監禁!!同級生はネジレジア!?

カタカタと薄暗い部屋の中にパソコンのキーを打つ音が響く。午前2時過ぎ。うっすら
とした明かりを灯すディスプレイには黄色い光沢のスーツに身を包んだ女戦士が得体
の知れないモンスターと戦う姿が映されていた。その女戦士の右腕が光る。そして、そ
の腕がモンスターに向かって振り下ろされるとモンスターの身体から火花が舞い、爆発
と共にモンスターは悲鳴を上げて消えていった。
「くそっ!!あと1歩だったのに!!」
キーボードを叩いていた男は悔しさを露わにして、机を叩いた。
「何でなんだ!?僕のデジタル獣がそんなに弱いって言うのか??ホントにお前の前
に姿を現せれたら、お前なんか粉々に破壊してやるのに・・・」
そう言って男は机の引き出しを開けると、中に入っていたバタフライナイフを手にして
部屋の壁に歩み寄ると、壁に向かって壁に突き立てナイフをゆっくり引く。そこには男
と同じ学園に通う少女 ―城ヶ崎千里― の写真が貼り付けられており、突き立てられ
たナイフの切先は少女の首筋をゆっくりと引き裂いていった。

男=ミナミ・タカヒコはあの日、千里がインストールをし、シロアリネジレと戦う姿を
目撃した。目撃した瞬間は驚いたが、それからシロアリネジレと戦うメガイエロー=千
里を見ているといつしか底知れない腹立ちが胸にこみ上げてきて、シロアリネジレが優
位に立つたびに心のどかで「倒してしまえ」と声援をシロアリネジレに送っていた。
―城ヶ崎千里― 学年では成績はトップクラスでいつもクラスメイトの自分よりも上
位にランクインする。美人で愛想もよくクラスでも学年でも教師にも好かれる存在。そ
して千里は金と権力で女をおとしてきたタカヒコのアプローチを唯一、軽く断った女だ
った。それは学園の有力者の息子で生徒会長である自分から見ればこの上なく不快で、
憎しみの対象としか言いえない存在だった。そんな奴が「メガイエロー」だと!?今度
は正義の味方になってモンスターから人々を守っているなんて・・・!!何様のつもり
だ!!
タカヒコはその時から一層千里が憎らしくなった。もし自分に悪の力があるなら葬りさ
ってやりたい。そう思うが、力なき男はパソコンで作り上げたグラフィックスの千里を
自らが作り出したデジタル獣なるものでパソコンの中で戦わせ倒すことしかできなか
ったのだ。

授業中とは変わって喧騒を増す放課後。
「城ヶ崎は受験勉強はかどってるのか??」
タカヒコはおもむろに千里に近づくとそう尋ねてみた。
「う~ん、まぁまぁかな??最近なんだか忙しくって・・・。」
「ふん!そりゃ天下のメガイエローだもんな・・・勉強どころじゃないってことか!?
そのくせ影じゃあしっかりやってるんだろ?」
タカヒコは心の憤りをかくして、奥歯を軽くかみ締める。
「会長はどうなの??最近疲れてるみたいだけど・・・?」
千里はそんなタカヒコの気持ちをよそに、つとめて明るく、そして少し心配気にタカヒ
コに言葉を返す。
「俺??俺も最近いそがしくてさ・・・。中々思うようにいかないかな。」
そう言った瞬間にアラーム音のような音が鳴る。すると、
「ごめん、会長!!話したいんだけど、今日は用事があるから・・・またね!頑張って
よ!!」
と、千里は会長に向けて笑顔を残すと、慌てて教室から駆け出していった。
「どうせまたメガレンジャーのお仕事だろ!!」
タカヒコは小さく吐き捨てる。そして、さっきまで残っていた千里の笑顔の残像を思い
起こし、こみ上げてきた苛立ちを胸に教室から出て行った。

自宅に戻り、部屋にたどり着いたタカヒコはおもむろにパソコンをたちあげると、いつ
ものソフトを開こうとした。その時だった。急にディスプレイの明かりが消えたかと思
うと、明るい光を放ち、パソコンの中から水色の鎧を纏った女が姿を現した。
余りの事態にタカヒコの全身が硬直する。そこに女が近づき、そして微笑んだ。が、タ
カヒコには恐怖は無く、心の中で「これは僕に遣わされた悪魔の遣いだ」といった確信
があった。
「はじめまして・・・。私はメガレンジャーと戦うネジレジアの幹部・シボレナよ。ず
っとネットワークを介して見てたけど・・・相当メガイエローにご執心のようねぇ??」
とタカヒコに切り出した。
「・・・ふふっ・・。」
タカヒコが笑う。
「その通りだよ!ぼくはアイツをメチャクチャにしてやりたいんだ・・・。いつも周り
に笑顔を振りまく優等生の城ヶ崎、いや、メガイエローを!!」
「そう・・・。あなたメガイエローの素顔まで知ってるのね??それはいいわぁ。じゃ
あ、あなたの願いを叶えてあげる・・・。」
シボレナはタカヒコに近づくと彼の額に軽くキスをする。
「じゃああなたの作ったモンスターを使わせてもらおうかしら?せっかくのあなたの
望みだもの・・・。」
そう言うとシボレナはパソコンのディスプレイを指差した。それに促されるようにタカ
ヒコがマウスとキーボードを触ると、ディスプレイ上にデジタルカメラを模した顔と頭
部をもつモンスターが姿を現した。
「このカメラデジタは写した相手の動きを一瞬止めることができるんだ!」
タカヒコは力強くシボレナに言うが、シボレナは少し不満げな表情を浮かべた。
「そうなの・・・でももっと強力にしましょうか??」
その言葉の終わりと同時にシボレナはカメラデジタと名づけられたモンスターに向か
って投げキッスを送った。次の瞬間。シボレナが部屋に現れたのと同じ現象が起きて、
タカヒコの部屋の中にディスプレイに写っていたものと同じモンスターが姿を現した。
「はぁぁーーっ!!すげぇ~!!」
タカヒコは興奮を隠せずに言葉にならない言葉を発するとシボレナに近づいた。
「喜ぶのはこれからよ・・・」
シボレナはパソコンからにケーブルを繋ぐと、ケーブル端子のもう片方をモンスターに
繋ぐ。すると、今度はディスプレイ上にヒネラーの顔が映し出され、なにかのプログラ
ムが起動し始め、モンスターの目が一瞬光を放つとパソコンの電源が落ちていった。
「これで完成よ・・・!そうね、差し詰めデジタルネジレ獣デジカメネジレの誕生ね!
