- 痴漢列車 恥辱まみれの白き人魚 前編 -
「んっん~ん…ぁぁ…今日も疲れたわね…」
ややカールがかった黒いセミロングの髪の若い女性、“渚さやか”が身体全体で伸びをしながら言う。
…午後8時頃、ここは地下鉄××線の○○駅のホーム、彼女は一日の仕事(任務)を終え、自宅のマンションへの帰路へと着こうとしていた。
彼女は地球を宇宙の外敵の侵略から守っている“地球守備隊”の一員であった。
そしてさやかはその中の“電撃戦隊”と呼ばれる特殊部隊の一員として、さらにその中の5人しかいない精鋭中の精鋭である別名“チェンジマン”として活躍していた。
その事から侵略者との戦いが激しいときなどは、電撃戦隊秘密基地のプライベートルームでの泊り込みになることもしばしばあった。
そして彼女たちは、現在宇宙からの侵略者“大星団ゴズマ”と激しく交戦中であった。
だが最近はゴズマによる侵攻活動もおとなしく、さやかもこうしてほとんどの日において自宅であるマンションに帰宅することができた。
基地内のプライベートルームも並のホテルなどよりは快適な環境であるし、任務に必要な物は基地内に全て置いてあるので、あえて自宅へ帰宅する必要性はなかったのだが、
“自宅に戻り、普通の平和な生活を送る”ことで自分たちのやっていることが間違ってないと感じ、“あの苦しくて辛い非日常”はムダではないと感じることが大切なことであるとさやかは思っていた。 それにさやかも基地に泊まり込みになる事に特に不満はなかったが、“たまにはやっぱり自宅でリラックスしたいものよね”とは常に思っていた。
「んっん~ん…ぁぁ」(んん~、たまにはゆっくり湯船にでもつかってリラックスしようかな…?)
駅のホームの真ん中で再びキモチよさそうに伸びをするさやか。
やや華奢ながら女性らしいふくよかで丸みを帯びた身体のラインを包み込んだ半袖のスーツ、ミニスカート、そしてロングブーツ、身に着けているもの全てが“白”の彼女のいで立ちはどこにいても目立ち、またその格好は彼女の理知的な顔立ちと清楚さを一層際立たせ見栄えがした。
そしてさやかも、戦闘などで軽快に動くことが要求されるこの地球守備隊では、動きやすいこの服装を好み何着かの同じような衣装をいつも愛用していた。
…数分後、やがて地下鉄の下り列車がホームに滑り込んで来る。大勢の人々がその列車に乗り込んでいく。
さやかもまた、人込みの流れに身を任せ、その列車の先頭車両へと乗り込んでいく。ちょうど帰宅ラッシュの時間だからなのか、社内は身動きがとれないほどの人であふれかえっていた。
その中で彼女は扉と扉の間、車両のほぼ中央あたりで帰宅途中のサラリーマンと学ランを着た高校生風の学生たちにもみくちゃにされていた。
(ううぅ…ふぅ…この電車のラッシュだけはどうしても慣れないのよね…)
160cm弱のさやかは自分より慎重の高い男たちにはさまれ、押しつぶされながらそんなことを心の中で呟く。
しばらくそんな状態が続いていると…サワッ…そんな混雑のどさくさに紛れ込むように何者かが、ミニスカートに包まれたさやかのヒップに触れてきたのだ。
(きゃっ!?…何?)
後方からの尻への突然の不快感に身体をビクッとさせ全身を緊張させこわばらせるさやか。
最初はこの満員電車のせいでたまたまそれが触れてしまっただけ、そのくらいならまだいいわ…
彼女がそんな風に思っていると、その感触はどんどんその行動をエスカレートさせていき、今度はミニスカートの中に侵入しアンダースコート越しに、その柔らかい感触を確かめるようにさやかの尻に触れてきたのだ。
その柔らかな肉付きを確かめるようにヒップをドーナツ状に撫で回していくその感触。
(きゃぁ!?…くっ、何っ…ぐっ)
さやかは身動きが取れない社内で懸命に身体を右向きによじりその不快感を与えてくる招待を確かめようとする。
そこには中年のサラリーマン風の男がニヤニヤしながら、白いミニスカートの中へ右手を忍び込ませ彼女の尻をさすっている姿があった。
(くっ、痴漢?…このっ!)
