ピンクターボ、孤独な戦い―ドスコイ勝負は卑劣な罠― 終わり

ズルテンの指に纏い付く透明な液体。
マワシに締め付けられていたスーツには、熱い湿り気。
そしてヌルヌルとした感触が、自分の陰部を中心に拡がっている。
それらの全ての事象が、自身の秘部が『濡れている』という現実をはるなに突き付けていた。
「うひひ…どうだピンクターボ、お前はマワシを穿いてから…変な気持ちになったりしたんじゃないのかなぁ?」
トクン、と心音が一際大きく鳴り、はるなはズルテンから視線をそらした。
「そんなことっ…」
必死に否定しようとしても、声が震えてしまう。
「マワシが締められ時に、オイラに尻を弄られた時にもしかしたら…気持ち良くなってしまったりしたのかなぁ?そしてエッチな気分になって…」
「や、やめなさいっ…!」
詰るようなズルテンの言葉に声を荒げる。はるなとて年頃の少女、女性の身体に起こる事象も少しは知識がある。
ただ、こんな時に、このような形で自分の身体にそれが起こってしまったことが信じられずに、いや信じたくなどなかった。
こんな卑猥な相手に自分の身体が濡れてしまうなど…
「まだ戦えるんだから…!」
激しく疼く身体に檄を入れスモウボーマへと力を込めるはるな。
だが最早ズルテンの掌で踊らされているような状態では、勝機など掴めるはずもなかった。
(分かってる…分かってるけど…!)
「あなたみたいな…卑怯者になんか!」
「うひひ、強い強?い…しかし、ピンクターボは忘れやすいなぁ」
―キュッ!
次の瞬間、再三マワシが蠢き、はるなの秘部を締め付けた。
「ああっ!」
―クチ、クチ、クチュッ…!
愛液で濡れたピンクのスーツ越しに、黒いマワシが無慈悲に食い込む。
内股で必死に帯を押さえても侵食はとまらず、陰部を扱きながらはるなを責め立てる。
「んふ…!ぁあ…!いやぁ…っ」
「い?ひひひ!今回はさっきの銃を使った罰だ!いつもより長い時間だぞぉ?!」
「あっあ…やっ、だ…!!」
(もう…ダメ…!)
力を込めることもままならず、はるなは身を捩りながら快感に耐える。
一度心のどこかで快感を認めてしまえば、溜まっていたモノが吹き出したように、身体中が快感に呑まれてしまう。
「ぐふふっ、気持ちよさそうにしちゃって…」
「気持ちよくなんか…んッ!な…い…ああぁっ…!」「あらら、ならばオイラが…もっと好くしてアゲル!」
「い、いやぁっ…!!」
はるなの必死な抵抗も虚しく、またしてもスモウボーマに組み付かれてしまう。
「んくっ…!!」
今度は脚を掴まれ無理矢理空中で開脚をさせられた態勢で固定されてしまった。
「あ…っ!や、やだぁっ!」
―チュッ…
「…んッ!」
脚を割られた瞬間に、自分の秘部から熱い蜜が蕩けだす感触に、はるなは身震いした。
無理矢理脚を開かれ、スーツの中で蕾を花開かせた花弁は、外側からの強烈な刺激に蜜を滴らせ、濃いピンクの染みを広げていく。
スモウボーマにしがみ付く不恰好な形で、マワシの食い込みを甘受する結果となり、はるなは腰をずらすような僅かな抵抗しかすることができなかった。

「さあさあ、気持ち良いと素直に言えない頑固なピンクターボには…お仕置きィ!」
そう言うと、ズルテンははるなの尻肉を掴むと、一気に外側へとずらしていく。
「ひぁ!!」
はるなの口から甘い嬌声が零れ、同時にそうして出来た隙間に、マワシが再び侵攻する。
「ほ?れほれ、お尻の穴もグ?リグリ」
「あっ!?そこは…!おし、り…が…!!」
菊花をマワシ越しに強く擦られ、今までに無い感覚がはるなの身体を駆け巡る。
しかしそれすらも瞬く間に快感に変わり、陰部を熱く潤わせていく。
布越しに菊花をほじられ、マワシに秘部を、肉芽を責められ、はるなの穢れを知らない身体は初めての性衝動に弄ばれてしまうだけだった。
「どうだどうだ?ヌレヌレで気持ちいいだろぉ?!?」
「ん…くぁ…!気持ち…よくなんかっ…!」
「ぬうぅ?!なかなかに頑固な奴め!ならばこうだ!」
―ぱんっ
なすがままになりながらも健気に抵抗するはるな、その無防備な尻目がけて、ズルテンは平手を見舞う。
「あんっ…!!」
「うひひ!いい音だな?!」
間抜けな乾いた音と共に、はるなの口から嬌声が漏れる。
わざと力を抜いた平手打ちは、程よい刺激と共に性感に溺れるはるなの羞恥心を呼び醒ました。
(あたし…玩具みたいに…子供じゃないのに…!)
