高速戦隊ターボレンジャー 第21話「ドスコイ勝負」エロパロ
   ~スモウボーマ復活!うれし恥ずかし女相撲天国!!前編~

「…ふう~。これでよしっと!」

印刷機から吐き出されたプリントの山をドンっと机に乗せ、森川はるなは大きく一息ついた。
期末テストを終えた生徒会室はいつも以上に静かで、グラウンドに響く運動部の掛け声と蝉の鳴き声が、いつもい以上に活気付いて聞こえる。
もうじき待ちに待った夏休みだ。休暇中の諸注意事項を書き連ねたプリントもこうして刷りあがり、後は終業式での壇上挨拶を済ませれば、今学期のはるなの仕事も終わりである。

振り返ればなかなか波乱に満ちた一学期だった。
傍からしてみれば何の変哲も無い一高校の生徒会長に過ぎない彼女だが、何を隠そうその正体は…平和を脅かす暴魔百族からこの世界を守る正義のヒーロー『ターボレンジャー』の紅一点、ピンクターボその人である。
彼女ほどの才媛でも、この二重生活は結構こたえる。だが、守るべき平穏がそこにあるという事実は、日々の戦いの中で何よりも強い支えとなっているのだ。
それおろそかにすることなど、はるなには考えられなかった。

「さて。リキ達はー…確か今日は太宰博士の所に行くって言ってたっけ」

他の仲間達は一足先に帰っている。
時間は中途半端だけれども、下校時刻には今しばらく猶予がある。
学校から出る前にバトン部に顔だけでも出しておこうか…。
そんな事を考えながら生徒会室の戸締りを確かめていた正にその時だった。

「きゃああああああーーーーー!!」
「かっ、怪人!?いやあーーー!!」

絹を引き裂くような女子生徒の悲鳴。
助けを求める若人の叫びが次々と湧き上がり、武蔵野学園高校の敷地内は喧騒の渦と化す。

(怪人!?まさか…暴魔獣!!)

はるなは制服を翻しながら一目散に階段を駆け下りた。
下駄箱の並ぶ昇降口は、外から逃げて来る生徒達で既に大混乱だ。
帰宅途中や部活動中だった生徒達が、われ先にと押し寄せて来る。

一体どんな暴魔が現れたのか?逃げ遅れた者達は?
皆の身を案じながら人の流れを掻き分け逆走するはるな。
そんな彼女の目に飛び込んできた驚くべきその光景は―――――。

「いやーっ!こんなのいやあーっ!!」
「やだっ!見ないで!!みんな見ないでーーーー!!」
「服は!?私の服はっ!?誰かお願い!!」

遅れて逃げ込んできた数名の女子生徒。
半泣き状態の彼女らの姿を目にしたはるなは、思わず自分の目を疑った。

「な…!?」

無理もない。彼女らはなんと、一人残らず裸だったのだ。

いや、正確には裸ではない。
少女たちが辛うじて身に付けたいた衣類は、学校指定のローファーと紺色のハイソックス。
そして、下着と呼ぶにはあまりにも厳つい、黒一色のTバックのような履き物だった。

(ど、どういう事!?なんでみんな裸なの!?しかもあれ、パンツじゃなくて…)

そう、女子生徒たちが身に着けていた物。
それは間違いなく相撲のマワシだった。

「い、一体どうしたっていうのっ!?」

言うまでもなくこの学校に女子相撲部など存在しない。
あまりにも突飛な事態に頭が付いて行けないはるなは、一番近くでヘタリ込んでいる一人に声を掛ける。

「か、怪人が…っ!怪人がいきなり襲ってきて、おかしな光線を女の子に次々浴びせて、そしたらみんなの服が勝手に脱げ初めてっ!それで、裸にされた子たちは全員…、これを…うぅ…っ」

矢継ぎ早にそこまで説明すると、その女子生徒は遂に泣き出してしまった。
当然だろう。年頃の女の子にとってみれば、それはもう耐え難いほど恥ずかしい格好だ。
一緒に逃げてきた女の子達も、丸出しの乳房とマワシの食い込む下半身を、人目から庇うようにしてうずくまったまま、身動きが取れずにいる。

「誰か、この子達にジャージを」

はるなはそう告げると昇降口の扉へと歩みを進める。
リキ達がいなくても目の前で暴魔が暴れている以上、それを見過ごす訳に行かない。
それに…同じ学校の女の子たちをあんな姿にさせられた怒りが彼女の胸の内を駆け巡っていた。

「うっ…。こ、これは!!」

はるなが校舎から飛び出すと、そこには想像以上の光景が広がっていた。
学園内のいたる所でしゃがみ込んでいる女子生徒たち。彼女らの下半身には今見た物と寸分違わぬマワシが固く結び付けられている。
周囲にはついさっきまで身に着けていたと思しき制服の上下、そしてブラジャーやパンティが無造作に散らばっていた。

