- 捕獲されたヒロインたち 全ての終幕 -
「…ぁ…ぁ……ぁ…ジャス…ミ…さん…ジャ…ミ…さん……!…い、いやあああぁぁぁ!!」
プシュゥゥゥゥゥ……その断末魔のような悲鳴と共に、冴の身体は妖しい光を放つそのCD-ROMの中へと完全に消えてしまう…やがてそのCD-ROMも妖しい光を放たなくなる。後に残るのはそのメディアから水蒸気のような白煙が立ち昇るばかりであった。
「…さ…え…ちゃん…冴ちゃん、冴ちゃん!…冴ちゃぁぁぁぁん!!」
目の前の信じられない、いや信じたくない光景に一瞬の静寂の後、あの“小さな円盤”になす術なく吸い込まれてしまった、まだあどけなさの残る少女の名を悲痛な声で叫び続けるジャスミン。
「…これで予定通り三匹目だ。フフフッ、クククッ、ハハハッ、ハーッハッハッハッハッ…」
「さ、冴ちゃん…冴ちゃん…う、ううぅ……よ、よくも、よくも……おまえ冴ちゃんを…冴ちゃんを返せ!」
手にしていた“小さな円盤”の中に冴を封じ込め、高らかに笑うデストレーダー。目の前で起きた信じられない光景に悲しみに暮れていたジャスミンは、キッとデストレーダーを睨みつけ、涙声で冴を返すようにヤツに迫る。
「フフフッ、悲しいか?あの小娘が“この中”に封じ込まれてしまった事がそんなに悲しいか?…そうかそうか、ククククッ……だが“この中”に封じられてしまったのはあの小娘だけではないぞ?…クククッ、ククククククッ」
「??…ど、どういう事っ?…ま、まさか…?」
「察しがいいな…そうだよ。その通りだよ…“これ”を見るがいい、クククッ、ククククククッ」
そう言うとデストレーダーは手にしていたCD-ROMをジャスミンに、よく見えるように見せ付ける。そこには何か異なった色で三つの文字が焼き付けられていた。
ジャスミンが更にそれをよく見ていくと…そこには1cm大のピンク色の“D”の文字、その右隣に同じぐらいの大きさ、白地にピンクの外枠で象られた“M”の文字、更に右隣に白一色の“G”の文字が焼き付けられていた。
??…それが何の意味であるのか、まったく分からないジャスミンは訝しげな表情を浮かべている。
「何だ?分からないという顔をしているな?クククッ…ではわたしが説明してやろう……ここに“D”と“M”、そして“G”の文字が焼き付けられているだろう?…これが何の意味だか分かるか?クククッ、ククククッ」
「??…な、何なのよっ、それ!?……も、もしかして…?」
「フフフッ、おまえ、やはり“カン”はいいようだな…だいたい察したようだが…改めて教えてやろう、ククククッ……ここに三つの文字が焼き付けられているのは見えるな?ククククッ…」
疑問に満ちた怪訝そうな表情から徐々にその凛々しい美貌の顔色を失っていくジャスミン。それを見てデストレーダーは満足げな笑みを浮かべ、更に手にしていたCD-ROMの説明を嬉々として続けていく。
「そしてこの“D”の文字がデンジピンク・桃井あきらを表す“D”、その隣の“M”の文字がチェンジマーメイド・渚さやかを表す“M”、そして更にその隣の“G”が、先程“コイツ”の餌食にしてやった、ガオホワイト・大河冴を表す“G”だ…つまり、おまえの三人のお仲間さんはみんな“コイツ”の仲、というわけだな、クククッ、ククククククッ」
「な!?…ウ…ソ…ウソ……さ、冴ちゃんだけじゃなくて…あ、あきらも?…さやかも?…ウ、ウソ…」
事前にある程度想像はしていた。だが実際にその事実を改めて突きつけられ、ジャスミンが受けたショックは計り知れない。あまりの衝撃に茫然自失の彼女…はっ!?…その時である。彼女の手足を絡め取っていた四本の舌からヤツの、デストレーダーの邪な心、あきらたちを虜にした理由、ドス黒い剥きだしの欲望がジャスミンの頭の中に流れ込んできた。
{…わたしは今回、スーツヒロインをメインターゲットにしたエロゲーを作る事にした。あくまでメインはプログラムした女たちだが…数人だけ本物を混ぜる事にした。フフフッ、だがあまり同じようなタイプの女ばかりを集めても面白くないからな、ククククッ…}
{そこでわたしは厳選して三人の女戦士、いわゆるスーツヒロインを選んだ…まず、モデル並の身体を誇るムチムチした肢体のピンクヒロイン、デンジピンク・桃井あきら、知的な雰囲気を醸し出している清純派の白い女戦士、チェンジマーメイド・渚さやか…}
{そしてロリータ君のためのベビーフェイスの妹系の女戦士、ガオホワイト・大河冴の三人だ…この三人はいずれ劣らぬ美景、そして三者三様にそれぞれのマニアの性欲を満たしてくれるであろう“モノ”を持っている。我ながら素晴らしいチョイスだ、クククッ、ククククククッ}
{…更にコイツらはそれぞれ違う時代の人間のようだが…最近、わたしが手に入れた“時間旅行”をする技術を使えばこの女たちをひっとらえてくる事などたやすい事だ…クククッ、ククククククッ}
{そして思いがけず飛び込んできた獲物、この女刑事…確かデカイエロー・礼門茉莉花・ジャスミンとか言ったな…}
{コイツらにはこれから開発するゲームのキャラクターとして登場してもらう…せいぜい世の中の青少年たちを楽しませてくれよ、ククククッ……!…そうか。コイツらをひっとらえるついでに、事前にその肢体を“味見”しておくのもいいかもな、クククッ、ククククククッ}
「!?…な、何よコレ?…ゲーム…ゲームって?……そ、そんなもののためにわたしたちを…あきらたちをさらってきたって言うの!?」
自分の頭の仲に流れ込んできたそれに驚愕するジャスミン…だがそれよりも彼女にはそのあまりにくだらない、私利私欲を満たすだけの理由への怒り、憤りのようなものの方が大きかったようだ。そんなジャスミンの身体は怒りにわなわなと打ち震えてきていた。
「何だ?確かにその通りだが…わたしはまだおまえには何も話していないのだがな。おまえ、それほどカンがいいとは……いや、違うな……!…そうか。そういうことか…クククッ、ククククククッ」
ジャスミンのその鋭い洞察力に改めて感心するデストレーダー。だがあまりにも鋭いそれに彼はさすがに不自然であると感じたようだ…そしてデストレーダーは彼女の事について、何か重大な事を気付いたらしい。
「フフフッ…そういえばスペシャルポリスの中には、物に触れるだけでその物の心が読み取れるエスパーが少ないながらもいるとどこかで聞いた事がある……まさかおまえがその一人だったとはな…コイツはいい。思いがけず更に楽しめそうだよ、クククッ、ククククククッ」
そのあまりに鋭い洞察力を怪しいと睨んだデストレーダーは、彼女が持つ特異な体質、ジャスミンがエスパーであるということを見破ったようだ。ぐ、ぐっ!?……あきらたちがヤツのあまりにくだらない欲望の餌食にされてしまった事にかなりの怒り、憤りを露にしているジャスミン。そんな彼女は目の前の卑劣な男、高らかに笑うデストレーダーを怒りの形相でじっと睨みつけている。
ーージャスミン…ーー
ーージャスミン、ジャスミン…ーー
ーージャスミンさん…助けて…ジャスミンさん、ジャスミンさん…ーー
あきら…さやか…冴ちゃん……ヤツが手にしていたCD-ROMに焼き付けられていた“例の三文字”にチラリと視線を送るジャスミン。悲しげにそれを見つめていた彼女は、その文字からあきらたち三人が助けを求めているような幻を目にする。感覚の鋭いジャスミンの彼女たちへの強い想いが、彼女にそのような幻覚を見せたのかもしれない。
そうよ…もう戦えるのはわたしだけ…あきらたちを助ける事ができるのはわたしだけなのよ……確かに絶望的な状況…でも必ず何か手はあるはず。それにあきらたちのためにも簡単にあきらめちゃダメ……絶対あのニタニタした顔の八つ目君を何とかしてみせる!……あきら…さやか…冴ちゃん……だからそれまで待ってて。必ずわたしが…。
彼女たちへの想いを胸にそう新たに決意するジャスミン。キッ!…ヤツの手にするCD-ROMを悲しげに見つめていたジャスミンは、突然顔を上げ、相変わらずニタニタと小バカにしたような笑みを浮かべているデストレーダーをキッと鋭く睨みつける。既にボロボロに打ちのめされてはいるが彼女の闘争心はまだ失われてはいない。
「クククッ…まだまだ気力十分と言ったところだな…だがそうこなくては遊び甲斐がないというものだ。せいぜいわたしたちを楽しませてくれよ?クククッ、ククククククッ」
く、くっ…鋭い眼差しで睨みつけてくるジャスミンの眼光も余裕の笑みで受け流すデストレーダー。スゥゥゥゥ…そして彼は四本の舌で絡め取っていた彼女の身体を、地面から1mほどの高さまでゆっくりと釣り上げていく。
「クククッ…おまえさんの大切なお仲間、桃井あきらがどのような仕打ちを受けたか教えてやろうか?おまえのその“能力”でな…なぁ宇宙警察のメス犬よ、クククッ、ククククッ」
ぐ、ぐっ!?…はっ!?……その時である。ジャスミンの両手足に巻きついていた四本の舌からデストレーダーの思考が彼女に流れ込んできた。それは洪水のようにとめどなく彼女の頭の中に流れ込んでくる。
{ビシュッ!あっ!?…ビシュッ!ビシュッ!きゃあ!?…ビシュッビシュッ!ビシュッ!きゃあっ、あああっ!?…ビシュッビシュッビシュッビシュッ!ああっ、あああっ!?ああああぁ!?…ビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッ……}
