負けない!戦慄の罠  

 四人のメガレンジャー――ブラック、ブルー、イエロー、ピンクは、注意深くあたりを見回しながら、そのじめじめした洞窟の奥へと足をすすめていた。
「なんだか気味悪いよ」
「そうだな」
 メガピンクはブルーにぎゅっと擦り寄る。
「おい、メガピンク、遊びじゃないんだぞ」
 メガブラックのとがめるような声がする。メガイエロー――城ヶ崎千里は首をふった。みくは単に不安だっただけなのに――耕一郎はどこまでいってもボクネンチンで、ここを出たら、お説教しなきゃいけない。
 ――だけど、まずは健太の行方を捜すほうが先だった。
 健太――メガレッドは戦いの最中に、ネジレ獣の作り出した球体に吸収されてしまった。千里たち四人は球体を持ち去ろうとするネジレ獣を追いかけたのだけれど、見失ってしまったのだった。
 そうして、わずかな痕跡を追って、四人はこの洞窟に足を踏み入れたのだった。そこが敵のわなの真っ只中だってことぐらいわかっていた。だけど、健太は大切な仲間で、危険とわかっていても、助けなきゃいけなかった。
「メガイエロー。メガレッドの反応は?」
 リーダーの声は心なしか苛立っているように思えた。みくは瞬から離れていて、みんなの雰囲気が悪くなっている。洞窟は奥にいけばいくほどジメジメしていて、千里も調子を狂わされそうだった。
「もうちょっと、奥からみたい。少しネジレ反応もでてるわ」
 メガイエローの額に――デジタルカメラのマークが出た。千里は息をのんだ。バイザーからの視界に分析データが乗って、サイバー空間のようなメッシュを作っている。それは靄のように蠢いている。たくさんの微生物のように蠢いていた。
「急いでくれ」
 あたしだってわかってる――振り返って口をとがらそうとして、千里は口をつぐんだ。耕一郎――メガブラックが緊張しているのは、インストールしていたってわかった。彼は彼なりに不安であるようだった。
 千里は不安で、彼の不安を理解できた。もちろん、そんないらいらするなんてありえなかったけれど、少なくとも、こんな場所で仲間の生死が不明だった。だから理解しなきゃいけない、そう思った。
「メガピンク」
 千里は言って、黄色い腕をメガピンクに伸ばした。
「メガイエロー」
 ぎゅっとその手を握った。握り返してくる手がある。
「気をつけて。もうすぐだと思うから」
「うん」
 千里は顔をあげた。メガピンクのスーツは光沢を放っている。湿気が多くて、夏場にジュースを入れたグラスのように結露ができていた。自分の体も――黄色い体にびっしりまとわりつく雫に気づいて、彼女は声をあげかけた。
 雫はすべてスーツの上で跳ね返されている。撥水加工のフライパンみたいだった。なんだか変だった。その光沢を放つ体が、自分の体で、身体能力を飛躍的に高める薄手の生地に包まれている。
「メガイエロー? どうした?」
 メガブルーの声に千里は顔をあげた。
「ごめん、なんでもない」
「こっちだな」
 メガブラックの声――ブルーの体も、ブラックの体もてかてかに輝いている。まるで、ワックスをかけたばかりの車のようだった。車――千里はその連想がやけにおかしかった。
「ねえ、なんか変な音がするよ」
 メガピンクの声に、千里は振り返った。その背後に、白い霧が見える。それは下側から噴出している。それはガスだ、気づくまで一秒ぐらいかかった。
「みんな! ガスが! うぐっ!!」
 メガイエローはいい終えないうちに、激しく咳き込んだ。
「な、ううぐっ!」
「うぶうっっ!」
「うわああっ、なんだこれ!!」
 声はいちどきに漏れた。みると、ガスが何箇所もの場所から噴出して空気に混じっているのが見えた。めまいがして、意識がフラッシュして、頭を抱えた。
「み、みんなっ……」
 何秒ぐらいたっただろう。千里が目を開けると、目の前に同じように頭を抱えた仲間が倒れているのがみえて、ぐっと体の力がぬけるのがわかって――
「だめっ、メガレッドを助けないとっ……」
 声が聞こえたけど、千里は首を振ることしかできなかった。意識はぎゅっと押しつぶされるようにして、上から落ちてくるみたいだった。シューというガスの漏れる音がきこえる。頭が痛い、割れるように痛かった。
「ああああああぁっ!!」

「ちくしょうっ……」
 闇の中で二人の体は光っていた。ブラックとブルーのスーツに身を包んだ二人の男子の肉体が、小さく震えていた。
「どうなってるんだ……」
 彼ら――メガブラックとメガブルーは、身動きをとることができなかった。二人はインストールした姿のまま、敵にとらわれ、一本の棒を境にワイヤーでぎちぎちに縛り上げられていたのだった。
「おい、メガブルー」
「なんだ」
「これはどういうことなんだ」
「俺が教えてほしいぐらいだよ」