「やだァー!なんなのよこのキツイのー!?」
「いやあ!だれかっ、だれか私の服取ってぇーーー!!」
「だ、だめぇ!それ私のパンツ!!」

破廉恥な姿で逃げ回ることもできず、女の子達は皆パニック状態だった。
脱ごうにも彼女らが履かされているマワシは、パンツとは比べ物にならないほど窮屈で中に指さえ入らず、後ろの結び目もまるで荒縄のような堅さでとても歯が立たない。
むしろ下手にいじると余計に食い込んで、デリケートな部位がグイグイ圧迫されてしまう。

一部の女子はマワシとの格闘を諦め、両手で胸を隠しながらも、散乱する衣服の中から自分の物を必死になって探している最中だった。
ところどころで制服の取り合いまで発生しているのが確認できる。
そして、その遥か向こうには…。

「ぬっふっふ~♪ぬっっふっふ~♪さあオマエたちも、すっぽんぽんになってマワシを締めろぉ~!そしてこのスモウボーマと土俵入りをするのだァ~!!」
「いやぁー!そんなのいやあっ!!」

泣き叫びながら逃げ惑う女子生徒の一団を追って、校庭を闊歩するデフォルメチックな体型の怪人。
忘れるはずが無い。やはりスモウボーマだ。
暴魔軍団随一の怪力を誇るこの巨漢は、まだ辛うじて無事だった女の子たちを、太く短い足でドスドス追い回している真っ最中だった。

「えぇーい、小癪な!逃げるでないぞ卑怯者ぉ~!わがマワシをビシっと締めて、清く堂々たる心を身に付けるのだァ!それぇ~!!」

<バリバリバリバリーーーーー!!>
痺れを切らしたスモウボーマは足を止め、気合と共に一喝。
その眼前からは黄金の光線が一直線に放たれ、前方を走っていた女子生徒たちを包み込む。
すると―――――。

「う、うそっ!?きゃあッ!!」
「やだっ!服がッ、やめてーーー!!」

乾いた金属音と共にホックが外れ、腰から滑り落ちるスカート。
風も吹いていないのに、ひとりでに捲くれ上がっていくセーラー服。
なんと、彼女らの身に着けていた制服が、まるで自らの意志を持ったかのように、勝手に脱げ始めたのだ。

下着姿にされ異口同音に黄色い悲鳴を上げるた女子生徒たち。
だが、こんなのはまだ序の口。なぜなら……。

「嫌あぁぁぁぁぁぁあーーーーーッ!!」
「止まって!!お願いっ、止まってえ!!」
「やあっ!なんで、なんでなのーーー!?」

そう。うろたえる暇もなく今度はブラジャーのホックがパチリと外れ、発育途上の胸がカップから勢い良く解き放たれる。
そして、とどめとばかりに彼女らの履いていたショーツが、足首までするりと引きずり下ろされてしまったのだ。
パニックに陥りながら必死になって恥ずかしい場所を隠す少女らを尻目に、色とりどりのパンティは足首からすっぽ抜け、ブラジャーや制服と一緒になって、無風のグラウンドに舞い上がる。
武蔵野学園高校の校庭は、女子生徒の制服や下着がまるで桜の花びらのように舞い散る異様な光景と化していた。

「………なっ」

逃げ惑っていた十名近いの女の子達が、白昼の学校で一瞬の内にヌードにさせられてしまったのだ。
あまりの出来事に声を詰まらせるはるのな足元にも、裏返しになった淡い桃色のパンティが飛んで来る。
慌てて拾ってしまったが誰に渡せば良いのかも分からない。ほんの数秒前まで持ち主が履いていた事を証明する生温かさに、はるなは思わず赤くなってしまう。

「よおーーーし!いいぞ、いいぞぉ~!!お次はこれだァ!それ、マワシ飛ばしぃーーーーー!!」

何ひとつ覆う物もない剥き出しの体を必死で隠そうとする生徒らを眺め、喜色満面のスモウボーマ。
その巨大な顔の両脇に設けらた穴のフタがカパッと開く。そして次の瞬間、ハッチからミサイルのように飛び出す黒くて長い物体。
その数は丸裸にされた女の子たちの人数とちょうど同じである。

<シュルシュルシュルーーーーー!>

ボーマの放った帯状の何かは一直線に、少女たちの下半身目掛けて飛んでいく。
裸にされた女子生徒たちは前屈みになって自分たちの恥部を隠すばかりで、とてもそれから逃げる余裕など無い。

[や、やめ―――――っ」
「きゃぁぁあーーーーー!!」

飛来物は瞬く間にそれぞれの股間を潜り抜け、お尻の谷間にグイっと分け入り、そのまま腰へと何重にも巻き付いてゆく。
少女たちの体はその勢いのままにクルクル回転し―――――。

