- 最後の水着がif… エピローグ -

…こうして人間たちの最後の希望、国際空軍所属の特殊部隊・オーレンジャーは、マシン帝国バラノイアにあっけなく敗れ去ってしまった。
それから1週間後-。侵略者に対しての盾と矛を失ってしまった地球は、その大地をなす術無くマシン帝国に蹂躙されてしまうのだった。
まもなく機械たちの占領下に置かれてしまう人間たち。しかしその人間たちからは、不思議と不満の声はそれほど出なかったという。特に生物学上『オス』に分類される者たちからは。
人間たちを支配下に置くにあたり、マシン帝国バラノイアは人間たちの不満を『ある二つの』はけ口を用意することによって巧妙に対処していたのだ。
その一つがかつて日本列島と呼ばれた地域-。オーレンジャーとバラノイアの最後の戦いの地となった浜辺に設置された2つの十字架である。
もちろん『ただの十字架』が人間たちのはけ口となっていたわけではない。その十字架へ磔にされていた『二人の女性』が人間たち、特に男たちのはけ口として絶大な効果を発揮していたのだ。
そしてその二人の女性とは、二人とも元オーレンジャーの女性隊員-。一人は元オーイエロー・二条樹里中尉、もう一人は元オーピンク・丸尾桃中尉である。
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『…ウソ……ウソでしょ…こんなのウソよ!樹里!樹里!ジュリィィィィィ!!』
マシン獣によって、そして敵に操られた仲間たちによって散々に犯されてしまった樹里。樹里への『一連の行為』を終え、操られていた意識を元に戻された桃は、すっかり変わり果ててしまったかつての親友の姿を目の当たりにしてただただ泣きじゃくるばかりだった。
『止めて!みんな止めて!イヤァ、イヤァァ、イヤアアアァァァ!!』
だが、桃には悲しんでいる暇など与えてはもらえなかった。何故なら彼女にもすぐさま樹里と同じような運命が用意されていたのだから。
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かくして樹里と同じような状態にさせられてしまった哀れな桃。それぞれ黄緑と真紅のビキニで申し訳程度にその柔肌を覆い隠し、彼女たちは十字架磔にされ、うつろな瞳でぐったりとうなだれている。
「スゲー!ホントにこんな美女を触り放題だぜ!」
しかしそんな彼女たちのうつろな表情とは裏腹に、樹里と桃の周りはいつも人、特に満たされていない男たちで溢れかえっている。
男たちは『巡礼』と称して世界中からこの浜辺へと集まり、一人約1分間彼女たちとの『スキンシップタイム』を愉しんで帰路へと着く。
しかもその『スキンシップタイム』の間の時間だけは何をしても構わない。身に付けているビキニを強引に剥いてしまっても、彼女たちとの接吻を強要したとしても、可能であれば彼女たちとの『本番』に至ってしまったとしても構わない。
それは例え彼女たちが『スキンシップタイム』の中でどのようにメチャクチャにされてしまったとしても、1分後には『バラノイアの超化学』で元通りになってしまうからだ。もちろん無料である。
しかもその対象となる二人の女性はいずれ劣らぬ美女であり、共に抜群のスタイルと『巨乳』と呼べるような豊満なモノをその肢体に抱えている樹里と桃なのだ。機械たちによって虐げられていた人間、特に男たちにとっては格好のはけ口となっていたに違いない。

そしてもう一つのはけ口-。それが『とあるビデオ』の存在である。このビデオをマシン帝国バラノイアは、人間たちへのはけ口として大量に、もちろん無料でひたすらバラまき続けた。
そのビデオの内容はいわゆる『男もののAV』のようなものなのだが、ここではそのビデオの内容を特別に紹介しよう。
そのビデオのパッケージには『とあるビキニ姿の美女』の写真が一面を占めている。そしてそれは『あの』元オーイエロー・二条樹里がそれまで着ていた金属になりそうな水着を脱ぎ棄て、黄緑のビキニ姿をバラクローズへ見せつけている、あの大胆な樹里の姿だったのだ。
当然、このビデオに収録されている内容はオーイエロー・二条樹里の最後の戦いとなったバラクローズとの壮絶な戦闘の模様である。その詳細については今更詳しく述べる必要もないだろう。
そして世界中の多くの人間たちは『この戦い』の模様を知っている。あの興奮をもう一度-。だから、このビデオが人間たちのはけ口として機能しているのだろう。
また、あの戦いを知らない者に対してはビデオのパッケージの端に添えられていた次の一文が、どうやら意外なほど効果を発揮していたらしい。
なお、パッケージの端にはこのような一文が添えられていたという。彼女の『最後の水着がif…』と。

-完-