異様な雰囲気を纏って言う様な気がした。
それが羨望と嫉妬のオーラだという事は、雪子は理解できない。
女はロープを太もものロープに結び、手錠と繋いだ。
おそらく少女の身動きを制限し、抵抗を抑える為だろう。
(こんな事しなくても、どうせ肘から上はロープで縛られてるんだから、手もほとんど動かせないのに…。)
周到なまでに警戒し身動きを封じてくる犯人に、少女はため息を漏らす。
シュシュトリアンとはいえ、変身できない自分はただの女子高生だ。
そんな女の子相手にここまでするとは…。
呆然とする少女の二の腕を掴み、女は少女を立たせる。
「っ…!」
思いのほか乱暴な扱いに、少女は猿轡を噛み締める。
「さ、行くわよ。ウンチに♪」
「っ!///(しつっこいわね!)」
何度も女は執拗に少女を恥辱に陥れようとする。
(どうしてそんな酷い、恥ずかしい事するの? 同じ女じゃない、、苛めないで…っ)
一番安心と思ってたが、恥辱な言葉責めといい、男達とは全く別物だが同等のおぞましさを感じた。
そんな女に怯えながら、少女はされるがまま、女に連行される。
「大人しくしろよ、お嬢ちゃん。拳銃があるんだからな。妙な真似したら、怪我するぜ。」
「っ…!!」
少しは自由になった足で女を蹴り飛ばして逃走しようと考えたが、やはりCが見張りについていた。
しかも拳銃を突きつけて…。
「歩きなさい。」
「っ…」
少女は耳元で女に命じられるまま、歩き出す。
しかしその時、手錠に繋がれた太もものロープが引っ張られた。
「!!?」
バランスを崩し、整えようにも不自由に縛られ疲弊しきった体では適わなかった。
ドサッ
少女は惨めに頭から床に突っ伏してしまった。
「やだ、、この子…w」
そう上から女があざ笑う。
Cも一緒に笑う。
「おい嬢ちゃん、お尻突き出してるぜ。誘ってるのか俺を? ひははははっ!」
「っ…!!/////」
少女は恥辱のあまり顔を真っ赤に染め上げた。
おそらく自分を縛った女達は、少女がこうなる事は分かっていたはずだ。
トイレはできるように、しかし走れぬよう攻撃できぬよう、複雑に縛めをしたのだ。
しかし女達は忠告する事もせず、少女を恥辱に陥れたのだ。
少女は慌ててお尻を引っ込めた。
そこに、女は新たな拘束具を取り出す…。
【繋がれた少女】
雪子が上半身を上げた所で、首に何か革製のものが巻き付けられた。
「ん、んっ!!?」
慌てて避けようとしたが、もう遅かった。
少女の首にベルトが施された。
「さ、立ちなさい。」
「っ…ぐぅ」
その声と共に、首がグイッと締められ、少女は息を詰まらせながら慌てて立ち上がる。
ベルトが引っ張られた感じだ。
少女は何を施されたか分かった。
首輪だ…丈夫な革製の首輪を施され、鎖で繋いでいるのだろう。
女は鎖を持って、自分を犬のように連行する気なのだ。
後ろから女は首輪を撫でながら囁く。
「気付いたかしら? これは首輪よ。大型犬用の首輪だから、お嬢ちゃんの細い首にもちゃんと対応できたわ。フフッ」
「ぐ…っ!///」
本当に犬用の首輪だった…。
酷い仕打ちに悔しげに猿轡を噛み締める少女。
そんな少女を逆なでするように、女は顎を摘み上向かせる。
「逆らおうと思っても無駄よ。鎖で繋がれているからね。」
そう言って、鎖をクイクイ、と引いてみる。
「んッ…ぐ…っ」
女からしたらいたずらなだけの行為も、喉を締め付けられる少女には苦しい。
さらに、
「あなたは逃げられない…、絶対に、ね。」
絶望的な囁き。
少女は強張っていた力を抜き、項垂れる。
あまりに酷い仕打ち過ぎて、少女は反抗する気力すらも奪われたのだ。
「ほら歩きなさいよ。行くわよ、ウンチにね♪ フフフ」
「ひっひっひっ」
「っ/////」
しつこい女の恥ずかし過ぎる発言に、少女は羞恥に項垂れながら、恐る恐る歩き出す。
手錠と太ももが短いロープで繋がれているため、本当にゆっくりしか歩けない。
女は意外と丁寧に少女を誘導し、トイレに着いた。
「ここがトイレよ。中は狭いけど、普通の洋式トイレだし、トイレットペーパーも近くにあるから、一人で何とかなるでしょう。」
そう言って少女の背を押して、一人で行くよう促した。
女の支えを失った少女は、目隠しをされたままトイレに放り込まれた。
障害物が無いか、慎重に手錠を嵌められた手を探りながら、トイレの便座を見つけた。
するとまた女の声が。
「花も恥じらうお年頃の女の子に免じて、ドアはほとんど閉めてあげるわ。私達からはあなたは見えないから、安心なさい。」
(ほとんど、って…?)