{フフフッ…おまえのそのピンクの服が切り裂かれていく様は中々綺麗だぞ。特にその飛び散っていく細切れのピンクの生地がいい…クククッ、ハハハッ、ハーッハッハッハッハッ!}
{ビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッ!…}
{ああっ、あああぁ…ああああっ!あああぁぁぁ…い、いやあああぁぁぁ!!}
「!?…そ、そんな…ヒドイ…あ、あきら…あきらが……い、いやぁ…や、やめて、やめてっ、もうやめて!やめてぇぇぇぇぇぇ!!」
ジャスミンが見せ付けられていたヤツの思考…それはあきらが今の彼女と同じように釣り上げられ、その周囲をふわふわと漂っていた“六つの目”に、身にまとっていたピンクの上着を次々と切り裂かれている光景だった。甲高い悲鳴を上げながら身に着けていた服をなす術なく切り刻まれていくあきら。思わず目を覆いたくなるようなその凄惨なビジョンに、ジャスミンは自身の精神を直接えぐられていくようなおぞましい感覚に襲われる。
「…どうだ?あの女のピンクの服が次々と切り裂かれていく光景は?…桜の花びらが舞い散っていくようで実にキレイだと思わないか?クククッ、ククククククッ…」
「ぁぁ…あ、あきら…う、ううぅ……こ…このゲス野郎!…お、おまえだけは…おまえだけは絶対に許さない!」
「クククッ…手も足も出ないそんな状態でどう許さないと言うのだ?ククククッ……それよりも他人の心配ばかりでなく自分の周りをよーく見てみるのだな…クククッ、ククククククッ」
く、ぐっ!?じ、自分の周り??…はっ!?……あきらへの凄惨なビジョンを見せ付けられていたため一瞬意識が飛んでしまっていたジャスミン。その彼女が自分の周りに視線を向けると…先程見せ付けられていたあきらと同じようにあの“六つの目”が自分の周りを取り囲むようにふわふわと漂っているのだ。そして、ヤツらは明らかに自分を“獲物”として見定めているような動きをしている。
そして縦四つずつの碁盤目状に並んでいたはずのデストレーダーの顔の八つ目が、いつの間にか一番上の二つだけを残してヤツの顔からなくなっている。どうやらジャスミンの周囲に漂っている“六つの目”は目の前の男のものらしい。
「フフフッ…どうやら“そいつら”はおまえの宇宙警察の制服姿も桃井あきらの“あの格好”と同じようにエラく気にいったようだ、ククククッ……そういうわけでこれからおまえのその服も“あの女”のものと同じようにしてやるよ、ククククッ…」
ぐ、ぐっ……!…ビシュッ!あっ!?……その時、ジャスミンの周囲を漂っていた“目”の一つが彼女の右胸のふくらみを切り裂いた。切り裂かれたジャスミンの服の隙間から彼女の黒い下着が顔を覗かせている。それを見てデストレーダーはニヤリと笑みを浮かべた。更にヤツはジャスミンの身体に巻きつけていた舌を自分の口元へ引っ込めて行く。
「フフフッ…一度に全部剥いてしまっては面白くないからな…とりあえず“その下着”は残しておいてやるよ、クククッ、ククククククッ」
く、くっ!?…ジャスミンの切り裂かれた服の隙間から見える黒い下着のようなものを見て怪しく目を光らせるデストレーダー。そして…。
ビシュッ!あっ!?…ビシュッビシュッ!ああっ!?…ビシュッビシュッ!ビシュッ!きゃあっ!?…ビシュッビシュッビシュッビシュッ!ああぁ!?あああっ!?…ビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッ!……それを合図にするようにジャスミンの周囲を漂っていた“六つの目”が彼女の身体目掛けて一斉に襲い掛かってきた。胸回り、肩、両脇、腹部…彼女の身に着けていた服が次々と切り刻まれていく。
「クククッ…普段、犬は服は着ていないだろう?つまり宇宙警察のメス犬であるおまえもそのような服は要らないのではないか?…そういうわけで親切なわたしがキレイに剥いてやるよ…フフフッ、クククッ、ハハハッ、ハーッハッハッハッハッ…」
「ああっ!?あああぁ!?ああああっ!?い、いやあああぁぁぁぁ!!」
ビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッ!……身に着けていた服をなす術なく、次々と切り刻まれてしまうジャスミン。そんな彼女はただいやいやをするようにかぶりを振り、甲高い悲鳴を上げ続ける事しかできない。
「フフフッ、そろそろいいか…よしおまえら、ご苦労だったな。もうわたしのところに戻ってきてもいいぞ…ククククッ」
「…ぁ…ぁ……ぁ…う、ううっ…」
ヤツから流れ込んできた思考のあきらと同じように上半身の衣服をほぼ完全に剥かれてしまうジャスミン。ただあきらの時と違うのは、黒い胸当てのような下着だけがキレイに残されていた事だった。う、ううぅ……自身の身にまとっていた服をなす術なく切り刻まれてしまい、うつむき加減にうなだれているジャスミン。
フフフッ…ザッ、ザッ、ザッ……デストレーダーはうなだれるジャスミンを地面の近くまで降ろし、更にその彼女へゆっくりと近づいていく。ぐ、ぐっ!?…うつむき加減にうなだれていたジャスミンは、近づいてくる彼の方へゆっくりと顔を上げ、鋭い眼光でヤツを睨みつける。このような仕打ちを受けてもその瞳からはまだ光は失われてはいない。
クククッ…ガッ!…ジャスミンの目の前まで来たデストレーダーは、おもむろに彼女の黒い胸当てのような下着を右手で掴んだ。そして…!?…な、何する…きゃあ!?…ビリリッ!プルンッ……その黒い下着を右手で掴んでいたヤツは、ジャスミンの胸元からそれを容赦なく引ん剥いた。それに押さえつけられていた以外と量感のある彼女のバスとがこぼれおちてくる。
フフフッ、フフフフッ…ジャスミンからもぎ取った黒い胸当てのような下着をじっと見つめ、ニヤリと笑みを浮かべるデストレーダー。!?…その時である。彼女の両手足を絡め取っていた四本の舌から、その下着を見つめるヤツの卑猥な心がジャスミンの中に流れ込んできた。
{ククククッ…コイツ、中々エロい下着をしてるじゃないか?…宇宙の正義と平和を守るスペシャルポリスの女刑事も一皮剥いてしまえば、プライベートでは夜な夜な男あさりでもしてるのかな?まったく人は見かけによらないものだよ…クククッ、ククククククッ}
「な!?…ぐ、ぐっ…な、何を言う!…そ、そんな事あるわけないでしょ!!?この変態八つ目君!」
「!?…ほぉ、おまえ、例の“能力”でわたしの心を読み取ったのか?…中々面白い物だな…何もしゃべらないで自分の考えている事を相手に分からせる事ができるというのは、クククッ……それにしても“こんな”エロい下着をしていて何が違うというのだ?ん~?反論があるなら何か言ってみたらどうなんだ?…クククッ、ククククククッ」
「く、くっ!?…そ、それは……」
「…それはどうしたというのだね?…なぁ淫乱なスペシャルポリスの女刑事さんよ、クククッ、ククククククッ」
ぐ、ぐっ!?……そのように更に迫られ、恥じらいから思わず口ごもってしまうジャスミン。だが彼女のその黒い下着は下着というよりはストラップレスでビーチバレーで使うような胸当てのようなスポーティなもの、ヤツが言うような色気づいた男を誘惑するような、いわゆる挑発的な勝負下着ではなかった。
そもそも彼女が持つ特異な体質…物に触れるだけでその物や相手の心が読み取れてしまうエスパー能力を考えれば、ジャスミンがデストレーダーが言うような行為をやっているわけがなかったのである。
二人の男女が“男女のいとなみ”に至ればどうしても二人の間に身体の接触が発生する。つまりジャスミンにとってそれは相手の男の“心の中”を覗いてしまう事になるのだ。
男女がお互いの“快楽”を求めて行うはずの“性交渉”もジャスミンにとっては相手の見たくないものまで見てしまう可能性のある、多大なリスクを伴う苦痛なものでしかなかった。
だがそんなジャスミンも人並みに恋に落ち、とある男に自分の“初めて”を捧げる事となる。しかしその際に彼女を待っていたのは心地よいエクスタシーではなくそれを遥かに上回る、精神的に耐え難い“苦痛”でしかなかった。
普段、ジャスミンに決して見せることのなかった相手の男の姿…それは彼女への猜疑心に満ちた、まさにジャスミンにとっては“見たくはない”ものだった。相手の“本当の姿”を知ってしまった彼女がその男と長く続くわけもなく、ジャスミンの初恋はとても苦く、辛いものに終わった。
それ以来、ジャスミンは人との直接的な接触を極力避けるようになり、当然のように男との恋に落ちる事もなかった。そんな彼女が男遊びに精を出しているわけがなかったのである。
だがデストレーダーにとってそんな事はどうでもよかった。ヤツはジャスミンを徹底的に辱める事ができればよかったからだ。その口実になれば細かい事はどうでもよかったのである。事実、ジャスミンを侮辱するようなその屈辱的な言葉に彼女は明らかにうろたえている。
ぐ、ぐっ!?…ま、負けない!…こんな事に…こんな事にわたしは絶対に負けない!