ガシッ。さやかは不快感を与えてくる原因であるその手を自身の右手で掴みその痴漢を愉しんでいた男を問いただそうとする。
「ちょっ、何して…えっ!?…あっ、あっ」
ムニュ。身体を右によじり痴漢をしていた男を問いただそうとしていたところへ今度は前から学ランを着た高校生風の男がさやかの両胸を鷲掴みにしてきたのだ。
その両手が白いスーツの上から彼女のそれほどのボリュームはないが形のよい双乳を乱暴に揉みほぐしていく。
「へぇ、気持ちいいや…おねえさん、いいおっぱいしてるよねえ」
やはりニヤつき口元をゆるませながらその学生は気持ち良さそうに両手でさやかの胸を揉みほぐしている。
「あん…ちょっ…あなた…あん…たち何して…あん…このっ」
彼女は目の前で恍惚な表情を浮かべ、自分の両胸を揉みほぐしている学生を空いている左手で思いっきり張ろうとする。
ガシッ。だがその左腕も彼女の左脇にいた別の男によって掴み取られ押さえ込まれてしまった。
「えっ!?何っ?…なんで?あっ、あっ、あん」
目の前の学生を張ろうとしていた左腕を掴まれとまどうさやか。さらに右腕、両太腿も次々と取り押さえられていく…。
そして四肢を取り押さえられた状態で両胸を揉みほぐされ、尻も相変わらずその感触を味わうようにすりすりとさすられている彼女。
「あっ、あっ、あっ、あん…」(いやっ…この人たちどうして?…えっ?)
次々と自分に降りかかってくる痴漢行為に、瞳を閉じ、上を向き、艶めかしく喘ぎながら快楽にいざなわれていくさやか。そんな中でも何とか瞳をこじ開け周りを見やり、あることに気づく彼女。
そこで彼女が見たものは自分の周りにいる乗客、いやこの車両に乗っている人間全てが焦点が定まっていない、世紀の感じられない、何者かに操られているような表情をしていた事だった。
(この人たち…みんな何かに操られている?…まさか…ゴズマ?あっ、あっ…いやっ、今度は何っ?)
そしてさやかの右の太腿に抱きついていた若い私服の男が、右手を前からミニスカートの中に忍び込ませ、アンダースコート越しに彼女の股間をまさぐり始めた。その手はすかさずさやかの秘所を探り当て、巧みな指使いでそれを的確に刺激していく。
「あっ、あっ、あん、あん…」
「へへっ、ねえちゃん、随分色っぽい声で喘ぐよなぁ…もっとその“かわいい声”を聞かせてくれよ、へへへへっ」
数々の痴漢行為にただただ喘ぐ事しかできないさやか。双乳への揉みほぐし、尻を愛撫する感触、そして的確な秘所への指使い…様々な性感帯への責めが彼女を快楽の渦へと飲み込んでいく…。
(う、うぅ…でももし本当にゴズマが絡んでいるとしたら…このままやられるわけにはいかないっ)
「くっ…えぇぇいっ!」
数々の性感への責めで脱力氏快楽の海へと飲み込まれそうになっていたさやかは、“アースフォース”で増幅された自身の力を振り絞り、自分に組み付いていた乗客を必死で払いのけていく。
周りにいた乗客を振り払ったせいか、彼女の周辺にはぽっかりと何もない空間ができる。
「はぁ…はぁ…はぁ…」(…よしチャンスだわ…このスキに変身を…)
そう思いさやかが“チェンジブレス”を身につけている左腕を頭上に掲げアースフォースを身に纏った戦士“チェンジマーメイド”に変身しようとする。
「レッツ!チェ…きゃっ!?あっ、あっ、あん」(えっ!?…いやっ、何っ!?)
