- 捕獲されたヒロインたち 続・狩られていく女戦士たち -

…それまでの戦いで孤立無援の状態にさせられてしまった知性派の女戦士・渚さやか。その彼女に襲い掛かる緑色の強姦魔、メバ星人・ライム。そのヤツが無数に分裂して誕生した小さなバケモノ、ミニライムの集団。
彼女は無数にうごめくそのミニライムの集団に決しの覚悟で戦いを挑んだ。だが、度重なるヤツらの恥辱攻めにさやかは肉体的、そして精神的にもボロボロにされてしまった。
徹底的な辱めの末に彼女は着ていた白い衣装を強引に引き剥かれ、その色白の柔肌を露にされてしまう…トレードマークの白いスーツを剥かれてしまい、さやかはその美しい裸体を晒し、気力体力、そして抵抗する意思でさえも根こそぎ奪われてしまいその場に泣き崩れていたのである…。
…ぁ…ぁんっ…や…ヒッ、ヒック…ヒック、ヒック……数多くの恥辱にまみれ、その凛々しい美貌を何本もの涙腺で汚し、ただ弱々しく喘ぐ彼女からは凛々しい女戦士としての面影は、もはや微塵も感じられない。
「…まるで“渚さやかゆうえんち”といった趣だな……フフフッ…随分と楽しそうじゃないか?ライムよ、クククッ、ククククククッ」
「あ?ダンナですかい?…おかげさまで随分と楽しませてもらってますぜぇ、ふへへへへへっ」
哀れにもさやかがミニライムたちのなすがままの玩具にされ、力なく地面に泣き崩れていたその時…その4、5m前からトーンの低い、底響きするような声が聞こえてくる…それはこの事件の黒幕、全宇宙を股にカケる“死の商人”と呼ばれる男、デストレーダーその人であった。
?…しかし彼女には目の前に現れたその男が誰であるかまったく分からない。今までこの男が顔に身に着けていた“ひょっとこ”のようなお面をしていなかったからだ。目の前に現れた、黒い坊主頭、浅黒い顔に横に大きく裂けた口、縦に四つずつ碁盤目状に並んだ目を持つその男をさやかは訝しげな表情で見つめる。
「フフフッ…お楽しみのところ悪いのだが…わたしは“その女”と話がしたいのだよ。だからその女と遊ぶのはもう終わりにしてくれないか?…それにもう十分楽しんだようではないか?…なぁ、ライムよ、ククククッ、ククククククッ」
「ええ~っ、オレたちはまだまだ遊び足りないんですがねぇ…まぁ他ならぬダンナの頼みだ。別にいいですがねぇ、ふへへへへへっ」
少し不満げな様子を見せながらも、ミニライムたちはデストレーダーから出されたその指示にしぶしぶ従う様子を見せる。四人の女戦士たちには数々の不遜な態度を取ってきたライムであるが、この男の言う事だけはあくまでも忠実に従おうとする…どうやらこの二人はただの主従関係というわけではないらしい。
「…済まないな、ライム。…おっと、それからコイツの両脚に絡ませている“その腕”だけはそのままにしておいてもいいぞ…足を自由にして、もし逃げられたりしたら困るからな、ククククッ」
「へへっ…わかりやした。ではそうしやすぜぇ、ふへへへっ、ふへへへへへっ」
シュルシュルシュル、シュルシュルシュル…ミニライムたちはさやかの肢体から、その糸のように細い腕を引っ込めて行く。と同時に彼女の尻や左乳房、股間に取り付いていた小さなバケモノたちも彼女の身体から離れていく…今、さやかは両脚に絡み付いている細長い触手のような腕を残して、これまで自分の身体を弄んできた小さなバケモノたちからようやく解放されたのだ。
フフフッ…ザッ、ザッ、ザッ…不気味で陰湿な笑みを浮かべ、デストレーダーは膝からただ泣き崩れているさやかの下へゆっくりと近づいていく。??…未だ何が起こっているのか、いやそれどころかヤツがまだ何者かも分からない彼女は相変わらずその男を怪訝そうな表情で見つめている。
「?…あ…あなた、誰??……!…その…低い声…もしかして…!…まさか…!?…きゃあん!」
ガンッ!…その時、さやかに近づいていたデストレーダーが彼女の股間を思い切り蹴り上げた。しかし、両脚を絡め取られていたさやかは後方や真上に勢いよく蹴り飛ばされる事もなく、そのミニスカから伸びるスラリとした両脚を投げ出して、大股を広げ尻餅をついてその場に転がされてしまう。
ぐ、ぐぅ!?…う、ううぅ……あ、あっ!?……股間を足蹴にされうなだれていたさやかの下にゆっくりと近づいていたデストレーダーが彼女の左頬に右手でそっと触れていく。シュルシュルシュル…そしてヤツはその避けた口元から二本の舌を伸ばしていき、彼女の両手首を絡め取った。更にヤツはさやかの両脚の間に立ち、涙でクシャクシャになったその美貌をじっと覗き込む。
「フフフッ…涙で顔をクシャクシャに汚す女戦士というのも中々おつなもんだな、クククッ、ククククククッ」
「…あ、あな…た…や、やっぱり…あの死の商人…なの?…!?…あっ、あんっ…」
ムギュッ…さやかの顔をじっと覗き込んでいたデストレーダーは、そのままの体制から左手でおもむろに彼女の右乳房を揉みほぐし始めた。彼の左手の中でゴムまりのようにグリグリと弄ばれるその乳房。
「フフフッ、この胸…桃井あきらのおっぱいも凄かったがおまえも中々のものだぞ、渚さやか、ククククッ」
「…あっ、やっ、あぁん…!…あ、あき…ら!?……ぁんっ…あ、あなた…あきらに…一体…何したのよっ…あぁん…」
デストレーダーに弄ばれ激しく喘ぎながらも、さやかは突如として出てきた仲間の女戦士の事について必死に問いただそうとする。
だがヤツは彼女のその必死の問いかけも何事もなかったかのように無視する。スッ…そしてその場にスクッと立ち上がった彼はさやかの右の足先に近づいていき、その場にしゃがみ込んで彼女のトレードマークの一つである白いロングブーツをじっと凝視し始めた。
「フフフッ…おまえも白いロングブーツか…桃井あきらといい、“女戦士”という人種はよっぽど“コイツ”がお好きらしいな、クククッ、ククククククッ」
?…ぐ、ぐっ……ヤツが何を言っているのか、さやかには最初、まったく理解できなかった。だがデストレーダーが次に起こしたその行動は彼が何をしようとしていたのか何となく分かった。いや分かってしまったのだ。
ヤツがさやかの右足の白いブーツに両手を伸ばしてきたのだ。そして彼はそのブーツのジッパーを何気なく下ろそうとしている。そう、デストレーダーは、まさしくさやかの白いロングブーツをその足から脱がして奪い取ろうとしているのだ。
あっ!?…な、何するの!?い、いやっ、いやぁ!?……その事に気付いたさやかがすぐに自分の脚を引っ込め、また両手で懸命に後ずさりしようとしている。
だが、どちらもミニライムたちの糸のように細い腕で、またはデストレーダーの二本の舌で自由を封じられているのだ。あせりの色をありありと見せる彼女のそのような行動は大した意味をなさなかった。
「フフフッ…わたしが何をしたいのか分かったようだな?…おまえが頭の切れるヤツで助かったよ。何しろやる事にいちいち説明しなくてもいいからな、ククククッ……では、そうと分かれば話は早い。早速いただくとするか?クククッ、ククククククッ」
ジュッ…そう言い放つとデストレーダーはおもむろにその白いロングブーツのジッパーを下ろし始めた。!?…い、いやっ、や、やめてっ…い、いやぁ、いやあぁ、いやああぁぁ!……淡々と進められるヤツのその作業がさやかから顔色を徐々に失わせていく。いや、感情をほとんど表に出さない彼の行動が逆に彼女の恐怖と屈辱をドンドンと煽っているのだ。
シュッ…やがてその白いブーツはあっけなくさやかの右足から引き抜かれてしまう。彼女から取り上げたそのブーツを見て、ニヤリと陰湿な笑みを浮かべるデストレーダー。そ、そんな…う、ううぅ……自分の右足から、履いていた白いロングブーツをあっけなく奪い取られてしまいうなだれるさやか。
「フフフッ、さて…桃井あきらの靴の匂いは中々汗臭かったぞ。おまえはどうなのかな?クククッ、ククククッ……クン…クン…」
そうニヤリと不気味な笑みを浮かべ、彼はおもむろに奪い取ったさやかの白いロングブーツの匂いを嗅ぎ始めた。!?…それを見てさやかは顔色をドンドンと失っていく。
「…ふむ。何だ?おまえも実に汗くさいぞ?…桃井あきらと言い、戦士とはいえ一端の女なのだ。ちゃんと消臭ケアはしといた方がいいぞ。それともおまえらのような女戦士はそういうケアはしないのか?…クククッ、ククククククッ」
「…い…い、…や…い、いや…い、いやっ…い、いやああああぁぁぁぁ!」