その疑問は、すぐに解けた。
「けど、鎖は首輪に繋いだままだから、妙な真似はしないでよね。ほらっ」
そう言って、女は鎖を軽く引っ張ると、少女の首輪が引かれた。
なるほど、少女を繋ぐ鎖があるから、ドアを完全に締められないのか。
雪子は嫌々理解した。
(本当に見ていない、わよね?)
やっぱり恥ずかしがりの少女は不安で、確かめたくなった。
便座に座り、目隠しを取ろうとしたが、太ももに繋がれた手は、アイマスクに届かなかった。
自分に施された拘束にため息を吐きながら、少女は背を丸め、アイマスクにやっと届いた。
結構きつめにアイマスクを施されているが、全く外せない程じゃない。
雪子はアイマスクを少しずらし、久しぶりに視界を開いた。
薄暗い部屋だが、真っ暗闇を強制されていた少女には眩しかった。
目を瞑り、目が慣れてきた少女は、確かに洋式便所の部屋にいると分かった。
心配なドアは、確かに半開きだが、ほとんど閉まっており、女の言う通り見えないようにしてくれたんだろう。
一安心した少女は、トイレを見渡した。
部屋はカビ臭く、薄汚れていた。
手の届く位置にトイレットペーパーがあり、後ろの壁の高い位置に小さく窓がついていた。
窓には丁寧に格子が取りつけられ、少女を逃がさないためのようだった。
といっても、元々窓自体が小さく、小さな子供でやっと抜け出せるかどうか程度の大きさだ。
少女の華奢な体でも抜け出せないだろう。
その時、鎖がグイッと引かれた。
「ねえ、終わった?」
せっかちな女だ。
といっても、少女も詮索の時間が長過ぎた。
「うーーん、、んんーーっ」
少女は呻くような声を喉から絞り出し、まだだという事を伝えた。
「早くしなさいよ。」
何故、自分を暴虐する犯人に偉そうに命令されなければならないのか?
冷静さを取り戻した少女は、段々犯人達の行為にムカムカしてきた。
しかし、イニシアティブは完全に犯人達に握られている今、下手な抵抗は自分の首を絞めるだけだ。
大人しくしておく事にした少女は、トイレを済ます。
実際にトイレしたかったし。
手錠で結ばれた手で、チェックのプリーツスカートを脱いだ。
お気に入りの可愛いチェックのスカートも、男達による乱暴のせいで薄汚れてしまっていた。
足や腕にも、男達の暴力の痕が、擦りキズや内出血、汚れによってしっかり残っていた。
同じくお気に入りの夏服のブラウスも、惨めに汚れてしわができていた。
可愛らしい夏服をちょこんと着た女子高生は、見るも無残な姿にされてしまった。
自分は捕虜なのだ、と思い知り、涙があふれそうだ。
そんな屈辱を我慢し、下着を掴んだ。
手首同士を結ばれていたため、いつものように両腰のゴムに両手を掛けられない。
仕方なく、何とか下に引っ張って脱ぐ事にした。
いつもと違い無理矢理ショーツを脱ぐやり方に、羞恥心いっぱいだったが、我慢した。
やっとショーツを脱げた。
ブラと同じ水色のリボン付きショーツも、太ももに縄が掛っているために、太ももに掛けていなければならない。
ショーツはスカートに守られていたためか、汚れはなかった。
太ももにスカートとショーツが引っかかるのが気になったが、仕方がない。
少女は外の犯人達に聞こえぬよう、慎重に排せつを済ませた。
排せつの音を他人に聞かれるのは、花も恥じらう少女には死ぬほど恥ずかしい。
まして、その人が自分を辱める奴らなら尚更だ。
幸い音はほとんど出ず、外には聞こえなかっただろう。
トイレットペーパーでお尻と股間を丁寧に拭き、流した。
するとまた、鎖が引かれた。
「終わったかしら?」
「うーーん、、んんーーっ(まだ着終わってないわよっ!)」
慌てて少女は否定の呻き声を上げた。
「トロいわねえ…。」
呆れるように言われた。
(誰のせいだと思ってんのよっ!)
そもそも、こんな複雑な縛り方をしなければ、もっとスムーズにトイレができた。
それ以前に、誘拐なんて酷い事をされなければ、、
理不尽な状況に少女は怒りが沸いたが、何とか抑えた。
今の自分にはどうする事も出来ないのだから…。
慣れない手つきでショーツを穿き、スカートも穿き、手洗いの位置を確認した。
ドアが開きそうなのを見て、少女は慌てて目隠しを元に戻した。
再び真っ暗やみな視界。
「手洗いは、左の方にあるわよ。」
女がドアを開けたのか、少女にいいタイミングで指示した。
知っていたが、少女は何も言わず従った。
そこの手洗いで手を洗い、タオルで手を拭いた。
女はもうドアを開けており、少女が手洗いを終えた頃を見計らって鎖を引いた。
「さあ、戻るわよ。」
「……」
少女は渋々、ゆっくり歩き出す。
また戻るのだ、、そして、この女といやらしい男に囲まれて、、
そう考えると、再び恐怖が沸き上がってきた。
(何をされるの、、あたしに、何をする気なの?)
