二人オボレテ
「なんで範人だけ…」
濡らしたタオルで、凍りついたままの範人の顔を拭う。
男性陣がシャワーバンキに氷漬けにされた。あの薬が何なのか、早輝にも美羽にもさっぱりわからなかった。シャワーバンキはなんとか追い返して、男性陣を美羽と二人でギンジロー号まで引きずってきた。美羽はそのまま、大翔をおぶって家まで帰って行った。早輝の介護のおかげとは言わないけど、走輔や連、軍平はなんとか動き始めてくれた。それなのに、範人だけはまだ微動だにしない。一時的なものだったらいいけど、範人だけが微動だにしないのが引っ掛かった。
「…なんで?」
もう一度振り返っても、範人は動かない。微動だにしない、とはこういうことなのかな。居間に戻ると、走輔と連がコーヒーを片手にボンパーと話し合っていた。軍平はまだ部屋で休んでいるのかな。二人の動きもどこかぎこちなく、コーヒーをこぼさないように気遣っているように見える。
「それで、早輝が一人で運んできてくれたんだボンポン」
「そうだったのか! 迷惑かけたな、早輝!」
走輔の表情はもう逞しい。いつもの走輔だね、と早輝は微笑む。
「そうっス。早輝はやっぱり、スマイルっス」
連もそう言って、早輝の肩をたたく。
「ねぇ、何にも憶えてないの?」
早輝は聞いた。走輔も連も、黙って首を横に振る。完全に気を失っていたってことなのかな。
「さて…あとは範人だけだけど…」
ボンパーの言う通り、範人が戻れなかったらあたしたちの負け。戻ってきて、お願い。
「でも…。どうすれば良いのかはボクにもわからないボンポン」
「そんな…」
「範人は、もう元に戻れないっスか?」
「戻れるよ! ただ何か、範人には回復を遅らせる要因があったんだと思うボンポン。逆に言えば、みんなより少し時間がかかるだけじゃないかな」
「確かに…。走輔たちもああだったもんね。大変だったんだから!」
オイオイ…。早輝の言葉に走輔が呆れて、ギンジロー号にもしばし笑い声が満ちる。
「今できることは、全力でみんなを元に戻すことっス。軍平にも、元の調子に戻ってもらわないと」
「走輔、連、あなたたちもね」
「う、う…。う、う、う…」
それはただの呼吸音のようにも思えた。喉に何かが絡んで、ただ音がたっているだけにも聞こえる。
「範人、気づいたの? 範人?」
夜が更け、早輝はすっかりウトウトしていた。そこに範人のうめき声が聞こえて、跳ね起きたところだった。身体にかかっていたタオルケットがふわっと落ちた。連がかけてくれたのかな。
「範人…あたしね、何にもできないけど…。ずっとそばにいるよ。範人のそばにいる」
範人の額に汗が玉になって浮いていた。固く絞った濡れタオルで額を拭う。
「大丈夫。それまであたしが守ってあげる」
(…ありがとう、早輝。ボク、男なのに…)
範人は気づいていた。身体は動けなくても、早輝がずっと付き添っていってくれたことも。自分を助けるために、どれほど早輝が苦労したかも。
「…ガイアーク反応だよ!」
ボンパーが叫ぶ。状況が状況なだけに、声は心なしか沈んで聞こえる。
「…わかった!」
部屋から真っ先に飛び出してきたのは早輝だった。軍平も連も、走輔でさえもまだシャワーバンキの毒が完全に解けたわけではなかった。
「みんな、行ける?」
「早輝一人に任せて、寝てるなんてできっこねぇぜ!」
「そうっス! 次は俺たちの番っスよ」
早輝は隣の軍平を見た。まだうまく言葉はでてこないのに、それでも、任せろ、と言わんばかりに力強く頷く。
いつもの戦いなら、それで良かった。むしろ自分は足を引っ張らないように頑張るので精一杯だった。
でも今は違う。後ろを気にしながら戦うことになる。いつも走輔や大翔に、美羽にこういう思いをさせていたのかと思うと胸が痛んだ。もっと強くならなくちゃ。あらためて、早輝はそう誓った。
「みんな、毒液には注意してね。もう一回浴びたら、次はどうなるか…」
ボンパーの言葉に、4人は頷く。早輝は一人、より強い思いを込めてもう一度頷いた。
「待て!」
シャワーバンキを引き連れたケガレシアの行く手を阻むように4人で立ちはだかる。
「また出てきたでおジャルか? それにしても、一人足りないでおジャル」
「わたしの酸性雨で溶けてしまったでシャワー?」
「そんなはずないでしょ! オバサン」
「オバサンは余計でおジャル。シャワーバンキ!」
はいシャワー。シャワーバンキは胸の栓をぐいっと捻った。頭上から吹き出した不気味な色の噴水が、ゴーオンジャーに降り注ぐ。
…もうダメ! 絶対ダメ!