 瞬の言葉はつれなかった。耕一郎はなんとか自体を打開しようと考えた。だが、何も考えは浮かんでこない。彼はメガレンジャーのリーダーだった。リーダーなのに、この状態から抜け出すすべを知らなかった。
「それより、メガイエローとメガピンクはどこへいったんだ?」
 瞬の言葉が聞こえる。耕一郎はわれに返った。健太を失い、千里とみくも――不覚だった。自分がリーダーでありながら、自分が仲間を窮地に陥れてしまったのだ。
「すまん……」
「はぁ?」
「俺がしっかりしていなきゃならないのに……」
「バカ、なにいってんだよ。俺たちは――」
「――仲がよろしいこと?」
 声に彼らは顔をあげた。そこは闇で、闇の中から水色の影があらわれる。
「シボレナ!!」二人は同時に声をあげた。
 ネジレジアの幹部シボレナは笑みを浮かべながら、そこに現れた。その背後に人影が現れる。耕一郎は目をこらした――黄色と桃色の影で――
「メガイエロー!」
「メガピンク!」
「ふふふっ、あなたたちの仲よさに、この二人もぜひ混ぜてあげてほしいわ」
 メガイエローとメガピンクは無事だったらしい。傷ひとつなく、でも、どこか様子が変だった。うつろで、まるで映画の幽霊みたいにして、シボレナの背後に立っている。
「どうしたんだ! 二人とも、そいつは敵だ!」
 耕一郎は声をあげた。反応はなかった。
「おい、メガブラック」瞬の声は恐ろしいほどに冷静だった。「なんか様子が変だ」
「ああっ」
 二人はシボレナを見た。シボレナの表情は、この事態がなんなのか心得ているようだった。彼女が口を開く。
「この二人は、さっきのガスを吸って催眠状態になっているわ。わたしが死ねば死ぬし、あなたたちを殺せと命じれば殺すようになっているわ」
「くっ、それが目的か!?」
 考えるよりも先に声が出ていた。シボレナは言葉がさえぎられたにもかかわらず、無視するようにまた口を開いた。
「違うわ。ふふふっ、わたしの目的はあなたたちを再起不能にすることよ。でも、殺してしまっては楽しくないわ」
「殺したら楽しくないだと?」
 瞬の声は、冷静さとあせりが混ざっている。
「そう、わたしにとってみれば、あなたたちが戦えなくなればそれでいいのよ」
 言葉に、メガイエローとメガピンクはシボレナの横をすり抜けて、二人の前に立った。メガブラックの前にイエロー、メガブルーの前にピンクだった。
「それでいいとはどういうことだ」
「こういうことよ」
 シボレナが指をはじいた。パチン、小気味いい音ともにイエローとピンクのマスクが光ってマスクが消失する。ぱさっと音をたてて髪が肩に広がる。愛らしい二人のヒロイン―-城ヶ崎千里と今村みくの素顔が現れた。その顔には、表情がなく、いつもの快活な表情はきれいに消えていた。
「何をたくらんでいるんだ、シボレナ」瞬は叫んだ。
「あなたたちのスーツは既に分析済み。ふふふっ、あなたたちが子供だったなんて知らなかったわ。メガブラック、メガブルー、いえ、遠藤耕一郎、並樹瞬?」
 シボレナは言葉の意味が二人に届くまで、口をつぐんだ。
「聡明なあなたたちに考える時間をあげるわ。あなたたちはすでに敗北したのよ。ここで潔く敗北を認めれば、命を助け、そこの二人、城ヶ崎千里と今村みくをあなたたちの奴隷として進呈するわ」
 到底のめない提案だった。耕一郎は首を振った。地球を明け渡すようなそんな条件のめるはずがなかった。そう――シボレナだってそれはきっとわかっているのだ。
「どう?」
「断る!」
「俺もだ」
 シボレナの表情に変化はなかった。その拒否だってきっとお見通しだったのだ。耕一郎はうつろな千里の表情の向こうに、シボレナを見た。仲間に対する責任はあった。でも、メガレンジャーのリーダーとして、地球に対する責任のほうが――不意に、メガイエローの肩が震えた。近づいてきたのだ。メガピンクもそうだった。
「メガイエロー! メガピンク! 目を覚ませ!」
 メガレンジャーのリーダーとして、耕一郎は呼びかけた。催眠がなんだ洗脳がなんだ、正義が負けるなんてことがあって――千里と目があった。その顔はすぐそこにあった。目は大きくきれいだった。たまに街でスカウトされる、そんなことを言っていたのを思い出した。その顔は恐ろしくきれいだった。そうして、その目には何も浮かんでいなかった。
「千里!? しっかりしろ!」
 メガイエローの、厚手のグローブに包まれた細い指が彼の体に伸びて、そうして――やさしい動きで股間を撫でた。
「なっ!」
 狼狽した声が漏れるのと、彼の体が反応するのはほぼ同時だった。長身でたまにはモテることがあったけれど、彼は女性と交際するなんてもってのほかだと思っていた。だから、健太や瞬の心情がわからなかったし、だけど、心臓はひどくどきどきしていて――
