『アイドルの苦悩の巻』

「白木さん・・・白木寿里さんですね、おめでとうございます!・・・妊娠8週目に入っています、頗る順調ですよ・・・?・・・白木さん?・・・どうなされました?・・・白木さん?・・・お顔が真っ青ですよ?・・・白木さん?・・・白木さん?・・・

目の前に座っている産婦人科医の姿が、霧に包まれるようにして白く霞んでぼやけていく、声も遠くに離れていくように小さくなっていく。
自身も光ひとつ射さない真っ暗闇の中に佇んでいるように感じられた。

寿里は産婦人科医の悪意の欠片も全く無い、否、祝福の言葉を、自身を絶望のどん底に突き落とす、残酷極まりない言葉としか捉えられなかった。そして、普段は童顔で愛らしい寿里の顔は、能面のように固くなっていた。
今現在、寿里が置かれている状況では、その事実が一番の不安材料であり、最大の苦悩の原因だったからである。
寿里は孤独感と恐怖感で心を押し潰されて、今にも錯乱してしまいそうだった。

(あ、あ、あ、あぁぁぁ・・・恐れていたことが現実になった・・・誘拐されてからというものの毎日愛用していた避妊薬を飲めないで、ずっと中に出されて犯されてきた・・・あの人達の子供を妊娠しちゃうんじゃないかって、ずっと不安だった・・・それが・・・それが・・・本当に起こった!・・・あの人達六人の誰かの子を・・・もう、今までの生活には戻れない・・・寿里、一体どうなっちゃうんだろう?・・・このまま、この子を産んで生きて行くの?・・・この子と一緒にずっと飼われて犯される・・・性奴隷の生活を続けるの?・・・嫌だ!・・・そんなの嫌だ!・・・誰か助けて!・・・助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・


「・・・うっ!・・・おえぇぇぇ~~~・・・がはッ!・・・がはッ!・・・がはッ!・・・」

突然の吐き気を覚えて寿里が目覚めた。
そして、激しくむせ返った。

(・・・???・・・さっきのは・・・夢?・・・じゃあ、ここは?・・・寿里、何してるの?・・・う!?・・・右目が開かない・・・左目も半分しか開かないし、何か白く霞んでる・・・寿里、どうしちゃったの?・・・)

目覚めたばかりで記憶を取り戻していない寿里は、今いる場所も、何故ここに居るかも分からなかった。辺りを窺おうとしても視界は半分以下しか確保出来ない。しかも、恐ろしい夢まで見てしまったことでおろおろとしていた。
その夢も、今は記憶が不確かな状態なので、夢であったとも認識出来ずにいる。
今、現在の不安な心のままでいては神経がおかしくなると思い、寿里は半分以下の視界で、ここが何処かを確認しようと辺りを見回す。狭く、白く霞んだ視界だけでは、なかなか自分が今居る場所が分からなかった。が、不安と戦いながらも、忍耐強く慎重に見回している内に、そこが菱形達に監禁されている、廃工場の居住施設の中の浴室であることが分かった。
次に何故目が開かないかを確認したくなった寿里は、自身の姿を壁面に埋め込まれているはずの鏡に映そうと思い、それを探す。ようやく鏡のありかを探り当てると、鏡に自身の姿を映して覗き込んだ。

「!・・・うぅ・・・酷い・・・」

鏡に映る自身の姿を見て愕然とした。
寿里は顔と言わず、髪の毛から肢体全体にかけて精液に塗れていた。
しかも、かなりの時間が経過していたのか、その精液はカピカピに乾いている。

シャ――――――――――――――――――――――・・・

自身のあまりの惨たらしい姿を直ぐにでも消し去りたいと、寿里は鏡の下に付いているシャワーのレバーをおもいっきり開いた。
寿里はドロドロに汚れたリボンタイ・ブラウス・ハイソックスを脱ぎ捨てて、全身ずぶ濡れになって号泣しながら、自身に付着した精液を無我夢中で洗い落とす。

