- 電撃戦隊チェンジマン外伝 白き人魚と蘇った宇宙獣士vol.2 -

「うふふ、変身したわね、でもムダよ。そのキレイな白いスーツも醜くドロにまみれさせてあげるわ…さあ、マーゾ、やりなさい!」
「はっ、アハメス様…そういうことだ、渚さやか、グフォフォフォフォフォ」
そしてマーゾはさやかに向かってのっしのっしと間合いを詰めてくる。
「いくわよっ、マーゾ」
ビシュ、ビシュ…光線銃タイプになったマーメイドのチェンジソードから無数の光弾がマーゾを襲う。
バァン、バァン…火花を散らし次々とマーゾにヒットする光弾。しかしマーゾには効いてる様子がない。
「グフォフォフォフォフォ…どうした、そんなものか?渚さやか」
「くっ…まだよ、やあああぁ!」
銃が効かないと見るや、今度はチェンジソードをソードタイプに切り替え、気合と共にマーゾに切りかかり突進していく。
ガシッ、ガシッ…マーゾに剣による接近戦で猛ラッシュを仕掛けていくさやか。だがマーゾはそれを自身の触手で余裕の笑みを浮かべ受け流していく。
自分の攻撃がいとも簡単に受け流されていくことにとまどうさやか。
(くっ…あたしの攻撃が通じない?…どうして??)
「グフォフォフォフォフォ、軽い軽い、こんなものか?チェンジマンの力は?寝てしまいそうだぞ、グフォフォフォフォフォフォ」
「なっ…ぐっ…このっ…やあああぁ!」
余裕の表情で言う挑発めいたマーゾの言葉にさやかは逆上し、大きく剣を振りかぶり甲高い奇声を上げ、今までより大振りの攻撃を仕掛ける。
ガシッ。しかし、マーゾの右の肩口へのさやかの渾身の振り下ろしは一本のマーゾの触手でいとも簡単に受け止められてしまう。
「あっ!?…く、くぅ」
その触手で徐々にチェンジソードを絡め取っていくマーゾ。そのままそれを力任せに刃先から強引にさやかの両手から引き抜こうとする。
「グフォフォフォ、こんなおもちゃはおまえには要らないのではないか?それそれいっ」
「ぐぅ…あ、ああっ…」(何!?…すごい力…あたしの攻撃が通じなかった事といい…どうして…?)
いとも簡単に彼女の手元から引き抜かれていくチェンジソード。以前に倒したときとは明らかに違うマーゾの戦闘能力にとまどうさやか。
「うふふふっ、そういえば言い忘れてたけどマーゾは復活させたときにいろんな部分をパワーアップさせてるからねぇ…以前のそいつと同じように考えない方がいいわよぉ…あら、もう遅かったかしら?おーっほっほっほっほっ」
(なっ??)
傍らで見ていたアハメスの言葉がさやかの脳裏に浮かんだ疑問を解決する。が、今の彼女の窮地が続いていくことには何も変わらない。
ビシッ。続いてマーゾは別の所から一本触手を出し、同様しているさやかの首に巻きつかせギリギリと絞め上げていく。
「あっ?…ぐ、ぐぅ…あ、ああっ」
苦しそうにか細い呻き声を上げ、自身の首に巻きついている触手を両手で引き剥がそうとするさやか。
ギリギリギリッ…だがそれは一向に外れる様子もなく、逆に徐々にその絞め上げる力が強くなっていく。
「ぅうう…ぐっ…うぅ…ぁぁ…ぁぁ…」
「グフォフォフォフォフォ…苦しそうだな、渚さやか?…だがまだまだ続くぞ、グフォフォフォフォフォ」
そう言うとマーゾはその首を絞め上げている触手でそのままさやかを宙釣りにしていく。
「あっ、ああっ…ぐぅ…うぅ…う、ううぅ…ぁ、ぁぁ…」
つま先がわずかに届かない状態で地面から浮かされているさやか。
彼女は両手で首を絞めている触手を必死で引き剥がそうとしている。さやかの地面に届かないその足が宙をむなしくバタバタと蹴り上げている。
絞め上げているその触手がさやかの意識を確実に奪っていく。
(く、苦し…い…この…ままじゃ…やられ…る…み…んな…)
だんだんと意識が薄れ視界が白じみ始めた頃、さやかの首を絞めていたマーゾの触手が突然緩み始めた。
(ううぅ…えっ?…な、なんで?)