これで、このデジカメネジレに写されたものは動きが止まってしまうのに加えて、この
デジタルネジレの中のデータ領域に閉じ込めてしまうこともできるようになったわ!」
シボレナは「どう?」とばかりにタカヒコに非常さを含んだ微笑をむける。
「じゃあこれであいつを・・・!!?」
タカヒコもシボレナ同様に悪魔が乗り移ったような微笑を浮かべてシボレナを見つめ
た。
「そうよ!このデジカメネジレを使ってメガイエローを閉じ込めてやるのよ!!」
シボレナはタカヒコの両肩をポンとたたき、言葉を続ける。
「そして、デジカメネジレからパソコンへデータを転送してやれば、メガイエローをあ
なたのパソコンの中に閉じ込めることだってできるわ・・・ふふっ・・・。そうすれば
メガイエローはあなたの思いのまま・・・犯すも壊すもこちらの思うままにできるの。
素敵でしょ??」
シボレナの問いかけに再び悪意に満ちた笑いを浮かべて、タカヒコは深く頷いた。

「さぁ、行きましょうか??」
その声に促されてシボレナとともにタカヒコがワープした先は、立ち並ぶ高層ビルの谷
間だった。その目の前ではユガンテと無数のクネクネ達、そしてそれらと戦うメガレン
ジャーの姿があった。
部屋を出る前に、細かな作戦は立ててあった。シボレナの到着と共にまずはクネクネ達
が四方に四散しながらメガレンジャー達を4人と1人に分断していく。そして、デジカ
メネジレが彼らの前に姿を現すとタカヒコはこっそりと戦闘から逃げ惑う人々に紛れ
込むと、わざとタカヒコはメガイエローの近くへと人波をすり抜けて近づいていった。
そして、
「やめろ!離せよ!!」
急にタカヒコの声が響き渡り、メガレンジャー達はハッと振り返る。そこにはシボレナ
に刃を首筋に突きつけられたタカヒコの姿があった。
「さぁ、どうするのメガレンジャー??」
シボレナが問いかける。
「くそっ!!卑怯だぜ!!」
メガレッドの声が鳴り響くがシボレナは全く意に介さずタカヒコに刃を向ける。その瞬
間。一瞬メガレンジャーの動きが止まったのを見計らって、ユガンテは光線を放ち、メ
ガイエロー以外の四人を火花の中に沈めた。
「みんなっ!!」
メガイエローは甲高い声を上げた。が、次の瞬間。今度はメガイエローがシボレナが微
かに自分へ向けていた視線をそらしたのに気づき、大きく飛び上がるとシボレナに飛び
つき、タカヒコを「窮地」から救い出した。
「大丈夫??」
メガイエローがタカヒコに声をかける。だが、背後から忍び寄ったデジカメネジレは丸
太のような腕をメガイエローの首筋に向けて振り落とした。
「ァアアァッ!!」
短い呻き声と共に、メガイエローが首筋を押さえながら振り返る。その振り返った視線
の先には、第二撃を加えんと大きく腕を振り上げたデジカメネジレの姿があった。危険
を察知しメガイエローは後方に飛び上がってその一撃から逃れようとする。しかし、飛
び上がろうとした刹那、タカヒコはあらん限りの力でメガイエローの足首を掴み引っ張
った。否応無く地面に着地するメガイエローを待っていたのはデジカメネジレの振り下
ろした鋭利なんナイフのような鋭い爪の一撃だった。
「ァアアァーーーッツ!!」
メガイエローの悲鳴が響くと黄色いスーツから火花が走った。そして次に聞こえたのは、
「今だ!やれ、デジカメネジレ」
と言うタカヒコの叫びだった。少し朦朧とする意識の中、その言葉にメガイエローは「な
んで?どういうこと??」と疑問の言葉を自分の中に投げかけた。タカヒコはまだメガ
イエローの足首を掴んでおり、メガイエローも一般人であるタカヒコに危害を加えれず
に足踏みをする。その間に大きく後方へジャンプし距離をとり、ほかのメガレンジャー
達がユガンテとクネクネに手こずっているのを確認すると、デジカメネジレはメガイエ
ローに焦点を合わせると、自らの右腕で側頭部を大きく叩いた。その瞬間、デジカメネ
ジレの顔のフラッシュ部分が閃光を放ち、その光はカメラのレンズ部の向かう先、即ち
メガイエローを捕らえていた。黄色く鮮やかに光るメガイエローのスーツがさらに光を
放つ。だが、それも一瞬で、瞬きのような瞬間でメガイエローの姿はその場から消え去
っていた。そしてタカヒコは「よしっ!」と小さくガッツポーズを作り舌を出すと、デ
ジカメネジレと共にシボレナに駆け寄っていく。白煙がタカヒコ達を包むと、彼らの姿
は消えており、それに合わせるかのようにユガンテたちも一気に姿を消し去っていく。
そこに残ったのは、口々に千里の名を呼ぶ残されたメガレンジャーたちの姿だけだった。

部屋に瞬間移動で到着すると、タカヒコは勢い勇んでパソコンの電源を入れた。すると、