変身の体勢を取っていたところへの突然の脱力感にとまどうさやか。頭上に左腕を掲げた状態で、先程の痴漢行為ですっかりぬれてしまった彼女の股間を何者かがむんずと握りつぶしている。
そこにはいつの間にかさやかの腰くらいの身の丈の少年、金髪に赤いキャップを逆向きにかぶり青い瞳をした男の子が存在していた。彼は彼女のミニスカートの中に右手を忍び込ませまったくの無表情でさやかの股間をムギュッと握りつぶしている。
「ふーん…おねえさんとっても強いんだねぇ…ぼくが直接手を打たなきゃいけないことなんてほとんどないのになぁ…」
そう言いながら彼はすっかりぬれてしまったさやかの純白のアンダースコート越しに彼女の股間を、秘部をたんたんとまさぐっている。そして一度は彼女に振り払われた周りの男たちもまた徐々に組みついてくる。
さやかは色白で肉付きのいい両太腿、細い両腕に次々と取り付かれ再び四肢の自由が利かない状態にされてしまう。
(くっ…こんな子が?…いったい何者なの?)
「あっ、あん、あっ、あん、あん、ああっ」
先程まで痴漢していた男たちよりも巧みな指使いがさやかをあっという間に悦楽へといざなっていく…彼女も再び周囲の束縛から逃れようと全身に力をこめようとするが何故か身体に上手く力が入らない。
(くぅ…か、体に力が…力が入らない?…って言うより抜けていってるの…?)
さやかは“この少年”に股間をいじられるたびに全身から力を吸い取られるような不思議な感覚を感じていた。だが彼女はそんな状態でも四肢の自由を取り戻そうと懸命にもがいている。
しかしそんな彼女へ容赦のない痴漢行為が…今度はガタいのいいスポーツマン風の男がさやかの後ろから抱きつき、両脇から胸へ両手を回してきたのだ。
その男は彼女の身につけているブラに指がめりこまんばかりに、さやかの両胸を無言で力強く握りつぶし揉みほぐしている。
「………」
「あっ、あぁ…あっ、あっ、あぁ…あぁ、ああぁ…」
力のない、風船から空気が抜けるような甘い吐息と喘ぎ声がさやかから漏れてくる。
「あはははっ、おねえさんホントに色っぽい声で喘ぐよねぇ…そうだ、おねえさんとより楽しく遊ぶのにそのブラも邪魔だから外してあげるよ…うふふふっ」
(えっ??)
パチンッ。少年が無邪気にそんな事を言い、空いていた左手の指を鳴らすとさやかのブラジャーのホックが本当に外れてしまった。
するとさやかの両胸を揉んでいた後ろの男が、彼女の双乳にカップがきれいにはまっていたブラを徐々にずらしていき、お腹の辺りまでズリおとしていく。
(えっ?どうして勝手に?)「あっ、あん…」
ブラが外されスーツの上からとはいえ両胸をもまれている感触がよりじかに伝わってくる。スーツ越しにさやかの乳に食い込んでくる左右10本の指…そして両手の中指と薬指が彼女の乳首を白い衣の上から起用につまみ刺激を与えてくる。
「あっ、あん…あっ、あっ、あん…あっ、あん、あん、あぁぁぁん…」(いやっ、いやぁ…いやあぁ…)
よりじかに肌へ伝わってくる双乳への愛撫の感触…股間から脱力感を与えてくる少年の巧みな手の動き…より激しく、甘い吐息がさやかから漏れてくる。
額にはじっとりと汗をかき、その瞳はだんだんと潤んできた。彼女は頬を真っ赤に染め、すっかり顔を蒸気させてしまっている。
「う…う、ううぅ…あ…なた、あん…な、あっ…にもの、あん…なの?」
これまでの度々の性感への責めによる激しい体力の消耗と、少年が与えてくる脱力感で息も絶え絶えにその彼に問いかけるさやか。
「そうだねぇ、おねえさんにはとても楽しませてもらったから特別に答えてあげようかな?あははははっ」
相変わらずさやかの股間をいじりながら無邪気に笑いながら言う少年。
「う、ううぅ…あ…なた、あっ…ゴ…ズマ、あん…なの?…あぁぁぁん」
途切れ途切れに甘い吐息が混じりながら言う彼女。
「ゴズマ?何台それは?…違うよ、ぼくはただ趣味でこうやって痴漢をやってるだけさ…ただし“全宇宙的に”だけどね、うふふふふふっ」
(ゴズマ…じゃない?…じゃあ…いったい…何者…なの?)