「千里!? やめろ!! なにをするんだ!!」
 黄色いメガスーツに包まれた千里がそこにいる。ラッピングしたように体表面に定着しているメガスーツは、千里の肉体の盛り上がりをきれいに映し出している。だから、それが、耕一郎の目にはひどく官能的なものが見えて――
「な、なにをするんだっ!!」狼狽した声は瞬のものだった。みると、そこには瞬の股間に手を伸ばしているみくがいて――
「み、みくっ!!」
「どっちをみているの?」
 声が耳元にした。息がふきかかる。全身に鳥肌立つ。みると、そこには千里の顔がある。すぐ、ふれあい息遣いのわかるほどの距離だった。いつしか顔を覆うマスクが消失していることにも気づかなかった。耕一郎は心臓が破裂しそうなほど音をたてて、胸が締め付けられるのを感じた、苦しい。苦しい。
 メガイエローが背伸びをして、メガブラックの唇にキスをした。

 シボレナはその光景を眺めた。くねくねと動くメガイエローとメガピンクが、メガブラックとメガブルーに襲い掛かっている。それは愉快という以外になかった。
「所詮は人間、快楽に抗うことなどできないわ」
 肉体に傷つけることは簡単にできる。だが、そんなことは問題ではない。問題は精神だった。彼らは気高い精神を持つ正義のヒーローだった。その精神に消えることのない汚点を刻み込む、それがシボレナの作戦だった。
「うわぁっ、やめてくれっ!! 千里!!」
「みくっ、やめろ!!」
 シボレナは、彼らのスーツを操作していた。いつも以上に感じやすいように、いつも以上に快楽を感じられるのように、そのパロメータを操作していた。そのことに、四人が気づくはずもない。彼らのマスクはすでに消滅しており、スーツに起こった異常を検地するシステムはその一切を奪ってしまったからだ。
「もっとも、その必要はなかったみたいね」

「あぁああぁっ! うわぁああぁっ!!」
 メガブラックは声をあげた。メガイエローにぎゅっと抱きしめられていた。その腿が股間に絡み付ける。彼の一物は固くそこでそそり立っていた。ゴムをかぶせたように盛り上がっているスーツの表面が湿っている。その湿り気の正体を耕一郎はもちろん知っている。千里の指がその湿り気をなめている。
 その指が湿り気を救いあげ、千里の口に含んだ。
「おいしい」
 千里のささやき声が聞こえる。
「千里……」
「ねえ、耕一郎? おいしいよ」
「やめろっ!!」 
 耕一郎は声をあげた。そんな千里は見たくなかった。敵に操られて痴態をさらす。そんな彼女みたくなかったし――彼女のことをもっと大切にしたかった。その愛らしくて、知的でやさしい表情が、敵に操られて奪われてしまうなんてもってのほかだった。
「なんで?」
 絡み付くようなやわらかい声、耕一郎はしだいに追い詰められていくのを悟った。指が彼の一物をさする。その動きは少しずつ早くなっていくように思えた。彼は今まで女性にそんな破廉恥な行為をされたことがなかった。感覚は明敏で、あまりに鋭く、体の中に入り込んでくるような鮮明さとともに感じられた。
「お、俺はメガレンジャーのリーダーとして、ああっ! ああっ!!」
 彼は涙を流した。びくんびくんと股間が疼いている。千里にオナニーをさせるなんて……二人はメガレンジャーにインストールしたままだった。そうだった。耕一郎はいまさらのように、体を眺め回した。自分はメガブラックで、千里はメガイエローだった。変身したまま、正義のヒーローのまま、そんな破廉恥な行為をしている。そのコントラスト鮮やかな二人の姿を見てしまうと、理性が絡んで激しい音をたててもつれるのを感じた。
「やめろっ!!」
 それ以外の声が出せなかった。そのうちに、メガイエローがしゃがみこんだ。そのつややかなストレートヘアに包まれた頭が、耕一郎の股間へ――
「だ、だめだぁっ!!」
 耕一郎は叫んだ。叫ぶことしかできなかった。舌がメガスーツをなめる。屹立した耕一郎の股間を舐め、真っ黒なスーツの内側で彼は激しい振動を覚えて、焼きつくような衝撃とともに、体の中からメガスーツの中に精子が激しく飛び散ったのを、ただ感じていた。
「あああぁっ……あああぁあっ……」
 びくっびくっと震えながら、目を大きく開き、耕一郎は言葉を失った。メガブラックが――メガレンジャーのリーダーが、信頼する仲間の手でその格好のままイカされてしまった。

「やめろっ」
 瞬も、結局は同じような声しか出せなかった。桃色の肩が動いて、ちゅばちゅばと音をたてながら、舌で生殖器が愛撫された。ブルーのスーツはなまめかしく光り、逃れようと動いても、ワイヤーはぎっちり食い込んでほとんど動くことはかなわなかった。
「くっ! ああぁあっ!! み、みくっ……」
 催眠状態にあるなら呼びかけるなんて無駄だ。冷徹な思考はそれを理解していた。だけど、声をあげざるえなかった。
