戦士立つ!

 針葉樹は頭上高くに生い茂り、地面に日は射さない。幹は黒ずんでいるし、日光のない地面に他の植物は無い。生きとし生きるものがここにはいない。レッドは陰気な様に吐き気さえした。
「なんだよ、この森」
「ひでえな」イエローは栗鼠を見つけた。屍だった。
「こんなところへ何で呼び出したんだ……」
「さっぱり訳がわからんと」
 ブルーとブラックも困り果てている。テトムは彼ら四人にこの森に来るように言った。ガオズロックでは言えないことらしかった。
 ホワイトは呼ばれていない。
 四人はそれぞれに考えをめぐらしながら、それがホワイトに関することであるのを、うすうす感づいていた。みんな自分の生活を犠牲にして戦っている。だが、ホワイトは戦士である前に女の子だ。
「みんな…」
 テトムが木々の間から姿を現した。四人は走って集まった。
「こんなところに呼び出してごめんなさい」
「いいけど、なんか暗くないか?」
「ええ」テトムの顔に輪郭ができている。「私、ここが好きなの」
「えっ?」
「私は巫女だから、生きるものの気をいつも感じていると、心が参ってしまいそうで……」
 その口元がかすかに綻んだ――ようにみえた。
「テトム…」
「そんなことより!」突然顔色が変える。「パワーアニマルについてのとても重大なことが解ったの!」
「パワーアニマルについて??」
 四人は顔を見合わせる。守護聖獣のパワーアニマルはガオレンジャーの呼びかけに応えて、オルグとの戦いをサポートしてくれる。
「最強のパワーアニマル――ラストアニマルって呼ばれているらしいんだけど……そのパワーアニマルを召還できるかもしれないのよ。それさえいれば、オルグとの戦いに勝つことが出来るわ」
「オルグとの戦いに勝つことが出来るラストアニマル……」
 オルグとの戦いは長く厳しい。まるでその無しの沼のようだ。地球のため生きとし生きる全てものを守るため、ガオレンジャーは戦っている。その戦いに決着をつけることが出来れば――
「そのラストアニマルっていうのはどうやれば召還できるんですか!?」
「それは簡単なことじゃないわ」
「簡単だろうと難しかろうと。俺たちはそのために戦ってきたんだ」ブルーは拳を握る。
「そうだ! 教えてくれ、そのラストアニマルを召還する方法を!」
「そう、あなたたちがそこまで言うなら、でもこれは試練よ、辛く厳しいことよ、覚悟を決めてね」
「ああ! 大丈夫だ」
「そう……そこまで言うなら」
 おもむろにテトムが四つのスティックを取り出した。シルバーで出来ていて、ずしりと重い。先端に発光ダイオートのようなものがついている。「スイッチを押して…」
「OK――ッ」
 四人は言葉を失う。目から色が抜けていき、表情がなくなる。深く閉ざされた口が結ばれている。
「ラストアニマルを召還する方法、それには生け贄が必要だわ。ネオシャーマンの処女の血が必要なの」
「処女の血……」
「あなたたちがホワイトを犯して、この特別製の獣皇剣に処女の血を与えるのよ」
「これにホワイトの処女の血を……」
 その特別製の獣皇剣は四人の持っている鞘にボタンがつき、刃先が丸く歪み、キノコに似た形をしていた。枯れ葉の色をしていた。
「解った、テトム……」
 その声に既に生気は無かった。レッドが特別製の獣皇剣を受け取ると、彼らは手をぶらんと下ろしたまま、猫背になって、ゆっくりゆっくり元来た方向へ戻っていった。
「フフフフフ……」
 『テトム』は顔を歪ませると、四人とは反対へ進んだ。まもなく崖が現われ、洞窟があった。奥はかなり深く冷気を含んだ風が流れている。しばらく行ったところに焚き木が煙を上げていた。オルゲットたちが火の世話をしている。
「あああぁ……ああぁぁっ…」
「オッシオッシ」
 突き上げるように腰を揺らすヤバイバ、その目の前でテトムが息をデュークオルグの角に吹きかけていた。白目を剥き、頬を染め、ベージュの服は何箇所にも渡って裂かれている。
「ああああ!」
 ヤバイバが雄としての角でテトムを突き上げると、言葉にならない喘ぎが生暖かい吐息になって角に掛かった。