「そうそう、言いわすれてたけどね、今この列車は次元のはざまにいて時間が止まってるんだよね、ただし、普通の時間で30分くらいだけど…だから、おねえさんとはたっぷり遊んであげられるからその辺は心配しなくていいよ。あっ、別に心配なんかしてないか?…あははははっ」
(くっ…う、ううぅ…)
薄れ行く意識の中でさやかは様々な思いを頭の中に巡らせていた。
(…この少年は“ただの痴漢”でゴズマとは何も関係ない?…でも自分はその“ただの痴漢”に襲われてなにもできない…でもコイツは不思議な力を持っていて…あたし、このままやられちゃうのかな…?)頭の回転の速いさやかは遠くなる意識の中、そんなことを次々と思い浮かべている。彼女は照点の定まってない瞳で列車の天井を見上げ、口からだらしなく涎をたらしていた。
周りにいた乗客も我先と競わんばかりにさやかの身体に組み付きその感触を確かめるように愛撫してくる。
脇の下…腰周り…細い腕…ムチッとした色白で肉付きのいい太腿…周りの人間が気持ちよく愛撫するたびにさやかには耐え難い性的な感触が伝わってくる。
その上相変わらず責められている両胸と股間…特に股間への責めは不思議な脱力感を彼女に与え、だんだんと意識を奪っていく。
「ぁぁ…ぁぁ…」(ああ…も…もう…ダ…メ…み…んな…ゴメ…ン)
ガクッ。さやかはとうとう首を後ろにたれ気を失ってしまった。身体を力無くだらりとたらし後ろから彼女に組みついていた男に体をあずけ完全に抱きかかえられている状態になっている。その顔は汗ばみ苦しげな表情で意識を失っていた。
右の瞼からは恥辱から流した一筋の悔し涙の跡が頬を伝っている…そして、周りにいた乗客たちは相変わらず彼女の身体を揉みくちゃにし弄んでいた。
「あれつ、もう気を失っちゃったの?…もうちょっと楽しめると思ったのに…しょうがないなぁ…みんな、もうその女(ひと)から離れていいよ」
そう少年が周りの人間に号令を掛けると、その男たちは後ろから彼女に抱きついていた男を除き、波が一気に引くようにさやかの身体から離れていく。そして彼自身も彼女の股間に突っ込んでいた右手を引き離す。
そこには散々弄ばれ身につけていた服装を乱され力無く身体を後ろから抱きかかえられているさやかの姿があった。
「…ぼくがやりたいのは痴漢して色っぽく喘いでいる女の人を眺めることだからねぇ…それがおねえさんみたいにキレイでかわいい声の人なら尚更なんだけど…でも意識のない女(ひと)を悪戯する趣味はないしね…」
ムニュ。そう言うと少年はさやかの左のふくらみに右手を当て何か不思議な力を彼女へ放出する。すると乱れたさやかの白い衣装はみるみるうちに悪戯される前の姿へと戻っていく…すっかり濡れてシミのついたアンダースコートも白くよどみのない、元通りの状態へと戻っていく。
さやかの乱れた黒髪、汗ばんだ白い肌や頬の涙の跡も何事もなかったかのように彼女の身体はすっかりキレイに戻っていた。
「…これでよし、と…でもこのままにしておくのも無責任だから、おねえさんには少し休んでてもらおうかな♪…そっか、あんだけ痴漢させてもらって無責任もなにもないよね、あはははっ」
力無くぐったりし、後ろにいた男に両脇からグイッと持ち上げられ、白いロングブーツの踵を浮かされているさやかを目の前に無邪気に笑う少年。
彼は後ろにいたその男に左腕を彼女の背中に回し右腕で両脚をひょいと抱えさせ、いわゆるさやかを“お姫様だっこ”のような状態にさせる。
そして7人掛けのロングシートの一番右端に後ろの壁と横の手すりに寄りかかるようにさやかを座らせた。
そんな彼女ははたから見ると仕事や遊びに疲れ、帰りの電車の中ですやすやと居眠りをしている若いOLや大学生のようにしか見えない。
「こんな感じかな?…それにしてもホンット気持ち良さそうに寝ているよね…それにこの寝顔、ホントにキレイだよなぁ」
そんなことを言い、少年は子猫を見るような目つきでさやかの左の頬をやさしくさすっている。