奪い取ったブーツの匂いを嗅ぎ、そう感想を言い放つデストレーダー。しかし、もちろん几帳面なさやかの事である。彼が言う事などやっていないわけがなかったのだ。だがあきらの時と同じように、さやかはこれまで休みなしに数多く動き回っている。彼女が履いているブーツの中が“そのような状態”になっている事は何ら不思議な事ではなかった。
だが、あきらの時もそうだったように“自分の履いていた”靴を脱がされ、匂いを嗅がれるという事は彼女、いやさやかのような年頃の娘には耐えられない事だったのだ。そのショックに彼女は、これまでの血色を失っていた顔を“これでもか”と真っ赤にして、甲高い悲鳴を上げ続ける。
「フフフッ…ただ履いていたブーツの匂いを嗅いだだけではないか?…桃井あきらといい、まったく“女”というのは手間のかかる生き物だな、クククッ、ククククククッ」
「…ァ…ぁ…う、ううぅ……!…そ、そうよ!…あ、あなた…あ、あきらを…あきらを一体どうしたのよっ」
ブーツの匂いを嗅がれただけで、全てが終わったような大きな悲鳴を上げ続けるさやかをあざけ笑うデストレーダー。そんな彼女は自分に向けられたその蔑みの言葉の中に仲間の女戦士…あきらの名前を耳にし、再び彼女の事をヤツに問いただそうとする。しかし、それに対する彼の応えは彼女にとっては残酷なものだった。
「フフフッ、桃井あきらか?…あの女は既にわたしの手の中だよ…それにしてもあの女の身体は見事なものだったぞ。あのような身体を放っておくにはあまりに惜しいからな。だから、わたしが思う存分しゃぶりつくしてやった…実に美味かったぞ、あの女の身体は、クククッ、ククククククッ」
「な、なっ!?…ウ、ウソよっ…あきらが…あきらがそんなに簡単にやられるわけないわ!…デタラメを…デタラメを言わないでよねっ」
デストレーダーが言い放った無情なその言葉に、常に冷静沈着でクールなさやかにしてはめずらしく、彼女はムキになって感情的に否定する。それだけヤツが言い放ったその言葉はさやかにとって信じたくない事だったからだ。
「フフフッ…常に冷静で判断力に優れているおまえにしては、めずらしく取り乱しているではないか?まぁ無理もないか…確かにわたしが言った事は信じたくはない事だろうからな、ククククッ……だが、残念ながらこれは本当の事だ。その決定的な証拠をこれからわたしがお見せしよう、クククッ、ククククククッ」
そう自信ありげに言うデストレーダー…自信満々のヤツが次に彼女に見せ付けた“物”は彼が言い放ったその言葉を嫌でも信じざるを得ない、決定的な物だった。
ヤツが取り出した大事そうにかかえていた物…それはさやかが履いていた物と同じような“白いロングブーツ”だった。それを見て彼女は驚愕の表情を浮かべる。
「!?…そ、それ…あ、あたしの白いブーツ??…で、でも…そ、それ、あたしのじゃない!?…!…ま、まさか、それ…?」
「フフフッ…そうだ。そのまさかだよ…これはあの桃井あきらの物だ。言っただろう?“あの女”は既にわたしの手の中にあるとな、クククッ、ククククククッ」
「…ウ、ウソ…そ、そんな…そんな、そんな……」
デストレーダーから見せつけられた“決定打”に愕然とするさやか。そ、そんな…あ、あきらが…あきらが……ヤツから突きつけられた、決定的なその証拠に彼女は脱力し、身体からへなへなと力が抜けていってしまう。
そして、その全てを悟った、絶望したような表情を浮かべるさやかを見て、彼はニヤリと満足げな笑みを浮かべた。
「フフフッ…そしてこれからおまえもわたしの手に堕ちる事になる。だが心配しなくてもいいぞ…おまえもすぐ“あの女”と同じ所に連れて行ってやるからな、クククッ、ククククククッ」
「!…そ、そうよ……あ、あなた…あきらを…あきらを一体どうしたのよっ…こ、応えなさい!」
不適な笑みを浮かべるデストレーダーに最後の気力を振り絞り、必死の形相であきらの事を問いただそうとするさやか。だがヤツはそれに対しても何も答えず、自分のスーツのポケットから、ただ“ある物”を取り出そうとする。
それはプラスチックのケースに入った、一枚のCD-ROMだった。??…それを見てさやかは訝しげな表情を浮かべる。
「??…な、何っ…ただのCD?……そ、それ…い、一体何…な、何なのよっ…そ、それが一体何だっていうのよっ?」
「フフフッ…これが何だか分からないようだな?…だが“コイツ”はとても面白い物だぞ。コイツはな……」
その一枚のCD-ROMを取り出したデストレーダーは“そいつ”の説明を嬉々として始めた…これはプレイヤーが生身のまま入れる新感覚のTVゲームである事、その生身の男がゲームに登場する女の子、スーパーヒロインを淫らに弄べるエロゲーである事…
さやかには“これ”の中にそっくりそのまま封じ込まれ、そのゲームに登場してもらう事…そして彼女には“コイツ”の中でずっと、半永久的にプレイヤーに犯され続ける事などが告げられた。
ウ、ウソ…あたしがあんな物の中に??…そ、そんな…そ、そんな事…ウ、ウソよっ……そんな事って……そ、そんな、そんな……デストレーダーによって突如として突きつけられた絶望的な現実…思いもよらない、突然の宣告にさやかの頭の中は一瞬にして真っ白になってしまう。
「フフフッ、心配するな…おまえの大切な仲間、桃井あきらもコイツの仲に放り込んでやった。だから別に寂しがる事は全然ないぞ?…まぁこの中でおまえと“あの女”が会える事は絶対にないだろうけどな、クククッ、ククククククッ」
そ、そんな…あ、あきらも!?…あきらもあんな物の中に……そ、そんな…そんな、そんな……さやかを次々と絶望の淵へと追い込んでいく、淡々とつむがれるデストレーダーの悪意に満ちたその言葉…そして、非常に頭のいいさやかはヤツの言い放ったその言葉にこれからの自分の絶望的な運命を悟ってしまう。
「フフフッ…ではそろそろ終わりにするか?おまえのようなやたら清楚さを強調している娘は確実に需要があるからな…このゲームの中でプレイヤーのモテない男どもの性欲を満たしてやるのも立派な人助けだ…そんな中途半端な強さでこっちの世界の正義の味方のマネごとなんぞやってるよりはよっぽど世の中に貢献できると思うがな、クククッ、ククククッ」
陰湿な笑みをたたえていたデストレーダーがそのような事を言い放つと…パァァァァ…そのCD-ROMが妖しく光りだした。
そ、そんな…そんな、そんな…い、いや、いや、いやっ、いやぁ、いやあぁ、いやああぁぁ!……間もなく訪れるであろう絶望的な瞬間にただ恐怖におびえ、ひたすらブンブンとかぶりを振る事しかできないさやか。そしてデストレーダーは遂に彼女への最後通告を言い放った。
「フフフ…では本当にお別れだ。ゲームの中に入っても元気でな…そしてわたしたち男どもをせいぜい楽しませてくれよ、ククククッ……それから残りの二人も同じような運命をたどらせてやる。おまえらにあんまり寂しい想いをさせてやってはかわいそうだからな、クククッ、ククククッ、ククククククッ」
「…イ、イヤ、イヤ、イヤ、イヤ…!?…い、いやああああぁぁぁぁ!!」
さやかのその甲高い断末魔のような叫び声と共に、デストレーダーの二本の舌と数多くのミニライムたちの糸のように細い腕に手足を絡め取られていた彼女の身体が妖しい光を放つCD-ROMの中に吸い込まれていく。
プシュゥゥゥゥゥ……さやかの身体はその“小さな円盤”の中へと消え、やがてそのCD-ROMも妖しい光を放たなくなる。後に残るのはそのメディアから水蒸気のような白煙が立ち昇るばかりであった。
更には彼が手にしていたその“CD-ROM”には彼女、チェンジマーメイドを表すモノ…デンジピンクを表すピンク色の“D”の文字の右隣に、同じような大きさ、白地に外枠がピンクで象られている“M”の文字が焼き付けられていた。
「フフフッ…これで二匹目だな…クククッ、順調だ…全てが順調だよ、クククッ、ハハハッ、ハーッハッハッハッハッ…!」
自らの行動に酔いしれ、高らかに笑い声を上げるデストレーダー。彼の思惑通り、なす術なく、次々と“狩られて”いってしまう四人の女戦士たち。
「フフフッ、では後は女戦士二匹か…空手家の小娘、大河冴と宇宙警察のメス犬、礼紋茉莉花か、クククッ、ククククククッ…では次はどちらを“狩って”やろうか?ククククッ」
ピッ…彼は先程と同じように小型の携帯モニターを取り出す。そしてヤツは暗く陰湿な目でそのモニターを食い入るように見入る。その視線の先には…残り二人の女戦士、大河冴と礼紋茉莉花・ジャスミンの姿が映っていた。彼は彼女たち二人、どちらを手にしていたCD-ROMの餌食にするか物色していたのだ。