突然首を絞めている触手が緩くなったことで、さやかはマスクの中で怪訝そうな表情を浮かべている。
「グフォフォフォフォフォ、不思議そうだな?…これから楽しいことをするのに、あまりキツく絞めているとおまえの悲鳴がよく聞こえなくなるからな、渚さやか…グフォフォフォフォフォ」
そう言うとマーゾはチェンジソードを持っていた触手からその剣を無造作に放り投げ、その触手でさやかの左胸に迫っていった。
彼女の左のふくらみをその触手が蛇のように這い回っていく。
「ひゃっ!?…なっ!?…いやっ…あっ、あっ、ああっ」
性感への突然の刺激に身体をビクッとさせるさやか。その感覚を嫌がるように身体をくねらせ、首の触手を剥がそうとしていた左手で胸を弄ぶ触手を掴み外そうとする。
「グフォフォフォフォ…やたら反応がいいな…おまえはこんなことは地球人の男にされたことはないのか?グフォフォフォフォフォ」
さやかのその様子を見て悦に入っているマーゾ。乳首を捕らえたマーゾはさらにいやらしくそれに先端が吸い付くように触手を操っていく。
「あ、あっ…あっ、あっ…やめ…あ、ああっ」
マスクの中のさやかは瞳を潤ませ顔を真っ赤にして色っぽく喘いでいる。次第に彼女の首と胸の触手を引き剥がそうとしている両手から力が抜けていく。
(いやっ、こんなこと…コイツ宇宙獣士のクセにどうして?…あっ、あん)
いやらしく身体を弄ばれてる際でも、頭の回転の速いさやかの頭脳はそんな疑問を感じ、完全に悦楽に身を委ねることができない。
そんなとまどいと恥じらいの様子をアハメスが傍らでニヤニヤしながら眺めている。
「うふふふふふっ、いい反応だねぇ…それに随分いい声で鳴くじゃないか?いやらしい娘だねぇ?…おーっほっほっほっほっ」
「う、ううぅ…ど、どうして…あん…こんな…こと…あっ…する…の…あ、あんっ」
艶めかしい喘ぎ声を上げながらアハメスに脳裏に浮かんだ疑問を問いただすさやか。そんな疑問にニヤつきながら答えるアハメス。
「あら、言ったわよねぇ…“いろんなところをパワーアップした”って…そういえば性欲もだいぶパワーアップされてるみたいだねぇ」
さらにアハメスは続ける。
「でも喜んでいいんじゃなくて?それだけあんたが“いい女”ってことなんだから…それにその身体のラインがハッキリ出るピッタリしたスーツはかなりいやらしいわよねぇ?そりゃ女に興味があれば欲情するんじゃないかしら?…おーっほっほっほっほっ」
悶え苦しむさやかを見て満足そうにペラペラと説明し続けるアハメス。
「(くっ…そんな…ことが…)あ、あ、あんっ「
なおも執拗な左胸への責めに身体をくねらせ艶めかしく喘ぐさやか。
「グフフフフフッ、では次の段階にいかせてもらうとするか…グフォフォフォフォ」
そういうとマーゾは自身の体からもう一本触手を取り出し、さやかの右胸に向かって迫っていく…さやかもそれを阻止するために自身の右手でそれを掴みにかかる。
「い、いやっ…こ、来ないで…ああっ…ああっ」
その触手は掴みかかってきたさやかの手をはねのけ、左胸を弄り回してきた触手も彼女の逆の手を道の小石をどけるようにバシッと払いのける。
そしてその二本の触手がムチのようにしなりを上げてさやかの双乳を打ちつける。
ビシッバシッビシッバシッビシッバシッ…ムチのような触手の雨がさやかの形のよいキレイな両胸を打ち続ける。
打ちつけられるたびにそこからバァンバァンと火花が飛び散り、悲鳴とも喘ぎ声とも言えないようなさやかの悩ましい叫び声が上がる。
「きゃあ、いやあぁ…ああっ、ああっ…ああっ、ああっ、あああっ」
首に巻きつかれている一本の触手だけで宙に吊り上げられているさやか。
脚をバタつかせいやいやをしながら、触手に打ちつけられるリズムに合わせ彼女の肢体が悶え苦しむ。
「あらあら、そんなに身体をくねらせちゃって…随分楽しそうじゃないか、渚さやか?…おーっほっほっほっほっ」
なす術なく一方的にマーゾになぶられているさやか。そんな哀れな女先史の姿をアハメスは満足そうに眺めている。
「う、ううぅ…はぁ…はぁ…はぁ…」
数十秒後、やがてムチのような触手の嵐から開放されるさやか。