<ギュッ!!>

「…あうっ!」
「きゃあッ!!」

真っ白な股間を気合を入れるような最後の一絞り。
いたいけな少女たちは、哀れにも本物の力士顔負けの見事なマワシを、望みもしないのに着用させられてしまったのである。

「やだぁーーー!!」
「嫌ぁ!取って、誰かこれ取ってぇ!!」

ほんの数秒前まで可愛らしい下着で包まれていた股間を我が物顔で占領する暴魔特製の相撲マワシ。
手付かずのまま残された紺色のソックスとローファーが酷くミスマッチで、その姿の強烈なマニアックさを一層際立てていた。
外そうにもみな相撲の知識とはおよそ縁の無い女子高生達。ガッチリと結ばれたマワシの緩め方なんてわかるはずも無い。
真っ黒な帯で二分された真っ白な尻がふるふると震える。
あまりの恥ずかしさに耐えられず、とうとう座り込んで泣き出してしまう生徒もいた。

「スモウボーマ…。一体どうしたっていうの?」

校庭で繰り広げられる羞恥地獄を目の当たりにしてはるなは呟く。
以前戦ったスモウボーマは、間違っても普通の女の子にこんな仕打ちをする相手ではなかった。
むしろ人間の築いた相撲文化をこよなく愛し、あろう事かターボブラック大地と種族を越た熱い友情を育んで見せたほどだったのだ。
そう、ジンバによって化粧マワシを取られるまでは。

「化粧マワシ…、あっ!?」

暴れ回るスモウボーマ。はるなは彼が今締めている化粧マワシが以前の物と異なっているのにようやく気が付く。
遥か太古に彼が聖獣ラキアから送られ愛用していたソレは、黒い縁取りに白一色の生地、そして中央に“道”の一文字があしらわれた質素な作りであった。
だが…目の前のスモウボーマが締めている化粧マワシは、仰々しい金色の注連縄に煌びやかな朱色の生地。そして前垂れの真ん中には“暴”の一文字が大書されていたのだ。



「ぬっふっふ~!絶景、絶景。暴魔一族秘伝の化粧マワシにより理性を失ったスモウボーマ!相撲から逃げる男共に失望した彼奴は、とうとう土俵の禁を破り、相撲への狂おしい情熱を女へと向けた!まさに作戦通りなのだあ~!!」

眼下に広がる乱痴気騒ぎを校舎の屋上から一望しつつ、ズルテンはその肥満体で小躍りしている。

「しかしだな…。おなご達をあのような姿にして、一体我らに何の利があるというのだ?」

その隣で覆面の鎧武者、ジンバは首を傾げていた。
彼がいぶかしむのも無理はない。
これでは前回復活した時と何も変わらないではないか。

「これでまたラゴーン様のお怒りに触れるような事になってみろ。今度こそ堪った物ではないぞ…」

いや一番堪らないのは被害を被っている女の子達なのだが。

「むっふふふ…。そーこーで!この秘密兵器の出番なのだ!!」

ズルテンが合図すると何処からともなく二人組みのウーラー兵が参上した。
彼らは力士の土俵入りの際にテンテン鳴らされるあの太鼓を担いでいる。

「さあスモウ暴魔よ!まずはキサマのその力で街中の娘を一人残らずまわし姿にしてしまうのだァ~!!」



「くぉらぁ~!逃げるな小娘どもぉ!!そーれーーーーい!!」

体育館に逃げ込もうとしていた女子生徒のグループ目掛けて、スモウボーマの脱衣光線がまたもや放たれる。

「やあぁーーーーー!!」
「や、やめ…っ!?きゃあーーーーーッ!!」

餌食になったのは体育館に逃げ込もうとしていた水泳部の女の子たち。
そして彼女らを招き入れようとしていた女子バレーボール部員だ。

引き締まった体をピッチリ包み込んでいた黒い競泳水着は、見えない力で引き伸ばされ、クルクルと丸まりながら膝の下まで降ろされる。
自分たちが身に付けていた水着に足を取られ、次々とスッ転ぶ部員たち。
彼女らの足首から、クシャクシャになった水着が引き抜かれては飛んで行く。
小麦色に焼けた四肢とは対照的に真っ白なヒップが、コンクリートの上にぺたんと尻餅をついた。

友人達が裸にされていく様を目の当たりにした女子バレー部員達は、慌てて自分達の履いているブルマーを両手で押さえる。
…が抵抗も虚しく、彼女らの身に着けた運動着は凄まじい力でショーツと一緒に下ろされ、見られてはいけない部分が丸出しに。
体操着の上もスポーツブラと一緒に裏返しに捲くられて脱げ、薄地の下からその存在を主張していた健康的な膨らみが白日の下に曝け出される。
もう、この姿にされてしまえば逃げるどころではない。

「嫌ぁーーー!フンドシなんて履きたくないーっ!!」
「フンドシではなァーい!マワシだ、マワシ!そして履くのではない、締めるのだ!その“ぱんてぃ”などというチャラチャラした洋モノと一緒にするでなァーーーい!!
今からその身で実際に締め、格の違いと素晴らしさを心ゆくまで堪能するのだぁ~!そぉ~れぇ~、マワシ飛ばしーーーーー!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁあーーーーー!!」