身体が反射的に動いていた。連と軍平を突き飛ばし、早輝は走輔に多い被さる。
ジュジュジュジュッ!
「ヤーッ! アァアアアァッ!」
酸性の液体がゴーオンスーツを焦がす。ゴーオンスーツが受けたダメージは、大幅には軽減されるが少しは早輝を襲う。
「早輝ーッ!」
シャワーバンキの噴水が止み、それと同時にぼろぼろの黄色いスーツがドロドロに溶けたアスファルトに崩れた。コールタール状のアスファルトは、走輔たちのゴーオンスーツに跳ねてポツポツと斑点をつくり、早輝のスーツは半身が黒く染まって沈んでいた。
「わらわが特別に調合した酸性雨を一人で受けるとは、馬鹿で愚かなオナゴでおジャル」
ケガレシアは口元に手の甲を当てて笑った。
「わらわは二度と同じ過ちはしないでおジャル。第一この毒液は、その小娘用の特製でおジャルよ」
高らかに笑うケガレシアに一発発砲すると、連は煙幕を張って一旦引いた。連は冷静に彼我の力を比べていた。自分も走輔たちもまだ本調子でない。いったん引いて早輝を安全なところで休ませないと、守りながらは戦えない。
ボンパーに後を託して、三人は再びシャワーバンキを追った。ギンジロー号に残る早輝に起こった異変を受け止められる人手はもうなかった。
「あの小娘を欲ボケにしてやったでおジャル」
4人が去った空間を茫然と見つめ、シャワーバンキにまた別の毒液を仕込みながら、ケガレシアは一人ほくそ笑んだ。小娘ちゃん、底の底まで堕ちるがいい、と。
「今度は早輝まで…。大丈夫だよ、早輝、早輝!」
ベッドの上で苦しげに唸る早輝を見て、ボンパーはそっと部屋を出た。範人もまだ反応はない。意識があるからしばらく休めば元に戻れると思うけど、その痛々しい悲鳴を聞いていると、いっそゆっくり眠ってほしいとも思う。
「うわあああぁ!」
リビングの大きなディスプレイには、三人がケガレシアの前にうずくまる様子が映し出されていた。火花が舞い、それは着実に三人の身体にヒットしていた。
「走輔…、連…、軍平…」
……はぐっ。
ボンパーは後ろから羽交い締めにされ、タオルで縛り上げられた。猿ぐつわがはめられ、両手を拘束されてゴロンと床に転がされた。体型が体型なので、ボンパーはもう一人では起き上がれなかった。
足で反動をつけて転がり、ボンパーは犯人を確かめた。いつもなら優しい微笑みが、凍りついたようにボンパーを見下げていた。
「早輝、早輝、どうして……」
「……うっさいのよ、ボンボンボンボン」
子供っぽいとからかわれる薄い色の口紅。早輝の幼い顔立ちはその違和感を際だたせる。走輔がからかい、連が笑い、範人だけがかわいいと褒めてくれる口紅を塗って、のたうち回るボンパーを早輝は眺めていた。
ジャケットがはだけていた。いつもなら一番上まで留めるボタンも、胸元が見えそうなくらい外れ、中のシャツもだらしなく伸びて首筋がのぞく。南国育ちとは思えない白くきめ細やかな肌を露わにして、早輝は範人の部屋に消えた。
「ねぇ範人、起きて……」
早輝は範人の眠るベッドから掛け布団を引き剥がした。乱れたセーラー服から真っ白なわき腹が、裾の短いプリーツスカートから細い太股が見え隠れする。言われなければ、男の子とはわからないかもしれない。
「は~んと☆ 起きてるんでしょ?」
ジャケットを脱ぎ捨ててシャツ一枚になる。天井を見つめるしかない範人をのぞき込むように、早輝は覆い被さってきた。
(…え!? 早輝、ど、どうしちゃったの?)