キッ!…相変わらずデストレーダーを気丈に睨みつけるジャスミン。身に着けていた衣服を切り刻まれてしまったとしても、一糸纏わぬ姿にされてしまったとしても、例えどんなに辱められてしまったとしても、彼女はそう簡単に巻けるわけにはいかなかった。何よりも捕らわれの身にさせられてしまった仲間たちのためにも、そう易々と屈するわけにはいかなかったのである。
フフフッ…しかしデストレーダーはそんなジャスミンを無視するように淡々と次の行動へと移っていく。身に着けていた衣服を跡形も無くズタズタに切り刻まれてしまったため、制服のポケットの中に入っていたSPライセンスが彼女の足元に落ちてしまっていた。
シュルシュルシュル…地面に落ちていたそれをデストレーダーは口元から例の細長い舌を伸ばしていき、その舌で巻きつけて拾い上げ自分の方へ持っていく。
「ほぉ…これがスペシャルポリスご愛用のSPライセンスか?…これで今のわたしをジャッジメントしたらどうなるのかな?クククッ、ククククッ」
ぐ、ぐっ…ジャスミンから奪い取ったSPライセンスを左手にそのような事を言い放つデストレーダー。だが彼女のSPライセンスはこの戦いで完全に機能停止してしまっていたため、別に何も起こるわけがないのだ。もちろん彼はそれを承知でこのような事を言い放ったのだが…。
「ふへへへへへっ…ダンナァ、その黄色いねえちゃんとたっぷり遊ばせてくれるって約束でしたよねぇ?ふへへへへへっ」
「お?ライムか…何だ?分裂していた体を全て元に戻したのか?…まぁその方がわたしもおまえに支持を送りやすくていいけどな、クククッ、ククククククッ」
その時、ジャスミンのSPライセンスを弄んでいたデストレーダーの数m後ろから“例”の下卑た笑い声が聞こえてくる。今まで四人の女戦士たちに数々の恥辱を与えてきた緑色の強姦魔、メバ星人・ライムである。どうやらヤツは今まで分裂していた体を全て元に戻し、彼のベースの体格、身長3m程の巨体に戻していたようだ。
「ふへへへっ…そんな事はどうでもいいんですがねぇ…今度こそその黄色いねえちゃんとたっぷり遊ばせてくださいよぉ、ダンナァ?…ふへへへへへっ」
「おお!?そうだったな、そういう約束だったな、ククククッ……だがその前に“コイツ”を処理してくれないか?ククククッ」
ポイッ…後ろにいるライムを振り返りながら、デストレーダーは手にしていたジャスミンから奪い取った黒い下着とSPライセンスをライムへと無造作に放り投げた。右手に黒い下着を、左手にSPライセンスを難なく受け止めるライム。
「…これは何なんですかい?ふへへへへへっ」
左手に手にしたSPライセンスを物珍しそうに見るライム。
「ああ。それはこのメス犬のSPライセンスだ…まぁ、あのいまいましいスペシャルポリスどもの大切な大切な備品ってわけだな、ククククッ」
「で、これ、どうしたらいいんですかい?ふへへへへへっ」
「そうだな…そいつは後で対スペシャルポリス用の研究材料にするつもりだからな…これを上手いこと改造すればわたしやおまえがもしジャッジメントされても、幾らでも罪状を書き換える事ができるかもしれないからな、ククククッ……とりあえずおまえの体の中にでも放り込んでおいてくれないか?」
「へぃ、わかりや下…ふへへへへへっ」
ポイッ…ゴクンッ。あ、あぁ!?……ジャスミンのSPライセンスはいともたやすくライムの体内に丸呑みされてしまう。彼女はその光景をただ呆然と見ている事しかできなかった。
ジャスミンたちスペシャルポリスが持っているSPライセンスは選ばれた者しか持つことができない物…それはスペシャルポリスたちにとって言わば“誇り”であり“魂”であり、命よりも大切なものである。
それが憎むべき凶悪犯の手に落ちてしまい、あまつさえそのSPライセンスが犯罪者たちに利用されてしまうかもしれないのだ。ぐ、ぐっ!?…ジャスミンはそれを苦虫をつぶすような想いで見つめ、更にはそのような不覚をとってしまった自分を恥じていた。
「…じゃあこの黒いのは何なんですかい?ふへへへへへっ」
「ああ。それはこのメス犬のバスとを押さえつけていた下着だ。どうだ?見た目によらず、中々エロい下着をしているとは思わないか?ククククッ」
「…そうですねぇ…中々エロいですよねぇ、ふへへへへへへっ」
相変わらずジャスミンの身に着けていたそれが彼女が淫らな行為をするためのものだと決め付けているデストレーダー。それに何のためらいもなく相槌を打つライム。最もヤツはその事についてあまり深く考えずに惰性で返事をしてるようなのだが。ぐ、ぐっ!?ち、違う!違うって言ってるでしょ!!?この変態君たち!……彼女はそのように言いたかったのだが、うろたえているジャスミンは上手く言葉が口から出てこない。
「そうだろう?まったく人は見かけによらないよな、フフフッ……そういえばライム、それはおまえの好きなようにしていいぞ…クククッ、ククククククッ」
「そうですかい。さすがダンナ…ふへへっ、ふへへへっ、ふへへへへへっ」
!?…な、何してるの!!?あの変態スライム君!?……ジャスミンのその黒い下着をいやらしく見つめているライム。ヤツは何を思ったのか、いきなり彼女のその下着をハチマキのように頭部にかぶったのだ。目の前の緑色のバケモノの変態行為を明らかにうろたえて見ているジャスミン。そんな彼女は恥じらいから顔を真っ赤にして困惑しているような表情を浮かべている。
「ふへへへへっ…それじゃいよいよその黄色いねえちゃんと本格的に遊びたいんですがねぇ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
「ああ。ではおまえは後ろからそのメス犬を責めろ…右のおっぱいと前後の“穴”はおまえの好きなようにしていいぞ、クククッ、ククククククッ」
「ふへへへっ、そうですかい…ふへへっ、ふへへへへへっ」
ふへへへへへっ……相変わらず下卑た笑い声を上げながらライムはジャスミンの背後へと回り込んでいく。ぐ、ぐっ…!…ガシッ!きゃっ!?…ライムは彼女の後頭部が自分の顔の下辺りに来るようにジャスミンの身体を抱え上げる。ぐ、ぐっ!?…ヤツとの身長差が倍近くもある彼女は身体を地面から1m近く持ち上げられるような格好にされてしまう。そして……。
ムギュッ。ぁっ!?…ジャスミンを抱え込んでいたヤツの右手が、剥き出しにされてしまっていた彼女の右乳房を鷲掴みにする。ライムの右手の中でモミモミと弄ばれてしまう柔らかいその乳房。
「ふへへへっ…やっぱ黄色いねえちゃんのおっぱいはいいぜぇ。しかも今度は服の上からじゃなくて直接モミモミできるんだもんなぁ…くぅ~、たまんねえぜぇ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
「ぐ、ぐっ!?…こ、この変態スライム君めっ…!?…あ、や、あっ、あんっ…」
「フフフッ、早速お楽しみのようだな、ライムよ、クククッ、ククククッ……そういえばそのメス犬ともっと楽しく遊ぶための“いい方法”を教えてやろうか?…クククッ、ククククククッ」
はやる気分を抑えられず、己の欲望のおもむくままにジャスミンを弄び始めるライム。四肢の自由を完全に封じ込まれてしまっている彼女は、ヤツにされるがままである。そんなジャスミンができる事と言えば、自分の意思に反して漏れてしまう甘い喘ぎ声を少しでも抑えつける事ぐらいだった。そんな彼女たちをニヤニヤと眺めていたデストレーダーが何か言おうと口を挟んでくる。
「へぇ…今でも黄色いねえちゃんと遊ぶのは十分楽しいんですけどねぇ…これ以上楽しい事って何ですかぁ?ふへへへへへっ」
「フフフッ、実はな…そのメス犬はエスパーらしいのだ。相手に肌が直接触れるだけでその相手の心が読み取れるらしいのだよ…クククッ、ククククッ」
「ふへへぇ、それがどうかしたんですかい?ふへへへへへっ」
「フフフッ…相変わらずニブイヤツだな、ライムよ、ククククッ……だからそのメス犬の“嫌がる事”を思い浮かべながら、そのメス犬と遊んだら面白い事になるだろう?…例えばおまえはあの“渚さやか”と“大河冴”を徹底的にしゃぶり尽くしたんだよな?おまえがあいつらを徹底的に犯しているシーンを思い浮かべながらそのメス犬と遊べば、そいつはとても面白い反応を見せるのではないか?なぁライムよ、ククククッ…あの白いミニスカ娘と空手かの小娘がなす術もなく犯されているシーンをそのメス犬にも見せてやれ、クククッ、ククククククッ」
「なるほどねぇ…さすがダンナ。それは面白そうですねぇ…早速やってみますぜぇ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