女子生徒たちの下半身に次々とマワシが襲い掛かる。
必死に閉じられた太腿の隙間を、まるで生き物のように滑らかな動きで潜り抜け、無駄肉の付いていない腰へ何度も何度も巻きついていく暴魔アイテム。

<シュルシュルシュルーーーギュッ!!>

「…やん!!」
「ひゃあッ!!」

最期に強烈な一絞り。荒々しいマワシが仕上げとばかりにグイッと食い込む。
柔らかな秘部に押し当てられる硬くて冷やりとしたその感触に、思わず感極まった声が出てしまった。

「きゃあぁーーー!張り付いて気持ち悪い~~~っ!!」
「こ、こんなの嫌ぁ!!」
「返して、私の水着返してぇっ!!」

プールの水の滴ったハイレグカットの競泳水着。汗をふんだんに吸って蒸れたスポーツ用ショーツ。
少女達の身を包んでいたウェアの数々はハラハラと宙を舞い、数秒前までの着用者の温もりを残したまま飛んでいく。

「くそっ、怪人め!みんな、女子を守るんだ!!」

校舎から飛び出したラグビー部一同が、女子生徒たちを助けるべくスモウボーマ目掛けて向かっていくが…。

「ふん!相撲の素晴らしさを忘れた男衆どもは引っ込んでおれぇい!!!」
「う、うわァ!?」

スモウボーマの光線を浴び、彼らも服も一瞬の内に脱がされてしまう。

「腰抜けどもに用はなァい!これからは、このスモウボーマがおなご衆を率い、日本相撲の黄金時代を築き上げてくれるわァ~!!」

丸裸にされた男子達は、女子の裸を見て元気になっていた股間のモノを慌てて隠しながら、すごすご校舎へと退散していく。

「と、とにかく!どこか変身できるところを探さないと…!」

流石に全校生徒の見ている前でピンクターボになるワケにはいかない。
とはいえ、体育館の裏や校舎の陰などの主立った死角は、マワシ姿にされ逃げ込んできた女子の姿が既にある。

「ぬはははは!さあ、残るはヌシらだけだァ!覚悟は良いな~!?」

そうこうしている間にも、男子どもを軽くあしらったスモウボーマは、最後に校庭の片隅に追いやられていた女子テニス部へにじり寄る。

「や、やめなさいっ!私の可愛い生徒達に、あんな格好させて許されると―――!!」
「問答無用!そぅれぇ~~~~~ッ!!」
「きゃあああーーー!!」

暴魔の前に立ちはだかったのは、この春研修を終えたばかりの若い新人教師だった。
生徒たちを庇う彼女もろとも、スモウボーマの脱衣光線は少女らを包み込む。

「や、やあぁぁあーーーーーっ!!」
「やめてっ、やめてぇ!!」
「嫌ぁぁぁぁあ!!お母さーーーーん!!」

純白のユニフォームは瞬く間に上下バラバラに舞い上がり、その下に重ね穿きしていたアンスコとパンティも互いに絡み合ったまま脱げてゆく。
泣き叫ぶ少女達に暴魔の贈り物がすかさず襲い掛かり、つい先程までミニスカートから見え隠れしていた股間をギュ~っと締め上げた。

「あ、あぁ……」
「こんなの、こんなのって…っ!!」

たわわな胸を両手で隠しながら、少女らは自分と友人の姿を互いに眺めて嘆きあう。
テニス部女子も一人残らずマワシ姿の仲間入りとなった。顧問の女教師も一緒だ。

もうこれで校舎の外には普通の格好をしている女子生徒はいない。
相撲暴魔の乱入からわずか五分ほどで、外にいた女の子は一人残らず裸にされ、相撲のマワシを着用させられてしまったのだ。
部活動中だった者や下校途中の者。被害に遭った女生徒は全部で百人にも届こうかという人数だ。
武蔵野学園高校の敷地内は、マワシ姿でパニックに陥る少女らで埋め尽くされた異様な光景と化してしまった。

「どうだァー、暴魔一族二万年の歴史を誇る相撲廻しの締め心地は~!身も心も引き締まる思いであろう!が~はっはっはっは!!」

黄色い悲鳴のこだまする学び舎を前に、勝ち誇るようなスモウボーマの高笑いが響き渡る。

「いやあー!どうやったら外れるのよこれ~!?」
「誰かっ、誰か手伝ってぇ!!」
「やだっ!き、きつい…お尻が…っ!!」

犠牲となった女生徒らは、自分の股間を締め付けるマワシをなんとか緩めようと必死だった。
隣の子の手を借りて背後の結び目をほどいて貰おうとする者も見られたが、誰一人として上手くいっていない。
がっちりと結ばれた後立褌(うしろたてみつ)はまるで石のような堅さで到底歯が立たず、間違って余計なところを引っ張ってしまい、前袋を更にきつくしてしう哀れな少女まで出る始末。
中にはマワシとの格闘を中断し、近くに落ちている制服やジャージを誰のだろうと構わず羽織る者もいたが……。