(寿里はどうしてこんな姿になってるの?・・・なんでこんなにドロドロに汚れてるの?・・・あれは夢だったの?・・・それとも現実なの?・・・誰か、教えて!・・・教えてよ~~~~~~~~~~ッ!!!・・・)

頭の中が同じ疑問でグルグルと駆け巡った。
答えが出ない中、何度も丁寧に髪の毛を洗い、何度も丁寧に肢体を洗い、何度も丁寧に歯を磨いて、何度もうがいをした。
それでも寿里は、全身を精液に塗れていた自身の姿を見てしまった為に、胃の中の内容物が込み上げてくる嫌悪感と、肢体全体から漂ってくる精液臭の不快感との、在りもしない二つの幻覚に吐き気を催していた。

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・」

何もかもが怖くなった寿里は、泣きながら冷水のシャワーを頭から浴びた。
しかし、冷水を浴び続けた結果、次第に寿里は冷静さを取り戻していく。
途切れていた記憶が徐々に繋がり始める。
記憶が繋がるに従い、今朝見た物が夢であったと分かった。
夢だと分かれば、昨日の記憶が思い出されていった。

(・・・そう・・・あの人達に連れ出されて・・・電車の中で集団痴漢に遭って・・・知らない男性の・・・を二本咥えて・・・口の中に射精されて・・・それを飲まされた・・・・・・・それから・・・それから・・・一昨日と違って昨日は・・・媚薬の誘惑に負けて・・・たくさんの人が見てる前で・・・自分の意思で・・・オナニーしちゃったんだ・・・それからは・・・・・・・・・・それからは・・・)

乗客に取り囲まれて、全身を揉みくちゃにされたところまでの記憶は思い出したが、その先からの記憶が寿里には全く無かった。
これまで寿里は、菱形達に暴虐の限りを尽くされて犯されていたが、唯の一度も気を失うこともなく彼らの責めを全て受け止めてきた。それが昨日、初めて寿里は、絶頂に達し過ぎて気を失っていた。寿里自身はまだ気づいてはいなかったが、寿里の精神力は確実に弱くなっていた。
寿里は、昨日のことがどうしても思い出せない為に、全身が精液で塗れていたことを手掛かりにして、頭を働かせて想像して考えてみた。

(・・・寿里・・・あそこに居合わせた・・・たくさんの人達に輪姦されたんだ・・・中に一杯出されて輪姦されたんだ・・・輪姦されて輪姦されて気を失ったんだ・・・)

何度考え直しても、辿り着く答えは一つだった。

(今朝の悪夢が悪夢で無くなっちゃう・・・今度は誰の子か分からない赤ちゃんを妊娠しちゃう・・・う、うぅ・・・)

寿里は再び咽び泣いた。
それでも寿里は、肢体を執拗に念入りに洗っていた。

「目を覚ましてたんだね、精液便器女!・・・体の隅々まで綺麗に洗ってるかな!」

物音がすることで目を覚ました菱形は、その音が浴室から聞こえてくることで、寿里が意識を取り戻したことに気づいて覗きに来た。

「昨日は寿里ちゃんが気を失ったから大変だったんだよ・・・精液だらけでバッチイし、抱えて電車から降ろして車に乗せなきゃいけなかったし・・・それにここまで運ばなきゃいけなかったしね!・・・ほぼ一人で運んだ緑川に感謝してよね!・・・」

昨日のことを愚痴る。

「すみませんでした・・・・・・・・・それで・・・あ・・・あのぉ・・・寿里・・・寿里が気を失っている間・・・何が・・・いえ・・・なんでもありません・・・」

昨日のことがどうしても気になって菱形に尋ねようと思ったが、帰ってくる答えに恐怖を感じて寿里は言葉を飲み込んだ。

「昨日?・・・あぁ!・・・ふ~~~ん・・・淫乱女の寿里ちゃんでもどんなことされたか気になるのかな?・・・それとも淫乱女だからこそ知りたいのかな?・・・アッハッハッハッハッハッハ!・・・」

