「ここは……」
 ウメコは唸るような頭痛に目を覚ました。どこ……
 ウインウインと低い機械音がする。なんとか瞬いて辺りを見回すと、どこかのバックヤードだと解った。手錠で腕を柱に留められている。
「そうだ、アリエナイザーに……」
 母子に襲い掛かるアリエナイザーを見て、緊急変身したウメコ。だが、アリエナイザーの目にも止まらぬ攻撃の前に、デカピンクは倒れた。そこからの記憶は無かった。
「そうさ、この俺様に負けたのさ」
「お前は!?」
「俺の名はヒュージ。あの親子は捕らえ損なったが、代わりにいい獲物が手に入った」
「あたしは獲物なんかじゃないわ!」
「獲物さ、宇宙の賞金稼ぎの間じゃ、SPDの首に大金が掛かってる」
「大金!?」
 ウメコは耳を疑った。宇宙警察はアリエナイザーの間では金でかわれる……
「そうさ、特に地球ではな」
 とくとくと語りだしたヒュージは徐々にデカピンクの元へ迫っていく。
「生きとけば、状態はあんまり問われないんだよな」
「何する気……!?」
「正義を悪が捕らえたら、やることは一つっきゃないだろう」
 ヒュージは鞭を振るい、震えるような声でウメコが叫ぶ。
「あ、スーツ……」
 耐久性のあるはずのデカスーツはその鞭の一振りに傷つき、血がすーっと流れ出て、ウメコが肘をつく。
「この鞭には、ダイアモンドコーティングが施されてるんだ」
 空気をしなる音。
「アアァーーーーーーーー!!」