「ああっ!」
 瞬は何かがおかしいとわかっていた。感じすぎる。メガスーツをまとっていても、そんなに感じるわけがなかった。あのガスに媚薬か何か盛られていたのだろうか。それなら、もっと別の――
 瞬はメガブラックのほうをみた。メガイエローがフェラチオをしていた。そんな光景、男と女の間ではまあまあよくあることだった。だけど、している二人が黄色と黒のボディースーツに身を包んでいることは、なかなかあることではなかった。それは蜂か蜘蛛のように見えた。
 瞬は、妙に冷静な気持ちがして、だけど、彼もメガピンクにフェラチオを受けていて、肩を揺らす彼女の稚拙な愛撫を受けているうちに、健康な男子が当然に起こす反応をして、射精していた。
「さあ、気分はどう? お二人さん?」

 メガブラックとメガブルーは荒い呼吸を繰り返していた。シボレナは、その二人の様子に頓着することなく、二人に向けてきいた。その股間にはだらしないしみがまといついていて、雄のにおいが少し離れたシボレナのところにも漂ってきていた。
「なんてことを……するんだ……シボレナ」
 息を整えながら、メガブラックが言ってきた。シボレナはおかしかった。でも、それは作戦のうちだった。メガブルーがこちらをみている。その目は、こちらを見透かすような目つきをしている。
 シボレナはメガブルーが口を開きかけるのを無視した。
「あなたたち、自分が置かれた状況がわかっていないようね」
「状況だと?」
「そう、状況よ」
 シボレナは指を鳴らした。ぱちん、ブラックとブルーを縛り上げているワイヤーがほどかれて、二人は前に押し出された。
「なんの……つもりだ……」
 シボレナは、メガブラックとメガブルーを交互に見た。
「えっ、何っ!?」
 突然素っ頓狂な声がした。それはメガピンクの声だった。
「みくっ!」その声は城ヶ崎千里――メガイエローの声だった。「なに、なにが起こったの?」
「千里!」
「みく!」
「メガイエロー、メガピンク、あなたたちはわたしのガスで催眠状態に落としてあげたのよ」
「なんですって!? シボレナ!! これはいったい!?」
 メガイエローは声をあげた。眠りから覚めたばかりでマスクがはずされているにもかかわらず、勇ましい声をあげていた。
「ふふふっ、あなたたちがこのわたしに操られて、どんなことをしたのか、いまみせてあげるわ」
 シボレナは手をあげた。空中に映像が現れた。四人の視線がそこに釘付けになった。その間に、彼らを動けなくすることができるはずだった。
「いやっ!?」
 
 千里の耳に、みくの声が飛び込んできた。
 突然意識がぱっと開けて、そこには耕一郎と瞬がいて、みんなマスクをはずされていて、マスクがはずされていた。異様なにおいがしていて、そのにおいのせいで、千里は変に冷静にその映像を見ることができた。
『うわぁっ、やめてくれっ!! 千里!!』
 声は、全員に明瞭に響き渡った。
「シボレナ、よくも……」
 メガイエローは顔をあげた。悔しさでいっぱいだった。こんな敵を許すわけにはいかなかった。
「ふふふっ、メガイエロー?」
「あなたはそれでもわたしを倒そうというのかしら?」
「もちろん!」
「ふふふっ、じゃあ、かかっていらっしゃい?」
「ええ! いくわよ!」
 彼女はうなづいた。のぞむところだった。今日こそ、シボレナをぎったんぎったんのずったんずったんにする。メガイエローは腕を振り上げた。いや、振り上げようとした。
「えっ?」
「きゃあああああっ!!!」
 声はみくのものだった。

「やめてっ!!」
 体が地面に吸い寄せられる。四つんばいになって、メガピンクは動けなくなった。
「メガピンクっ、メガピンク、おかすっ!」
「しゅ、しゅんっ!? きゃっ!!」
 今村みくはバージンで、それはこんなときのためにとっておいたものではなかった。彼女は桃色のメガスーツに身を包んでいて、それはいつなんどきも彼女をまもっているはずだった。だから、そのスーツの股間の部分が音もなく破れて、冷たい風が入り込んでくるのに気づいたとき、彼女は恥も外聞も、仲間がすぐ近くにいることも忘れて悲鳴をあげた。
「メガピンクっ、めがぴんくっうううっ!!」
 みくはその狂った声に振り返った。彼の背後には、並樹瞬がいて、その股間にそそり立ち男性器を振り上げていた。男性の男性らしさをあらわにする猛獣の姿がそこにあって、みくは気絶しそうなほど怖かった。瞬は瞬だったけど、その狂った声から、ネジレジアに操られていることがわかったからだ。
「だめっ!」
 彼の体が覆いかぶさってくる。メガブルーが何をするのかはわかった。みくは瞬のことが好きだった。でも、それはこんなふうにじゃなかったはずだ。愛を以て、そうされるならいくらでもみくは受け入れられた。だけど、メガブルーの男性器の先端が、みくのスーツの裂け目にあてがわれる。