「あああぁあぁあああああああぁーーーーーっっ」
 オルグは雄としてのペニスと同じくらい、角に性感帯を持っている。オルグたちが競ってデュークにハイネスに更に上に行こうとするのは、この角が偉くなればなるほど、性欲を強く覚えるからだった。ある種の麻薬のようにオルグたちは生まれたときから、性欲の虜にされ、調教されるのだ。
「それぐらいにおし」
「あは……はあぁ」
「ぁ……あんたたちはいつもそればっか」テトムは『テトム』を見た。その姿が真っ黒く染まり、空間を飲み込む。中からツエツエが現われる。
「そうよ、オホホホホホ、あたしたちは自分に正直なの」
 上から荒縄で縛り付けられ、ヤバイバに無理やりされた。ガオの巫女が生を奪われることは死に等しかった。聖職者になるということは、血を神に捧げること、なのに――
「他になんか無いの? もっと人のためになるような」
「ガオレンジャーのどこが人のためなのよ。笑わせるわ」
「ガオレンジャーは人間のため、地球のため――」
「人間は地球を破壊する。あたしたちオルグが壊さなくても結果は同じだわ。あたしたちは人間の邪気によっても強くなるのよ」
 ツエツエは自らの杖を出した。テトムとしっかり視線を合わせた。ガオレンジャーに連絡されないように素早く拉致したのだ。
「ガオレンジャーももうネオシャーマンじゃなくなるわ。あんたみたいに血を失ってね」
「……みんなに何をしたって言うの!?」
「これよ」ツエツエは一ダースの角状の出っ張りをつけた杖を構えた。ビリヤードのようにしっかりと狙いを定めた。
 テトムはその刃先に目をやった。身体が血を流している。戦慄の音を立てて、テトムの処女膜はヤバイバによって破られたのだ。守るもののないガオの巫女はひどく無防備で、デュークオルグの武器は圧倒的な邪気に満ちている。
「やめてええええええええええええええええええぇぇ!」
「えい」
 その様を弄ぶ無邪気な笑みで、ツエツエはテトムの性器に杖を充てた。テトムは涙も枯れて、悲鳴もこぼさず、自分の身体がどす黒いヘドロに犯されていくのをはっきりと意識した。

「何、今日は雑魚ばっか!?」
 大河冴はガオズロックを出て買い物をしていた。たまにはおしゃれもしないと、白馬の王子様は振り向いてくれない。なのに、振り向いているのはオルゲットばかりだった。冴はため息をついて、町を襲うオルゲットたちの前に躍り出た。
「みんな!」
 レッドたち四人は冴の周りに突如として現われた。その気配の希薄さに冴は何か違和感を覚えた。いつもと様子が違う。だが、今はそんな些細な違いにこだわっていられなかった。オルゲットたちの破壊を止めなきゃ!
「変身よ!」
 五人は一斉にGフォンを掲げた。冴はそれを見て、ボタンを押す。
「ガオアクセス――はっ! サモンスピリットオブジアース!」
 冴の身体が光った。周りの光を吸収しているようだ。一瞬で終わり中から純白の女戦士が現われた。聖なる戦士は気高に大地を蹴り、存在を示した。
「麗しの白虎! ガオホワイト!」
 オルゲットたちはその姿に今更驚いているようだ。冴はマスクの中で薄い笑みを浮かべた。立ち上がり、タイガーバトンを出して構えた。四人の仲間たちもめいめいにポーズを決めた。
 だが、その動きは驚くほど遅かった。どうしたのといいそうになるのを飲み込み、武器を構える。倒してから聞けばいい。
「必殺タイガーバトン!」
 綺麗に跳躍したガオホワイトはオルゲットに上方から迫った。一匹目の頭にしっかりと決める。武器を持って襲い掛かる左をステップを決めながら屠り、背後の奴を空中に躍り出てやり過ごし、後ろを取ると決めた。そうやって、わずか三十秒に全てが倒れた。
「ふぅ…どんなもんですか」
 軽い満足感を覚えつつも冴は仲間のほうを振り返った。しかし、レッドたちは名乗りのポーズのまま、氷のように動いていない。
「なんなのよ、みんな!」頭が一瞬で沸騰した。何でみんな何もやっていないのよ! オルゲットだからいいけど、これがハイネスとかだったら、今頃やられてるんだよ!?「……どうしたの?」