だが彼女たち二人は苦しい戦いは強いられているものの、未だ二人とも善戦していた。彼女たちはメバ星人・ライムがそれぞれ二回分裂して誕生したバケモノ、ライムB1、ライムB2と戦っていた。
ヤツら、メバ星人はその体を分裂させる事によって持っているパワーも体格も3分の2になってしまう…彼らはベースになる体から既に二回分裂している。これまでは女戦士たちを圧倒していた彼らであったが、ヤツらがここまでスケールダウンすれば彼女たちでもそれなりの戦いはできるらしい。
「ほぉ…フフフッ、どうやらコイツらはまだ頑張っているらしいな…まぁ二回も分裂してスケールダウンしているライムが相手だ。さすがにアイツも一対一では結構手こずるらしいな、クククッ、ククククククッ」
そう言いながらもデストレーダーの態度は笑みを浮かべているなどまだまだ余裕たっぷりだ。彼にはこの程度であれば“小娘たちの最後の悪あがき”ぐらいにしか思っていないらしい。
ふむ…そしてそのモニターを見ながらデストレーダーは何やら思案している。!…フフフッ…そしてヤツは何かいい考えを思いついたようだ。更にはこれから彼がどう行動するかも決まったらしい。
「…ではこうするか?この方法がこの二人を料理するのに一番面白そうだからな、クククッ、ククククッ」
そう呟きながら、デストレーダーは先程さやかから奪い取った白いロングブーツとあきらからもぎ取った同じような白いブーツを手にする。そして……スッ。やがて彼はまたもやその場から一瞬にして姿を消した。それはやはり瞬間移動のようなものなのだろうか…?
彼はどちらの女戦士の方へ向かったのか?…それとも何か違う考えがあるのか?…その行方は彼にしか分からない。
ヤツの思うがままに次々と狩られていってしまう四人の女戦士たち。ガオホワイト・大河冴とデカイエロー・礼紋茉莉花・通称ジャスミン…次にデストレーダーのターゲットにされてしまうのは二人の内のどちらなのだろうか…?
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一方、さやかがミニライムの集団に淫らに弄ばれてしまっているその少し後…さやかのいた場所から少し離れた所では宇宙警察の女刑事・ジャスミンとメバ星人・ライムが二度分裂して誕生した生命体、ライムB1が戦っていた。
「あ、ああっ!?…あ、あっ、あああぁ!?……ぐ、ぐっ!?…こ、このスライム君めっ…は、放せ…放して…」
「ふへへへへへっ、そうはいかねえなぁ…オレは黄色いねえちゃんのおっぱいをもみもみしてでっかくしてやるんだからなぁ…そしてねえちゃんを“本当の”デカイエローにしてやるのだぁ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
「ぐ、ぐっ…あ、相変わらずの…変態君…!?…あ、あっ、あぁん…」
彼女、デカイエローこと礼紋茉莉花・ジャスミンは一瞬の隙を突かれてしまい、その身体をライムB1の虜にされてしまっていた。
緑色のロープのように伸びたヤツの右腕が彼女の身体を両腕ごとグルグル巻きにし、身動きがとれなくなってしまったジャスミンを弄ぶようにそのバケモノの左手が彼女の右胸をグリグリと揉みほぐしていく。ヤツの左手の中で淫らに弄ばれてしまう柔らかいその乳房。
「ぐ、ぐっ!?こ、このっ…あ、あっ…レ、レディに…乙女にこんな事するなんて…や、あんっ……そんな事じゃ…女の子に嫌われるわ…よ…あぁん…所詮は…ただのスライム君……や、あっ、あぁん…」
「ふへへっ、何言ってんだぁ?…別にオレは女に気にいってもらいたいなんてこれっぽっちも思ってないんだよぉ。オレは目をつけた女の身体をメチャメチャにしたいだけだからなぁ、ふへへへへへへっ」
「ぐ、ぐっ…まさに女の敵…!?…あ、あっ、やっ、あぁん…」
『フフフッ…中々楽しそうにやっているじゃないか?ライムよ、クククッ、ククククククッ』
んあ?…遭いも変わらずジャスミンの右胸を気持ちよさそうに弄び続けるライムB1。その時…気分よく彼女の右胸を弄ぶライムB1の耳元にトーンの低い、底響きするような声が聞こえてきた。
この事件の黒幕、ジャスミンたち宇宙警察に“死の商人”と呼ばれている男、デストレーダーであった。ここから離れた、いずこかにいる彼がライムB1の耳元につけていた小型の通信機を通じてそのバケモノに囁いてきたのだ。
「んあ?その声はダンナですかい?…それにしてもどうしたんですかい?何か御用で?ふへへへへへへっ」
「あ、あっ!?…ぐ、ぐぅ…や、あっ、あっ…あぁん…」
そう耳元の通信機から囁いてくるデストレーダーの声に、ライムB1は相変わらずジャスミンの右胸の感触を愉しみながら聞いている。
『うむ…実はその宇宙警察のメス犬の“これからの取り扱い方”について相談があるのだ、クククッ、ククククククッ』
「んあ?この黄色いねえちゃんについて?…この黄色いねえちゃんがどうかしたんですかい?ふへへへへへっ」
??…な、何?…コ、コイツ、わたしの事言ってるの?……遭いも変わらず目の前で自分の右胸を揉みほぐしている緑色のバケモノ。そのヤツが何やらブツブツと独り言のような事を呟き始めた事にジャスミンは気付く。そしてその中でそのバケモノが“黄色いねえちゃん”?…明らかに自分を指しているような言葉を言っている事にジャスミンは気付いた。
だがそれは目の前のバケモノ、ライムB1が耳元の通信機から囁いてくる彼の主であるデストレーダーと会話をしていただけなのだ。しかしその事を知らないジャスミンにはヤツが何やらブツブツと独り言を呟いているようにしか見えなかった。
『うむ。そのメス犬の“これから”について相談があるんだが…実は桃井あきらと渚さやかについては既にこちらでケリをつけておいたのだ。特に桃井あきらはわたしが直接しゃぶりつくしてやった…中々のご馳走だったぞ、あの女は、クククッ、ククククククッ』
「へぇ…そいつは実にうらやましい話ですねぇ…オレもあの女にはぜひ、お世話になりたかったんだけどなぁ、ふへへへへへっ」
??…な、何?このスライム君…相変わらず一人で何かブツブツ言ってる……!?…も、もしかして…コ、コイツ、誰かと話してる?!…あ、あれは!?……何やらブツブツと呟いているライムB1を訝しげに見つめるジャスミン。その時、彼女はヤツの耳元に何か光る物がついている事を発見する。
あ、あれ!?つ、通信機??…や、やっぱり誰かと話してるの?…そしてその相手は…も、もしかして…あの“ひょっとこ君”?……ジャスミンはヤツの耳元に通信機のような物が着いている事を発見する。更にその通信の相手になっているのは…あのデストレーダーであると彼女は推測したのだ。
『フフフッ、済まなかったな。おまえの楽しみを一つ取り上げてしまって…おっと、それでだ。残りはそのメス犬とあの小娘だけなのだがな…だがどうやらあの小娘と戦っている別のライムも結構苦労してるみたいなのだ。そこでだ。これからのおまえの行動について相談があるんだがな…』
「へぇ、それでどうしたらいいんですかい?ふへへへへへっ」
や、やっぱり誰かと話してる?…そしてその相手はあの“ひょっとこ君”でほぼ間違いないはず……そ、そういえば…これまでもあのスライム君が何やらブツブツ独り言のような物を呟いていた事があった…も、もしかしてそれもあのひょっとこ君が話し相手だったの?……遭いも変わらずブツブツと独り言のような事を呟いているライムB1。その様子を見てジャスミンは自分の推理が正しい事を確信していく。
『…というわけだ。これからそういう風に動いてくれないか?クククッ、ククククククッ』
「へぇ、それは面白そうですねぇ…わかりやした。じゃあ、ダンナの言う通りに動けばいいんですねぇ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
だとしたら…ひょっとしてこれまでのわたしたちに降りかかってきた事も…あのひょっとこ君がスライム君に指示して全部仕組んでいた事だったっていうの?……頭の中に色々な事がよぎっていた彼女の脳裏にはそんな疑念が浮かんでくる。
『…そうだ。よし、では頼んだぞ、ライム…クククッ、ククククククッ』
「へへっ、わかりやした。ではそうしやすぜぇ、ふへへへへへっ」
…これまでわたしたちに起きてきた事はあまりに不自然な所が多すぎる。まるでわたしたちをわざと殺さないでじわじわと嬲るように…まさか!?…それもあのひょっとこ君が書いたシナリオ通りだったっていうの??…!…き、きゃっ!?