ぐ、ぐっ!?……ゾクッ…ヤツらのその会話を聞いてジャスミンは背筋が凍るような想いがした。自分にとって嫌なビジョンを見る事がどれだけ精神的に負担になるか、彼女はこれまでの任務やプライベートな活動で身を持って知っていた。普段の状況でさえそうである。
しかもこれからヤツらが自分に見せようとしているのは、これまでジャスミンが見てきた物の中でも恐らく最も過酷な部類に入るもの…それもかけがえの無い仲間たちが、あの卑猥な強姦魔たちに淫らに弄ばれているであろうビジョンである。それを想像するだけで彼女の頭の中には暗く、重たい影がのしかかってきていた。
「ふへへへっ…それじゃあ行くぜぇ、黄色いねえちゃんよぉ…ふへへっ、ふへへへへへっ」
ヒラリ…例のあの下卑た笑い声を上げながらジャスミンの背後にピタリと付いていたライムは、おもむろに彼女のスカートをめくり上げた。中からジャスミンの型崩れしてない尻と、彼女の見事なヒップラインを強調している“黒いパンツ”のようなものが現れる。
「ふへへぇ、何だぁこれはぁ?随分色気のねえパンツだなぁ?…でもよく見るとそのプリプリしててかわいいお尻のラインが強調されていてたまらなくいやらしいぜぇ…やっぱ、あんた相当エロいじゃねえかぁ?ふへへへへへっ」
「ぐ、ぐっ!?ち、違う!こ、これは…」
「ふへへへっ…今更いいっていいって。黄色いねえちゃんがとってもエッチだって事はよーく分かったぜぇ、ふへへへへへっ」
ぐ、ぐっ!?ち、違うって言ってるでしょ!!?……しかしジャスミンのその言葉はこの緑色のバケモノのよく分からない勢いと行動に、言いそびれるような形で結局打ち消されてしまう。
だが彼女の言いたかった事は確かにその通りだった。ジャスミンがパンツ代わりに履いていたそれは、パンツというよりは黒いスパッツのようなものである。だから彼女の形のいいヒップラインがやたらと強調されていたのだ。
更に言えばジャスミンは上下の下着代わりに身に着けていたものも普段からスポーティなもの、今回のようなスパッツや胸回りだけを覆う胸当てのようなものを好んで身に着けていた。先程剥かれてしまった胸当てのようなものが“黒”だったのも、ただ単にスパッツと上下で色を揃えていただけの事なのである。
しかしジャスミンが何を身に着けているかなどと言う事は今のライムにはどうでもいいことなのだ。その黒いスパッツが強調する彼女の見事なヒップラインがライムの性欲を更に掻きたてていく。
「ふへへへへっ…それじゃあ早速、このプリプリしたケツの割れ目にオレの“モノ”をぶちこんでやるぜぇ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
その魅惑的なヒップを見つめ、欲情していたライムの股間からニョキニョキと何かが生えてきた。それは缶コーヒーぐらいの大きさのある、“緑色の剛直”と呼べるようなものだった。
その緑色の剛直の先端に少し緑の混ざった白濁液をポタポタとしたたらせながら、ヤツはジャスミンの尻の割れ目にそれを近づけていく。そして……。
ズブリッ!…それがジャスミンのアナルを一気に貫いた。地球人の“モノ”では考えられない硬度を誇るその緑色の剛直は、黒いスパッツをもろともせず彼女の“割れ目”を勢いよく貫く。
「!!?…あああぁぁ…あああぁぁぁ!い、いやああぁぁ、あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
ふへへっ、ふへへへへへっ……大きすぎて彼女のアナルへその全てが納まりきらないライムの剛直。それに貫かれ、その耐え難い激痛にこれまでの喘ぎ声とは明らかに質の違う、獣のような甲高い絶叫を上げるジャスミン。!?…それと同時に彼女の中にこの緑色のバケモノの邪で非常によどんだ思考が流れ込んできた。
{い、いやぁ!?ホ、ホントにちぎれちゃう…お、お願い、やめてっ…い、いやぁ、いやあぁ!}
!…さ、さやか!?そ、そんな…さやかがっ、さやかが!いやあぁ、いやああぁぁ、いやあああぁぁぁぁ!!
ジャスミンの中に流れ込んできたそれはあの小さなバケモノ、数多くのミニライムたちにさやかが淫らに弄ばれてしまっている光景だった。さやかの周囲にいたミニライムたちの細長い触手のような腕が彼女の四肢の自由を奪い取り、更に別のミニライムたちの細長い腕がさやかの白いスーツを綱引きのようにグイグイと引っ張り、彼女のスーツを引ん剥こうとしている。
しかもそれだけではない。さやかの左乳房や股間の黒い茂みの中、更には白いアンスコとパンティの間に潜り込んで彼女の尻を弄んでいるミニライムたちもいるのだ。現在、性犯罪者を追っているジャスミンは性犯罪に対する知識や耐性を身に着けるために訓練である程度の陵辱シーンやポルノ映像のサンプルは見ていた。
だがそんなものは遥かに凌駕するさやかへのおぞましい陵辱シーンがジャスミンの頭の中に容赦なく流れ込んでくる。彼女の頭の中へ無理矢理流し込まれてくるその光景はジャスミンの頭の中をじわじわと侵食していく。
「フフフッ、実に楽しそうじゃないか?ライムよ、ククククッ……ではわたしも一緒にそのメス犬と遊ばせてもらおうかな、クククッ、ククククククッ」
ライムにアナルを貫かれ性的な辱めと共に、貫かれたアナルから流れ込んでくるヤツのさやかへの凄惨な陵辱シーンに、精神的にも責められ悶え苦しむジャスミン。シュルシュルシュル……そんな彼女へ追い討ちをかけるように、デストレーダーの口元から一本の細長い舌がジャスミンに襲い掛かる。
シュルシュルシュル…ペロッ、ペロッ……その細長い舌がジャスミンの左胸に向かって一目散に伸びていき、まるでソフトクリームを舐めるようにこれまでの数々の辱めですっかりツンと立ってしまったジャスミンの乳首をペロペロと舐めていく。
「あああぁ、あああぁぁ!…!?や、な、何!?あ、あんっ…ああぁぁぁ…ぁっ…あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
「フフフッ…そういえばわたしがどんな風に桃井あきらを犯してやったかちゃんと教えてなかったな…ではわたしがこれからたっぷり教えてやるよ。“その身体”でな、クククッ、ククククククッ」
左胸の乳首をペロペロと舐められ絶叫の中に甘い喘ぎ声が混ざるようになるジャスミン。!?…そしてデストレーダーに責められている性感帯から、先程と同じようにまたしてもヤツの邪な思考が流れ込んでくる。
{…ち、ちょっ…や、やめてっ、あ、あんっ!?…や、やめ…あっ、い、いやあああぁぁぁぁ!}
!?…あ、あきら!?あきら、あきら!…い、いやあぁ、いやあぁぁ、いやあああぁぁぁぁ!!
ジャスミンの左乳首を舐めていたデストレーダーの舌からあきらへの凄惨な陵辱シーンが彼女の中へと流れ込んでくる。上半身の衣服を完全に剥かれてしまっているあきらは、股間から“女”を貫かれヤツの右手に左乳房を弄ばれ、その色白の柔肌をペロペロと舐め取られている。
その上、デストレーダーの左手があきらの桃色の下着の中へと潜り込み、更にその手がヒップの割れ目に親指以外の四本の指をうずめていく。
「ふへへへっ、ダンナもいい感じに遊んでますねぇ…オレも負けてられねえなぁ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
ヤツらのジャスミンへの陵辱はまだまだ終わらない。今度は自らの剛直でジャスミンのアナルを貫いていたライムが、まだ余っていた左手を彼女の股間へと伸ばしていく。ヒラリ…ジャスミンのスカートをめくり上げたライムはそのまま自分の左手を彼女の秘所へと近づけていき、左手の中指で“ソコ”を勢いよく貫いた。散々彼女たちにその“強さ”を見せ付けてきたヤツの指は、ジャスミンの黒いスパッツもものともしない。
「!?…ああぁ!?あああぁぁぁ!い、いやああぁぁぁ、あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
グリ、グリ、グリ…ジャスミンの膣の中をグリグリとほじくり回すライム。!?…そして彼女の“女”へ突き刺していたその指からまたしてもライムの邪な思考がジャスミンの中に流れ込んできた。
{や、やめて、やめてっ、いやあぁ、いやぁぁ、いやぁぁ!…い、いやあああぁぁぁ!!}
!?…さ、冴ちゃん!?冴ちゃん、冴ちゃん、冴ちゃん!…いやぁ、や、やめて、やめて、お願い…こんなの見せないで…お願い、お願い…いやあぁ、いやあぁぁ、いやああぁぁぁ!!