寿里の気持ちを見透かして、菱形は大笑いを上げる。

「いえ・・・」

寿里は視線を外した。

「いいよ、教えてあげるよ!」

菱形は愉快そうな表情で、寿里の髪の毛を掴んで顔を上げると、その顔を覗き込んで話し始めた。

「昨日はね・・・あれからね・・・寿里ちゃんはね・・・乗客達にね・・・・・・・・・・くくくくく・・・・・犯されたんだよ!・・・輪姦されたんだよ!・・・大量に中出しされて輪姦されたんだよ!・・・それで寿里ちゃんは大喜びして、よがりによがって逝きまくりだったよ!・・・アハハハハハハハ!・・・」

「あ、あ、あぁ・・・」

恐れていたことが現実だったと知った寿里は泣き崩れた。

「・・・・・・・くくくくくくく・・・嘘だよ!・・・嘘、嘘!・・・レイプなんかされてないよ!・・・集団痴漢されただけだよ・・・集団ぶっかけされただけだよ!・・・」

「・・・・・・・・・・ホントですか?・・・」

何が本当で何が嘘か分からない寿里は、瞳に涙を溢れさせて、再び菱形に尋ねた。

「あぁ本当だよ!・・・僕と青木さんに感謝して貰いたいな!・・・二人でオマンコとケツ穴守ってあげてバイブを突き刺してたんだからね!」

「ありがとうございます・・・」

元はと言えば寿里陵辱の謀略を仕掛けた張本人であり、ましてや寿里を守る訳でもなくバイブを掻き回して愉しんでいた痴漢の一人である菱形に対して、寿里はあろうことか感謝の言葉を述べていた。
菱形は強い精神力を保ち続けていた寿里が、集団痴漢行為で失神したことと、今、正しい判断も出来ずに感謝の言葉を口にしたことで、少しずつではあるが寿里が壊れ初めていると確信した。

(良いぞ・・・良いぞ・・・僕のあやつり人形化計画が動き始めた・・・くくくくくくく・・・)

菱形は心の中でほくそ笑んだ。

「じゃ、今日も可愛がってあげるから、体を綺麗にしておいてね!・・・今日も出掛けるよ!・・・」

そして、寿里に今日の予定を伝えた。

「わかりました」

従うしかない寿里は、静かに返事をして頷いた。

(・・・今日も・・・人が見てる前で・・・辱められるの?・・・)

今日も見世物にされてしまう。
衆人の下で辱めを受けてしまう。
自身の淫らな姿を見られてしまう。
例えようの無い屈辱に晒されてしまう。
浴室から出れば、また陵辱地獄へと向かわなくてはならない。

(嫌だ・・・行きたくない!・・・)

しかし、菱形の言うことを聞かなければ、自身がこの境遇に陥った原因である破廉恥極まりない、例の猥褻な映像等を世間に流されてしまう。
その映像を流されてしまえば、寿里は二度と今まで通りの生活はおろか、表社会にも戻ることは出来なくなってしまう。
そして、今のままでも菱形達の性奴隷として生きていかなくてはならない。
寿里は正に引くも地獄、進むも地獄の八方塞がりの状態だった。

(でも・・・でも・・・でも・・・)

混乱する頭の中で答えを探す。
例の映像だけは絶対に人目に触れさせる訳にはいかない。
自ずと寿里の取るべき行動は一つに絞られた。
寿里は性奴隷を続けるしかなく、浴室からバスタオル一枚を羽織った姿で出てきた。
菱形達が輪になって何やら楽しげに話し合っていたので、邪魔にならないように部屋の隅にしゃがみ込んだ。