グイィ!…そのような事を周りが見えなくなるほど考え込んでいたジャスミンが、何か物凄い力で身体ごと強引に引っ張られてしまう。見ると、さっきまで何やらブツブツと呟いていたライムB1が彼女を巻きつけていた右腕でグイグイと引っ張っていたのだ。
ドンッ!きゃっ!?……そして緑色のバケモノに引き寄せられてしまったジャスミンは、そのヤツに背中から身体を抱きかかえられてしまう。ムギュッ…更に、ジャスミンを引き寄せたライムB1は、余っていた左手で彼女の柔らかい左胸のふくらみを宇宙警察の制服の上から、ムギュムギュと揉みほぐしていく。
「ふへへへっ…相変わらずいいおっぱいしてるよなぁ…少しの間とはいえ“これ”とお別れするのは実に惜しいぜぇ、ふへへへへへっ」
「あ、あっ!?…な、何なのよ?今度はっ?…あ、あっ、あんっ…」
「ふへへへへっ…ちょっと色々と事情があってなぁ、黄色いねえちゃんとは遊べなくなっちまったのさぁ、ふへへへへへっ…そういうわけなんであんたには少しおとなしくしてもらう細工をしてやろうってわけなのだぁ、ふへへへへへっ」
ぐ、ぐっ!?……そう言いながらライムB1はジャスミンの身体に巻きつけていた右腕を彼女の身体に巻きつけたまま自分の体から切り離し、新しい右腕を作り出す。そして…。
ムギュッ。ぁ、ぁんっ!?…その右腕をジャスミンの股下から通して、そのまま右手で下着越しに彼女の股間をムンズと握りつぶしたのだ。スススッ…更にその手は制服の上からいやらしく彼女の肢体を胸元へもぞもぞと這い上がり…ムギュッ。!?…あ、あんっ……その手がすかさず彼女の右胸を握りつぶす。モミモミと揉みほぐされるジャスミンのその乳房。
「や、あ、あっ!?…さ、さっきから何っ!?…い、一体何がしたいのよ?この変態君!」
「…黄色いねえちゃんの“アソコ”は初めて触らせてもらったが、おっぱいに劣らず実にゴキゲンだぜぇ、ふへへへへへっ……おっと!?本当はこんな事して遊んでる場合じゃなかったんだよなぁ。あんたの身体が本当にゴキゲンだからつい調子に乗っちまったぜぇ、ふへへへっ…それじゃあ早速お仕事に取り掛かるかぁ?ふへへっ、ふへへへへへっ」
スススッ…ジャスミンの右胸をとらえていたライムB1の右手が更に彼女の身体を這い回り、その手はジャスミンの右肩越しに背中へと回される。スススッ…大蛇のようにジャスミンにまとわりつくその手は彼女の腰、ヒップの中心を這い回り、再びジャスミンの股下へと通される。
「く、くっ!?…な、何っ!?一体何なのっ」
宇宙警察の制服の上からとはいえ、自分の身体を気味悪く這い回る半透明で緑色の触手のようなゼリー状のその物体にジャスミンは言い知れぬ不快感を覚え、思わず身震いしてしまう。そして…ムギュッ。!?あ、あんっ…再度、彼女の股下へとたどり付いていたその手が二度(にたび)ジャスミンの股間をムンズと握りつぶしたのだ。
だが今回はそれ以上彼女の股間を弄ぶでもなく、その手はジャスミンの胸元目掛けてそそくさと這い上がっていく。彼女の肢体をモゾモゾと這い回る緑色の悪魔の手…その手は今度、彼女の左胸へと襲い掛かる。
また!?さ、さっきから何なのっ!?……だが今回はジャスミンの左胸をもそそくさと素通りしていく。??…またてっきり自分の身体を悪戯されると覚悟していた彼女は少し拍子抜けする。そんなジャスミンの胸の内とは関係なくその手は左肩越しに背中へと回される。そして先程と同じようにその手はまたもや彼女のヒップの方へと降りていく。
彼女の身体へそんな事を三、四回と繰り返していくライムB1。??…一体ヤツが何をしているのか、サッパリ事態が飲み込めないジャスミン。
だけどこのスライム君が“何かよからぬ事”を企んでいる事は間違いないはず…そう想い彼女はこのバケモノへの警戒を怠らず、行動を注意深く観察していると…。
「…これで完了だぁ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
「!?…完了?ど、どういう事…?」
何か意味深な言い回しのライムB1。ブチンッ。ヤツが先程までジャスミンに巻きつける作業をしていた右腕を彼女の腰辺りまで伸ばしてまたもや自分の身体から切り離し、新しい右腕を作り出す。??…未だ、自分に何が起きているのかまったく理解できないジャスミン。だが次の瞬間…。
グイィ!…!?…いつの間にか彼女の左胸から左手を放していたライムB1が、ジャスミンの左肩から垂れ下がっていた先程ライムB1が引きちぎったヤツの断片を、その手でグイグイと引っ張り始めたのだ。ギュッ、ギュッ…ヤツが彼女に巻きつかせていたライムB1の断片を引っ張る度に、それがジャスミンの股間へグイグイと食い込んでいく。
「な!?や、あ、あ、あっ、あんっ…」
「ふへへへへっ…いい感じにエロいんじゃねえかぁ?…特にその股間に緑色のオレの腕がグイグイと食い込んでるところなんかたまらなくいいぜぇ、ふへへへへへっ」
「な!?や、あっ!?や、やめ…!?あ、あっ、あんっ…」
ヤツの言う通り、緑色のそれはジャスミンの股間にいやらしく、グイグイと食い込んでいる。見ると、彼女の身体は先程ライムB1が巻きつけていた緑色の断片によってグルグル巻きに拘束されていたのだ。
股間から右肩へ、そこからまた股下を通して左肩へ…そのようにライムB1の緑色の断片にグルグル巻きに拘束されているジャスミンの身体は、股間を中心にして超鋭角のハイレグカットの水着のように、ライムB1のそれがその肢体にいやらしくギリ、ギリと食い込んでいる。
「ほれぃ、ほれぃ…ふへへへへっ」
「あ、あっ!?ぐ、ぐっ!?…や、あ、あっ、あ、あぁん…」
ギュッ、ギュッ…ヤツが先程ジャスミンの身体に巻きつけていたそれを引っ張るたびに、彼女の身体がビクン、ビクンとわずかに浮き上がり、ヤツの断片が更にジャスミンの肢体へとキツク、容赦なく締まっていく。
「ふへへへっ…そろそろいいかぁ?ふへへへへへっ」
ぐ、ぐっ!?…!?…あ、あ、あっ!?」
グイイィ!…彼女の身体に巻きつけていたそれを楽しげに引っ張っていたライムB1が“トドメ”と言わんばかりに最後にジャスミンの身体を…股間をグイィと絞め上げる。