マーゾの触手に釣られながら彼女は身体全体をだらりとたらし、肩で大きく息をしている。
打たれ続けたその光沢のある純白のチェンジスーツ、女性らしい胸のふくらみは黒く焼けただれている。
スーツの回路がショートしたのか、そこからプスプスと白煙が上がっていた。
(な、なんとか…しなきゃ…でもどう…したら…)
頭の中で必死に反撃の機会を探っているさやか。だが、そのすぐれた頭脳からでもいい回答は見出すことができない。
「グフォフォ、あまり首を絞めすぎて死なれても困るからな、おまえを解放してやろう…グフォフォフォフォフォ」
(えっ!?…)
そう言うとマーゾは小石が散らばる地面にさやかをうつぶせに放り投げる。
「ああぁん!…う、ううぅ…うっ…くっ…」
さやかは言うことの利かない身体を必死に動かし、右腕を伸ばし地面を掴み何とか体を起こそうとしている。
「グフフッ、そんなに起きたいのか?…ではオレ様が起こしてやろう、グフォフォフォフォフォ」
そう言うマーゾから4本の触手が飛び出してくる。
ビシッ。その4本の触手がそれぞれさやかの両手首、両足首に巻きつき、彼女の身体を自身の体へ抱き込むように引き寄せる。
「ああぁぁんっ…くっ…は、離して、話なさいっ」
「グフフフ、そう言うな、まだまだ楽しもうではないか?渚さやか…グフォフォフォフォフォ」
そう言うとマーゾから3本の触手がニュルニュルと出てくる。そのうちの2本はさやかの両胸を弄び、もう一本は彼女の股間へいやらしく押しつけてくる。
「きゃあ、どこ触って…あっ、あっ…や、やめて…あっ…い、いやあぁ…あっ、あっ」
その触手が与えてくる不快感から何とか逃れようと懸命に身をよじらせるさやか。だが別の触手で手足を縛られている彼女の四肢は、ただむなしくその身をもだえさせるだけだった。
「そうか、そんなに気持ちいいのか?ここか?ここか?…グフォフォフォフォ」
「きゃあ、あん…あん、あん…あ、あ、ああん」
さやかのその反応を楽しむようにせっせと痴漢行為にいそしむマーゾ。
マスクの中の彼女は汗ばみ頬を真っ赤に染めだらしなく涎をたらし、すっかり顔を蒸気させてしまっている。その瞳は潤み、目をとろんとさせていた。
「…それにしても地球人の女というのはこんなに気持ちいいものなのか?いろいろ柔らかいぞ、渚さやか…グフォフォフォフォフォ」
そんなマーゾから新たに2本の触手がニョキニョキと出てくる。そしてその一本がさやかの上半身を、もう一本が彼女の右の太腿に巻きつきなぞるように撫でまわしていく。
身体を触手がなぞるたびに、その繊毛がチェンジスーツ越しにさやかに不快な感触を与えていく。
「あっ、ああっ、ああっ…いやあぁ…ああっ…ああぁ」(やだぁ…キモチ…悪い)
その感触にたまらず悲鳴を上げ続けるさやか。そんな彼女からやや離れた正面の位置にアハメスがつかつかと近づいてくる。
「おーっほっほっほっほっ、いい格好だねぇ、渚さやか」
「う、う、ううぅ…」
高らかに哄笑するアハメス。どうやら哀れな女先史の姿は、すっかり彼女の嗜虐心を満足させたようだ。
「うふふふ、すっかりお楽しみのようだねぇ、マーゾ…だけどちょっとその女に試したいことがあるのよ。そのまま動かないようにしといてくれる?いいかい?」
「はっ、アハメス様。仰せのままに」
そしてアハメスは手元へおもむろに缶コーヒーぐらいの大きさの筒のような物を取り出す。
「う、うぅ…な、何を…?」
それを見たさやかが息も絶え絶えにその疑問を投げかける。
「うふふふふっ、これはねぇ、ゴズマが開発した“反特殊スーツ素粒子分解弾”って言ってねぇ、チェンジスーツみたいな特殊スーツをだいなしにしちゃうステキな弾なのよねぇ」
(??…そんな…ことが…)
そんなことができるの?信じられないといったような様子のさやか。
“反特殊スーツ分解弾”それはゴズマが開発した対特殊スーツ用の殺人兵器である。
これを食らった特殊スーツは、スーツを形成する素粒子の結合を強制的に分裂させられてしまい、そのスーツを解除させてしまうというものであった。
さらにアハメスはしゃべり続ける。
「でもこれにはひとつだけ問題があるのよねぇ」
(??)