見張り二人は実におぞましくいやらしい男女で、少女は恐怖に震える。
怯え震えあがり、歩行をストップしてしまった。
「どうしたの? 歩きなさいよ。」
そう言って鎖を引っ張る。
「っ…」
締まる喉に息が詰まるが、やはり恐怖は肥大し、少女を立ち竦ませる。
(いや、、行きたくなんかない…!)
しかし、駄々を捏ねていた少女のこめかみに、拳銃の固い感触が…。
「んっ…!」
「さっさと歩け。」
もう従わざるを得なかった。
少女は恐怖に震える足を無理やり動かし、歩行を再開した。
女に従われるまま、少女は元の場所に戻り、座らされた。
絨毯も何も無い、固いコンクリートの上に…。
首輪を繋ぐ鎖がガチャガチャ動いている。
おそらく女が鎖をどこかに繋いでいるのだろう。
少女が逃げられないように…。
再びビニール袋の音がした。
(やっとご飯が食べられる。)
女が少女の猿轡を外した。
「くは…っ、ぐッ…!」
口の中の詰め物を一気に吐き出そうと思ったが、喉が詰まりできなかった。
それだけ大きな布切れが詰め込まれているのだ。
女が布切れを引っ張り、やっと詰め物が吐き出された。
「ぷはあっ、、はあ、、はあ、、」
呼吸すら苦しかった厳重な猿轡が外れ、少女は深く息をついた。
「サンドウィッチが3つと、緑茶を、ここに置いとくわね。」
そう言って少女の手首を取り、食料を触らせて場所を教える。
少女はコク、と頷く。
サンドウィッチを手に取ると、おいしそうな匂いが鼻をくすぐる。
朝食と昼食を抜いた若い体は、やはり腹ペコであった。
グゥ~
遠くから嘲笑が聞こえ、顔を赤らめるが、構わずにかじり付く。
(笑いたきゃ、笑いなさいよっ。一体誰のせいでこんなになったと思ってんのよ!)
心の中で犯人に毒付きながら食べていく。
サンドウィッチを食べ終え、緑茶を手探りで見つけ、手に取った。
250mlのペットボトルだろう。
手錠で結ばれた手で蓋を開け、中身を飲みほしていく。
喉の渇きも酷かったため、一気に飲み干した。
「あぁー……」
久しぶりに喉が潤い腹が満たされ、満足げに息を吐く少女だった。
手錠で結ばれた手を律儀に合わせ、無言で「ごちそうさま」とポーズする。
すると、女が近づいてきた。
「きゃっ!?」
いきなりの唇への布の感触に、少女は飛びあがった。
「お口をきれいにしてあげるのよ。静かになさいな。」
女は、コンビニでもらった濡れティッシュで少女の口元を丁寧に拭いた。
唇への接触に戸惑ったが、為すがまま我慢した。
「よし、きれいになったわ。」
「あ、、ありがと…うむうっ!? ぐ…うっ!」
思わずお礼を言おうとしたその口に、再度手拭いが掛けられ、猿轡をされた。
(くっ、、何も喋らせる気なんてないのね…っ! 黙ってろって事…なのっ!?)
もがくが、女は力強く手拭いを締め付けてきた。
口の感触から、瘤付き猿轡だろう。
大きな瘤を口に含まされ、きつめに噛ませてくるため、瘤は少女の口の中に収まっていった。
きつく施されてしまい、少女は再び言葉を発する事ができなくされた。
口の中の瘤のせいで、舌を動かすことすらできない。
「うぅーーん…っ!」
恥辱のあまり、無駄と分かっても呻き声を上げて反抗の意を示したかったが、女は嘲笑して流す。
嘲笑を聞くと少女は虚しかった……。
空のペットボトルやビニールが回収する音が聞こえた。
女が律儀に片付けてくれたのだ。
最後に女は、鎖を引っ張って、
「逃げようとしても無駄だからね。鎖は繋いであるんだから。」
そう念を押して、少女から離れていった。
どこまでも隙が無い誘拐犯達だ…。
しばらくの沈黙の後、女とCとの会話が聞こえた。
どうやら少女と距離を取って、二人で何か会話をしているみたいだ。
内容は、この距離と声量では聞き取れない。
けど、しばらくいやらしい事をされる心配は無くなった。
(眠たくなってきちゃったな…)
ホッと安心した少女は、満腹感も手伝い眠くなってきた。
不自由な体を捻って床に横になった。
コンクリートの固く汚れた床のため、心地悪い。
けど眠気は強まり、何分かすると、眠っていった。
スヤスヤと寝息を立てて、意識を失った少女。
子供のように無垢な表情であろうが、目隠し・猿轡では分からない。
少女が眠った事に気付いた二人は、妖しい笑みを浮かべた…。