「きゃあっ!……な、なんで!?」

被ったばかりのセーラー服は、まるで突風に煽られたかのように飛んで行く。

「ぬぅはははァ~~~!無駄だ、無駄だァ!!この新生暴魔マワシを一度でも締めた者は、このオレ様に真の相撲取りとして認められるまで、他の物を身に付けることは一切許されんのだァ~!!」

マワシに戒められた股間を隠したい一心で手にしたスカートも、大慌てで両脚を通したブルマーも、その身に付けた瞬間、脱がされた時と同じようにしてずり落ちてしまうのだ。
何度繰り返しても、どの服を選んでも、同じ現象がループするばかり。

「そ、そんな…っ!」

このマワシ以外の物を身に付けることができない。
驚愕の事実を突きつけられた少女達の顔に絶望の表情が浮かぶ。

あの暴魔獣に勝つまで、自分たちはずっとこの格好なのか。
家にはどうやって帰ればいい?家族には何て説明すれば?大体あんな怪人どうやって倒せばいい?
校舎からは辛うじて難を逃れた他の生徒たちの固唾を呑む視線が投げ掛けられている。

「ぬっふっふ……おぬしらが締めたマワシは、この退廃の時代に相撲の素晴らしさを広める使命を背負った聖なる証。おヌシらがそれに相応しい相撲取りになるよう、今日からみっちりと稽古をつけてくれるわ!!
さぁ、まずは小手調べだ!ゆくぞ!!どすこい、どすこい、はぁ~どすこーーーーーいッ!!!」

スモウボーマは猛然と四股を踏みグラウンドを盛大に揺るがすと、一番手近なところにいた女子生徒らに向かって土埃を巻き上げながら突進してきた。

「きゃあーーーーーっ!!」
「こ、来ないでぇ!!」

仰天した少女らは、自分たちの格好も忘れて、迫り来る暴魔から必死に逃げ惑う。
へたり込んでいた他の被害者たちも、彼女らが自分の方角へ向かってくるのを見て、慌てて逃げ始めた。

白昼の校庭で繰り広げられる奇々怪々な追いかけっこ。
運動シューズやローファー、靴下の類は脱がされていなかったので走ること自体は問題なかったが……やはり女の子の脚では限界がある。
何名かが徐々に後れ初め、暴魔との距離はみるみる内に縮まり―――――。

「ぬぅぅぅん!獲ったぞおーーーーーッ!!」
「きゃぁあぁあぁあーーー!!」

一人の女子生徒が捕まり、がっぷり四つの体勢でスモウボーマに組み付かれてしまう。

「や、やめ…っ!放してえ!!」

すらりとした体型にポニーテールの似合う陸上部の子だった。
足がもつれて転びそうになったクラスメイトをわざわざ助けに戻ってきた矢先である。
野太い暴魔の両手でマワシを取られ、いとも簡単に彼女の両脚は地面から離れる。

「は、放せ!ユカちゃんを放せー!」

助けられていた見るからに大人しそうな少女は、スモウボーマの体をポカポカ叩き、友達を救い出そうとする。
しかし小柄な彼女の力では、暴魔の屈強な体躯は揺るぎもしない。
スモウボーマは彼女の攻撃など意にも介さず、陸上部の少女を吊り上げ続ける。
股間を縦断するマワシには彼女の全体重がかかり、無駄肉の付いていいないヒップへ縦褌が無慈悲に食い込んでいく。

「そら、どうしたどうした!このままでは土俵の外に吊り出されてしまうぞ!?こういう時は左右に振るって脚を着け、すかさず相手のマワシを掴むのだ!!」
「いやあーーー!お、下ろして!!お願いだから下ろしてぇ!!」

彼女のマワシを掴んだまま、スモウボーマはユカの体を空中で左右にゆっさゆっさと揺すり回す。
剥き出しのオッパイは怪人の馬鹿でかい顔に押し付けられ、漆黒の帯は少女の股間を執拗なまでに責め立てる。

「い、いけない!このままじゃあの子が…!」

なんとかマワシを放させようと少女は暴魔の手に爪を立てるが、稽古に明け暮れるあまり樹皮のような分厚さを獲得した彼の皮膚は、蚊に刺されたほどの痛みも感じていない。
彼女が足掻けば足掻くほど、固くて冷たいマワシが柔らかな谷間に食い入り、女の子の敏感な箇所の並ぶラインが圧迫されるのだ。

「だっ、駄目ぇーーー!お尻がァ……!!」

強烈な締め付けに耐えかねて、あわや失禁しそうになった次の瞬間。

<バシィ!バシィーン!!>

「ぬおッ!?」
「きゃあ!」

スモウボーマの顔面に連続から火花が散りった。
突然の不意打により流石の暴魔獣も仰天し、思わず両手でがっちり掴んでいたマワシを放す。
間一髪のところで地べたに投げ出された少女は、マワシの食い込む臀部で尻餅をつきながら、グラウンドに転がる。