 つかつかつかと怒りを浸透させて、レッドたちに迫ったはいいが、これはどうみてもおかしかった。空気が違う。タイガーバトンを持つ手が汗を噴き出させた。心臓が勝手に鳴り出す。
「どうしたの、ねえ、レッド、イエロー? ……ブルー? ブラック?」
「俺たちの目的は」
「ただ一つ」
 レッドは目の前に特別製の獣皇剣を取り出した。その異様な物体に全身が緊張した。
「なんだっていうのよ!? ねえ、みんな」
「これは全て」
「オルグとの戦いを」
「終らせるため」
 ブラックがゆっくりと冴の元に近づいた。彼女は彼を見上げた。いつも感じているよりその身長はずっと高い。
「どういう意味? きゃあ!」
 ブラックは両手を張り手の要領で前に突き出した。ガオホワイトの身体が空中に躍り出て平行に飛行した後、街路樹が真っ二つに割れて煙がのぼる。生身では大怪我どころじゃ済まない、意味が解らない。
「いった――」
 腰に手を当て、半身を持ち上げようとした。レッドの手がホワイトを無理やり立たせ、マスクの顔が彼のマスクを見ようとした刹那、イエローの手がガオホワイトの顔を鷲づかみにすると、地面に引き戻した。そこにはベンチがあり、冴はそこに座らされた。両脇のベンチの銅の手すりにブルーが荒縄で手を縛りつけた。
「何の真似なの!? こんなことしてただじゃおかないんだから!? ――!?!?」
 視界に日が入り、冴は言葉を失う。錆びたドアが開くような甲高い悲鳴と共にマスクのロックがリリースされ、白日の下に大河冴の素顔が晒されてしまう。突然の事態に漠然となる冴に、次の思考が及ぶ前に、影が射した。その頃にはガオブラックがベンチにのぼり、冴の目の前で仁王立ちになっていたのだ。
「鋼の、猛牛……」
 虚ろな表情でブラックが呟いた。そのスーツはパンパンに膨らんでいる。ガオレンジャーのスーツは厳密に言えば服とは違う。ガオの精霊のエネルギーが結集した姿、それがこのスーツなのだ。これは服というより肌に近く、大量のエネルギーがこもっている。
 ブラックの巨大な逸物は一瞬で、顎が外れるほど奥まで収まった。
「うぐぐううぅ…」
 いきなりされたことに顔を赤らめる冴は、その両胸がガオイエローの腕によって乱雑に陵辱されているのを知った。
「うっぐぐああああぁ」
 ネオシャーマンである冴はもちろん処女だ。キスすらしたことがなく、何をやり何をされるかぐらい知っていたが、それはひどく幼稚な知識しか持っていないことは、自分でもうすうす感じていた。
 そして、まだ恥じらいを感じる年齢であり、突然されたことに抵抗するすべなどなかった。しかも精霊のエネルギーはオルグさえ蹴散らすほど強大で、人減の感性など一溜まりもなかった。
「うっううっ」
 それは恐怖だ。それ以外の何者でもない。暗黒の領域に無理やり投げ込まれている。冴は泣こうとしたが失敗した。涙さえ怖気づいてしまったのだ。
「うぐぐっぐぐぐぐっぐうううう!」
「怒涛の、鮫……」
 ベンチの背もたれを突き破って、ガオブルーは何の前触れもなく、冴の白く綺麗なプロポーションのヒップに攻撃を行った。ベンチが羽飛ぶような衝撃と、肛門を突き破られ、腸まで伝わるような身の毛もよだつ激痛に紅潮していた顔は真っ青だった。
「ぐぐうう!」
 胸の形が輪郭を増し、乳房が勃起した。うんううんうん! 違う違う! いくら叫んでも否応無しだ。ガオレンジャーもガオレンジャーに勝てるわけはない。イエローは乳房を両手で挟み込むと、引っ張った。
「うううんんんん!」
 ブラックは大きく腰を揺らしている。その逸物から生臭いがした。朝焼けの路地裏みたいなひどい臭いだった。しかも鉄のように固かった。
「うううううううう!」
 ブルーは容赦無しだ。ブルーの本人に荒れ狂う性欲はとめどなく冴に注がれ、それを受けるしかすべはなかった。
 ガオホワイトは小刻みに震えていた。何が何だか解らなかった。誰かに助けて欲しかった。誰でもよかった。オルグでもよかった。だけど、助けてくれる人なんて誰もいなかった。
「うぐぐぐぐぐぐぐうううぅ」
 エッチ! といおうとしても無駄だ、レッドの手がホワイトの一番大事なところをなぞった。それは身の毛もよだち、寒気を覚えさせる指で絶望がした。