ふへへっ、ふへへへへっ…次にライムB1は最初に拘束していたジャスミンの両腕を両方とも右手で掴み取りにする。!?な、何するの!?あ、あっ!?……そしてあっさりと掴み取った彼女の両手を余っていた左手を使い、左肩から垂れ下がっていたヤツの断片を使って彼女を後ろ手にする。
両肩、股間とジャスミンは一本のヤツの断片でグルグル巻きに拘束されてしまい、更にはそれで両手も後ろに回され完全に自由を封じられてしまったのである。
「ふへへっ、次はこんな事もしてみるかぁ?ふへへっ、ふへへへへへっ」
「ぐ、ぐっ!?…こ、今度は何っ?…き、きゃっ!?」
ジャスミンへの拘束を完成させたライムB1は、彼女の股間に右手を、頭部に左手を添えて彼女の身体をうつぶせにして、頭上に軽々と持ち上げてしまう。
「ふへへへへっ…黄色いねえちゃんの“アソコ”は本当にいい感じだぜぇ、ほうれぃ、ほうれぃ…ふへへへへへっ」
「!?…やっ、あっ…ぐ、ぐっ…こ、この変態スライム君めっ…放せっ、放して…」
うつぶせにライムB1の頭上にゆっさゆっさと抱え上げられてしまうジャスミン。彼女の股間を掴んでいるヤツの右手の指が、モゾモゾといやらしくそこを動き回る。
や、あっ…ぐ、ぐっ!?…自分の秘所の周りをせわしなく動き回るヤツの指の感覚にジャスミンの顔は汗ばみ、頬を真っ赤に染めていってしまう。く、くぅ!?こ、この…!?…その時、彼女の頭部を掴んでいた左手からジャスミンの頭の中にライムB1の“心の闇”が流れ込んできた。
{ふへへへっ…これで黄色いねえちゃんはもう動けねえなぁ…よし、この隙にあのちっこいおじょうちゃんと…ふへへっ、ふへへへっ、ふへへへへへっ}
はっ!?……“ちっこいおじょうちゃん”って?…冴ちゃん??もしかして冴ちゃんの事?…コ、コイツ冴ちゃんに何かしようとしてる?……冴へハッキリと向けられるヤツの剥きだしの欲望…ジャスミンは思いがけずライムB1の“邪な心”を読み取ってしまう。
く、くっ…こ、このままじゃ冴ちゃんが…冴ちゃんが…!…き、きゃっ!?……そのような事を考えていたジャスミンが、彼女を抱え上げていたライムB1に地面に向かって勢いよくまるでボディスラムのようにうつぶせに放り投げられてしまう。
ドスンッ!ああぅ…う、ううぅ……身体の正面から地面に勢いよく叩きつけられたため、ロクに受身を取る事もできず全身に走る激痛に身悶えるジャスミン。
「あ、ああぅ…ぐ、ぐっ、ケホッ、ケホッ…!?…や、あ…う、ううぅ…」
ふへへっ、ふへへへへっ…グリ、グリ、グリ……ジャスミンを地面へうつぶせに転がしたライムB1は、痛みに身悶えている彼女の尻をグリ、グリと力強く踏みつける。
「あ、う、ううぅ…ぐ、ぐっ!?…お、おまえ冴ちゃんを…冴ちゃんをどうするつもりなのっ?」
「あ?何だぁ、そいつは?知らねえなぁ…ふへへへへへっ」
「とぼけないで!長い黒髪の小柄な女の子の事よ!…わ、わたしにこんな事して…その間に冴ちゃんに何をするつもりっ?」
「あぁ?さぁ、知らねえなぁ?…オラァ違う用事を頼まれてるんでなぁ。あのちっこいおじょうちゃんの事なんかちっともわからねえぜぇ、ふへへへへへっ」
ぐっ!?コ、コイツ……!…あ、ああぅ!?…ジャスミンの問いかけにもあくまでシラを切りとおそうとするライムB1。そんなヤツはうつぶせに転がしている彼女の尻を“最後のおまけ”と言わんばかりに力強くグリッと足蹴にする。
「ふへへへっ…そういうわけなんでオラァちょいと用事ができちまったから、黄色いねえちゃんとは遊べなくなっちまったんだよなぁ…でも用事を片付けたら、後でまた楽しく遊んでやるからなぁ。それまでちーっと待っててくれよなぁ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
ぐ、ぐっ…!…ああぅ!?……そう言い、ヤツはジャスミンの尻を最後に大きく足蹴にして、例の“ふへへへっ…”という下卑た笑い声を上げながら、深緑の濃霧の中へと姿を消していった。その姿を彼女は苦々しく見つめる事しかできなかった…。
く、くっ…わ、わたしは見た。明らかに冴ちゃんに向けられているアイツの剥き出しの欲望を…あ、あのスライム君はわたしを動けなくしておいてその間に冴ちゃんを…冴ちゃんを……立ち去る寸前にあのバケモノはジャスミンの質問に答えようとはしなかった。
だが自身のエスパー能力でヤツの“心の闇”を見てしまっていた彼女にはあのバケモノが、何故自分から離れていったのか分かっていた。自分から自由を奪っておいて、その間に孤立無援の冴を“あいつら”の“欲望の餌食”にしようと…ヤツらが次に起こすであろう行動を予測すればするほどジャスミンの脳裏には嫌な想像がもたげてきてしまう。
と、とにかくこのままじゃ冴ちゃんが…ま、まずわたしを縛ってる“コイツ”を何とかしないと…う、く、くぅ……はうぅ!
身体の自由を取り戻すため、ジャスミンは上体をえびぞり気味ニさせ両手を後ろ手にしているライムB1の束縛を引きちぎろうと両腕に力を込める。だが彼女が身体をえびぞりにさせていたその時、ジャスミンの股間に何かが食い込むような妙な感覚に彼女は襲われ、突然全身から急激に力が抜けていってしまう。
!?…な、何っ、今の??……自分を襲った股間への突然の違和感とそれに伴う脱力感にとまどいの色が隠せないジャスミン。はっ!そ、そうよ…今はそんな事言ってる場合じゃ…ぐ、ぐっ…も、もう一度……あ、く、ううぅ…はうう!……ま、また!?……再び上体をえびぞりにさせながら、自分の両手を後ろ手にしているライムB1の束縛を引きちぎろうと再度、両腕に懸命に力を込めるジャスミン。だがその彼女の股間に再び何かが食い込むような感覚が襲う。
な、何っ!?わ、わたしが身体を起こそうとするたびに股間に何かが食い込むようなヘンな感覚が…!…も、もしかして“コレ”!?…わ、わたしが少しでも身体を起こそうとすると、さっきスライム君がわたしに巻きつけていた“コレ”がわたしのオマタに食い込むようになってる??