遅めの昼食を終えた菱形達は、菱形一人だけを残して和やかな笑顔を浮かべて喋りながら、各自部屋から出て行った。

「それじゃあ寿里ちゃん、お出掛けする時間だよ!・・・今日は、この服を着てね!」

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・

全裸で横たわり呼吸を荒げていた寿里に、菱形は声を掛けた。


浴室から出て部屋の隅でしゃがみ込んでいた寿里は、菱形達に存在を気付かれると昨日のお詫びと称されて緑川に散々犯された。
緑川の要求に応え胡坐を掻いた彼の上に自ら乗って、腰を激しく動かせた。
その姿に菱形達は罵り笑った。
それでも懸命に腰を動かしていた寿里に、緑川は容赦ない責めを加えた。

「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああ!・・・」

寿里のアヌスに超特大バイブ『NEOスーパーデラックスひかるMAX弐号機』を、突き立てたのだ。

「いやぁぁぁあッ!・・・いやぁぁぁあッ!・・・いやぁぁぁあッ!・・・」

寿里は頭を激しく左右に振りつつ、尚も腰を激しく動かせた。
一昨日から続くアヌス責めと二穴同時責めで、寿里の肢体は快楽にどっぷりと浸っていて抜け出せなくなっていた。
菱形達に犯されていながらも感じていることを悟られれば、寿里は彼らにまた汚く詰られると思った。犯されることで肉体に多大なダメージを受け、そして、詰られることで心に多大なダメージを受けてしまう。心身共にダメージを受けるならば、せめて一つは回避してダメージから逃れたいと本能で感じ取った寿里は、緑川の首に両手を掛けて、その表情がバレないように首筋に顔を寄せて表情を隠していた。
肉体のダメージは体力が回復すればリセットできるが、心のダメージは修復できないと本能が働いたのだ。

「ひゃ~っはっはっはっはっはっはっはっ!!!!!・・・」

それでも寿里は菱形達から嘲笑われて、緑川に大量の精液を体内に注ぎこまれて犯される。
嘲笑われるだけならまだマシだと、寿里は、そう思い込みながら犯される。
自身で腰を動かせて緑川のペニスを味わい、直腸の中で暴れ回るバイブを味わって寿里は犯される。
体内に二本の異物を深く埋められて犯される寿里は、菱形達が昼食を取る時間までたっぷりと弄ばれた。


・・・はい。」

横たわっていた寿里は、菱形の言葉に反応して正座に座り直して、菱形から手渡された衣服を受け取った。
今日は婦人警官のコスプレだ。
このコスプレ衣装も桃谷が用意したものだ。
菱形の許しを得て、緑川の精液に塗れていた下半身と汗だくになっていた肢体をシャワーで洗い流した寿里は、そのコスプレ衣裳に着替えると菱形に付き従って車に乗り込んだ。
先に部屋から出て行っていた会員達は、既に今日の準備を終えて全員が車に乗って、寿里が来るのを待っていた。
車が出発する。
目的地に着くまで寿里は、今日も車内で様々な器具を使って菱形達の暇つぶしの為にオナニーを披露した。
菱形達に嘲笑われながらも、寿里は目的地に着くまで懸命に彼らを悦ばせた。
そして、今日の目的地である昨日と同じ山手線の駅に到着する。
菱形達は、寿里が昨日披露した美しすぎる悶絶姿を再び見たいと、今日も同じことをさせようと考えていたのだった。

(今日も・・・集団痴漢!?・・・)

寿里も同じ駅に来たことで、今日も昨日と同じことをするのだと思った。

「ふふふ・・・さ、寿里ちゃん行こうか!」

菱形に促されて車から降りて駅へと向かい、そして、乗車する。
今日はバイブの類は装着されずに済んでいた。
が、昨日と同じ車内に立たされた寿里は、菱形達によるバイブの一斉攻撃に晒された。