両手で範人の顔を包み込む。その手はひんやりと冷たく範人の顔から熱を奪う。
「範人、起きなよぉ~」
むにむに、むにむにっと範人の顔を揺さぶる。頬が歪み、口唇がねじれる。え~、範人ったら可愛いぃ~。こんな早輝の嬌声は聞いたこともない。
(おかしいよ、早輝、どうしてさ!)
「キスしちゃお~っと」
口唇と口唇が唐突に重なる。避けることも逆らうこともできず、範人は早輝のなすがままに口唇を重ねた。
「範人のくちびるって柔らかいね~。女の子みた~い」
顔を上げて、垂れた早輝の長い髪が範人の顔をくすぐった。もう一回ね、と早輝は再び長い長いキスをした。舌を出したり引っ込めたり、範人の口唇を刺激し続ける。
口唇を重ねたまま、早輝は右手をそっと下半身にはわせた。スカート越しにすべる手のひらはふかふかふわふわでくすぐったい。スカートの裾を越えて太股に触れた手は、そっとそのままお尻に向かってスカートをたくし上げる。
(早輝ってば、ダメだよ、恥ずかしいよ)
「範人ってばすっかり女の子だね~」
長いキスの後で、早輝は嘲るように笑った。
早輝はおもむろにベッドから下りて、ジャケットをそっと脱いだ。ショートパンツも脱ぎ捨ててTシャツ一枚の姿になる。裾から見え隠れする白い下着は、まだ幼気な少女の面影を残している。
範人はそれでも男の性で、視界の片隅に気持ちを集中させた。早輝の丸くて黒目がちの目が、範人の顔色を窺っている。バチッと目が合った気がして、範人は意識をそらした。
「今見てなかった?」
(見てない、見てないよ早輝)
声にはできなくても、かぶりを振る。もちろん面に出せないそれは早輝には届かない。
「見てたでしょ~? 素直にならないとお仕置きだよ」
早輝は再びベッドに上がって、範人の身体に馬乗りになって見下ろした。セーラー服の脇のファスナーをほどき、裾をはだける。贅肉がないウエスト周りには、かろうじて筋肉の割れ目が透けて見える。
「素直にならないと、おっぱいも出しちゃうぞ~」
セーラー服をたくしあげると、範人の乳首までが露わになった。周囲より少し色が濃いだけの乳首に、早輝は顔を近づける。その姿はあたかも、女友達がじゃれあっているようだった。
「男の子もここ気持ちいいんでしょ~? 知ってるんだ~あたし」
いたずらをしたときのようにぺろっと出した細めた舌で、早輝は範人の乳輪をなぞる。ふつうの肌よりずっと柔らかいその部分のフニフニ感に、範人も少しずつ心地よさを感じ始めていた。
(あ、くすぐったいのに…でも…ちょっと…いい…)
……ピクッ。
範人の指が震える。思うようには操れないけど、少しずつ動き始めていた。
「あ~範人、指が動いてるよ~。あたしのこと触りたくなっちゃった? エッチ~☆」
(違う…けど…でも…)
「い~よ、触らせてあげる」
(…え!?)