ぐ、ぐっ!?…あ、あのスライム君…どこまで変態君なの??……ライムB1が先程ジャスミンに仕掛けていた狡猾で淫らな罠…ヤツが先程から仕込んでいた卑猥なそれに彼女は苛立ち、またあきれ返っていた。
…っ…な、…るのっ…や…て……やぁ…やあぁ。
!何っ!?さ、冴ちゃん??……遠くの方からかすかに聞こえてくる聞き覚えのある少女の悲鳴…それはまさしくジャスミンの不安が的中してしまったものだった。
ぐ、ぐっ…こ、こんなことしてる場合じゃない。こうしてる間にも冴ちゃんが、冴ちゃんが……か、身体を…上体を動かさないようにすればわたしのオマタに“コレ”が食い込む事もないはず。…よ、よし、もう一度……ふ、う、く、んぐぐっ……今度、ジャスミンは先程のように自身の上体をえびぞらせないようにして、両腕の力だけで後ろ手の束縛を引きちぎろうとうつぶせの状態のまま、両腕に力を入れていく。
だがジャスミンは地球人の性質として、元々体力的に劣る女性である。しかも彼女は特に腕力に秀でているわけではなかったのだ。そんな彼女が幾ら頑張ってみてもライムB1の束縛がそう簡単に解けるわけもなかった。
…っ…ぐっ…ぅ、っ……はぁ、はぁ、はぁ……ダ、ダメ。わたしの力じゃとても外せそうにない。どうすれば……後ろ手の束縛が全然外せそうになく、途方に暮れるジャスミン。だがヤツらはそんな彼女にそのような猶予も与えてくれない。
…めてっ……ぁ、…やあぁ、……あぁぁ!
!…さ、冴ちゃん!?ぐ、ぐっ……先程よりも大きな冴の悲鳴がジャスミンの耳元に聞こえてくる。その冴の悲しい叫び声がジャスミンの焦燥感とあせりを更に強くしていく。
ぐ、ぐっ!?……こ、このままじゃ本当に冴ちゃんが、冴ちゃんが…う、く、ふっ、くぅ……お、お願い、外れて、お願い、うっ、くっ……先程にも増して大きくなる冴の悲鳴にジャスミンはあせりの色をドンドン濃くしていく。
もはや彼女にいつもの冷静な判断力や思考は存在していなかった。ただ一刻も早く冴の元に行って上げたい、一人あの卑猥な強姦魔たちの食い物にされている“あの子”の力になってあげたい…その一心だけでジャスミンは自分の後ろ手の束縛を無我夢中に引きちぎろうとしていた。
だがやはり無常にも彼女の後ろ手の拘束はそう簡単に外れそうにない。傍目には、ジャスミンは地面に転がる芋虫のように身体をじたばたとさせているようにしか見えなかった。
うっ、くっ…お、お願い、外れて…ふっ、ぐぅ……!はうぅ!?……その時、わずかに上体をそらすような格好になってしまっていた彼女の股間に、再びライムB1の断片が容赦なく食い込む。
っ…あ、あぅ…はぁ、はぁ、はぁ……ダ、ダメ。やっぱりわたしの力じゃ外せない。本当にどうすればいいの?……嫌というほど己の無力さを痛感させられてしまうジャスミン。弱気の虫を除かせる彼女は徐々に気力を失っていってしまう…。
…ゃめて、…ぅやめて…ゃめて、ゃめて…ぃやあぁ、ぃゃああぁぁ、ぃやあああぁぁぁぁ!!
ぁ、ぁぁ……さ、冴ちゃん!?…ぐ、う、ううぅ…わ、わたしって…わたしって何て無力なの?…あの子はわたしなんかの事をあんなに頼りにしてくれてるのに……そ、それなのに…それなのにわたしは…わたしは…う、ううぅ……どうすることもできない状況に、今の彼女は自分の力の無さを嘆く事しかできない。肉体的にだけでなく、精神的にも打ちのめされてしまっているジャスミンの“心”はもはや折られてしまう寸前だった…。
ーー…ジャスミンさん…ーー
!?…冴ちゃん!?……ジャスミンがただ悲しみに暮れていたその時、不意に彼女の頭の中に後姿からこちらに笑顔で振り返ってくる冴が浮かんできた…ジャスミンの頭の中の冴はいつもと変わらぬ笑顔を彼女に振りまいてくる。
ーージャスミンさん、ジャスミンさん…ーー
うぅ、ぐ、ぐぐ……浮かんでは消え、また浮かんでは消え……頭の中の冴はまるで連続写真のようにジャスミンに笑顔で振り返ってくる。
ーー…がんばりましょうね!ジャスミンさん…ーー
ーージャスミンさん、ジャスミンさん…ーー
!…う、ぐ、ぐっ…そ、そうよ…わ、わたしはあの子を…冴ちゃんを元の時代に還してあげるって決めたんだから……ジャスミンの脳裏に浮かんでくる冴が…笑顔を振りまいてくる彼女が自分の力の無さに打ちのめされ、心が折れる寸前だったジャスミンを再び奮い立たせていく。
あの子のあの笑顔がまた見たいから…笑って冴ちゃんを元の時代に送り還してあげたいから…だ、だから…だからそれまでは…そ、それまでわたしは…わ、わたしは負けられないっ。こんな所で倒れるわけにはいかないのよ!……そんな一念だけが…冴への強い想いだけが、拘束されて自由に身動きが取れないジャスミンの身体を、再度突き動かしていく。
ぐ、ぐっ…何の…コニ…シキ……冴への強い想いで気力を取り戻したジャスミンが、再び後ろ手の束縛を引きちぎろうと両腕に懸命に力を込めていく。
だが先程までジャスミンがこの束縛から再三逃れようとしても叶わなかったライムB1によって仕込まれた拘束である。気力を取り戻した彼女が再度、後ろ手の拘束から逃れようと試みても、そう簡単に外す事はできないと思われていたのだが…。
ブチンッ!…えっ!?き、切れた??……しかしジャスミンの執念によるものなのか、はたまた冴への強い想いが生み出した力によるものなのか、ジャスミンを束縛していたそれは意外なほどあっけなく引きちぎれる。何はともあれ、ジャスミンの自由を奪い取っていた後ろ手の拘束を、彼女は自分の力で引きちぎる事に成功した。
や、やった!……遂に両手の自由を取り戻す事に成功し、喜ぶジャスミン。だが何のことは無い。彼女の後ろ手の拘束はある程度時間が経つと、束縛がゆるむようにあのライムB1に仕込まれていたのだ。
もっと言えばあのライムB1はデストレーダーからの通信でそのように支持されていたのだ。一定時間ジャスミンの自由を奪い取り、その間に孤立無援にした冴をヤツらの欲望の餌食にするために…。
そしてライムB1の拘束を脱出したジャスミンは冴の悲鳴を聞いて懸命に助けようと必ず彼女の下へ来る…しかし自由を取り戻してようやく冴の下に辿り着いたジャスミンに、ヤツらは拘束によって生み出された時間差によって既にボロボロにした冴を見せ付ける腹積もりだったのだ。
そんな上体にされた冴を見せ付けられたジャスミンの精神的なショックは計り知れないはずだ。ヤツらは、いやデストレーダーは徹底的にジャスミンを追い詰めていく腹積もりだった。
だがそんなヤツらの思惑など知る由も無かったジャスミンは、あの後ろ手の束縛も“あくまで”自分の力で引きちぎったと思い込んでいた。冴ちゃんへの強い想いが、わたしの限界を超えた力を引き出したんだ……彼女はそのくらいにしか思っていなかった。
何はともあれ、両手の自由を取り戻したジャスミンは自分の身体に巻きついていた緑色のゼリー状の物体を引き剥がしていく。よ、よし…こ、これで冴ちゃんを助けにいける……完全に身体の自由を取り戻したジャスミン。そんな彼女からは失いかけた闘志が再びよみがえっていく。
…いやぁ…いやああぁぁ、い、いやああぁぁぁぁ!!
「!…冴ちゃん……待ってて。今からわたしが、わたしが…どうかそれまでは無事でいて…」
完全に自由を取り戻したジャスミン。ダッ!…そう呟くと彼女はますます大きくなっていく冴の悲鳴が聞こえてくる方向に向かって懸命に、祈るような思いで駆け出した。彼女たちには一体どのような運命が待ち受けているのだろうか…?