「ああああぁっ! いやっいやだよっ!! いやああああぁあっ!!!」
 メリメリッっ、音が響いてくるほどに激しく、瞬の性器は彼女の肉体の内部に入り込み、激しく動き始めた。体中がぼーっと熱くなって、みくは――自分でいじったときでさえ感じなかったほどの快楽の渦が注ぎ込まれるのを感じて、一瞬失神しかけた。
「ああああぁっん! ああああっ!!」
「めがぴんくっ!!」
「はぁっっ!! あああぁっいやあぁっ! きもちいいいよぉおっ!!」
 みくは痙攣を起こした。痙攣を起こしながら、放尿して、四つんばいの逆V字に開いた足の間へ黄金水をじょぼじょぼと垂れ流した。
「ハァハァハァ……あああっ、なに……この感覚……」
 まるで電流に打たれたみたいだった。体中が暴走して、とまらなくなるみたいだった。みくは息がうまくできなくて酸欠になりそうで、鳥肌がたって、気持ち悪くて、でもそうなればなるほど気持ちよかった。
「おかしいよ……こんな……されたくないよ……瞬やめてよっ! ああぁあ!! ああぁあっ!!」
 イカされる。それは気絶するほどに途方もなく強い感覚で、みくの体はそれにたえられずに爆発しそうだった。意識が真っ白になりかけて、なんども真っ白になって、体の中で瞬の体が動く、それは陸の打ち上げられた魚みたいに激しく動いて、音をたてて、激しくて、みくの体とこすりあって、彼の腰がぶつかってきて、ピンクとブルーの腰がぶつかりあいながら、くんずほぐれつの振動を繰り返す。
「いやあっ!! いやあぁあっ! だめっ! やめてぇえぇぇっ! いやあぁああ!! イクイクウウウッ!!」
 みくは激しい痙攣を繰り返す。快楽は注ぎ込まれ、それは彼女の意思とは無関係にメガピンクを突き動かす。はちきれそうなほどの快楽が、みくを狂わす。彼女は焦点の合わない視線を、あちこちに投げかけながら、なされることに身を委ねることしかできなかった。
「しゅん……あぁっんぁ……ああぁっ……」

 千里は言葉を失った。
 そこで行われていたのは、性交なんかじゃなかった。それは、ある種の処刑だった。ネジレジアによって、メガレンジャーが好き勝手にもてあそばれている。
 シボレナの視線に気づいて、千里は彼女のことを見た。メガイエローは腕を振り上げかけたまま、動けなくなっていた。銅像のようにその場で凍り付いてしまったのだ。 
「お嬢さん、あなたには色々と手こずらされてきたわ」
 シボレナの声は陰湿で、優位に立ったものの余裕にあふれていた。
「当然だ! 俺たちはメガレンジャーなんだからな!」
 背後から声がした。それは耕一郎で、千里は動かない首をわずかに動かして彼のことをみた。
「そうよ!」千里は声をあげた。「わたしたちは、この地球の平和をまもる。そのためには、シボレナ。あんたの――」
「心がけだけはほめてあげるわ」
 シボレナは千里の言葉をさえぎった。顔は歪んでいる。その顔が悪意に彩られた顔に恐怖を感じた。メガレンジャーだから敵が怖くないなんてことはなかった。現に今、彼女の体は――
「でも、メガイエロー、メガブラック。あなたたちの言葉は口先だけのものなのよ」
 シボレナが指をたてた。それは手招きをするような手つきだった。
「うわっ!!」
 耕一郎が声をあげる。ブリキの人形のように歩いてくるメガブラックはメガイエローのすぐ背後に移動する。
「メガイエロー」
「メガブラック……」
 千里はシボレナの顔をみたまま言った。その手が動く。その手の甲がみえた。タイルのような装飾のついた防具をまとっていた。シボレナは手を大きく掲げ、それからゆっくりと自らの股間へおりていった。
「ああっ……」
 半ば予想していたことだった。メガイエローの手もまた動いた。その動きを真似るようにゆっくりと目の前に差し出され、そうして――スカートの上から股間にあてられた。
「あなたも、メガピンクがされているのを見て欲情してしまったでしょう?」
「そんなこと! ないっ!」
 あざける声に毅然と返した。千里はシボレナを睨み付けた。シボレナの手は股間から離れたのに、千里は手を動かすことができない。
「それは本当かしら? 本当なら試してみたいわ」
 シボレナが指を鳴らした。音とともに千里は背中がびくっと震えるのを感じた。汗がこみ上げる。メガスーツの中はひどくじめじめして、彼女の指はスカートの上から股間を――肉の芽をぎゅっと圧しこんだ。
「こんなことっ……されぁっ……」
 言葉がもつれる。千里は瞳孔を広げた。そこにあるのは違和感、そして、体が焼けるように熱くなる感覚だった――そんなハズはない。否定しようとしたのに、体は熱せられたバターみたいになっていて、ひどく散漫な感覚が急激に熱をもってぎゅっと固まって――