ライムの指にほじくられていた膣から流れ込んできたヤツのビジョンは、ジャスミンが最も見たくない光景だった。まだあどけない少女の面影を残す冴が、二体の緑色の強姦魔たちに前後から身体を挟み込まれ、ヤツらのなすがままに淫らに弄ばれているのだ。
バリバリ!ビリビリ!……身にまとっていた衣服を前後から二体のライムたちに無残に剥かれていってしまう冴。黒を基調とした上着や白のホットパンツは次々と破り捨てられ、彼女の成長途上の乳房や色白の柔肌が徐々に露にさせられていってしまう。
ふへへっ、ふへへへへへっ…更に冴の足元に集結していた緑の小さなバケモノ、ミニライムの集団が糸のように細長い腕を彼女の身体へ伸ばしていき、露にさせられてしまった色白の柔肌をワシャワシャと触りたてていく。
身に着けていた衣装を無残に剥かれてしまい、パンティ一枚を残してほぼ一糸纏わぬ姿にされてしまう冴。ふへへへっ…ビリリッ!…その上そのパンティも冴の目の前にいたライムにあっけなく破り捨てられてしまう。破り捨てられたパンティが覆い隠していた中からすっかり濡れてしまっていた黒い茂みが現れる。
「!…や、やめてっ。それ以上冴ちゃんに手を出さないで!…お、お願いやめて、やめて、もうやめて!やめてっ、やめてぇぇぇぇ!!」
自身の脳裏にあまりにも鮮明に映されるその光景に、ジャスミンは思わず目をつぶり、ブンブンとカブリヲ振って悲鳴交じりの声でそれをもう止めるようにと懇願してしまう。
だがそれは彼女の目の前で繰り広げられている“現実”ではなく、あくまでもジャスミンを責めていたライムの“記憶”であり、ビデオ映像のようなものなのだ。
だからジャスミンを弄ぶライムがその記憶を思い浮かべるのを止めなければそれは延々と彼女の中へと流れ込んでくる。しかしヤツには止めるつもりなどあるわけがないのだ。つまり、ジャスミンに冴がむごたらしく陵辱されてしまう光景を止める術は、彼女には事実上ないのである。
{!?…イヤッ!?な、何してるの??…や、やめてっ、そんな事しないでっ…い、いやぁ、いやあぁ、いやああああぁぁぁ!}
{…ぁ…ぁ……い、いや…い…や…い、いやあああぁぁぁ!ああああぁぁぁぁ!}
{い、いや…い…や……お、お願い…だ、誰か…誰か……た、助け…て……ジャス…ミン…さん…}
あの才色兼備を誇るあきらが、常に冷静沈着でクールなさやかが、まだあどけない少女の面影を残す冴が…彼女たちはその凛々しい美貌を汗と涙でクシャクシャに汚し、あの無慈悲な強姦魔たちのされるがままに淫らに弄ばれ続けてしまっている。あまりにも惨い凄惨なビジョンが鮮明な映像としてジャスミンの中に容赦なく流れ込んでくる。
「あああぁ!?や、やめてっ!やめてぇ!も、もうやめてぇぇぇぇぇ!い、いやあああぁぁぁ!」
いやいやをするようにひたすらかぶりを振り、また力いっぱい瞼を閉じるなど、ジャスミンもその凄惨な光景から必死に視線を反らそうと試みている。だがそれは目で視覚的に見ているのではなく、彼女の中へ直接流れ込んできていたため、ジャスミンはどのようにあがいてみてもそれから逃れる事ができない。
「ああぁぁ、あああぁぁ、ああああぁぁぁ!?ああああぁぁぁぁ!!」
大洪水で氾濫した濁流のように流れ込んでくる剥き出しのヤツらの欲望に…かけがえのない戦友たちが抵抗する術もなくただひたすらに陵辱され続ける光景にジャスミンは発狂したように甲高い叫び声を上げ続ける。
{…あ、あんっ…ヒ、ヒック…あ、あんっ…ヒ、ヒック、ヒック…あんっ…う、ううぅ…}
}…ぁ…ぁ……ぁ……イ、イ…ヤ、イヤ、イヤァ!…い、いやあああああぁぁぁぁぁぁ!!}
{…ぁ…ぁ……ぁ…た、たすけ…て…だ、誰か…だれ…か……ジャス…ミ…さん……ジャ…ミ…さ……}
「ああぁ!?あああぁぁぁ!?い、いやああああぁぁぁぁ!!」
あきらが…さやかが…冴が…すっかり凛々しい面影を無くしてしまい、汗と涙にまみれてしまった彼女たちが陵辱され続ける光景がフラッシュバックの映像のようにジャスミンの脳裏にとめどなく流れ込んでくる。
彼女の“頭の中”は溢れんばかりに流れ込んでくるそれを受け止めきる事ができない。次々と流れ込んでくる見るに耐えない陵辱シーンにだんだん精神を蝕まれ自我が崩壊しかけているジャスミンは、それから現実逃避をするように半狂乱状態で叫び続けるだけだった。
「フフフッ…やはり面白い反応を見せてくれるじゃないか?ただ普通に女を犯すより全然面白い…何せ肉体と精神の両方から女をぶっ壊せるんだからな、クククッ、ククククククッ」
その美貌に大量の脂汗をにじませ必死に瞼をとじ、ひたすらかぶりを振り続け狂ったように絶叫し続けるジャスミン。そんな彼女を見て、デストレーダーは満足げな笑みを浮かべている。
「!…ふへへへっ、もう我慢できねぇ…ありったけのオレのものを黄色いねえちゃんにぶっかけてやるぜぇ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
ズボッ!…その時、ライムがジャスミンのアナルを貫いていた己の剛直をそこから引っこ抜き……ブシャァッッ!…既に射精寸前だった己の白濁液をすぐ目の前にあった彼女の背中目掛けて勢いよくブチ撒けた。彼女の色白の裸身に少し緑色の混ざったライムの白濁液が飛び散っていく。
「…ぁ…ぁ…ぁ、ぁぁ…ぁぁ…ぁぁぁぁぁぁ!?あああああぁぁぁぁぁ!!」
ジャスミンも自分の視覚にはとらえてなくても、己の背中に“何か熱いもの”を撒き散らされた事、想像もしたくない、とてつもない辱めを受けた事は何となく感じ取ったようだ。
「へへぇ…すっきりしたぜぇ、ふへへへへっ……ダンナァ、今度はこの黄色いねえちゃんと前の方から遊びたいんですがねぇ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
「フッ…いいだろう。まぁ後ろから犯れば前から犯りたくなるのは当然だろうからな、ククククッ……ただしこのメス犬の左のおっぱいはわたしのものだ…まぁそれ以外ならどこから犯しても構わないぞ、クククッ、ククククククッ」
「さすがダンナ、話がわかるぜぇ、ふへへへへっ……それじゃあ早速…ふへへっ、ふへへへっ、ふへへへへへっ」
ジャスミンに白濁液を撒き散らし気分よく果てているライム。次にヤツは前から彼女を弄びたいと願い出る。そして、ニヤリと陰湿な笑みを浮かべるデストレーダーからの許しを得たライムは一目散にジャスミンの前へと回り込んだ。
「…ぁ、ぁぁ……はぁ…はぁ…はぁ…う、ううぅ…」
肉体的にもそして精神的にも責め続けられ、すっかり消耗しきってしまったのか息も絶え絶えのジャスミン。う、ううぅ…ぐ、ぐっ!?…ただうなだれているだけの彼女はゆっくりと顔を上げ、自分の目の前に現れた緑色の強姦魔に視線を向ける。
だがヤツを見つめるその瞳からは先程までのような輝き、生気は感じられない。もはやジャスミンからは体力だけでなく、気力、そして戦う意欲でさえも失われかけていた。
ふへへへっ…ジャスミンの目の前に立ったライムは彼女の股間を覆い隠していたスカートをじっと見つめ…ビリリッ!…!?…ぐ、ぐっ!……突然それを掴んだヤツはそのスカートをボロ雑巾のように一気に破り捨てた。
中から現れた彼女の黒いスパッツ…それが覆い隠す股間の中心部は先程ライムにほじくられていたため黒い茂みが顔を覗かせ、更にはそこから愛液のような液体がトロトロと流れ出てきている。それを見てジャスミンの目の前にいる緑色の強姦魔はニヤリと笑みを浮かべた。
「ふへへへへへっ…どうやら黄色いねえちゃんの方も受け入れ態勢はすっかりオッケーみたいだなぁ、ふへへへへへっ……それじゃあ早速“ココ”にオレのモノをブチ込ませてもらうぜぇ、ふへへっ、ふへへへっ、ふへへへへへっ」
先程“いった”にも関わらず、まだまだ元気十分といった感じでいきり立っているヤツの緑色の剛直…先端に少し緑色の混ざった白濁液をポタポタとしたたらせながら、それを手にライムはわずかに顔を覗かせているジャスミンの黒い茂みへと…トロトロと愛液をしたたらせる“その場所”へゆっくりと迫っていく。
「ひ、ひっ!?…イ、イヤ…や、やめ…イ、イヤ、イヤ、イヤッ…!?…ああぁ、あああぁ、あああぁぁぁ、あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
ズブッ!…ふへへへへへっ……そしてその緑色の剛直はついにジャスミンの秘所へ挿入された。
ギュッ!…グリ、グリ、グリ、グリ…大きすぎるヤツの“獲物”はすんなりとジャスミンの“アソコ”には収まってくれず、彼女の膣と黒いスパッツにわずかに開いていた“穴”を押し広げるようにしてジャスミンの中へグリグリと侵入していく。ライムの剛直に膣をえぐられている彼女は耐え難い激痛に襲われる。
「…あああぁ、ああああぁぁ!あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
「…うるせえなぁ…その口もちーっと黙っててくれねえかなぁ?……!…そうだなぁ、オレがまた黄色いねえちゃんと“愛のチュー”を交わしてその口を塞いでやるぜぇ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
「あああっ、ああああぁぁ!……!?…ん、んぐっ…ふぐっ、ふぐっ…ん、んぐっ、んぐぐっ…」
脳天にほとばしるような耐え難い激痛に甲高い叫び声を上げ、悶え苦しむジャスミン。そんな彼女を黙らせるように目の前にいた緑色のバケモノが己の口で彼女の唇を塞いできた。目の前の醜い強姦魔になす術なく唇を奪われてしまうジャスミン。
「フフフッ…これだけの上玉はそう見つかるものでもないからな…“商品”になる前にしっかり楽しんでおけ、ライムよ、クククッ、ククククククッ……ではそういうわたしも一緒に遊ばせてもらおうかな?…ククククッ」
ペロッ、ペロッ……不気味にニュルニュルとうごめく、デストレーダーの裂けた口から伸びるその舌は、相変わらずジャスミンの左乳首を弄んでいく。
「!?…ん、んぐっ…んぐっ、んぐっ…ふぐっ、ふぐっ、ふぐぐっ…」
…あ、あんっ…や、い、いやっ…あ、あんっ…い、いやぁ、いやああぁ、いやああぁぁぁ!……何も抵抗する手段もなく、ひたすら淫らに弄ばれ続けるジャスミン。自らの身体へ次々と降りかかる陵辱を彼女は力いっぱい瞼を閉じて、必死に耐えるしかなかった。だが度重なるヤツらの陵辱にもはやそれも限界にきていた。ジャスミンの“心”は、もういつ折られてもおかしくない状態だったのである。
{ひっ!?…そ、そんな!?…イ、イヤ…イヤ、イヤ、イヤ!…お、お願い、やめて…もう…やめ……い、いやああああぁぁぁ!}
{…ぁ…ぁ……ヒ、ヒック、ヒック…ヒッ、ヒック…う、ううぅ……}
{…ヒ、ヒック、ヒック…ヒック、ヒック…た、たすけ…て……ジャス…ミ…さん……ジャ…ミ…さ……}
「…んぐっ、んぐっ、んぐっ…ふぐぐっ、ふ、ふぐっ…ふぐぐっ…」
あきら…さやか…冴ちゃん……もうあの子たちを助け出せるのはわたししかいないのに…それなのにわたしは…わたしは……もうどうすることもできないの?わたしもこんなヤツらにいいように犯されるしかないの?