範人の手を取って、早輝は自分の胸に押しつけた。シャツ越しにブラジャーの固い布の感触があった。
「あ~ブラも取ってほしいんだ。ホントにエッチなんだから」
待っててね、と早輝はTシャツも脱ぎ捨てる。露わになった上半身のシルエットはいかにもか弱く細くて、でも範人には十分すぎるほど魅力的だった。
両手を後ろへ回して、ブラジャーを外そうとする早輝の身体がつられてちょっとねじれた。早輝…早輝…。感じていた疑問はどこかへ吹き飛び、ただ早輝を求める本能が範人を支配し始める。
「きゃ~、変態範人に見られちゃう~」
早輝はそう言いつつ、左手で乳首だけ隠しながら、右手を範人に左手にあてがって自分の乳房をまさぐらせた。手のひらに触れるふくらみはやわらかく手を押し返そうとする。
ゆるゆると早輝が動かすに任せていると、人差し指がぽつんと飛び出た部分にふれた。あん、と早輝はわざとらしくあえぐ。
「範人ってやっぱりそういう男なんだね~。ゲ・ン・メ・ツ」
(違う、ボクじゃ……。早輝が…)
「今違うって思ったでしょ~。意地悪ぅ。もうやめる? やめる?」
早輝はふたたび身体の上にのしかかって、範人の耳元でささやいた。いくら頭でやめようと思っても、断りの言葉が素直に出てこない。もっとも、今の範人は何の声も出せないけど。
「ふ~ん、ここも素直ねぇ~」
「ウギャッ!」
範人は反射的に跳ね起き、悲鳴も上がった。早輝はその小さめな手と細い指で、範人の急所を鷲掴みにしていた。範人の竿が折れ曲がらんばかりに摘み上げられていた。
「うごっ、あがが、あがが~(うそっ、やめて、やめて~!)」
「あれれれれ~? や~っと素直になったね」
ペロッと舌を覗かせて口唇をなめた。舌が痺れて回らず、訴える声も早輝には届かない。
5本の指が波打つように範人の竿を嬲る。触られたことのない性器はすっぽりと皮をかぶっている。皮と皮の間に人差し指を探りこませ、もぞもぞとなぞる。
「範人まだまだお子ちゃまだね~☆ いっつもあたしのこと子ども扱いするく・せ・に」
竿を握る手を持ち替え、一気に皮を剥きあげる。濃いピンクの先端が露わになり、割れ目が濡れてヒクついていた。きゅっ、きゅっと何度もしごき上げる。早輝が顔を近づけ、細めた息を吹きかける。意思に反して、ゆっくりと勃起するのを止められない。
「範人のって、けっこう美味しそうかも~☆ 意外~ (笑)」
自分のものとはいえ、むき出しになった性器はグロテスクで、その向こうに早輝の顔があることが不思議な感じだった。早輝の顔はいつもと変わらずにこやかで、口紅がかたどる口唇が艶めかしい。
「ヘ~ンタイ!」
完全に屹立した範人の竿をいきなり手放し、スカートをかぶせた。スカート程度の刺激にすら、経験の少ない範人には衝撃だった。竿がスカートを押し返しゆらゆらと揺らすにつれ、さらさらの裏地と先端が擦れて刺激が増した。
「ねぇねぇ、女の子なのにおチンチンがあるよぉ~」
女子高生が隣の友達に知らせるような、傍若無人で残酷な口調を真似る。
「あい、お~れ、お~いえ (早輝、なんで、ど~して?)」
「食べちゃう? 食べちゃう? 食べちゃうよ~!」
もう一度スカートをめくり、より一層勢いを増した竿を早輝はパクリと咥えた。
「いあ、らめぇ!」
ピュッ、トプ、トプッ!