「どうしたのかしら?」
「こ、こんなことされたって……わたしは……」
「ふふふっ、それでこそだわ」
 指はぎゅっと肉芽を押しつぶす。指が離れてまた指が押し込まれる。感覚はしだいに鋭くなっていく。みくのことをみて、感じてなんかいない。千里はきゅっと瞼を閉じて、それからまた開いた。感覚はひどくふわふわしだして――
「そうよ! わたしはこんなことされたって屈したりしない。わたしはメガレンジャー、だから……!?」
 びくん、千里はその場に立ったまま大きく痙攣をした。突き抜けるような感覚に、彼女は一瞬われを忘れかけた。
「千里……」
「みないで!」
 背後からの声に、千里は反射的に返した。
「メガブラック? メガイエローがスカートの上からのオナニーはあまり感じられないって言ってるわ。悪いけど、まくしあげてもらえるかしら」
「誰が……やめろ、やめてくれ!」
 その命令に、メガブラックは従わないわけにはいかなかった。耕一郎が狼狽した声とともに後ろから迫ってきた。千里はきゅっと目を細めた。目の前を見ていたのに、なにも視界に入ってこなかった。体は時間を経るごとにぼーっとした熱さをましていて、体中がくすぐったい変な感覚で満ちていった。
「千里……」
「耕一郎……」
 彼女は小さな声をあげた。視界の隅に彼の歪んだ表情が見えた。千里は、耕一郎にそんなことをさせたくなかった。融通がきかないし、生真面目すぎるし――イエローのスカートがめぐりあげられたとき、彼女は足の付け根がメガスーツを身に着けていないかのようにすーすーするのを感じた。
「さあ、メガイエロー? これで、スカートの上からいじらなくても済むわ」
「いやっ……!?」
 戸惑いが脈をうつ。手はもはや自分のものではなくなったかのように、シボレナの命じられるままに動く。そんなことできるはずがないのだ。だけど、それはなされていて、黄色い腕の先の白色のグローブは、指までが細かく動きながら、股間に這わされた――
「ああぁっ!??」
 電撃が淡く響き渡ったとき、千里はきゅっと締め付けられる感覚に声をあげた。震える足は銅像になったかのように動かない。スカートがめぐりあげられたままだった。すぐわきに耕一郎がいる。彼は目をそらそうとしているのに、スカートをめくるために屈む格好になっているために、どうしても直視してしまう位置になっていた。
「んんぁぁっ……いやぁっ……だ、だめっ! ぁっ!」
 体の中まで自分じゃなくなってるみたいだった。敵にオナニーさせられて……体の中に快楽が注ぎ込まれているみたいで、手は自分の意思じゃないのに上手く、千里の体のことを知り尽くしているように明敏に入り込んでくる。
「ああぁあっ!!」
「ふふふ、メガイエロー、あなたも所詮は人間の女……身体に与えられる快楽には負けてしまうのよ……」
「あぁっ……そ、そんなことはぁっ……」
 千里は反論しようとするのに、口がもつれて声が出ない。
「さあ、メガブラック。胸を揉んであげなさい」
「くううっ……」
 千里は声に瞼を開けた。苦しげな声が聞こえた。必死に敵の命令に抗おうとしている声だ。その声は息になって、千里の耳にかかった。それは耕一郎の声だった。
「だ、だめだっ、身体が言うことをきかないっ!?」
 ガバッ、音をたててブラックの腕にイエローは後ろから抱きしめられる。ガサツで大きくて太い腕が千里を包み込み、身体は腫れ物のように敏感で、ささくれだった感覚の中――千里のふくよかな胸に彼の腕が沈み込んでいく。
「はぁっ……あああぁっ……」
「腕が……腕がぁっ」
 声をあげて反抗する耕一郎――千里は彼のコトを信じていた。腕が動いて、胸の中にえぐりこんでくるようだった。ガサツで痛くて、乳首を探り上げられて摘まれて引っ張られて――
「んんっ! あぁあっ!!」
「どうしたのかしら、メガイエロー? 感じているのかしら」
「そんなことは……ああぁっ!」
「やめろ! やめてくれっ!!」
 恐慌の中に入り込もうとしている声……彼に包まれていて、安らぐ感覚とその凶暴な腕に恐怖を感じる感覚が一緒になって混ざっていく――、メガイエローはメガブラックに抱きしめられて持ち上げられる格好になっていた。二人は密着して、千里はつま先立ちをした。
「ブラック……ぅっ……あぁっぁ」
 名前を呼べなくて千里は色で呼んだ。
 千里の尻の左側に彼の股間があって、そこには硬くなったものが押し当てられていた。彼女はさっきの映像を思い出した。ネジレジアに操られて、自分は彼にあんなことをしてしまった。
「千里、う、うごかないでくれ……」
「わたしは……」彼女はうつむいた。恥ずかしさが顔から炎になってほとばしるようだ。「気にしてないから……」