「ええい!神聖なる稽古に横槍を入れるのみならず飛び道具まで!何奴だァ!?」

煤けた顔をごしごしこすりながら、スモウボーマは怒りも露に光線の飛んで来た方角を睨みつける。そこには―――――。

「そこまでよ!スモウボーマ!!」

目の醒めるような蛍光ピンクのスーツに身を包んだ高速戦隊の紅一点。ピンクターボの颯爽たる姿が!
ベルトのホルスターから抜かれた光線銃"ターボーレーザー"の照準は既に暴魔獣の眉間に狙い定めている。

「スモウボーマ、今すぐその化粧廻しを外しなさい!あなたはその暴魔獣器に操られているのよ!!」
「ぬァんだと~!このスモウボーマから横綱の証たる化粧廻しを奪おうとは!力士であればまこと天晴れな心意気よ!……だがしか~し!!」

パァン、と。スモウボーマが両手の平を打ち合わせる音が校庭に響き渡る。

「銃などに頼る軟弱者に、この化粧廻しを明け渡すワケにはいかァ~ん!この縄が欲しくば貴様も相撲取りとして土俵に立ち、このスモウボーマを見事打ち破って見せるのだァ!!」
「違うわ!聞いて、あなたが締めているそれは横綱の証なんかじゃなくって―――――」
「問答無用!それ、お主の意気を見せてみろ!マワシトバシ~~~っ!!!」
「……くっ!ダメだわ、完全に操られてる…!」

<シュルシュルシュルルーーー…!>
スモウボーマの両耳近い穴から、幾筋もの黒い帯が伸びてくる。狙いは勿論ピンクターボひとり。
<バシッ!バシッ!バシィーン!!>
はるなは即座にターボレーザーの引鉄を絞り、正確無比な射撃で飛来するマワシを次々と撃ち落していく。

「ぬぅ!?あれだけ大見得を切っておきながらマワシを締める事すら拒むとは!どこまでも性根の腐った奴よ。その歪んだ精神、土俵の上で叩きなおしてくれるわ!!それそれそれぇ~!!」

激昂した暴魔は鼻息を荒げ、先ほどに倍する数のマワシをピンク目掛けて放つ。
だが彼女も負けていない。四方八方から襲い来る無数のマワシを電光石火の早業で一発づつ正確に撃ち抜いて叩き落す。

「ぬぬぬぅ~、やりおるわ。しからばこれで…」

<シュルシュルシュルーーーーー!>

「無駄よ!」

馬鹿正直にまたも放たれたマワシを神業的な銃捌きで打ち抜くピンクターボ。
彼女の下半身を狙う黒い帯は、はるなのスーツに触れることなく焼け落ちて消える。
だが―――――……!!

「かかりおったな!隙ありィーーー!!」
「な…っ!?」

<バリバリバリバリーーーーー!!>
一瞬の出来事だった。
殺到する大量のマワシの陰に隠れて、スモウボーマからあの黄金の光線が放たれ、はるなを直撃した。
最後に放たれたマワシは巧妙な目眩ましだったのだ。

(し、しまった!この光線は……っ!!)

そう。女子生徒たちを一人残らず裸にしたこの光線。
浴びてしまった者は……。

<パチリ、カチャ。パチッ>

「あっ!!」

突如、指先を走った静電気のような感触。
次の瞬間、彼女の手にしていたターボレーザーは手の平から離れ、綺麗な放物線を描いて飛んで行く。
宙を泳ぐ愛銃を掴まえようと半ば反射的に手を伸ばした刹那、今度は腰の辺りから金具の外れる音がしてベルトが緩み……。

<スルル――――……パサリ>

「え、あ……きゃぁぁぁあ!?」

なんと、彼女の履いていたターボスーツのスカートが、ベルトごとズリ落ちたのだった。
まばゆいばかりの桃色のスカートは、内股になってうろたえるピンクターボの足首から、すっぽりと抜けて舞い上がり……。

「そ、そんな…」

校庭のフェンスを越え大通りを跨ぎ、遥か彼方へと飛んで行ってしまった。

(う、嘘でしょ。…こんなのって)

今まで経験した事もない突飛な事態である。
まさかあの光線が、変身後でも効果があるとは。

はるなは思わず前屈みになり、両手で股間を隠すように庇ってしまった。
裸にされてしまった他の女の子達に比べれば十分マシと言えたかもしれないが……普段隠している場所というものは、やはり丸出しにされてしまえば相当に恥ずかしい。
ターボスーツこそ脱がされずに済んだものの、ボディラインに密着した光沢のあるこの衣装は、腰回りやヒップの形状がありありと浮かび上がらせ、太腿の付け根のラインまで一目でわかる有様だ。
今まで戦闘中に気にせずに済んだのは、あのスカートのお陰だったのだと、奪われて始めて気づかされる。

(く…ッ!しまった、ダブルステッキまで…)

ベルトに収めていた格闘用の武器も当然手元に無い。
ピンクターボは完全に丸腰という事だ。

「ぬっふっふ…。これで飛び道具も邪魔な布切れも消え去ったという訳だ。下地も整ったところで、観念して我が餞を受け取るがいい!そぉれ、マワシ飛ばし~~~っ!!!」
「う!こ……このっ!」