明かりを灯したディスプレイ上には既にネジレジアによって用意されていたのであろ
う薄暗い「拷問部屋」が移っていた。巨大だったデジカメネジレは既に普通のデジカメ
へと姿を変えて、パソコンの横にスタンバイしている。
「さぁ、たっぷり可愛がっておやり。」
シボレナの囁きに促されるまでも無く、タカヒコはケーブルでパソコンとデジカメネジ
レを繋ぎ素早くデジカメネジレからデータをパソコンに転送してみせた。すると、ディ
スプレイに映し出された部屋の中央におおよそ薄暗い部屋には似つかわしくない黄色
い光を放つ女戦士の姿が現れた。

「こっ・・・ここは・・・??さっきまでの真っ暗闇じゃ・・な・い???」
メガイエローは上半身を起こすと、座り込んだままでクルクルと周りを見渡す。そこに
は考えただけでも末恐ろしい、数々の拷問器具が並べられていた。
「どうだい、メガイエロー??いや、千里って言った方がいいかな??」
急に部屋の中にタカヒコの声が響き渡る。ハッとして声の方に目をやると、巨大なモニ
ターに写るタカヒコとシボレナの姿があった。メガイエローはタカヒコに「千里」と呼
ばれたことに内心驚いたが、あくまで気丈に、そして努めて冷静に、
「私をどうするつもり!?ここはどこなの??千里ってどういうこと!!?」
とモニターに向かって言い返した。
「ふふっ・・・、まだそんなこと言うのかい?お前は今、俺のパソコンの中に閉じ込め
られてるのさ!さすがのメガイエローもそこじゃあ何もできないよ。その空間を支配し
てるのは俺と、そしてネジレジアの方々だからなぁ!しらを切ってもどうしようもない
よ。お前の正体を俺は見たんだ。そして・・・今からその素顔をすぐにネジレジアの方々
にも見てもらおうじゃないか??俺は嘘つきなんかじゃないからなぁ・・・!」
「そうねぇ、私も早くお前の素顔がみたいわ!さんざん邪魔をしてくれたからね?それ
にお前が苦しむ顔を見たいしね・・・。タカヒコ、早くお前の力を見せておやり!」
タカヒコの話にシボレナが続くと、タカヒコはカタカタとパソコンを打ち始める。やが
てプログラムが起動し、タカヒコが力強くenterキーを弾くと、メガイエローのマ
スクが黄色い光を放ち始める。
「なっ・・何をしたの??」
メガイエローは自分のマスクのバイザーに浮かびあがる不正アクセスのエマージェン
シーにあせりを隠し切れず、白いグローブに覆われた両手でマスクを押さえた。だが、
光が消えると、メガイエローのマスクは跡形も無く消え去り。黄色いスーツを身に纏っ
たままの千里の素顔があらわになった。
「なっ・・なんで・・・??」
千里は白い両手で驚きの余り、マスクが無いことを再び確かめる。
「何故かって??言ったじゃないか。そこは俺が支配してるんだって・・・。ちょっと
パソコンでデータを書き換えれば、マスクを外すくらい訳は無いことなのさ!」
勝ち誇るタカヒコの顔がモニターに浮かぶ。
「あっ、ちなみに君のスーツも80%はその機能をなくしてるから気をつけることだ
ね?」
タカヒコの言葉と共にパソコンのキーを打つ音が響く。千里はその音に背筋が凍るよう
な怖さを覚えた。そしてタカヒコがenterキーをおす。
「今そこに俺の作り上げた拷問官を送り込んでやったからな!」
その声と同時に薄くぼやけた光が見えて、二人の拷問官が姿を現した。筋肉質の見える
巨体。黒い強化スーツの上にくすんだ銀色の鎧。顔は黒い光沢を帯びたレザーの様なマ
スクで覆われ、目の部分はメッシュのようになっている。そして口はサメの歯をあしら
ったかの様に鋭い牙の模様が施され、その先は銀色のファスナーでとめられていた。得
体の知れない、それは薄気味が悪く、ある種の狂気性や凶暴性を醸し出すには充分すぎ
る格好だった。
「さぁ、お前は今からこの男がお前の相手をしてくれるわ。ボロボロになって、泣き叫
び、許しを乞うがいい!」
シボレナがモニター越しに千里に話しかける。
「だっ、誰がお前達に許しなんか求めるもんですか!」
千里はスクッと立ち上がり、両の拳を胸の前に構えてファイティングポーズをとると、
「私は戦う!!」
と、モニターに映るシボレナとタカヒコに向かって気丈に言い放った。
「そう・・・まっ、好きにするがいいわ・・。どうせ死んでいく身なんだから。」
シボレナの口元がわずかに緩む。
「まだ、現実を分かっていないようだな・・・!?ならそいつらと戦ってみな?やれ
っ!!」
その声を合図に、二人の拷問官は千里の左右から千里に向けて黒い拳を振り下ろしてい
く。それを素早い動きで千里はかわす。そして巧く一人の懐に飛び込むと「ヤァ!」と
強烈な一撃を固めた拳で拷問官の顔面に食らわせて見せた。いや、はずだった。だが、