自らの身体がいいように弄ばれてしまう屈辱に…仲間たちが淫らに弄ばれ続けるビジョンに…そして目の前の強姦魔たちに何の抵抗する術も持たない無力な自分に…
肉体的、精神的、そして己の力ではどうすることもできない現実がジャスミンの脳裏へと重くのしかかる。それらに押しつぶされないように今、ジャスミンは必死に耐えていた。
{!?…い、いやああぁぁぁぁ、あああぁぁぁぁ!!}
{…ぁ…ぁんっ…や…ヒッ、ヒック…ヒック、ヒック……}
{…た、たすけ…て…たす…け……ジャス…ミ…さん……ジャ…ミ…さ……}
あきら…この変態君たちには何をやっても返り討ちにされちゃうの…さやか…こんな時に頭のいいあなたが隣にいてくれたら…冴ちゃん…わたしってダメだね。わたし一人じゃ所詮何もできない…挙句の果てにこんなヤツらにいいようにされて…でも…でも悔しい…悔しいよ……。
自分と同じようにひたすら犯され続ける仲間たち…ジャスミンはそのビジョンの彼女たちへ自らの救いを求めるように頭の仲で呼びかけてしまう。ツゥゥゥゥ…そして力いっぱい瞼を閉じ、ヤツらからの辱めに必死に耐えていた彼女に異変が…その精一杯閉じていた瞼から一筋の光るものが頬を伝っていく。それまで懸命に耐えていたジャスミンの中で遂に何かが崩れ始めたようだ。
緑色の剛直でジャスミンの“女”を貫きながら、自分の半分ほどの身長しかない彼女を抱きかかえているライム。ヤツはその抱きかかえていたジャスミンの頭を右手で押さえつけながら、まるで何かに吸い付くように彼女の唇を蹂躙し続けている。
…ん、んぐっ、んぐっ…ふぐぐっ、ふ、ふぐっ…ふぐぐっ……目の前にいる緑色の醜い強姦魔に自分の口内をいいように蹂躙され続けるジャスミン。だが彼女はそれに対してももはや抗う術を持たない。力いっぱい閉じた瞼から悔し涙を流しながら、己の唇を無慈悲に犯し続けようとするその接吻をただ無抵抗に受け入れるのみである。
「フフフッ…今までおまえには散々我慢させてきたからな、相当欲求が溜まっているはずだよな、なぁライムよ、ククククッ……だがもうおまえの楽しみを邪魔するようなマネをするつもりはないぞ…だからそのメス犬を思う存分、心行くまで楽しむがいい、フフフッ、クククッ、ハハハッ、ハーッハッハッハッハッ…」
目の前であの憎き宇宙警察の女刑事を犯し続けるライムを見つめ、高らかに笑うデストレーダー。この後ジャスミンは永遠とも思えるほど長い時間、貪欲な性欲を持つ強姦魔の欲望を満たす餌食にされてしまうのであった…。
****************
「…ぁ…ぁ……ぁ……ぁ……」
「ふぅ…ふへへへへへっ…こんなご馳走をこんなにしゃぶり尽くしたのは本当に久しぶりだぜぇ…それにしても黄色いねえちゃん、あんたホントにいい身体してるぜぇ、ふへへへっ、ふへへへへへっ」
どれくらい犯され続けたのだろう?……永遠とも言えるほどの長い時間、ジャスミンは目の前にいる緑色の強姦魔によって淫らに弄ばれ続けた。
身に付けていた衣服はズタズタに剥かれてしまい、彼女は一糸纏わぬ姿にさせられてしまっていた。前後から何度も犯しぬかれたその身体は薄い緑色の混ざったライムの白濁液にすっかりまみれてしまっている。消耗しきった身体をピクン、ピクンと痙攣させ、ジャスミンは口を半開きにしだらしなく涎を垂らしながら、焦点の定まっていない瞳でただうつろを見上げているばかりであった。
「フフフッ…どうだ?ライム…思う存分、心行くまでそのメス犬を楽しんだか?…ククククッ」
自分の目の前で、あの女刑事を凛々しい面影がすっかり無くなるまで弄び続けたライムをニヤニヤと眺めていたデストレーダーが口を開く。
「ふへへぇ、おかげさまでたっぷり楽しませてもらいましたぜぇ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
「そうか、それは実によかったよ…ククククッ……ではもうそのメス犬と遊ぶのは止めてそいつに引導を渡したいのだがいいか?なぁ、ライムよ…クククッ、ククククククッ」
「ふへへぇ、そうですかぁ。別にいいですぜぇ、ふへへへへへっ」
満足げな笑みを浮かべていたライムが相変わらずの下卑た笑い声を上げながら、ジャスミンの身体から離れていく。
…ぁ…ぁ……ぁ……ぁ……淫らに弄ばれ続けもはや廃人同然の彼女。股間から膣をえぐられたために出欠した赤い血といやらしい液体をトロトロと垂れ流し、焦点の定まっていない瞳でただうつろを見上げるだけのジャスミンは、もうまともに口を利くこともままならない状態だった。フフフッ…ザッ、ザッ、ザッ…そんな彼女の下へ陰湿な笑みを浮かべながらデストレーダーはゆっくりと近づいていく。
「フフフッ…ではそろそろおまえも他の三人のように“コイツ”の中に放り込む事にするか?だがその前にこの世にお別れの言葉もあるだろう?わたしも“鬼”ではないからな、それを聞いてやるよ、ククククッ……だがもはやまともにしゃべることもできないようだからな…ではかわいそうなおまえをわたしがしゃべれるようにしてやるよ、クククッ、ククククククッ」
ゴソッ…そう言うとデストレーダーはスーツのポケットの中から“あのゲーム”と共にスプレーのような物を取り出す。そして……シュゥゥゥゥゥゥゥゥ……その噴射口をジャスミンの半開きの口の中へともっていき、それを彼女の口の奥に強引に吹きつけたのだ。
「…!…ケホッ、ケホッ…ぐ、ぐっ!?な、何をする?…!…え、えっ!?こ、声が??声が出せる??…な、何で…?」
さっきまで声を出す事もままならなかった自分が普通にしゃべる事ができる。何が起こったか分からず、その事実に驚愕しているジャスミン。驚きの表情を見せる彼女をニヤニヤと面白そうに眺めながらデストレーダーがその事について説明し始めた。
「クククッ…今おまえの口の中に吹きつけてやったスプレーは体力の消耗しきってしまったヤツを、一時的にしゃべれるようにしてやるものだ…拷問などで痛めつけてしゃべれなくなったヤツなどに使う、わたしが取り扱っている人気商品の一つだよ、クククッ、ククククククッ」
「ぐ、ぐっ!?な、何でそんな事を?…あのままわたしを“そのゲーム”の中に封じ込めようと思えば簡単に封じ込められたはず…なのに何故??」
「なぁに…おまえはもうすぐこの世の人間ではなくなる。おまえにもこの世とお別れする前にいっておきたい事の一つくらいあるだろう?…せっかくだからわたしがそれを聞いてやろうというのさ、クククッ、ククククククッ」