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!・・・」

今日こそは周りの乗客達に、集団痴漢を受けていることを見つかりたくなかった為に、声を出さないようにしようと心に決めてはいたが、その決心は六人掛かりのバイブ責めに、一瞬の内に否定されてしまい寿里は絶叫していた。
その悲鳴を聞いた乗客達は、始めの内は婦人警官が集団で痴漢されていることに面白がって見物していた。しかし、痴漢行為を受け続けて、衣服がはだけ、乳房も局部も露になると乗客達もこぞって痴漢行為に参加した。
昨日同様、何時間も大勢の男達から全身隈なく愛撫され、次々と口に肉棒を突き立てられ、全身に精液を浴びて、寿里は何度も何度も絶頂に登りつめては達していた。

(こんなのやだ・・・こんなに汚らしく弄ばれてるだけでも耐えられないのに・・・それなのに・・・こんな姿をたくさんの人に見られてるなんて・・・そうだ!・・・このまま、おかしくなっちゃったら楽になれるかも・・・)

自身が置かれている悲惨な現実から寿里は逃げ出したいと思った。
今まで散々汚され、辱められ、弄ばれていても凛とした輝きを放っていた寿里の瞳がくすみ始めていた。
強靭だった寿里の精神力も、かなり脆弱なものになっていた。

(もう、やだ・・・やだ!・・・やだ!やだ!やだ!やだ!やだ!・・・)

なにもかもが耐えられなくなって、寿里は全てをかなぐり捨てた。
それ故か、寿里は半狂乱になって快楽を貪った。

「ひやあああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・逝くッ!・・・逝くッ!・・・逝っちゃう~~~ッ♪・・・あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙~~~~~~~~~~~~~~~~~~・・・

無間の陵辱地獄の中で寿里は流離い続けた。



「・・・!・・・おえぇぇぇぇ~~~・・・」

翌朝、寿里は再び産婦人科医から妊娠を告げられるという不吉な夢を見ている途中で、吐き気を催して目を覚ました。

(昨日と同じ夢を・・・ということは・・・寿里・・・まだ・・・正気を保ってるんだ・・・おかしくなってないんだ・・・あ!?・・・また目が開かない・・・今日は両目が開かない・・・酷い・・・)

今日は視界を完全に失っていた。
昨日の今日なので、寿里は今、自身がどういう状況なのかが分かった。
早く醜い姿から逃れたいと思った寿里は何も見えない中、手探りでシャワーのレバーを探した。やっとの思いでそれを探し当てた寿里は、おもいっきりレバーを開いてシャワーを全身に浴びた。
そこからは、昨日とほぼ同じ工程を辿った。
胃から込み上げる嫌悪感と、在りもしない肢体から漂う精液臭に苛まれて、幾度も肢体を執拗に洗い流した。その途中に菱形から今日も外出すると告げられた。また覚悟を決めて浴室から出ると、今日は黄川に出かける時間になるまで犯された。そして、出かけるときに今日の衣装を渡されて、それに着替えた。今日の衣装は半袖の白の体操服に紺色のブルマだった。寿里はその衣装を身に付けて、今日も大勢の見知らぬ男達に、全身が精液に塗り固められるまで弄ばれた。
次の日もまた同じだった。
ナースの衣装を身に付けた寿里は、大勢の男達から目を背けたくなるほど汚らしくなるまで弄ばれた。



寿里が誘拐されてから、とうとう十三日目に入った。
寿里捜索隊は一週間を過ぎた辺りから、寿里目的の誘拐と捜査方針を改めてはいた。
しかし、寿里に関係する人物に焦点を当てて捜査していても、犯人の手掛かりは依然として全く掴めてはいなかった。
その間、寿里は肉体を犯されるばかりでなく、公衆の面前で痴態を晒す行為を強要されて精神をも蝕まれていた。
その為に寿里の精神力は、目に見えて日に日に弱まっていた。