その一撃は拷問官の首を少し動かした程度でしかなく、クネクネ相手なら間違いなく倒
しているであろうその一撃にも、全く拷問官は動じなかった。
「なっ・・・なんで倒せないの!!?」
たじろぐ千里を見下ろすと、拷問官の右手が千里の首に伸び、絡みついた。
「くぁ・・・ぐぅぅぅ・・・ぁがぁっ・・っ・・・・。」
ギリギリと千里の首を拷問官の手が締め上げ、そして千里の身体を持ち上げていくと、
白いブーツがパタパタと空を蹴った。そして ―ドサッッッ!!― 拷問官は千里を掴
んだ腕を振り切って、千里を背中からコンクリートの床に叩きつけた。
「アアァァッ!!」
千里が短い苦悶の声を漏らす。そして、ヨロヨロと千里は立ち上がろうとする。が、今
度はその背後にもう一人の拷問官が忍び寄り、千里を無理やり起き上がらせて、白いグ
ローブの右手首を掴んだ。身をよじって千里は逃れようとするが、想像以上の拷問官の
握力で右腕に力をこめられない。すると、拷問官は千里を軽く後方に引っ張り助走をつ
けさせてから、仲間の拷問官めがけて勢いよく千里を投げた。一直線に走っていく千里。
その向かう先にいる拷問官は拳を固めて身構える。 ―ドゴッ!!― 鈍い音がして千
里の身体が10cmほど中に浮く。拷問官が構えた拳は黄色いスーツに黒い染みを付け
たかのように、千里の腹部にめり込んでいた。
「がはっ!!」
浮かび上がった頂点で嗚咽を漏らし千里は大きく口を開くと、めり込んだ拳が身体から
引き抜かれるや、前のめりに床に倒れ込んでいった。
「ぉがぁぁ・・・ごほっ・・こほっ・・・・・っっ・・・。」
腹部を押さえながら、倒れたままの千里は何度も口をパクパクと開閉し、止めることの
できないほど流れ出てくる唾液は千里の口元を汚していく。
「なっ・・・な・・んで・・・・?こいつら・・・クネクネより・・・強い・・??」
千里は呻きながらも小声でそう漏らし、自分を見下ろす拷問官を見上げた。
「ふっ・・・そいつらの強さはクネクネに毛が生えた程度さ・・・。」
「そう。さっきも言った通り、お前のスーツの機能は80%低下してる。当然生命を守
るための防護機能もな・・・。つまり、その二人が強いんじゃなくて、お前が弱くなっ
たってこと。今のお前なら、クネクネだって倒せやしねぇよ!?残念だったな・・・千
里くん・・・。」
シボレナとタカヒコは薄ら笑いを浮かべながら、横たわる千里を見下ろしていた。
「そ・・・そんなぁ・・・。」
千里はよろめきながらも上半身をおこし、目の前にいる二人の拷問官を見上げた。拷問
官は何も声を発さず、ゆっくりと千里に向けて歩を進める。千里はその姿を見ると、尻
をついた状態で少し後ろに後ずさった。もう、手を伸ばせば千里の頭をつかめる位の位
置に拷問官は歩み寄っている。そして二つの拷問官の影が千里の姿を覆った瞬間。千里
は勢いよく立ち上がると、拳を固めて一人の拷問官の顎先にパンチを放つと、その勢い
でもう一人の拷問官へと蹴りを放ち、かわるがわる拷問官へ攻撃を続けた。
「無駄なことを・・・。」
タカヒコはにやりと口元を吊り上げて、その状況を見つめる。そのタカヒコの言葉の通
り、どれだけ千里の打撃を受けても、二人の拷問官には全くひるんだ様子は見られない。
すると拷問官は千里のパンチを繰り出した手をそれぞれ左右で受け止めると、ピンと両
腕を広げさせるように引っ張り、がら空きになった腹部に同時に膝を突き刺した。
「・・・ァッ・・・!」
横隔膜が圧迫され一瞬呼吸が止まり声にならない声を上げると、千里は再び大きく口を
開いて胃液と嘔吐物を溢れさせ、白目を剥き、意識を失った。

―パシッ!パシッ!ピシッ!―
「アアッ!!ァアッ!!」
拷問官が交互に鞭を振り下ろすたびに、千里は短い悲鳴を上げた。両手は頭の上で手枷
に拘束され、天井からチェーンで吊るされている。引っ張り上げられた身体は身動きが
できぬようにつま先がギリギリ床につく高さになっていた。
―ピシッ!― 「アッァアッッ!!」―パシッ― 「ッァァ!!」
千里を前後から挟んだ拷問官が何度も鞭をふるう。千里の額からは大粒の汗が流れ落ち、
首筋を艶めかしく光らせていた。
「止めて欲しけりゃ、許しを請えばいいんだぜ!?」
タカヒコは千里に向かって笑いながらそう言うと、
「そ・・ァッ!・・そんなこと・・・ッァッ!ぜ・・・ったいしな・アァッ!・・い。」
タカヒコの言葉に、千里は鞭打たれながらもモニターを睨み付けて応える。
「よし、止めろ!」
タカヒコの呼びかけに拷問官が鞭を振るうのを止めると、タカヒコは言葉を続けた。
「俺は、お前が気を失っている間にネジレジアに忠誠を誓った・・・。」