「実はこれ、まだ実際に試してみたことがないのよ…そこであんたの身体で実験してみたいのよねぇ、渚さやか…おーっほっほっほっほっ」
そんなアハメスの言葉を聞いたさやかは背中に冷たいものがつたっていくのを感じる。
(くっ…マズイ…わ…なんとか…この…状況…をなんとか…しなきゃ)
マーゾに四肢を絡め取られているさやかは懸命に身をよじり手足に巻きつく触手を外そうとし、その束縛から逃れようと必死にもがいている。
だが、マーゾはそんな彼女をあざ笑うかのように股間へ触手を押し付け的確にさやかの性感を責めてくる。
「んん~?…どこへ行こうというのだ?渚さやか…おまえにはその身体で偉大なるアハメス様へ貢献してもらわねばならないのでな、グフォフォフォフォフォ」
「ひゃっ!?…きゃぁ…あ、ああっ、ああっ、ああっ、ああっ」
マーゾの触手によって再び快楽の渦へと飲み込まれていくさやか。
そんな彼女へアハメスは先程見せた分解弾を投げつけようとする。
「…じゃあぁ、いくわよ…うふふふふっ」
ポイッ。投げられた弾がさやかへと飛んでいく。
!!…顔をそむけ目をつぶり、さやかはその弾の衝撃に備えるために身体を緊張させこわばらせている。
ベチャッ…だがそれは思ったような衝撃はなくスーツの一部へガムのような粘着質の物体が貼りつくだけだった。
えっ?…これだけ?…思っていたような衝撃はなく拍子抜けするさやか。だが彼女はすぐに身体の異常に気づき、たまらず甲高い悲鳴を上げてしまう。
「えっ…??…きゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!」
突然さやかの全身、いやチェンジスーツがまどろむ虹色に輝き始めたのだ。そしてしばらく後に彼女の身体が白くまばゆい光の柱に包まれる。
やがてその光の柱が立ち消え、中からさやかの姿が現れる。今の光で特にダメージは負っていないようだ。だが現れたさやかのその姿は、彼女にとってショッキングなものだった。
「う、ううぅ…えっ??…な、何で?…そ、そんな…」
そこから現れたさやかは“チェンジマーメイド”の姿ではなく白いスーツ、白いミニスカートを身につけた変身前の生身の姿だった。先程の弾でどうやら強制的に変身を解かれてしまったようである。
自身の変貌ぶりを見て愕然とするさやか。
(そんな…そんな…)
「うふふふふっ、どうやらいい結果が出たみたいだねぇ。ご協力感謝するわ、渚さやか…おーっほっほっほっほっ」
目の前に現れたさやかが、“チェンジマーメイド”ではなく“渚さやか”であることに、その実験結果に満足するアハメス。
「そうねえ、あんたにはお礼をしてあげなきゃならないわねぇ…マーゾ、その女にご褒美をしてあげなさい、おーっほっほっほっ」
「はっ、アハメス様、仰せのままに…そういうことだ、渚さやか、グフォフォフォフォフォ」
そんなアハメスの命令を忠実に実行しようとするマーゾ。
(そんな…チェンジスーツが…そんな、そんな)
自身の肌色の手の平を見つめ呆然とするさやか。シュルシュルシュル。そんな彼女へマーゾから出された2本の触手が迫っていく。