 指がクリトリスを溶かしていく。どろんとした感覚の中で、焼きつくような熱の痛みと恥ずかしさがあって、体が信じられないほど敏感になっているのを意識した。彼女はインストールしたまま、シボレナに好き勝手されている。メガスーツの上から操られて愛撫させられて、それでイッちゃう――
「違うんだ、違うんだ。千里、信じてくれ……」

「何が違うのかしら?」言ったのはシボレナだった。
「だまれ!! メガイエローをこんな目にあわせるなんて! 俺はお前を絶対許さない!!」
 メガブラックの叫びは、シボレナにとって好都合なものだった。感度を最高にしてあるメガスーツは、いまや触れられるだけで燃えるような快楽を発生させているはずだった。それを、この二人は必死に耐えている。
 耐えること、それは体には毒でしかない。
「きゃっ!!」
 シボレナはメガイエローにバンザイをさせた。二人を正面に向かせた。メガブラックは彼女を抱きしめたままだ。そのまま、ぎゅっと人間の肉体が破壊しない程度に強くすがりつかせた――
「うわぁっ!!」
「ああああぁっ!!」
 二人とも声をあげた。そこには悦楽に落ちていこうとする二人の人間がいた。シボレナは、そのまま二人の肉体を離さなかった。二人の体は双方向から操られて、バランスがとれなくてダンスを踊るようにくるくると回転した。回転しながら、肉体を密着させ、その薄い生地を返して愛撫を重ねていく。

「ああぁっ!!」
 二人の間にまるで接着剤があるみたいで、千里は耕一郎と離れられなくて、彼もそれは同じみたいだった。
「はぁはぁはぁっ……」
 彼がその急激な動きに息を荒げさせている。耕一郎の表情は崩れていた。つんとしたにおいが漂っている。それは男の臭いで、お父さんの下着のにおいとそっくりだった。
「ああぁっ! んんぁっ!! こ、こういちろう……耐えて……」
「ああ、ああ……」
 声は切迫していて、同時にうつろなものだった。
「シボレナの作戦になんか、のっちゃだめっ……」
 でも、千里も息が乱れるのを止めることができなかった。回転している。まるで、ジューサーみたいだった。二人はぎゅっとすがりついた。二人はまるでパズルのピースとしてはじめから、そこにあったみたいにきれいにハマりこんでしまい、彼の股間の盛り上がりが千里の股間に入り込み、その充血した生殖器をずりっずりっと愛撫して――
「ああぁっ! んんんぁあぁっ……」
「うぁあっっぁ! ……ち、千里、すまない……」
 くちゅっくちゅっと音が聞こえる。淫猥な音は耳の中でやけに大きく響いた。
「だから……きにしないでいいって……んっ!」
 身体が敏感で、全身が気持ちよくなってしまったみたいで、熱くて――身体がぴくっぴくっと震えた。そのたびに、全身の感覚が吹き飛んでしまいそうで、震えてなんとかつなぎとめて、メガブラックはそこにいて――
「違うんだ……俺は……」
「だめ! いわないで……いやっ!!」
 耕一郎の声に千里は叫んでいた。敵に見られている――でも、明滅する感覚とびくっびくっとなる彼の性器が無理やり押し付けられていて、それはひどく熱くてくちゅくちゅっと動いている。
「うぐっ……」
「あぁっ……ダメ! もう、ダメ……」
 うわごとのように繰り返しながら、メガイエローはメガブラックにすがりついていた。一条の涙とともに、彼女はぎゅっと彼にすがりついた。彼も彼女にすがり付いてくる。
「ああぁ……あああぁ!!」
 二人は変身したままだった。変身は解けなかった。
「キモチいい……キモチよすぎる……」
 千里は口から出てしまった言葉が恥ずかしく思った。口までが自分じゃなくなったみたいで、切なくてくすぐったくて、二度三度とぱくぱく開いては閉じてを繰り返した。
「千里……」
 声は切羽詰まったものだった。すぐそこに耕一郎がいる。メガブラック、リーダーで、入学してからずっと仲の良かった仲間だった――仲間――そこに、千里は一対の男性の目を見て、そうして、気づいた時には、唇をつきだしていた。
「んんっ……はふぅ……あぁっ」
 それはひどく安らぐ感じだった。身体中に満ちた戸惑いが解かれて優しく溶けていくような感じだった。体中が痛くて震えて敏感で、千里は彼の唇を無我夢中で吸った。吸っているうちに呼吸することすら忘れて、頭の中で意識は真っ白で、そのまま真っ白に染まっていってしまいそうだった。
「お……俺……千里……」
 メガブラックの腕がぎゅっと入り込んできた。それは操られた力じゃないと解った。
「わかってるよ……」
 身体は二人の意思とは無関係に愛撫を重ねる。イエローとブラックの身体は機械のように互いをこすりつけあい、そのたびに鮮やかに輝く光沢のスーツは輝きを増していくようだった。千里は笑った。自然に笑えなかったけど、でも、精一杯に笑った。
「だから……あたしたち……絶対、負けない……だから……」