「でもおねえさんと遊ぶのはホントに楽しかったよなぁ…このまま別れるのは勿体ないけど…でもこの列車はもうすぐこの異次元空間から出ちゃうんだよね…だからまた遊んであげるね♪」
ポフッ。そう言い、彼は悲しそうな表情を浮かべながらさやかの胸のふくらみへ顔をうずめている。しかし、その行為はどこか気持ち良さそうだ。
「いっけねぇ…せっかく元に戻したのにまた悪戯しちゃいけないよね♪」
そう言うと少年は彼女から離れ、どこからか紙とペンを取り出しそれに何かメモを書いてさやかの膝元へそれをポンッと置く。
「これでよしっ、と…じゃ、また遊ぼうね♪それじゃ」
そう言うと彼はさやかの胸をポンッと叩き、操っていた乗客への催眠効果を解き何処かへ去っていった…催眠が解けた乗客は糸の切れた操り人形のように力無くその場へ倒れていく…。
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しばらくして…列車が次元のはざまから抜け出し、次の停車駅である△△駅に辿り付く…。
「う、ううん…はっ!?…こ、ここは…?」
列車のロングシートに座らされていたさやかが意識を取り戻す…。
(ここはさっきの列車の中?でも、あたし…たって満員電車に揺られていたはずなのに…何で座席に座ってるの…?)
記憶が途絶える前の状況と明らかに異なることにとまどう彼女…そして、何故このような状態になっているのか、さやかは脳内の記憶を巡らせ懸命に思い出そうとしている。
(!そうだわ…確か…あたしは満員電車で立ったままたくさんの人たちにいやらしいことされて…変身しようとしたところへ変な子に弄ばれて…でもそれからどうなったか覚えてない…)
そう少し前の事を思い出しているさやかはその時のことを思い返していくうちに、だんだん頬を染め、顔が真っ赤になっていく。
(まさか…ただの悪い夢だったって言うの?…いや違うわ…あんなに鮮明に覚えているんだもの…でも、なら立っていたはずなのに何で座っているわけ?…それにあんなに揉みくちゃにされたのに…何で着てる服もキレイなの…??)
身につけている自身の白いスーツを触りながら、自分の着ている物が特に何もないことにとまどうさやか。
そして彼女は自身の胸にそっと左手を当て、お腹のあたりまでズリおとされていたはずのブラも何も変わったことがないことを確認する。と同時にどうやら濡れていたはずの下着も何ともないことにさらにとまどいを覚える。
(やっぱり何ともない…どうして?…わからない…わからないわ?)
頭の中に刻銘に浮かぶ情景はあるのだがそれがどうしても今の自分と納得する形で繋がらない…少し前のことなのに…首を振って益々混乱の色が濃くなる彼女。
そんなことを考えながらしばらく自分の身体を見つめていると、さやかは膝元にメモのような小さな紙切れが二つ折りにして置いてあることに気づく。
(…えっ?…これは?)
さやかはそれを拾い上げ、その紙を開き中に書いてあることを確認する…そして彼女はその書いてある内容を見て驚愕する。
そこにはこのように書かれてあった。
▼おねえさん楽しかったね。また遊んであげるよ、じゃあね♪▼
(これって、あの子の…やっぱりあれは夢なんかじゃなかったんだわ…)
脳裏にあの淫靡な感覚が鮮明に蘇り、さやかはメモを持つ手が小刻みに振るえ背筋には冷たいものが流れていくのを感じていた…。
(でも、それならあたしの服装はもっと乱れてたはず…これもあの子が元に戻したって言うの?それにここにあたしを座らせたのも…でもどうやって…?)
そんなことを考えていると彼女の自宅の最寄り駅である□□駅に列車が辿り付く。そこで彼女はスクッと立ち上がり列車を降りながらある事を考えていた。
(でもあんな子をあのまま野放しにしておくわけにはいかないわ…次に会ったら今度こそ…)
自動改札をくぐり駅の外へと出るさやか。夜空の星々を見上げながら、彼女はそんなことを心の中で呟き、家への帰路へと付いていった…。
-続く-