範人の身体がぞっと起き上がって、股間に沈む早輝の肩をつかんで引き剥がした。強く吸いついていた刺激が余計に加速して、範人は無様に放出する。飛び散った白濁の汁は早輝の顔に肩に飛び散り、口唇のまわりの部分を指でかき集めて舐め取った。
「こんなことして~、お仕置きだからねぇ~」
耳元でそっとささやきながら、早輝は抱き合ったままもう一度範人を横たわらせた。左手でパンティーを脱ぎすてると、背中を向けて範人の胸にまたがった。早輝のお尻は白くて丸い。背中がすっと倒れたかと思うと、再び性器から快感が押し寄せる。
「範人、気持ちいいでしょ~? あ~た~し~に~も~」
だらしなく伸ばし気味にそういうと、早輝は範人の顔にお尻をすり寄せた。自然に早輝の花園が見える。もじゃもじゃの陰毛の感触とともに秘密の口唇が身体を這い、淫らなよだれが範人を濡らす。
「さき…だめ…」
言葉がはっきりするにつれて、少しずつ感覚が戻ってくる。それは同時に、快楽も増大することを意味していた。
「だめ…? ウソツキ…」
ジュルッ。
範人の位置からはよく見えないが、吸い寄せられ包み込まれるような感触が範人の息子を襲う。ほとんど経験のない性器への刺激はさっきよりもずっとクリアに範人を直撃し、早輝の口内に再び精子を放つ。
「また~? はやくな~い?」
コク、と今度はすべてを飲み下して早輝は振り向く。背中がよじれて、かすかに膨らんだ胸が覗く。範人の手を取ると、早輝は自分の胸と股間に導いた。
「範人の番☆ 気持ちよくしてね」
早輝はさらに腰を滑らせ、自分の秘唇を範人の口唇に押しつける。暖かく湿った股間の感触は、無味無臭のはずだが微かに透明な味がして、範人はペロペロと舌を必死に動かした。早輝も負けずに性器を責める。
「あ、はんと、そこ、そこ、だめ~!」
「あ、さき、さき、でちゃう、でちゃう~!」
ドプッ。ピュピュッ。
二人は同時に達した。お互いの性器をすすりあう淫美なキスを続けながら。
「あ、早輝、早輝、気持ち…いい…早輝…」
またがって腰を振る早輝の胸を、範人はやわやわと揉む。まだ拙く強引な指使いが、早輝をよりいっそう興奮させる。
「範人のおち○ちん、好き…」
「あ、早輝、早輝、好き、好き…」
早輝が動くたびにベッドがきしむ。すっかり淫液にとろけた性器をこすりあわせると、範人はまたはしたなく射精感がこみあげ、早輝の中にとぶっとそそぎ込んだ。
…つもりだった。
「範人、少ないよぉ」
十回以上吹き出した後だ。射精感が残っただけで、実際にはほとんど何もでなかった。
早輝は範人の両足を両脇に抱えるように座った。
「もっとぉ…。もっとしよぉよ…」
範人のへたった性器を、早輝は再び口と手で愛撫しにかかる。右手で竿をしごき、左手で垂れ下がったタマタマを転がし、口は先端のふくらみをすっぽりと包みこんで舌を巻きつかせた。
「はうぅ…早輝…だめ…」
早輝の口内で、範人の筋肉がピクピクとひきつる。吐き出すものをすっかり失った範人の性器にいらだつように、早輝は軽く歯を立てた。
「痛ィ! 痛いよ…」
「もっといっぱい出してよ!」さらに噛みつき、激痛が襲う。
「早輝なんか!」
驚くほど軽く足が動き、早輝の身体を挟んで横倒しにした。あっという間に体を入れ替え、早輝の身体に馬乗りになる。
早輝、早輝がいけないんだからな…。範人の目が血走っていた。よける間もなく口唇を重ねられ、舌と舌とが絡み合う。お互いの幼い顔が、それぞれ見たことないほど大人びて見えて、引くことができなくなっていた。
勝ち気になって、本能のままに範人は再び勃起した息子を早輝にあてがう。今までよりももう一回り大きくなった気がする。ズブッ。一気に奥まで差し込むと、早輝は簡単に黄色く叫ぶ。
「は、はんとおっきぃ!」
乱暴に出し入れを繰り返していると、早輝の性器からとろとろの液がにじみだした。早輝の中にたまっていた範人の精液と早輝の愛液が混ざって、秘唇と陰毛をぐちゃぐちゃに濡らした。
「早輝、早輝、早輝、早輝」
一突きするたびに、一度ずつ名前を呼ぶ。返事を返そうと思っても、快感に押し流されて何もできない。
「あ、う、は、はん、と、イク、イク、イクゥ…」
…静止。
「好き?」
「範人?」
まだジンジンしてるのに。止めないで! もっと。もっと。
「僕のこと、好き?」
疼く。もっと奥まで入ってきてほしいの。もっともっとかきまわして!
「好きいぃ! 大好き! 大好き! 来て! もっと! もっとぉ!」
もう一度つき上げるような快感に身体を委ねた。ずっと、ず~っと一緒だよ。範人の身体にしがみつくと、範人も早輝を全力で抱きしめた。外のことは何も知らず、二人だけで快楽の渦に溺れていった。