「そう……だよな……」
「そうだよ、あたしたちメガレンジャーなんだから……」
 意識が遠のいていく。でも、あたしたちは負けない。千里は思った。敵の手に落ちたとしても、絶対反撃して、最後には勝ってみせる。頼れるリーダーもそばにいる。だから大丈夫。次第に薄れる意識の中で、千里は微笑みを崩さなかった。

 ――メガイエローとメガブラックはいつしか自ら快楽を求めはじめた。繰り返されるキスが次第に長い時間をかけたものに変わっていくのを見ると、シボレナはスーツの操作を少しずつ解除していったのだ。
「んん……こ、こういちろう……」
「千里……ちさと……」
 シボレナはもう一方にも目をやった。メガピンクとメガブルーもまた互いに快楽を貪りあっていた。
「み、みくっ!」
「しゅん……あぁっ、もっともっとっ……!」
 すっかりできあがった二人の横顔に理性はなく、ただ一心不乱に快楽を貪る動物がいるだけだった。シボレナは頷いて剣を収めた。
 メガレンジャーを倒すことは簡単にできる。だけど、こうして理性を破壊して人間の本性をむき出しにしたヒーローを、全人類に向けて見せつけることが出来れば、きっと倒すよりも価値があるでしょう……
「そろそろ、かしらね?」
 シボレナは振り向いた。最後の一人には、このシボレナが直々に快楽を教えてあげなければならない。

 みんな心配かけたな――!。
 メガレッド/伊達健太は走りながら、そう思っていた。スーツは目に見えてぼろぼろで、マスクにはエネルギー弾の命中した痕が生々しく残っていた。走るだけで激痛が走る。 
 彼はこの洞窟に連れて来られて、敵に追い込まれた。敵は想像を超えるほど強かった。強ければ強いほどワクワクする、そんな余裕かます余裕もないほどに、メガレッドは圧倒され、傷つけられた。
 でも、なんとか一人で倒すことができたのだ。敵は強かった。だが、結局は彼の敵ではなかったのだ。彼は道を滑り降りた。マスクの情報によれば、彼らはすぐ近くにまで来ているらしい。
「よし、この向こうだっ!!」
 彼の目の前には大きな岩が立ちふさがっていた。だが、このメガレッドをさえぎるものなどいない。健太は大きくジャンプをして思い切り岩を飛び越えた。
「おまたせっ? ……あれっ?」
 健太はあたりを見回した。反応はあるのに姿が見えなかった。なにがあったんだ。それにしても――健太は顔をしかめた、牧場みたいなひどい臭いが漂っていた。
「みんな?」
 しばらくすると声が聞こえてきた。マスクの下で、健太は怪訝な顔をした。それは大きな岩の向こうに転がる中位の大きさの岩の向こうから聞こえてくるように思えた。
「はぁあぁっんん……こういちろう……きもちいいよぉっ……」
「しゅ、しゅん、もっと奥をついて! あはぁんっ……あんっ!!」
「へ?」
 健太は声が言葉として聞こえて思わず、自分の耳を疑った。マスクの上から耳の辺りをたたいてみる。大丈夫なはずだった。
 ――そこには四人の男女がいて、総天然色の戦闘スーツに身を包んだまま、お互いの身体を愛撫し、こすりつけ、絡みつけあっていた。
 思わず息をのんだ。すげえ、という言葉を漏らしかけて口をつぐむ。瞬と耕一郎がいて、千里とみくが騎上位してあえぎ声を漏らしている。思わずレッドの股間は熱くなった。
「えーっと、いや、なにがどうしたの、ちさっちゃんにみく?」
 彼らは健太がそこにいるのに気づいていないように振舞った。ただ自分たちで見つめあって、激しく絡み合っている。
「ふふふっ、メガレッド。ちょっとおそかったわね?」
「シボレナ!」
 メガレッドは振り返って相手の名を呼んだ。
「あなたもお仲間に混ぜたほうがいいかしら?」
「お仲間? どういうことだ?」
「そう、あなたのお仲間の優等生さんたちは、正義のために戦うのをもうやめてみたいだし……」
「どういうことだ?!」
 健太の声に、シボレナはくすりと笑みをこぼした。
「わたしは、あなたたちメガレンジャーに本当に大切なことを教えてあげただけだわ。正義や地球の平和よりももっと大切なもののことよ」
 気取った言い方がしゃくに障った。健太には詳しいことがわからなかったけれど、つまりはシボレナがみんなを罠にハメたのだ。みんなを助けなきゃいけない。ドリルセイバーを取り出して、メガレッドは構えた。
「あなたもわたしと戦うつもりかしら?」
「当然だ! みんなをひどい目に遭わせやがって! 絶対ゆるさねえ!」
 健太は知らなかった。ネジレ獣にメガレッドが誘拐されたのは、四人を洞窟に誘い出すための作戦で、ネジレ獣をメガレッドが倒されたのは、彼をこの場所に誘いだすための作戦だった――
「いいわ、相手になってあげるわ」
 シボレナはサーベルを構えた。メガレッドは相手に向けて駆け出した。