*************
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
深緑の濃霧の中…激しく息を切らしながらジャスミンは懸命に駆けていた。恐らくは一人、あの卑劣極まりない強姦魔たちの食い物にされているであろう冴の下に向かって一目散に駆けていたのだ。
早く…一刻も早く冴ちゃんの下に行ってあげなきゃ……早く…早く行かないと取り返しの付かない事になっちゃう……一刻も早く冴の下に行かなければ、彼女はあの卑猥な強姦魔たちのなすがままにされてしまう…。
自身も今までヤツらに受けた数々の恥辱責めに相当消耗しているはずなのだが…今のジャスミンにはそのような事はまったく頭になかった。
…や、やめてっ…い、いやあぁ、いやああぁぁ…い、いやああぁぁぁ!
!…冴ちゃん……ぐ、ぐっ!?…お、お願い…わたしが行くまでどうか無事でいて……ジャスミンの耳元に届く冴の悲鳴は徐々に大きくなっていく…彼女は祈るような気持ちで、冴の下へ向かって必死に駆けていた。
***********
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
…深緑の濃霧の中、懸命に駆けていたジャスミン。やがて彼女の視界に何かの緑色の物体が入ってきた。あの緑色の強姦魔、ライムである。
はぁ、はぁ…!…あ、あのスライム君!?それも二体!?……どうやら彼女と同じぐらいの身長の二体のライムが、お互いに向き合うようにして何かを挟み込んでいるようだ。彼女が更にヤツらに近づいていくと…全長2cmぐらい、数多くの緑色で見るからに不気味な生物たちが二体のライムたちの周りをうごめいている。
「あ?黄色いねえちゃんだぜぇ、ふへへへへへっ」
ジャスミンの姿を認めた、彼女に向き合うように向いていたライムが口を開く。
「…そうかぁ?じゃあ黄色いねえちゃんには“これ”を見せてやらないとなぁ…どんな反応をするか楽しみだぜぇ、ふへへへへへっ」
「??…わ、わたしに見せたいもの?どんな反応をするかって……ど、どういうことよっ!?」
そのライムに向かい合うようにジャスミンに背を向けていたもう一体のライムが、後ろにいる彼女に振り返りながら言う。??…そのジャスミンはヤツらが言う意味がまったく理解できず、訝しげな表情を浮かべる。
でも何で?…頭の中の嫌な予感がドンドン強くなっていくのは…何でなの?……しかしジャスミンは脳裏に何かいい知れぬ不安を感じていた。その原因が何であるか、彼女にはまったく分からない。だが、ジャスミンの頭の中にはとてつもない嫌な予感がじわじわと広がっていくのを彼女は感じていたのだ。
ふへへっ、ふへへへへっ…やがてジャスミンに背を向けていたライムが、自分たちが挟み込んでいた物を彼女に見せ付けるようにこちらに向き直ってくる。それは全体的に肌色のような色をしている。上の方には長い黒髪のようなものもついている。どうやら何かのマネキン人形のようなもの??…ジャスミンは最初そのように考えた。
!…いや、違う…!?…ま、まさか……しかし彼女はそれは間違いだとすぐに気付いた。そしてもう一体のライムが抱きかかえていたそれが何であるか分かるに連れて、ジャスミンの顔はドンドンと青ざめていく。更には先程自分が感じていた嫌な予感の正体も分かってしまう事に…。
「…ぁ…ぁ……ぁ……ジャス…ミ…さ…ん……」
「!?…ウ…ソ…ウソ…ウソでしょ?……さ、冴…ちゃん…冴ちゃん!…冴ちゃんっ、冴ちゃぁぁぁん!!」
二体のライムがジャスミンに見せ付けたもの…それはヤツらにひたすら淫らに弄ばれ続け変わり果ててしまった冴の姿だった。
彼女が身に纏っていた黒を貴重とした上着や白のホットパンツは、見る影も無くボロボロに引き裂かれ、冴の色白の肌や小ぶりな乳房はほぼ露にさせられていた。
その色白の身体は唾液のような、緑色の液体でドロドロにまみれている。恐らくはその身体をヤツらに散々舐めまわされたのに違いない。
また冴の股間からは半透明で白っぽいものと、赤く、血のようなものが混ざった液体がトロトロと流れ出てきていた。恐らく彼女は自身の“女”を貫かれてしまったのだろう。
そして、ネオシャーマンでもある冴はいわゆる“汚れなき純潔の少女”であった。だが、たった今それはこの醜い緑色の強姦魔たちによって汚されてしまったのだ。彼女の股間からはいやらしい液体と共に、“汚れなき純潔”の証である赤い液体も流れ出てきていた。
「…ぁ…ぁ…ジャス…ミ…さん……ジャ…ミ…さ……」
そのあどけない顔立ちを何本もの涙腺でクシャクシャに汚している冴は、焦点の定まっていない瞳で、ただうつろを見上げ、震えが止まらないその唇から彼女が“姉”のように慕っていたジャスミンの名をかすかに、弱々しく呟くばかりだった。
「…冴ちゃん!冴ちゃん!…冴ちゃぁん!……そ、そんな…う、ううぅ…」
そのあまりに変わり果てた、ショッキングな冴の姿を見て、ジャスミンは悲痛な涙声で冴の名を叫ぶばかりだった。
「ふへへへへっ…ダンナからこのちっこいおじょうちゃんが処女のままじゃ“商品”として使い物にならねえって話でなぁ…だからそうなる前にオレたちがこのおじょうちゃんの“初めて”を奪ってやったのさぁ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
「…冴ちゃん…冴ちゃん……」
相変わらずの下卑た笑い声を上げ、冴の小ぶりな乳房をペシペシとはたいている、彼女を背中から抱きかかえているライム。茫然自失のジャスミンはそんなヤツの卑猥な行動を前にしても何の反応も示さない。ただ震える口元から弱々しく冴の名前を発するばかりだった。
「…それにしてもこのちっこいおじょうちゃん、オレたちに犯され続けてる間、ずっと黄色いねえちゃんの名前を言い続けてたぜぇ…あんた、よっぽどこのおじょうちゃんになつかれていたんだなぁ…あ?それともあんたらレズだったのかぁ?ふへへっ、ふへへへへへっ」
ぷちんっ。この卑劣な強姦魔のその言葉にジャスミンの中で何かが弾けるような音がした。それに冴は最後まで自分の助けを待っていた。でも自分はそんな彼女の何の力にもなってあげられなかった。
…そんな自分が情けない、大切な仲間一人守ってあげる事ができない力のない自分が悔しい、許せない、そして冴をここまでの姿にしてしまったヤツらへの怒り、憎しみ……ジャスミンの心の底から、様々な感情が湧き上がってくる。そしてそれが彼女から理性をも奪い取っていく。
「…よ、よくも…よくも冴ちゃんを…冴ちゃんを……」
「ふへへへっ…オレたちから黄色いねえちゃんへのプレゼント、気にいってもらえたかなぁ、ふへへっ、ふへへへへへっ」
採算に渡って陵辱し尽した冴を、誇らしげにジャスミンに見せ付ける二体のライムたち。彼女は押し黙ったまま、ややうつむき加減に地面を見つめている。だがその内心の怒りのボルテージはドンドンと上がってきている。ジャスミンの身体は徐々に怒りに打ち震えていき、右の拳をギリッと握り締め、力強く握り締めていたその手からは紅いものがにじみ出てきていた。
「……るさない……許さない!許さないっ!…う、うわああああぁぁぁぁぁ!!」
自分への、ヤツらへの怒り、憎しみ…全ての感情が爆発したジャスミンが、何の考えもなく右の拳を振り上げて二体のライムたちに突っ込んでいく。
シュルシュルシュル…えっ!?…ビシィッ!あっ!?……怒り狂うジャスミンが二体のライムたちに猛然と突っ込んでいくその時、薄い朱色の一本の触手のようなものが彼女の身体に巻きついてきた。