「なんで!?」
千里がタカヒコに問いかける。
「さぁ、何でだろうな?多分俺は、お前らの様な正義をかざす奴らが大嫌いなんだろう
よ・・・。特にお前のように周りにちやほやされるような奴が正義か言ってんのがな!」
「そんなっ・・・私は・・ただ・・・。」
千里が少し俯く。
「ただ・・・なんだ??俺にとってはお前なんかただ邪魔なだけの存在なんだよ!いつ
も愛想振りまくお前を見ると、ずっと虫唾が走ってたんだ!だからお前を無茶苦茶にし
てやろうと思ったんだよ!!」
タカヒコの言葉がどんどん熱を帯びてくる。
「そして、ついでに俺の嫌いな『正義』を振りかざすメガレンジャーもつぶしてしまお
うって思ったわけさ・・・。」
「何を言ってるのよ!じゃあ壊すのは私だけにして、早くトドメを刺せば!?早くしな
いと仲間が私を助けに来るわよ!」
タカヒコの高慢さに耐え切れず、千里は荒げた口調で言い返した。だが、タカヒコは熱
を帯びた口調から一変して冷静になる。
「残念だが・・・助けは来ない。メガレンジャーを壊滅さすために、俺はお前のマスク
のデータからお前らの素顔を割り出した。まぁ、予想通りデジ研の連中だとは思ってた
けどな?もうシボレナ様が俺のオヤジを通じて、校医に成りすまして学園に潜入してる
さ・・・そして生徒や教師を洗脳して、健太やみくたちを捕らえさせる・・・。一般人
相手にはお前らは戦闘できないからな!」
「そんなことが・・・。」
千里が話し出す。が、
「できないとでも言いたいんだろう?だがな、もうシボレナ様が洗脳作戦を開始してる
と情報が来てる。残りのメガレンジャーも時間の問題さ・・・?ん?悔しいか?」
と、タカヒコは千里の言葉を遮り、勝ち誇りった笑顔で千里のいる拷問部屋を覗き込ん
だ。
「まだ希望はあるわ!」
千里は口をぎゅっとつむんで、タカヒコを睨み返した。
「ふん!!懲りない奴だね、千里は?なら続きを始めよう。やれ!!」
―バシッ!― ―ベシッ!―
「アゥッ!!ァアアッッ!!」
タカヒコの号令に従い、拷問官の鞭打ちが千里の身体と心を打ちのめし始めた。

「くっ・・・うぅぁぁ・・・。」
吊し上げられた状態から解放されると、千里は膝から崩れ落ちて四つん這いになりな
がら大きく肩で息をした。手首にはまだグローブの白とは不釣合いな黒い手枷が忌々し
く光っている。だが、床に向っていた顔をグッと持ち上げると、千里はまだ眉間に皺を
寄せて苦痛に耐える表情のままで、二人の拷問官を睨み上げた。
「へぇ・・・まだそんな表情が出来るんだ?」
タカヒコはモニター越しに千里の顔を覗き込む。と同時に、一人の拷問官が何の前ぶ
れも無く千里の横から脇腹をエグるように腹を蹴り上げた。
「ウガァッ!!・・・っぁ・・・。」
思いもよらぬ打撃に千里は腹を抑えて呻き声をあげると、何度も咳ごみ前のめりになり
なる。 ―ガスッ!!― ―ドカッ!!― 二人の拷問官はそんな千里の腹部をお構いなし
に蹴り上げた。
「ァアッ!!ガァッ!!・・・ウァァッ!!」
その度に千里は曇った声を漏らし、蹴りの応酬に身体を前後左右に小刻みに動かした。
が、防護能力の低下した強化スーツで拷問官の重たい一発一発に耐え切れるわけなど無
く、千里は膝を突きながら、まるで床に口づけするように前方に上半身を倒して、うつ
伏せに倒れこんだ。
すると、二人の拷問官は千里に近づきその拘束された両手首をそれぞれ掴むと前方へ引
っ張り、うつ伏せのまま 千里をバンザイをしたような状態にし、一人が手首を力いっ
ぱい踏みつけた。
「アアァァァァッ!!」
千里は思わず顔上げて苦悶し、両手の方へ視線を動かした。するとそこには不気味に光
る万力が口を開けている。それは大きく口を開いた猛獣の牙のように、万力の内側は鋼
鉄が無数の波を打ち光っていた。手首を踏みつけていた拷問官は足をどけると千里の手
を掴んで持ち上げ、それに呼応するかのようにもう一人の拷問官が万力を千里の手の先
にグイッっと近づける。
「ぃゃ・・・ィヤ、やめろっ!!」
千里は懸命に拳を固め、腕を振り、身を捩って必至に逃れようとする。が、それを見た
拷問官は千里から一瞬手を離すと、再び千里の手の甲に向けて足を振り下ろした。
「アアァッッ!!」
鈍い衝撃が千里の手を襲い、思わず開く指先。その瞬間に千里の指先は万力の開いた隙
間に飲み込まれていった。拷問官は逃れられないように、千里の手を踏みつける足に力
をこめる。同時にもう一人が万力のネジを締め上げると、白いグローブの内側からミシ
ミシと骨が軋む音が聞こえ、
「ァアァアアァーーーーッゥッ!!!」
千里は悲鳴を上げた。だが、まだ万力はその口を開かず千里の指を食いちぎらんばかり