一本の触手が左の柔らかなふくらみを、もう一本の触手がミニスカートの中に潜り込み白いアンダースコート越しにさやかの秘部をまさぐっていく。
「えっ!?…きゃぁ…あ、ああっ…いやぁ…あ、あ、ああっ」
呆然としてるところへ突然性感への責め。さやかは訳が分からず頭が真っ白になり身体をビクつかせ、ただ喘ぎもだえるだけだった。そんな様子を嬉々として眺めているアハメス。
「あらあら、嬉しそうじゃない?喜んでもらえたみたいで何よりだわ…ねえ、マーゾ…おーっほっほっほっほっ」
「はっ、アハメス様」
ミニスカートに潜り込んだマーゾの触手がさやかの秘所を的確に刺激し、彼女をリズミカルにビクンビクンと躍らせていく。
「あっ、あっ…あっ、あっ、あっ…あっあっ、ああぁ」(こんな…こんな…やめて…も、もう…やめ…て)
ただ艶めかしくもだえることしかできないさやか。変身を解かれたこと、今までの数々の恥辱が彼女の戦意を徐々に奪っていく。
「!…そうだ…マーゾ、お楽しみのとこ申し訳ないんだけどちょっとその女をあたしの言う通りの状態にしてくれる?いいことを思いついたんだけど」
「はっ、アハメス様…してどのように?」
「そうねぇ…右足だけ自由にしてその女をその辺に放してあげなさい…ただし、残りの手足はちゃんと縛っておくのよ」
「はっ、かしこまりました」
アハメスの命令をかしこまって聞いていたマーゾが抱きかかえていたさやかを放し、自分から2,3mほど離れた場所へ彼女を言われた状態にする。
よろよろと立ち上がり身構えるさやか。だが右足以外の手足は触手で鎖に縛られたようになっており、思うようには動かせそうに無い。
「うっ…くっ…な、なんで?」
何故こんなことをするのか?アハメスの意図がまったく分からずたまらず問いただすさやか。
「うふふふふっ…楽しみかしら…おまえにもっと惨めな思いをさせてあげたくてねぇ…そのために少しいいことを思いついたのさ」
そう言うとアハメスは再び転移の術を使い何かを召喚する。そこには十数体のヒドラー兵が呼び寄せられていた。
(??…な、なんで…今更ヒドラー兵なの?)
「うふふふっ、“分からない”って顔してるねえ…あんたの今度の相手はコイツらよ」
アハメスは口元に一瞬意地悪くニヤリと笑みを浮かべさらに続ける。
「でもこっちはザコのヒドラー兵なんだからいろいろとハンデをもらうわよぉ…うふふふふっ」
??…アハメスの言うことがまったく理解できず、さやかの頭の中には疑問符ばかりが浮かんでくる。だが、どういうことなのか続くアハメスの言葉が彼女の疑問を徐々に解決していく。
「まず右足以外の手足は触手で縛ってもらって…次にそのボロボロの身体で戦ってもらって…さらに数のハンデをもらえば完璧かしら?」
さらにアハメスは続ける。
「でもこのくらいのハンデなんて余裕よねぇ…なんたって相手は“天下のチェンジマン”なんだもの…ヒドラー兵みたいなザコなんて目じゃないわよねぇ…おーっほっほっほっほっほっ」
(くっ…そういうこと?)