「な!?ぐ、ぐっ!?ど、どこまでわたしたちを…わたしは…わたしたちは敵にそんな情けは受けない!わたしを殺すならさっさと殺せばいいじゃない!この…変態八つ目君!」
「クククッ…まぁわたしは別にそれでも全然構わないのだがな……だが例えどんなに強がってもおまえが“あの三人”の女と同じ運命を辿ることはもはや動かしがたい事実なのだ…もう一度聞く。本当にこの世とのお別れのメッセージはないのか?…クククッ、ククククククッ」
ぐ、ぐっ!?…確かにヤツの言う通りだった。例えどうあがこうとも、もはやジャスミンが生き残る術は何もないように思えた。それが分かっていたから、そう言われた彼女の心の中に迷いが生じ始めていたのだ。
……少し考え込んだ後、ジャスミンは悲しそうな表情を浮かべ“ある物”にチラリと視線を送る。その視線の先には…彼女の他の三人の仲間、あきらたちを表す“例の三文字”が焼き付けられていたCD-ROMがあった。
あきら…さやか…冴ちゃん……簡単にあきらめちゃダメだっていうのは分かってるつもりだけど…でもわたしにはもう手がないの。わたしもあなたたちと同じ運命を辿る事になりそうだよ…ゴメン、ゴメンね。
…でもわたしたちは女とは言え“誇り高き”戦士なんだもんね。例えやられるとしても華麗に散ってみせるよ…だから…だからわたしの死に様、そこでしっかり見届けてね…。
自分の“最後”を悟ったのか、そう覚悟を決めるジャスミン。彼女はデストレーダーが手にしていたCD-ROMに焼き付けられていた“彼女たち”に別れのあいさつをした後…キッ!…うつむき加減だった顔を突然上げ、ニヤニヤと小ばかにするような笑みをたたえているデストレーダーを鋭く睨みつける。
「!…ほぉ…何だ?やはり何か言いたい事があるのか?ククククッ」
「…これで…これで勝ったと思わないでよね!…わたしが倒されたことが分かればおまえをデリートするために宇宙警察が本格的に動き出すはず!…そうなればおまえももうおしまい!これまでのような好き放題はもうジ・エンドよ!」
勝ち誇った笑みを浮かべていたデストレーダーに向かって、ジャスミンはヤツを鋭く睨みつけながら、突然のようにまくし立て始めた。彼女は必死の形相で更にしゃべり続ける。
「…この世に悪ある限り正義はそれを必ず打ち破ってみせる!…この世に悪が栄えた試しはない!正義は必ず勝つんだから!!」
はぁ、はぁ、はぁ…激しく息を乱すほどそう一気にまくしたてるジャスミン。それはまさにボロボロに打ちのめされた彼女が死ぬ間際に見せる、最後の意地のようなものだった。だがそれを聞いたデストレーダーは……。
「…クククッ、クックックックッ、ハハハハッ、ハーッハッハッハッハッハッ…」
「!?…な、何!?…何がそんなにおかしいのよ!」
ジャスミンが一気にまくしたてた後、いきなり大きな声で笑い出すデストレーダー。突然笑い出したヤツに何が起こったのかまったく分からず訝しげな表情を浮かべている彼女。
「…クックックックッ…いや、失礼。いきなり何を言い出すかと思えば“正義は必ず勝つ”などと…クククッ、ハハハッ、ハハハハハハッ…」
「ぐ、ぐっ!?…そ、そうよ!この世に悪が栄えた試しはない!この世に正義を愛する心がある限り!…その何がおかしいって言うのよ!!?」
「…クックックックッ…どうやら“正義は必ず勝つ”などと本気で思っているらしいな…おまえ、割と頭はいいヤツだと思っていたが…やはりメス犬は所詮メス犬ってわけか…クククッ、ハハハッ、ハーッハッハッハッハッ!」
ぐ、ぐっ!?…ジャスミンを見下したように高らかに笑うデストレーダー。彼女にとってはごく当たり前の事を言ったつもりなのだが…そもそも女刑事のジャスミンと凶悪犯のデストレーダーとでは考えている価値観が全く違うようだ。
「フフフッ…“正義は必ず勝つ”だと?フン、笑わせてくれる……いいか、わたしがよーく教えてやろう…まず“正義は勝つ”などというものは存在しない。これまで“悪”が“正義”と呼ばれるものに屈してきたのはたまたま力がなかったからだ。この世は力が全てだからな、ククククッ」
余裕の笑みを浮かべ、ジャスミンの言葉を否定してくるデストレーダー。だがヤツがそこまでで述べた反論はジャスミンも予想できた範囲の事で彼女がそれで動揺する事はなかった。しかし、次にヤツの口から発せられた言葉にジャスミンはさすがにうろたえる事になる。
「…そしておまえごときメス犬が一匹いなくなったところで宇宙警察は絶対に動かない…おまえはただの犬死ってわけだ。残念だったな、クククッ、ククククククッ」
「な!?…ど、どうして…おまえみたいな八つ目君に何でそんな事がわかるわけ!!?」
「どうしてかって?フフフッ…それはおまえが宇宙警察の記録上、“このわたし”によって殺された事にはならないからだ。クククッ、ククククククッ」
「What!?おまえ何言ってるの?言ってる事が激しく意味不明!…ど、どういうことよ!!?」
記録の上でわたしはこの変態八つ目君に倒された事にはならないって?…で、でもわたしの今回の捜査記録は確かに残るはず…で、でもじゃあ何でコイツはここまで言い切れるわけ!?ど、どういう事なの??……デストレーダーの言う意味がまったく理解できず困惑するジャスミン。だがヤツから次々と発せられる彼女が想像もしてないような事実がジャスミンが思う謎を少しずつ解き明かしていく。
「フフフッ…つまりはこういう事だ。おまえは宇宙警察の記録上ではわたしと戦って殉職した事になると思っているのだろう?…だがそうはならない。何故ならおまえは死んだ場所の記録を書き換えられる事になるからな、クククッ、ククククククッ」
「な!?な、何で!?…何でおまえにそんな事ができるのよ!!?…ウソよ!ハッタリよ!そんなのハッタリに決まってる!」
「…それがハッタリではないのだよ。残念ながらな…確固たるカラクリがわたしにはあるのでね。それをこれからおまえに説明してやろう…だがそれはおまえにとってあまりにショックが大きいかも知れないけどな、ククククッ……宇宙警察の内部にはわたしの信頼できる工作員が何十人も潜り込んでいるのだ、クククッ、ククククククッ」
??ウ、ウソ!?…宇宙警察の内部にコイツの工作員がいるって??…ウ、ウソよ!そんなのウソよ!ウソに決まってる!……デストレーダーから語られるその言葉はジャスミンにはとても信じられない、いや信じたくはない事だった。
そもそもこれまでの自分の捜査でそのような感じを受ける事などなかったし、そのような事は彼女にはにわかには信じられない事だった。!…そ、そうよ。ひょっとしてわたしへの心理作戦のつもりでこんな事言ってるのかもしれない??