!?…な、何っ、コレ?ぐ、ぐっ……突然自分に絡み付いてきた触手のようなものに驚愕しているジャスミン。シュルシュルシュル、シュルシュルシュル…だが彼女には、同じような薄い触手のようなものがまだまだ襲い掛かってくる。ビシィッ!ビシィッ!…あ、あっ!?し、しまっ……同じようにジャスミンに襲い掛かってきた四本の薄い朱色の触手のようなものが、それぞれ彼女の両手足を絡め取ってきた。
あ、あっ…ぐ、ぐぅ!?……胴回り、両手足と絡め取られ、身体の自由を完全に封じ込まれてしまうジャスミン。う、く、う、くぅ……絡み付いてくるそれを彼女も何とか振りほどこうとする。あ、ああっ!?あああっ!?…だがそんなジャスミンの行動をあざ笑うかのように、彼女の身体に巻きついているそれがギリ、ギリとジャスミンを絞め上げていく。
「フフフッ…随分といい格好じゃないか?…久しぶりだな、宇宙警察のメス犬、ククククッ」
ジャスミンが自分から自由を奪い取っているその薄い朱色の触手のようなものから必死に逃れようと身悶えていたその時…彼女の前方、濃霧の中からトーンの低い、底響きするような男の声が聞こえてくる。!…だ、誰っ!?……突然聞こえてきた低い声にジャスミンも視線をそちらに向ける。
ククククッ……ザッ、ザッ、ザッ…やがて濃霧の中から、その低い声の主がゆっくりと姿を現す。黒い坊主頭、浅黒い顔、横に大きく裂けた口、縦に四つずつ碁盤目状に並ぶ八つの目…ドス黒い、まがまがしいオーラを発しながらその男は彼女の前に姿を現した。
!…だが何よりもジャスミンを驚かせたのは、この男から薄赤い、五本の細長い舌が触手のように伸びていた事だ。更に彼女に向かってニュルニュルと伸びていたそれが自分の身体、両手足を絡め取っている。
「ぐ、ぐっ!?…お、おまえは一体誰っ?誰なのっ!?」
「誰だと?…フフフッ、さっきからおまえたちの事を随分とかわいがってやってるのにな…随分なあいさつじゃないか、宇宙警察のメス犬、クククッ、ククククククッ」
「さっきからわたしたちをかわいがってる?…その口ぶり…そしてその低い声……!…ま、まさかおまえ…ひょっとして……あの“ひょっとこ君”!?」
ジャスミンは最初、自分を絡め取っているその男が誰であるかまったく分からなかった。だがその言葉遣い、話す内容からそれはあの憎むべき男、デストレーダーであるとようやく理解した。あの特徴的な“ひょっとこ”のようなお面はしていないが、ヤツはまぎれもなくデストレーダーだ…遅まきながら彼女はそう確信する。
「フフフッ、そういうことだ…それにしてもその“面白いセンス”は相変わらずだな…なぁ、宇宙警察のメス犬、クククッ、ククククククッ」
「ぐ、ぐっ!?…そ、それが…おまえの正体…?……!…はっ!?な、何っ!?…あ、あっ…イ、イヤッ…!?な、何なの!?…あ、あっ、あんっ…」
ふへへへっ、ふへへへへへっ…ジャスミンの意識がデストレーダーに集中していたその時、二体のライムの周りにうごめいていた、数匹の緑色の小さな蟲のような生物が彼女の身体目掛けて襲い掛かってきた。しかも、よく見るとそれはあのライムが何回も分裂して誕生したのであろう、いわゆる“ミニライム”と言えるような小さなバケモノたちだったのだ。
更にその数体のミニライムたちはジャスミンの身に着けていた服の中へ次々と潜り込んでくる。な!?…や、あ、あ、あっ……彼女の衣服の中に潜り込んだその小さなバケモノたちは、先程チェンジマーメイド・渚さやかを責め立てた時のようにジャスミンの肢体を次々と辱めていく。
「フフフッ、まぁ待て、ライム…そのメス犬を今すぐにでも“つまみ食い”したくなるのは分かるんだけどな…だが、わたしはそのメス犬に一つのとある面白い“ショー”を見せてやりたいのだ…それにそのメス犬は後でたっぷり楽しませてやる。そのメス犬と戯れるのはそれからでもいいだろう?…なぁライムよ、クククッ、ククククククッ」
「ええ~っ、!…またこの黄色いねえちゃん“おあずけ”ですかい?…まぁ後でゆっくり遊ばせてくれるんなら別にいいですがねぇ、ふへへへへへっ」
やや不満な様子を見せながらも、ジャスミンの身に着けていた衣服の中に潜り込んでいたミニライムたちは、次々と彼女の身体から離れていく。
「く、くっ!?…た、楽しい“ショー”って一体何よっ…そ、それにおまえみたいな凶悪犯に何見せられても楽しいわけなんかあるわけないでしょ!?…“八つ目君”」
また?…“楽しい事”と言いつつ、ヤツらが自分たちにとってまたよからぬ事を企んでいる事は、これまでのヤツらの行動パターンからもジャスミンには分かっていた。そんな中、彼女が例の独特のセンスでデストレーダーに命名した名前は、彼女なりの腹いせのようなものだったのかもしれない。
フフフッ……やがてデストレーダーはスーツのポケットの中から“ある物”を取り出す…それはプラスチックのケースに入った、一枚のCD-ROMだった。
「??…な、何!?ただの“CD”?…な、何なのそれ!?それで何しようって言うのよっ!?」
「フフフッ、まぁ見てれば分かるさ、ククククッ……おい、その小娘をわたしの近くへ連れて来い…」
ジャスミンのその懸命の問いかけにもデストレーダーは特に詳しくしゃべろうとはしない。ただ“だまって見ていろ”と……やがて彼は既にボロボロにした冴を自分の近くへよこすように言う。一体のライムに背中から抱きかかえられ、ヤツの近くにこさせられる冴。
さ、冴ちゃん……その無残な姿の冴を改めて目の当たりにし、その惨い姿に思わず目をそらしてしまうジャスミン。
「フフフッ…これから楽しい“ショー”が始まるのだ。見ていなくていいのか?…おまえが“妹”のようにかわいがっていた“コイツ”にこれから楽しい運命が待っているのだぞ?それでも見ていなくていいのか?…クククッ、ククククククッ」
「!…さ、冴ちゃんに!?……お、おまえたち、冴ちゃんにそれ以上一体何しようっていうのよっ!」
「フフフッ、まぁ見てれば分かるさ…おまえのかわいい“妹分”に起こる楽しい事をよぉくその目に焼き付けておくのだな、クククッ、ククククククッ」
く、くっ…相変わらずデストレーダーは何をしようとしているのか、詳しくしゃべろうとはしない。だがその話す端々から、ヤツが冴に何かしようとしている事は確かなようだ。それもとてつもなく恐ろしい事を…。
!…ま、また!?またこの感覚!?また嫌な事が起こる前ぶれなの?それも冴ちゃんに…?……ぐ、ぐっ…さ、冴ちゃん……。
ジャスミンの頭の中にはまたしても“あの嫌な予感”がもたげてくる。しかもそれが先程はあからさまに的中してしまったのだ。じゃあ今回も?…さ、冴ちゃん……先程と同じようにジャスミンの頭の中には言い知れぬ不安がじわじわと侵食していく。
「ではそろそろいくぞ…これからこの小娘に起こる楽しい出来事をよぉく見て置けよ、ククククッ」
陰湿な笑みをたたえていたデストレーダーがそのように言い放つと…パァァァァ…そのCD-ROMが妖しく光りだした。
何!?あのCDが光出した?…一体何が始まるって言うの!?…さ、冴ちゃん……その妖しく光るCD-ROMがジャスミンの頭の中の不安感を更に強くしていく。
「…ぁ…ぁ……ぁ…ジャス…ミ…さん…ジャス…ミ…さ……!?…い、いやあああぁぁぁぁ!!」
相変わらず弱々しくジャスミンの名を呟くだけの冴。そんな彼女の断末魔のような叫び声と共に、一体のライムに背中から抱きかかえられていた冴の身体が妖しい光を放つCD-ROMの中に吸い込まれていく。
「!…ウソ!?さ、冴ちゃん!?…冴ちゃん、冴ちゃん!…冴ちゃぁぁぁぁぁん!!」
その“小さな円盤”になす術なく吸い込まれていく冴を目の当たりにし、悲しい涙声で、ひたすら冴の名前を叫び続ける事しかできないジャスミン。プシュゥゥゥゥゥ……やがて冴の身体はそのCD-ROMの中へと完全に消えてしまった…。
- 以下 捕獲されたヒロインたち 全ての終幕へ続く -