「ッッッ!」
 冴は何もわからなかった。恐怖のうちに、股間が緩み、スーツの中に黄金色の液体が零れた。失禁したのだ。純白のスーツをそれは内側から汚した。動物たちの臭いに混ざって、冴自身の耐え難い異臭がする。 
「うううっっ」
 嗚咽をすすると、レッドの指が失禁したばかりの部分をなぞり、驚くほど綺麗に反転して、大事な穴をヒットさせる。スーツごとめりこんだ手――スーツは服じゃなかった。
 スーツは身体の輪郭を正確に表し、レッドの手はその血溜まで届いた。ガオホワイトは尊厳が失われたような気持ちになっていた。だけど、それだけはなんとしても守らねばならなかった。だけどもう大河冴には手も足も出せなかった……
「ウワッ」
 フライングを切ったガオブルーは前触れもなく暴発した。
「ひいぎいぃ!」
 そのあまりに小ぶりなヒップにぶちまけられたザーメンの色は、純白のスーツに比べると恐ろしく醜態で汚い色をしていた。それがスーツの上でぬらぬらと光っている。
「オオッ」
 次はイエローだった。イエローはガオホワイトの胸丘の間に器用に逸物を挟むと――蜘蛛のようだった――ガオホワイトの尊厳を汚した。
「っっ」
「アオ」
 ブラックが果てるのもそう長くは掛からなかった。ブラックは三人の中で最も長い時間、冴の中にいた。それだけのザーメンの量もハンパ無かった。おどろおどろしい白濁した液体は冴の口内だけでなく、顔にまでかかり、そのピンク色の唇から首へと伝わり、髪や目鼻立ちのいい表情を台無しにしたのだ。
「あああぁぁあああぁぁぁ!」
 身体中から動物の臭いがした。嫌な動物の臭いだった。三人が退き、レッドが四つんばいになっている。その足元にザーメンが糸を引いている。冴は目をそむけたかったが、そうは出来なかった。
「レッド」
 レッドが猛スピードでホワイトの元へ駆け上がると、ライオンのように猛々しい声をあげた。枯れの今まででもッとも巨大な逸物はなんとスーツさえ突き破った。ホワイトは濡れてなどいなかった。淫乱なんかではなく、淫乱になる余裕すらなかった。
「あああああ……やめて、レッド、おねがい、やめて、なんでもするから、レッド、レッド、レッド」
 冴の膣が強く引き締まっていたが、レッドの逸物がものすごい異音を骨伝いに響かせた。血溜があっけなく犯され、その身体の一部が剥がされるものすごいショックがした。
「いやあぁぁーーーっ!」
 真っ赤になった膣から血が流れ出す。純白のスーツに赤いコントラストが現われてしまった。金色の豪華な装飾の施されたベルトもその全てが血に染まってしまう。嫌な音がした。
「ああああぁぁぁぁぁぁ」
 一瞬で全身を駆け巡ったのは性欲などではなく、暗黒の邪気だった。こんな邪気を全身に受けて、人間がまともでいられるはずもなかったが、冴はなんとか正気を保っていた。武道を志すものの精神力が、ここまで冴をつなぎとめたのだ。
「はあああああああぁ!」
 レッドの逸物が一瞬にしてなくなると、時間をおかずとして、あの異様な獣皇剣がその中に納まった。それはものすごい熱を持っていて、沸騰している水よりもずっとひどかった。
「あ……熱い……熱いよう」
 冴はその異様な物体に身体が痺れていくのを感じた。「力が抜けるよう……」最早起こることに身を任せるしかないのだが、何とかして助かりたかった。
 だが、それは儚い希望ですらなかった。
 特別製の獣皇剣――邪器はガオの精を吸い込んでいく。冴は薄れ行く意識の中で、四人以外の誰かの視線を感じた。
「……ぁ…」
 その頃にはオルゲットに避難して戻ってきた人々が、正義の戦士同士に行われている惨劇を固唾を呑んで見守っていたのである。その中には確かにツエツエとヤバイバもいたはずだが、それ以上に一般市民に冴の姿は見られていたのだった……
「だめです、みんな、逃げて、くらさい」
 全身が痺れて、呂律すら回らなくなりそうだ。白濁した意識の中で、ガオホワイト・大河冴は確かに笑った。でも、あたし、まだ、オルグに屈したわけじゃないんだから――