で、でも品詞のわたしに何でそんな事する必要がある??そもそもコイツは何でこんなに自信満々なわけ??…分からない…分からないわ…!?…も、もしかしてコイツの言ってる事は本当の事なの??…ううん。そ、そんなわけない!…で、でも…でも……。
様々な事が思い浮かび混乱するジャスミン。もはや今の彼女には何が真実で何が虚構なのか分からない状態だった。そんな困惑するジャスミンをよそにデストレーダーの話はまだまだ続く。
「…当然その中には捜査の記録を書き換えられるヤツもいてね。そいつにおまえの捜査の記録を書き換えてもらうつもりなのだよ、ククククッ……そうだな…さしずめおまえは“遥か銀河の彼方のとある星にてあえなく殉職”って事にしてもらおうかな?クククッ、ハハハッ、ハーッハッハッハッ…!」
こ、ここまでコイツの言ってる事が具体的って事は…や、やっぱりこの変態八つ目君の言ってる事は本当の事なの??……ヤツの言っている事は実際にはそれほど具体的な事でもなかった。
だが肉体的にだけでなく精神的にもボロボロに打ちのめされ、“心”が弱っている今のジャスミンは目の前の男から発せられる異様な迫力に気圧されるような形で、その事を徐々に否定できなくなっていってしまう。そしてすこぶる機嫌のいいデストレーダーはまだまだしゃべり続ける。
「それから面白い事を教えてやろうか?ククククッ……あのどうしようもないほどの女好き、メバ星人・ライムは宇宙の監獄衛星・プリズロンに収監されていたところをわたしがスカウトしたのだよ、今回のわたしの壮大なプロジェクトのためにね。もちろんアイツも内部の工作員を通じて引っこ抜いたんだけどな、クククッ、ククククククッ」
な、な!?そ、そんな!?…プリズロンもコイツに侵食されていたなんて??……“プリズロン”とは宇宙警察が捕らえた凶悪犯たちが収監されている監獄衛星の事である。あの“女の敵”のような緑色の強姦魔、メバ星人・ライムは元々この監獄衛星に収監されていたようだ。
だがジャスミンがもっと驚愕していた事は、その凶悪犯たちが数多くうごめく監獄衛星から、目の前の男がその凶悪犯たちを自由に調達しているという事実だった。もしそれが本当の事だとしたら……その事を考えるとジャスミンは顔色をドンドンと失っていってしまう。そしてヤツの話は更に続く。
「…以前、かなり大掛かりな計画で宇宙警察の組織そのものをぶっつぶそうとしたヤツがいたらしいが…まぁ結局そいつはそれを失敗したあげく、あえなくデリートされてしまったらしいが…」
!?…そ、それって…もしかしてアブレラの事??……ジャスミンはデストレーダーの口から突然のように出てきた“そいつ”が誰の事であるのか、何となく見当がついていた。それは自分自身がその件に深く絡んでいたから、何より自分が“そいつ”を倒した当事者の一人なのだからだ。ヤツはその事を詳しくは知らないようなのだが…。
「…だがわたしはそんなドジは踏まない。そもそも宇宙警察を壊滅させる必要などないのでね、ククククッ……それよりも宇宙警察をわたしの都合のいい組織にしてしまえばいいのだ。組織の中にわたしの工作員を徐々に送り込んで言ってね…そうすれば商売はやり放題、ムショから使えそうな極悪人たちはいくらでも調達できるからな、クククッ、ククククククッ」
!?…な、何てこと…そ、そんな事になったら……以前、宇宙警察そのものを壊滅させようとしたアリエナイザーは確かにいた。そいつが実行した計画も確かに恐るべきものだったが…直接的な破壊活動で分かりやすかった分、ジャスミンたちも何とか対処する事ができたのだ。
だが目の前の男が進行させていた計画はなるべく分かりにくいようにして、内部から秘密裏に徐々に組織を腐敗させていくようなものだった。目に見えてのハデな効果はないが、このままではいつの間にか宇宙警察という“組織”はデストレーダーの思うがままになってしまうだろう…その計画の恐ろしさを考えれば考えるほどジャスミンは旋律する。
「そうそう…このプロジェクト、ここまで大掛かりな計画になってしまったからな…どうせいずれ宇宙警察に嗅ぎつけられるならこちらからある程度情報をリークして宇宙警察のメス犬を呼び込んでやろうと思ってね。そしてそのメス犬がわたしのお眼鏡にかなう“いい女”だったらついでに“あのゲーム”に放り込んでやろうと思っていたのだが…」
!…そ、それじゃ…わたしにあきらたちを助け出すように上から指令が出ていたのも…全てコイツの思惑通りだったって言うの?そ、そんな…そんな事って……いつになく饒舌なデストレーダーのおしゃべりは留まる事を知らない。相変わらずしゃべり続けるヤツはジャスミンが“あの三人”を助け出しにきたのは“ただの偶然”ではないと言い放つ。その事実はジャスミンを愕然とさせるには十分過ぎるものだった。
「…だがおまえのような極上の獲物が引っかかるとはさすがに予想外だったよ。…まぁ結果的にはわたしが送り込んだ工作員がわたしの好みが反映するように動いてくれたようなのだがね、クククッ、ハハハッ、ハーッハッハッハッ…!」
勝ち誇った、高らかに笑うデストレーダーの笑い声が森全体にこだますように響き渡る。そして……パァァァァ…陰湿な笑みをたたえていたヤツの手にしているCD-ROMが妖しく光りだした。遂にジャスミンにもその瞬間が訪れようとしていたのである。
「さて、おしゃべりはこれくらいにして…おまえたちとの“ゲーム”もそろそろ本当に終わりだ…しかし宇宙警察にはこれまで散々煮え湯を飲まされてきたからな。こういう形で宇宙警察のメス犬を狩る事ができるというのは最高の気分だよ、クククッ、ハハハッ、ハーッハッハッハッ、ハーッハッハッハッハッハッ…」
自らの勝利を確信し高らかに笑うデストレーダー…その彼の目の前には完全なる敗北と己の無力感に無残に打ちのめされ、身に纏っていた衣服をズタズタに剥かれてしまいうなだれている女戦士の姿があった。
…そ、そんな…わたしたちがここまで必死に戦ってきた事も…わたしがここにあきらたちを救出しに来た事でさえも…全てコイツの手の中で踊らされていた事だったっていうの……?
そ、それにわたしたちとの“ゲーム”って…?……や、やっぱりわたしたちはコイツに…コイツらに遊ばれていたっていうの?何もかもがコイツの思い通りになっていたって言う事なの?
この戦いの全てが、いやジャスミン自身があきらたちを救い出しに来る事でさえもこの男の思い通りになっていたのである。何もかもが目の前の男の思い通りにされてしまったのだ…その事実にジャスミンの頬には一筋の光るものが…。
な、何だったの?わたしたちのこれまでの戦いって何だったの?……ぁ、ぁぁ……これまでうつむき加減にうなだれていたジャスミンが悲しげにうつろを見上げる。見渡す限りの深緑の森を見つめるその瞳からは涙が止まらない。
それは何もかもが目の前の男の思い通りにされてしまった、更にはなす術もなくそれを許してしまった無力な自分への悔し涙だったのだ。うつろを見上げる、焦点の定まっていないジャスミンの瞳からはとめどなく悔し涙が溢れ出てきていた。
…ウメコ…わたし、もうここでお陀仏みたい……もう一緒においしいもの食べに行けなくなっちゃった………ゴメン、本当にゴメンね……。
それからバン、ホージィ、センちゃん、テツ…それにボス、スワンさん…地球暑の人たち…みんないい人ばかりだったな。できればもう一度会いたかった……今までの人生で一番充実していた時期…地球暑で出会った人たち、過去の素晴らしい思い出が走馬灯のようにジャスミンの脳裏に蘇ってくる。
あきら…さやか……短い間だったけど…あなたたちに出会えて本当によかった。でもわたしはあなたたちの力にほとんどなってあげられなかったな…ゴメン、ゴメンね……過去の記憶が走馬灯のように蘇ってきていたジャスミンの脳裏にはあきらへの…さやかへの懺悔の想いが次々と浮かんでくる。
冴ちゃん……本当に心を許せる、全てをさらけ出せるあなたに出会えてわたしは本当に幸せだった、楽しかったよ。だから…だから冴ちゃんとは笑ってお別れしたかった……でも…でもこんな事になっちゃって…わたしの力が足りないばっかりに…ゴメンね、本当にゴメンね……様々な思いが脳裏を次々とかけ巡っていたジャスミン。そんな彼女が一番悔いていた事…それは会って間もない自分を“姉”のように慕ってくれた、冴を元の時代に送り返してあげられなかった事だった。
でも…でも冴ちゃんはこんなわたしでも物凄く頼りにしてくれてたね。でもそんなわたしは冴ちゃんに何かしてあげる事ができてたのかなぁ……?
いつの間にかジャスミンの頭の中へと浮かんできていた冴の後ろ姿…彼女は自分の中に浮かんできていたその冴の幻に呼びかけるように話しかけていた。だがそのような事をしても彼女の幻はそれに応えてくれるはずはないと思われていたのだが…何とその冴の幻はジャスミンの呼びかけに応えるように笑顔でこちらを振り返ってきたのだ。
!…そっか…わたしはちゃんと冴ちゃんの力になってあげられてたんだね。よかった、本当によかった…わたし…わたし……脳裏に浮かんできていた冴の笑顔を見て悲しげにうつろを見上げていたジャスミンの瞳からは、感情が昂ぶり涙がポロポロと、とめどなく溢れ出てきていた。そして……その瞬間は遂にやってきた。
「!?…ああっ!?あああっ!?あああぁ!?…い、いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
プシュゥゥゥゥゥ……その断末魔のような甲高い叫び声と共に、ジャスミンの身体は他の三人の女戦士、あきらたちと同じように妖しい光を放つそのCD-ROMの中へと完全に消えてしまう…やがてその“小さな円盤”も妖しい光を放たなくなる。後に残るのはそのメディアから水蒸気のような白煙が立ち昇るばかりであった。
「フフフッ…これで四匹全員の捕獲完了だな…それに捕獲作業は思ったよりも楽しめた。わたしの“あっち”の方も随分と満たしてもらったしな……“あの女”たちには大いに感謝しないとな…フフフッ、クククッ、ハハハッ、ハーッハッハッハッハッハッ…」
四人の女戦士たちを順調に狩り上げ、高らかに笑い声を上げるデストレーダー。その手には一枚のCD-ROMがあった。
そこには、1cm大のピンク色の“D”の文字、白地にピンクの外枠で象られた“M”の文字、同じような大きさの白一色の“G”の文字…
更にデカイエローこと礼紋茉莉花の愛称“ジャスミン”、彼女を表す黄色い“J”の文字が、その“小さな円盤”に新たに焼き付けられていた。
数々の恥辱にまみれてきた四人の女戦士たち…彼女たちは今、ようやく安息の時間(とき)を迎える事がゆるされたのである。しかしそれは彼女たちへの新たなる陵辱、永遠の陵辱地獄の始まりでもあった…。
- 以下 捕獲されたヒロインたち エピローグへ続く -