(誰か・・・誰か、助けて・・・寿里をこの場から救い出して・・・お願い・・・)

声なき声をあげて助けを求める。
しかし、当然ながらその声は誰にも届かない。

(誰も助けてくれないのなら・・・寿里を殺して!・・・)

陵辱地獄の中を彷徨い続ける寿里は、遂に生きていることを辛く感じ、生きることを止めたいと、この世から存在を消したいと考えるまでになっていた。
寿里の心のありようは、今や風前の灯火と言っても過言ではなかった。

「まだぁ、寿里ちゃん!」

そのとき、菱形の苛立った声が聞こえた。
汚れた肢体を洗い終えたあと湯船に浸かっていた寿里は、今日は夜が明ける遥か前に起こされていたことで、知らない内に居眠りをしていた。だが、菱形の声が耳に飛び込んできて、我に返って目を覚ました。

ピシャ―――――――――――――――・・・

慌てて湯船から出た寿里は、気弱になっていると自覚している自身に対し、喝を入れ直す為に全身に冷水を浴びてから浴室を出た。

「遅いなぁ、何やってんのさぁ!・・・さ、早くこれに着替えてね!・・・このド変態女!」

今日も菱形の罵声を浴びた寿里は、それと同時に衣裳を受け取った。
カラー・ネクタイ・スカートがショッピングピンクで施された、セーラー服タイプの特撮ヒロインのコスプレ衣裳と、同色のカチューシャだった。

「今日は・・・いつにも増して、愉しいことしちゃうよ!・・・ヒーヒッヒッヒッヒッヒッ!・・・」

寿里が日に日に弱っていくのに対して、菱形は日に日に狂気の色合いが濃くなっていた。
何かを企んでいるのであろう、昨晩と今朝とも寿里は犯されることは無かった。
いつもと違うことで、寿里は不安になり、おどおどと辺りを見渡しながら車に乗せられた。

「うふふふ・・・今日はすぐに目的地に着いちゃうからね、寿里ちゃん!・・・うふふふふ・・・」

菱形は今日、寿里に強要することがよほど楽しいのか、笑いを抑えることが出来ずにいる。
そして、車を走らせて五分足らずで目的地に到着した。

「ヒッヒッヒッヒッヒッ!・・・今日は、これを付けちゃうよ、寿里ちゃん!」

「うぐぅッ!・・・」

話し終わらないうちに、口にボールギャグを取り付けられた。
と、同時に赤岩と青木に両腕を後ろ手にされて、両手首を手錠で繋がれた。

「まだまだこれからだよ・・・」

ミニスカートを捲り上げて菱形は愉快そうに話す。

「んッ!・・・んんッ!・・・」

何も着けさせてもらっていなかった下腹部に、硬質プラスティックで造られた、前も後もT字型のショーツを穿かされた。

(何?これ?・・・また変なものをつけられた・・・え?・・・でも・・・これって貞操・・・帯?・・・)

肢体に何かを着けられる、即ち、それは自身を陵辱する物としか考えられないでいる寿里は、逆に自身の肉体を守ってくれる貞操帯らしき物を着けられたことで、頭の中が混乱する。

キリキリキリキリキリ・・・

ウエストの部分を調節されて、ショーツの腰の部分がきつく狭まると共に、股間の部分も食い込むように狭まっていった。

カチャカチャカチャガチャリ!