恥ずかしがっている場合ではない。
窮地に追い込まれた獲物ににじり寄りながら、スモウボーマがマワシを放つ。
あわやというところで横っ飛びに転がり、ピンクターボは暴魔の攻撃を回避。
空振りに終わったマワシは、彼女のすぐ後ろにあった鉄棒にシュルシュルと巻きついた。

「ええ~い、往生際の悪い!マワシ飛ばし~~~っ!それそれそれぇ!!!」
「…くぅ、このままじゃ…!」

超人的な反射で地を蹴り、宙を舞い、また地面に転がって、襲い掛かるマワシを間一髪で回避するはるな。
銃もステッキも無いこの状況でスモウボーマを倒すには、なんとかして接近戦に持ち込まねばならないのだが、迂闊に近づけばそれこそマワシの餌食である。

羞恥に顔を真っ赤に染めた女子生徒たちの見守る中、ピンクターボは徐々に校庭の隅へと追い詰められていた。



「ぬぅ~、ピンクターボめぇー!なかなか粘るなァ~!」
「…と言うか。スモウボーマの奴、あの体にどうやってあれだけ大量のマワシを?」

校庭で繰り広げられる騒ぎを見下ろしながらズルテンは地団太を踏む。
傍らの暗闇暴魔ジンバは早くをサジを投げ気味であった。

「そもそも何故こんな珍妙極まる作戦を?」
「ぬう~、だってジャーミン様も言ってたのだ!下等なる人間風情がきらびやかに着飾るなど思い上がりも甚だしい、と!」
「…貴様は結局それか…」
「まァ、いいのだ!それでこそ、この秘密兵器を持ってきた甲斐があるというもの!!」

大仰に宣言するとズルテンはどこからとも無く一対の桴(ばち)を取り出し、先程のウーラー兵たちが担いだ太鼓の前に立つ。

「確かそれは…相撲の取り組み前に打ち鳴らす"触れ太鼓"だな」
「ぬっふっふー。前回奴が復活したとき、先にこの太鼓を見つけていれば、ラゴーン様にお仕置きされる事もなかったのだ!そーれっ!!」

<トントントテテテテン、トントントン。トテテテテン>

かっとび暴魔ズルテンは、その丸っこい身体を存分に揺さぶりながら、軽快なリズムで触れ太鼓を打ち始めた。



<トントントテテテテン、トントン。トテテテテン、トントン…>

「なにこれ…?相撲の太鼓?」

どこからともなく聴こえて来た太鼓のリズム。
これは相撲の取り組み開始を知らせる"寄せ太鼓"と呼ばれる調子だ。
しかしなぜこれが今、学校の校庭で?目の前で対峙しているスモウボーマは見ての通り太鼓など打っていない。

「…一体何の意味が?」

何度目ともわからぬマワシ攻撃を避け終えたピンクターボが、怪しい音を訝しがりながらも立ち上がったその瞬間だった。

「え…ちょっ!?」

ガシ、ガシッ!ピンクターボは唐突に背後から両腕を掴まれ、身動きを封じられてしまう。
驚いてその身を捩ったはるなが目にしたものは、なんと――――。

「なっ、そんな!?……あなた達いったい何を!?」

マワシ姿にされた女子生徒たちが、数人がかりでピンクターボの両腕を押さえていたのだ。

「ご、ごめんなさい!でも…体が勝手に…!!」

応えたのは先程スモウボーマから救出した女子生徒だった。
少女らはみなアラレも無い自分の姿に涙を浮かべながら、もう何がなんだかわからないといった表情でピンクターボにしがみ付いている。
その中には、はるなの所属するバトン部の後輩の姿もあった。

(みんな、操られてる!そうか。この太鼓の音は、マワシを履かされた女の子たちを―――――)

はるなは瞬時に事態を飲み込む。
だが、少しばかり遅かった。

「でかしたぞ、我が相撲部屋の弟子たちよ!それ、マワシ飛ばしーーーーーィ!!」
「あっ!!」

気が付いて咄嗟に両腕を振り払おうとしたが、間に合わない。
<シュルルルルーーーーー……>
スモウボーマの飛ばしたマワシは、直立したまま絶妙な具合で開かれていたピンクターボの股間を潜り抜け…。
<シュルシュルシュル…ッ>
尻から陰部にかけてピシャリと張り付くと、今度はその両端がクルクルと腰周りに巻きつき始める。

「きゃああぁ!!」

女子生徒たちから解放されたピンクターボの体は、マワシの巻き付きに併せてコマのように回転し…。
<シュルシュルシュルーーーーー……ギュッ!!>

「……あうッ!!」

思わず声が漏れてしまう最後のきつ~い一絞り。
帯の後端はお尻の上の縦褌(たてみつ)に巻きつけられ、前端は前袋に差し込まれガッチリと固定された。

「あ…あぁ…っ!そんな…」
「ピンクターボまで…」

スーツ越し股間を覆う固くて冷たい感触にゴワゴワした違和感。遠巻きに眺めていた少女らの顔にも絶望の色が広がる。
何十枚ものパンツを重ね履きにでもしなければ、決して味わえないような恥部への強烈な締め付けが、はるなに状況を突きつけていた。
そう。自分もとうとう相撲のマワシを締め込まれてしまったのだ、と。

(くぅ…っ!私までこれを…!!)