に、力を加えていく。そして、―ミシッベキッ!・・・・・・・・・・バキッッ!!―
グローブの内側に鈍い音が響くと、
「・・・ぁあぁっ!・・・・がぁっ・・くぅっぁ!!・・・・・。」
千里の指の骨は粉々に粉砕され、千里は眉間をくしゃくしゃにしながら重たい悲鳴を響
かせた。
「・・・ぁぁ・・私の・・指がぁ・・・・。」
万力が外されると、千里は懸命に指先に力を込めるが、砕けた骨が神経を刺激する鈍い
痛みが伝わってくるだけで、指先はもう思い通りにはピクリとも動いてくれなかった。
グローブの中では見ることのできない素顔の指先は、最早白くしなやかだった千里の指
先からはかけ離れた形態へと変わり果てていた。
「・・クゥッ・・・アァァ・・・。」
千里はもう動かない指先に力を伝えようと、必死に両腕を震わせた。が、指先に意識を
集中させる余り、千里は足元に迫り来る恐怖に気付いていなかった。 ―ガシャガシャ
ッ!― 硬い音が響き、千里は両足首に重みを感じて不自由な体勢から足元に視線を送
る。 「ヒィッ・・!!」
思わず固唾を飲んで見開いた目線の先には、足首を固定した禍々しい、黒い物体があっ
た。弧を描くプレートはしっかりと千里の足首を固定し、丁度アキレス腱の辺りでぽっ
かりと開いた穴の上方には鋭く尖ったニードルが、その穴から見えるブーツに覆われた
華奢な足首をロックオンしており、サイドのネジを弛めれば、ニードルが千里の足首を
貫くのは明白だった。
「うぐぅぅ・・・」
一人の拷問官が千里の腰に腰を下ろし、太腿を押さえ付ける。すると、万力を手から離
した拷問官が千里を尻の方から覗き込むと、ゆっくりとネジに手をかけた。
「ヤッ・・・ヤメテッ!!ダメッ!!」
千里は必死に足に力を込めるが、拷問官の拘束はほどけない。そして、拷問官がニード
ルのネジを弛めて、そこら手を離した刹那。 ―ブスッブチッ!!!―
「ギャァァーーーッッ!!!!!」
ニードルがブーツを裂き、千里の足の肉を貫き、腱を切断していく歪な音と共に千里は
喉が引きちぎれるほどの絶叫を上げた。ピクピクと千里の身体が痙攣し、太腿が小刻み
に震える。赤く血が滲み出した白いブーツからニードルが抜かれると、それによって栓
をされていた傷口から血が溢れ始め、身体の痙攣が止むと千里は口から白い泡を吹きな
がら意識を失っていった。

ゆっくりと目を開く。まだ足首と指先には当然のように鈍い痛みが波を作くり、その波
は千里の脳の中を幾度も駆け巡っていく。そして千里は、自らの身体が全く自由が利か
ないことに気づく。だが、最早それに抗うだけの力は千里には残っていなかった。うつ
伏せのまま、足は両足首を交差させた状態で硬くワイヤーに絡められている。同様に両
手も腕を頭の後ろに回されて、足首と同じように手首を交差した状態でワイヤーにくく
りつけられていた。そして、2本のワイヤーは丁度千里の腰の辺りで括られて、天井か
ら降りているウインチに繋がっていた。
「・・・いや・よ・・・・・。今度は・・どうする・気?」
千里は小さく口にするが、部屋の隅にいる拷問官は何も答えない。
「もう・・いや・・・・・。お願い・・・。早く殺して!!」
千里は迫り来る恐怖に耐え切れず、ついに死を懇願した。だが、誰の返答も部屋の中に
は響かない。それを見やりながら、拷問官はその横にあったレバーを押し倒した。
―ガクンッ!― ウインチが千里の身体を拘束するワイヤーを巻き取り始めると、千里
の身体がゆっくりと床から離れていく。そして、拘束された手足が千里の腰を中心にし
て持ち上がり始め、千里の身体は重力に従ってへそを突き出すように弓なりにえびぞり
になっていった。
「ひぎぃ・・・ぃ・・あっ・ぅ・・・。」
重力という自然の摂理が千里の身体を蝕んでいく。そこに拷問官が部屋の隅から歩を進
め始め、千里に近づく。
「・・・だめ・・そんなの・・・。ヤメテッ!!おねが・・いィーーーーッツッッ!!」
拷問官は手にした70キロと印が入った鉄の塊を手にし、千里の懇願などは気にも留め
ず、それを千里の腰の上に設置した。グッと千里の腰が床に向けてせり出す。黄色いス
ーツの真下では、背骨と腰骨が軋み始めていた。
「アァゥ・・・ガァ・・ッ・・・・・・クッゥ・・。」
千里がくぐもった嗚咽を漏らす。だが、悲劇はそれでは終わらなかった。壁にもたれて
いたもう一人の拷問官が巨大なハンマーを持って宙を舞う千里に近づく。ここから何が
起きるのかは千里にも容易に想像が付いた。
「ウグゥ・・ゥハァ・・ヤメ・テ・・・。身体が・・裂けそう・。おね・・が・い・・
よ・・・。もう・・ヤ・メ・・・テ。」