苦しくなる一歩手前まで狭められると、そこで鍵を掛ける音がした。

「ヒヒヒヒヒヒヒ・・・これで取れなくなった・・・」

菱形が愉快そうに笑っている。
菱形は、これから寿里を一人で、欲望滾る群衆の中に放置しようと計画していた。

(どういうこと?・・・)

しかし、寿里は菱形の計画など知る由も無い。
今日も外に連れ出されたことで、寿里は今までのように見知らぬ男達の前で痴態を晒して、弄ばれるものだと考えていた。しかし、それだと貞操帯を着けられた意味が分からない。寿里は不気味な恐怖に震えた。

「さてと・・・」

立っている寿里を座席に座らせる。

「いや・・・」

会員達が寿里の脚を大きく広げた。
そこで寿里は、股に貞操帯らしき物が填め込まれているはずなのに、何かスースーするように感じ、そこを覗き込んでみた。

「・・・!?・・・(何?・・・おっきい穴が2個も開いてる・・・)」

寿里はその穴に恐怖を感じた。

「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・寿里ちゃん、良く分かったね・・・これはまだ最終形態じゃないんだよ!・・・この二つの部品を取り付けて、ようやく完成するんだよ・・・ヒヒヒヒヒヒヒ・・・」

醜い笑顔を浮かべている菱形の右手には、スチール製のコネクタに長さ30cmほどの巻き綿棒のように捩れている三本の棒が付いている物体が、左手にはそれよりも遥かに太い鰻のような形状の三本の棒が付いたコネクタを持っていた。

(いや・・・いや・・・いや・・・)

寿里は本能で、それが何か得体の知れない恐怖を感じ取った。

「じゃあ・・・完成させるからね、寿里ちゃん!」

コネクタを後ろの穴に近づける。

「・・・!?・・・」

寿里の肢体がビクン!と跳ねた。
三本の棒がアヌスにあてがわれていた。

「あふッ♪・・・ぅぅぅ~~~~~・・・」

そして、一気に根元まで差し込まれた。

「あ゙ぁぁぁ~~~・・・」

根元まで差し込んだ菱形がコネクタを回したことで、寿里の直腸の中でも三本の棒が回転し、寿里はおぞましい快感に肢体が身震いした。
菱形は意味もなく回している訳でなく、コネクタとショーツの穴の開いた部分にはネジ山があって、コネクタをショーツに装着させようとしているのである。

キュッキュッキュッ・・・カチャ・・・ガチャ!

コネクタが外れないようにカバーを取り付けて鍵を掛ける。
菱形が鍵を外さない限り、アヌスに突き刺さった三本の棒が付いたコネクタは外れないようになった。
そして、もう一つの穴、ヴァギナにも同じ要領でコネクタが装着された。
寿里が貞操帯かもと思った物は、見たこともない新種のショーツ型のバイブだった。

「いくら変態の寿里ちゃんでも、こんなの知らなかったでしょ?・・・キシシシシシシシ・・・」
カチッ!・・・

醜い笑顔を浮かべて話し掛けた菱形は、徐にリモコンのスイッチをONにする。

「ひッ!・・・ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!・・・」

寿里は座席から転げ落ちて、のたうち回った。
それほどまでの凄まじい凶悪な振動だった。
アヌスとヴァギナに各々三本のバイブが、まるで三匹の生物が入り込んで暴力的に動き回って嬲り尽くす。
しかも二つの穴に侵入しているバイブだけでなく、クリトリスが当たる部分にもバイブレーション機能が搭載されていた。
寿里は外れることのない責め具を剥がそうと、それを掴んでのたうち回っていた。

ゴオオオオオォォォォォォォォォォォォォ・・・

「っがはぁッ・・・っがはぁッ・・・っがはぁッ・・・」

寿里本人と他の会員達に、この責め具の威力を見せ付けた菱形は、この辺りでもういいかなとスイッチを切った。
寿里は息も絶え絶えになって、肢体を激しく痙攣させていた。

「ね、ね、ね、凄いでしょ!」

新しいおもちゃを手にした子供のように、菱形は無邪気に寿里に問い掛ける。

「・・・」

寿里は頭を落とすようにして大きく頷いた。
寿里の肢体の痙攣が治まるのを待ってから菱形は、寿里を手錠で後ろ手に繋いで車から降り、行き先を教えるように小突いて歩き始めた。
腰と股間にマワシのように食い込む硬質プラスティック製のショーツのせいで、寿里の足取りは重かった。
二分ほど歩くと、金網にうっそうと絡み付いた草々に囲まれた公園へ辿り着いた。
その公園に近づけば近づくほどに、鼻にツンと来る腐敗臭が漂ってくる。
その空間に一歩足を踏み入れたときに、寿里は菱形が考えていることを理解した。
一目瞭然だった。
公園の中にダンボールで作られた家々が整然と並んでいた。