素肌に直接着用するのを前提としているせいか、ターボスーツに巻きつけられたマワシの締め具合は必要以上にキツく、縦褌の食い込んだ尻の谷間などは、スーツに皺が寄っている有様だ。
両手で引き剥がそうとしても、腰周りに何重にも巻かれたマワシは磐石の固さで緩む気配すらない。
内股になって前袋を引っ張るピンクターボの前に、スモウボーマがしたり顔で立ちはだかる。

「はっはっはっ!あれほど抵抗していた割にはなかなか似合っているではないか。さぁ、覚悟は良いな?稽古を始めるぞ!」

スモウボーマは丸太のように太い脚を高々と持ち上げ豪快に四股を踏みだした。
鍛え抜かれ分厚くなった足の裏が大地を穿つたびに土煙が巻き起こる。

<トントントテテテテン、トントントン。トテテテテン>

「あ、あれ…?」

<トントントテテテテン、トントントン。トテテテテン>

「ちょ、ちょっと…やだ!なんでっ!?」

すると、どうした事だろう。
ピンクターボがマワシ姿にされるさまを悲痛な表情で眺めていた女子生徒たちが、口々に戸惑いの声を上げながら起き上がり、仁王立ちになると、ゆっくり股を開き始めたのだ。

「いやあ!か、体が勝手に…!」
「今度はなんなのー!?」
「だっ、誰か止めてぇ!!」

恥ずかしさの余りうずくまっていた少女らも次々と立ち上がり、厳かに腰を落として脚をガニ股に開きだす。
発育途上の乳房を庇っていた両手は、左右に開かれた膝の上に。
マワシ一丁の女子生徒たちは、まるで自分たちのアラレもない姿を誇示するかのようにポーズを取り……。

「はぁ~…どすこぉぉぉぉい!!」

スモウボーマの掛け声にあわせ、一斉に四股を踏んだのだ。

「いやぁぁぁぁぁあ!やだっ、こんなのやだぁぁぁぁぁあ!!」
「なんなのよ!なんなのよこれぇーーーっ!!」
「きゃあ!嫌っ!止まってぇ!!!」

ひとたび四股を踏み、腰を下ろしてどっしり構えると、今度は反対側の脚を上げて……。

「そぅれ!も~いっちょ~う……どすこぉぉぉぉい!!」

スモウボーマの動きを追うように、女子生徒たちは四股を踏み続ける。
心でどれだけ嫌がっても、頭でどれだけ拒んでも、彼女らの肉体は言う事を聞かない。

「あぁ…!やめて…っ、恥ずかしい…っ!!」
「こんなの…こんなの見られて!いやぁ!もう私、学校来れないよぉ…っ!」
「なんで…、私たち何もしてないのに、なんでこんな事されなきゃならないのーっ!?」

少女達のしなやかな脚が豪快に打ち下ろされるたびに、剥き出しの太腿とヒップ、そしてマシュマロのような乳房が勢い良く震える。
恥ずかし過ぎる格好で強制される恥ずかし過ぎる挙動。
日焼けした肌が眩しい体育会系の少女も、大人しそうな眼鏡の子も、髪を染めて不良ぶっていた生徒も、皆揃って同じ姿である。
自分たちの姿に耐えられず、泣きじゃくる者も多数。

「罪もない女の子たちに…なんて事を…っ!」

百人近い女子高生が、白昼の校庭で裸になり、一人残らずマワシを締めて四股を踏んでいる。
武蔵野学園高校のグラウンドに広がるその異様な光景に、敷地の外を行き交う人々も思わず足を止めて様子を眺めていた。

「さぁ、部屋の兄弟たちも出番を待っておる!ゆくぞっ!!のこたぁぁぁぁあ!!!」

幸いにもピンクターボの体はまだ操られてはいない。
ターボスーツに宿る力があの太鼓の音の効果を防いでくれているのだろう。
はるな自身もこんな姿だが…全裸にされた挙句、素肌へ直にマワシを結ばれ、女の子の大事なところまで締め上げられている女子生徒らの苦しみに比べれば、まだまだ耐えられるレベルのはずだ。

(私がここで暴魔を倒す。それしかみんなを助ける方法は無い。……戦わなくちゃ!!)

大地を揺るがし、猛牛のように突進してくる青い巨体を前に、ピンクターボもどっしりと腰を落とし、迎え撃とうと身構える。
自慢の武器を失おうと、どんな恥ずかしい格好にされようと、この学園を暴魔軍団の手に明け渡すわけには行かないのだ。
生徒会長の森川はるなとしても、正義のヒロイン・ターボピンクとしても……。