心の中で苦虫をかみしめているさやか。アハメスは“ハンデ”と言いつつ彼女に“普段軽々と倒しているヒドラー兵”に自分を弄ばせて屈辱感を与える胆づもりなのだろう、さやかはそのように考えた。
そしてまた“頭のいい渚さやかはこのくらいのことは見破るはず”ということもアハメスは計算していた。そして自らの頭でそれを導き出させることでより強い屈辱感が与えられるだろうとも。
「ギゲゲゲゲ」「ギゲゲ、ギゲゲゲゲゲ」
身動きが取れない彼女の周りをわらわらと取り囲んでいくヒドラー兵タチ。その様子を手足の自由が利かず棒立ちのような状態で眺めているさやか。
「くっ…き、来なさいっ」
そんな強気な態度を取り繕うとするさやか。だがその声は張りがなくいかにも弱々しい。彼女は明らかにこの状況への恐怖におびえ始めている。
「ギゲゲ、ギゲゲゲゲ」
その時、さやかの5時の方向からヒドラー兵が彼女へダイブするように飛び掛ってきた。
「くっ…やあああぁ!」
バキィッ!さやかは左足を軸に身体を右に90度回転させ、ミニスカートの中を覗かせながら、右脚の後ろ蹴りでそのヒドラー兵を蹴り飛ばしていく。
(グフォフォフォフォ…それっ)
だが、その蹴りを決めた瞬間を狙い、マーゾが軸足の左足に巻きついていた触手をクイッと引っ張りさやかの全身のバランスを崩しにかかる。
「えっ?…き、きゃっ」
よろめき前のめりに倒れそうになるさやか。そこを自由になる右足を前に出して踏ん張り、何とかバランスを取って転ぶことを防ぐ。
「ギゲ、ギゲゲゲゲゲ」
だがさやかが前のめりにつんのめっているところへ、後ろからヒドラー兵が彼女に組み付いてきた。両脇を抱え、さやかをグイッと吊り上げるように地面から持ち上げる。
「あっ!?…くっ…このっ…離せ、離しなさい」
触手の束縛で思う通りに動かせない身体を必死によじり、いやいやをしながら組み付かれているヒドラー兵から懸命に逃れようとするさやか。
唯一自由になる右足の踵で組み付かれているヒドラー兵をバタバタと蹴り上げていく。
「ギゲ、ギゲ、ギゲゲ、ギゲゲゲゲ」
だがその右足も、右脇から近づいてきたヒドラー兵に抱きかかえられてしまう。さやかの色白で肉付きのよい太腿の感触を味わうように摩るヒドラー兵。
「きゃぁぁ…やめ、…やめなさい」
皮膚からぞわぞわと伝わってくる気色悪い感触に、思わず弱々しく抗議の声を上げてしまうさやか。だが、容赦なく次々と彼女目掛けて襲い掛かってくるヒドラー兵たち。
今度はさやかの目の前から別のヒドラー兵がその手の鋭い爪で彼女の右胸を襲ってきたのだ。ビリリ…プルンッ。下着ごと引き裂かれた白いスーツから、さやかの色白で形のよい乳房が露になる。
「きゃあ…何すん、いやぁっ…も、もう…やめ、ああっ…きゃあ…いやあああぁぁぁ」
次々とさやかに群がってくるヒドラー兵たち…ある者は彼女の黒髪を引っ張り、ある者は彼女の柔肌の感触を確かめるように体を押し付け擦り合わせている。
それはまさに狼の群れが群れからはぐれた雌の小鹿へ殺到し、襲い掛かっているようであった。
ビリビリッ、ビリビリッ…白いミニスカートが、スーツが…彼女の身につけていたものが次々と引き裂かれひん剥かれていく。徐々にさやかの透き通るような白い素肌が露になっていく。
「あ…あ…」(ああっ…やめて、やめて…ああっ…ああっ…ああああぁぁぁ)
数人のヒドラー兵に群がられ組み付かれているさやか。彼女の姿はたくさんの青い影に取り囲まれ、見えないぐらいになっていた。
その中で彼女は生気の感じられないうつろな瞳で上を見上げ目に涙を溜め、だらしなく口を半開きにして涎をたらしている。
取り囲んでいるヒドラー兵のわずかな隙間から覗くさやかのそんな様子を見てアハメスが嘲笑する。
「あらあら、そんなザコにいいようにやられちゃって…チェンジマンもたいしたことないんだねぇ、うふふふふふっ」
「う、ううぅ…た…すけ…て…」
ヒドラー兵に抱きかかえられたさやかが、涙で頬を濡らしながら力なく息も絶え絶えに助けを求める。そこには“凛々しい女戦士”のおもかげはまったくなかった。
「助けて?…よく聞こえなかったわねぇ?…でも正義の女戦士、チェンジマーメイドが悪者に助けを求めるわけないわよねぇ…おーっほっほっほっほっ」
(う、ううぅ…剣さん…麻衣…みんな…み…んな…たすけ…て)
さやかは脳裏に共に死線をくぐりぬけた掛け替えのない戦友、仲間たちを思い浮かべ、彼らに助けを求めてしまう。
なす術なく無数のヒドラー兵の慰み物にされてしまうさやか。
いつ果てるともないさやかへの陵辱…彼女への試練はまだまだ終わらない…。
-完-