ゆっくりとハンマーを持ち上げ、狙いを絞る拷問官に千里は涙ながらに哀願を繰り返す。
そのために首を持ち上げることすらもはやかなりの負担になり、千里は時折首を垂れて
は小さく髪を振り乱しながら、首を横に振った。しかし、感情を持たないハンマーは勢
いよく振り下ろされ、千里の背に乗った鉄の塊を直撃した。
「ァアアアアアアァァァアアアァッゥッッッーーーーーーーーーーーーーッッッ
ッ!!」
千里の悲鳴と同時に千里の身体はこれ異常ないほどえびぞりになり。スーツの内側から
響く鈍い音が、千里の腰骨が砕けたことを伝えていた。

もう、動くことも叶わない。そんな千里の前に、タカヒコが姿をあらわした。
「いいザマだな、千里??許しを乞う気になったか?」
タカヒコは焦点の定まらない表情まま、うつ伏せに拘束を解かれた千里に問いかける。
「・・・や・めて。もう・・・ゆるして・・。・・・・もう・・こ・ろ・して・・・。」
千里は感情すら感じ取れないほどの小さな声で、タカヒコの問いに答える。だが、タカ
ヒコは冷徹な視線を千里に送り、言葉を続ける。
「許して?だ・・・?その上、殺して?だと??何のために俺が自分自身が被写体にな
ってここに来たと思ってんだ!そんなに都合よくお前の話を聞けるかよ?」
そう言うとタカヒコは千里に近づき、両手で千里の身体を嘗め回すように弄った。
「やめて・・・なに・・するの・・・。」
千里はありったけの力で目線をタカヒコの方に送る。するとタカヒコは、丁度千里の尻
で動かしていた手を止めて、スカート状になったスーツの中にその手を差し入れて、千
里の尻を揉みながら撫で回した。
「やっ・・・!」
千里はその陵辱に快楽よりも羞恥と嫌悪を覚えた声をタカヒコにむけた。しかし、タカ
ヒコはそんなことはお構いなしに千里の股間に手を回す。
「やめ・・・てっ!」
千里の顔が少し赤らむ。
「やっぱりな・・・ふふっ・・・お前、まだやったことないんだろ!?」
そんな千里を見てニヤつきながら、タカヒコは話し続ける
「俺はな・・・前からお前を犯してみたかったんだ。だから、お前を犯す為にここにき
てやったのさ!殺すのはその後・・・。拷問官に身体をボロボロにされ、俺に犯されて
心もボロボロになってからお前は死ぬんだ!」
「いやっ・・・やめて・・・そんなの!・・・一思いに殺して!!」
タカヒコの宣言に、千里はさっきまでとは打って変わった大きな声でタカヒコに言葉を
浴びせた。
「なに言ってんだ、今さら!?さぁ、これがシボレナ様にもらった新しい俺の姿さ!」
タカヒコはそう言い放つと、緑色の液体に満たされた注射を自らの首筋に突き刺して内
容物を自身の体内に流し込んだ。
「ウグゥゥゥァァァーー!!」
タカヒコの身体が小刻みに震え、低いうめき声が口から漏れる。すると、タカヒコの身
体が緑色に変色をはじめ、昆虫のような甲殻的なものが姿を現してタカヒコの身体の回
りを覆った。手首には鋭い鎌まで見受けられる。
「ひぃっ!!・・・なんなの!!?」
千里は驚異と恐怖で目を丸くしながら変わり果てたタカヒコを見た。
「さっきの注射は、俺をサイコネジラーに変えるためのものさ!そして俺は人間として
の姿を持ったまま、こうしてカマキリネジラーにも姿を変えれる・・・。」
そう言うとタカヒコは、
「フンッ!!」
っと全身に力を込める。その瞬間、タカヒコの背中の羽状の部分が開き、無数の男根状
の触手が姿をあらわした。
「ヒぃッ!!」
それを見た千里の顔が青ざめて、千里はもう動くことも叶わない全身に力を込めて、身
体を這いずるようにタカヒコから逃れようとした。だが、身体は全く動いてくれない。
やっと少し進んだと千里が思ったその瞬間。触手が千里の身体に絡みつき、千里は両膝
をそろえたまま、膝立ちの姿勢になった。その背後からタカヒコ=カマキリネジラーが
千里に近づき、両手を黄色い胸の膨らみに当てて、その丘を蹂躙する。
「やっ、やめてっ!!・・・くっ・・・やめ・・・ろ!!」
千里は声を上げて抵抗するが力を込めても身体は思うように反応してくれない。紅潮し
ていく顔と同様に千里の身体は熱くなり、カマキリネジラーの手の内にある形の良い乳
房の先の乳首が硬く立ちはじめる。千里は恥ずかしくなり、両手で胸を覆いたい衝動に
駆られるが、両腕は触手に絡み取られ、腕を曲げた状態で開かされている。
「どうした!!?乳首が立ってんじゃないか??感じてるんだろ??」
カマキリネジラーは千里の気持ちを見透かしたかのような言葉をわざと千里にふっか
けて、くすくすわらった。
「・・・ちっ・・違う!・・・そんなんじゃ・・ないわ!!」
「へぇ・・・まだそんな口がきけるんだな!!?まずは口を塞いでやろうか!?