(ここの人達に・・・輪姦させるつもりなんだ・・・)

寿里は今日、菱形達の様子がいつもと違うことから、今日は今までより残忍な目に遭わされるに違いないと思っていた。
一歩一歩重い足取りで進んで行き、公園の一番奥にある公衆トイレ跡のコンクリート面に連れていかれた。

「人々を助けることが任務のレスキューフォースの寿里ちゃん・・・長い時間、女の子の温もりを知らないホームレスの人達に今日は奉仕するんだよ・・・溜まりに溜まった精液を抜いてあげるんだよ・・・もう出ないってところまで搾り出すんだよ・・・わかったね!」

菱形は寿里を地面に座らせて諭すように話した。
それを一緒に聞いていた会員達もニタニタと笑い合った。

そして、
「寿里ちゃんの大好きなホームレス達とHが出来るんだ・・・僕に感謝してね・・・寿里ちゃんが大好きな腐った精液が浴びれるんだよ!・・・いっぱい中に出されて、いっぱい飲みこんで、いっぱい顔に浴びて、全身に浴びて堪能するんだよ!」
菱形は誰にも聞こえないように耳元で囁いた。

(やっぱり・・・そうなんだ・・・)

寿里の顔から血の気が引いた。
会員達には、その話は聞こえなかったが、寿里の様子をニタニタと笑って見ていた。

「さてと・・・」
カチッ!
「ぐふッ!・・・ゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~・・・」

菱形は寿里の顔を覗き込む。
寿里はまだ彼が何か言うのかと思い顔を見上げた、そのときに、菱形はプラスティック製ショーツに搭載されているバイブのリモコンのスイッチを入れた。
その暴虐的な振動に寿里は、その場に崩れ落ちて悶絶する。

「いいよ、やって!」

菱形が桃谷と黄山と緑川に合図を送った。
三人が寿里に近づく。
そして、悶絶している寿里の右手首の手錠を解除すると、すかさず、その手錠を左足首に掛け直す。次いで、右手首と右足首にも新しい手錠を掛けて繋いだ。
と、ここでバイブのスイッチが止められた。

(何?・・・何?・・・どうなってるの?・・・)

ここで寿里は自身が手首と足首を繋がれて、新たな体勢で拘束されたことを知った。

「じゃあ、寿里ちゃん・・・僕達はゆっくりと見物させてもらうからね・・・ホームレスの方達と僕達を愉しませてね」

菱形は態々バイブを切ってから寿里の顔を覗き込んで話し掛けると、持っていたハサミでセ-ラー服の胸元に突っ込んで、前部を真っ二つして全開出来るように切り離した。
そして、醜悪な笑みを浮かべて、再びリモコンのスイッチを入れた。

「ふぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・」

蹲ってのたうち回る寿里を一人残して、菱形達はそこから数m離れたベンチに腰掛けた。
股間に食い込むプラスティック製のショーツによって、アヌスには細目の三又バイブを、ヴァギナには太めの三又バイブが暴虐的に暴れ回り、そして、クリトリスも責められて寿里は悶え苦しむ。
手足を繋がれている為に、体勢を変えられずに蹲ったまま悶え苦しむ。
地面に口を塞ぐボールギャグを擦り付け、そこから涎を垂らし、くぐもった声で絶叫して悶え苦しむ。

「ゔぐぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ぬ゙ッ!・・・」

ようやく顔を出した朝日が、悶絶する寿里の姿を照らし始めた。