・・ただし・・・下の口をな!!」
千里の主張を遮ると、カマキリネジラーは千里の両の太腿にまきついた触手に力を込め
て、千里の股を開いていく。
「くぅっ!!・・・やめろ!!」
再び千里は声を上げて抵抗するがそれも無駄に終わり、千里の股が開いたのを見計らう
と、カマキリネジラーは手首の鎌を千里に向けて振るった。すると、見事なまでにスー
ツのスカート部だけが切り裂かれていく。その間も千里は内腿に力を込めて、反抗の声
をカマキリネジラーに発し続ける。
「さぁ、いくぞ!!」
カマキリネジラーが掛け声を上げると、その股間からも緑色の触手状の陰茎が伸び、千
里の股間にむけてゆっくりと鎌首を持ち上げていく。
「や・・めろ!!もう・・・やめてっ!!!」
千里は懇願する。が、男根の先はもう千里のスーツに接触を始めていた。そして、
―ピリッ・・・ピリッ・・・ビリィィッ!!― スーツの裂ける音が聞こえ、カマキリ
ネジラーが
「さぁ、千里!今、お前のなかに入れてやるからな!!」
と叫ぶと共に、
「やめっ・・・・・・・っ・・・ぁァァアアアアァアアアァッッッッーーーー!!!」
千里は断末魔の悲鳴を上げて、首を大きく後ろにそらし天井を見上げた。
「・・アゥッ・・・!・・ッ・ァ・アッ!!・・・っ・・・た・・ぃいぃーー!」
千里が何を叫ぼうと、カマキリネジラーの触手は何度も千里の恥丘のなかに出入りを繰
り返し、千里のなかを掻き回す。
「・・・んぁん・・んっ・・・ぁぁ・・!ァアッ・・!!ゥァッ!!!」
「うるさいメス豚が!!死ぬ前にオンナになれたんだから、黙りやがれっ!!」
カマキリネジラーはそう言い一本の触手を千里の肩越しに繰り出すと、嗚咽を漏らす千
里の口にそれをねじ込んだ。
「んんーーっっ!んっんっ!!!」
その触手は千里の頬を突き破らんとばかりに、千里の口の内側から千里の頬を強く押し
付けた。目じりに一杯の涙をためながら、眉間にしわを寄せて苦悶する千里。もうそこ
には、学園一の才色兼備だった少女の姿は無く、逆にこれこそがカマキリネジラー・タ
カヒコの望んでいた千里の堕ちていく姿だった。幾度と無くカマキリネジラーはピスト
ン運動を千里の中で繰り返す。そして、ピークが近づいていく。
「そらっ!!いくぜーっ!!お前の中にたっぷりぶちまけてやるからな・・・。おっ・・・
ぉっ・・そぅーらっ!!!!!」
「・・・っ!!んんんっっっっっーーーーー!!!!!!」
カマキリネジラーが腰を仰け反らせるのと同時に、千里は触手にふさがれて言葉になら
ない声で悲鳴を漏らした。そして、 ―むぷっっ― 千里の陰唇からまず触手が抜かれ、
続いて口からも触手が抜き去られる。そこから、糸を引くように垂れていったのは、人
間のものではない、緑色の粘液黄色く光る千里のスーツを堕ちていく千里と共に汚し尽
くしていった。

全校生が集まる体育館。校医となり諸星学園に忍び込んだシボレナは、確実にその任務
を全うしていた。危険を察知したのか、タカヒコの姿を見られたのがまずかったのか、
まだ残るメガレンジャーは捕獲できていない。だが、洗脳作戦は成功し、捕らえるのも
時間の問題だとシボレナは考えていた。そして、誰よりも目障りだったメガイエローを
今、この場で消し去れるのだ。
「全校諸君!今から、我がネジレジアに楯突くメガレンジャーの一人、メガイエローこ
と、我が学園生、城ヶ崎千里の公開処刑を行う!」
タカヒコが力強く全校生に話しかけ、十字架に磔られた千里が壇上に現れる。だが、既
にその瞳には生命の息吹も感じれないほどだった。
「では、我が力で最後の一撃を加えたい!」
注射を打ち込みカマキリネジラーにタカヒコは姿を変える。
「だが、だ。まだ、残る4人を見つけることも決して忘れるな!?では、処刑を執り行
う!!」
カマキリネジラーはその手首の鎌を大きく振り上げる。そして、「殺せ!!」という全
校生の声が鳴り止まぬ中、その鎌の切っ先は千里の心臓目掛けて、ゆっくりと振り下ろ
されていった。