「どうだ?ピンクターボ!?聞き分けの無い小娘には丁度良いだろ!」
「あ、あ…っ!いやっ…叩か、ないで…!」
―ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ
断続的に行われるスパンキングは、単調なリズムと相まってはるなの精神に確実にダメージを与えていた。
性的快感を与えられながらの子供の躾のような行為は―強い倒錯感を伴いながらはるなの心を蝕んでいく。
羞恥心が快感と交ざりあう、禁断の感覚。尻を叩かれる度に秘部から蜜を零す感触に、はるなは身震いさえ覚えていた。
(もう…ダメ…)
「…る…して…」
「…んん?聞こえんなぁ?!」
消え入りそうなはるなの声に、ズルテンは手を緩めないままわざとらしく耳に手を当てる。
「ゆる…して…ゆるしてください…」
「ぐふふっ、何を『許して』欲しいんだ?言ってみろってんだ!!」
強烈な羞恥心に震えながら、はるなは必死に声を紡いでいく。そこにはピンクターボとしての勇敢な姿は微塵も感じられなかった。
「あたし…は…マワシを穿かされて…気持ち良かったのに…
嘘をついてました…!濡れてしまうほどっ…気持ち良かったのに…!素直になれませんでした…
エッチなあたしを…ゆるして…!…ください…」
「うひひひひっ!!素直だなぁピンクターボ!やれいっ!!」
「どすこいっ!!」
「あんッ!!」
再びスモウボーマに投げ飛ばされ、大地に叩きつけられるはるな。
「あう…っ!」
その衝撃か、はたまたはるなの戦う意思に呼応してか、ピンクのターボスーツは光と共に消え失せてしまった。
「あ…」
眩しく爽やかな夏色のセーラー服、その捲れたミニスカートの下には、似付かわしくないほどにぐっしょりと湿った白い下着。
漸くマワシから解放されたはるなだが、身も心も敗北したショックから、仰向けになったまま動けずにいた。
「うひうひ!小娘一人にしては頑張ったな、スモウボーマも満足したみたいだしなぁ!」
「どすこいっ!!ごっつぁんです!!」
満足気に地均しをするスモウボーマを尻目に、 ズルテンははるなへといやらしい視線を投げ付ける。
「さてさてピンクターボ…お前はマワシが外れたから良いが…まだマワシが外れていない女がい?っぱいいるんだぞ?」
「ま、まさか…」
その言葉に心臓が高鳴る。「うひひ!!その通り!これからオイラたちはそいつら全部と相撲を取りに行くんだぞ!…今のお前みたいになるまでなぁ!」
「そんなのっ…!ダメっ!」
力の入らない身体を起こし、はるなは頬を赤らめたままズルテンを睨む。
これ以上自分のような被害者を出すわけにはいかない―例え敗れてもターボレンジャーの一人としてそれだけは食い止めなければ…
はるなの一度は折れた心が再び悪意に立ち向かう。
「だがしか?し!ピンクターボ一人でオイラたちにまた相撲で勝負を挑んでくれるならば話は別だがなぁ?」
「な…!?」
「正義の味方なら放って置けないよなぁ?カワイイ女の子がピンクターボみたいなあんなヒドイ目に…い?ひひひ!!」
再びこの二人と戦う…それがズルテンの出した卑劣な交渉案だった。
(卑怯すぎるわ…!…でも…)
でもそれは身も心も敗北した自分が出来る、只一つの事。
身代わりとなって戦えば、自分と同じ思いをする女子はいなくなる。
それに次に戦うときには、マワシさえ穿かされなければ勝機が掴めるかもしれない―ただ諦めて従うだけでなく、この二人を倒すためにも。
「わかったわ…私が戦う!」
「むひひひ!!流石は正義の味方ピンクターボ!よおし、スモウボーマ!!やれいっ!!」
「おっす、マワシ飛ばし?!!」
言うが早いか、スモウボーマの躯から黒い帯が飛ばされ、再びはるなに絡み付く。
「ま、まって!今すぐなんて…ああっ!!」
抵抗する暇もなく、マワシは下着の上から容赦なく締め込まれ、はるなの柔肌へと食い込んでいく。
―シュルルルッ…キュッ!!
「いやぁ…っ!!」
制服のまま下着の上からマワシを穿かされ、そのあまりにも卑猥な姿にはるなは狼狽する。
「こんなすぐに戦うなんてそんな!今すぐ外して!」
「まてまて、これからが本番…それっ!!」
前袋を掴んで外そうとするはるなに、ズルテンは怪しい光線をはるな目がけて発射する。
「きゃあああっ!!」
(マワシが…!)
光の中ではるなの下着とマワシが変化し、一つに融合する形にしていく。
あっとうまに二つは白い締め込みへと変化し、はるなの肌へと食い込んでいく。
先程までの厳しい黒いマワシと違い、はるなの下着がベースになっているせいか恐ろしいほどに肌にフィットしている。
「いやあっ!!な、なによコレ!」
「ヌヒヒヒ!!これを穿いているうちは変身してもさっきのマワシが自動的に装着されるのだぁ!!もちろん、それも外せないぞ?」
「そん、な…」
したり顔で大笑いするズルテンの姿に、はるなは再び言葉を失う。
戦いだけでなく、普段の生活までもが暴魔に支配されてしまった事実に、はるなは愕然と立ち尽くすだけだった。
「もしオイラたちに勝てればそれも外れる…ピンクターボ、それまでにたっぷりと楽しませてくれよ?」
消えていく二人を茫然と見送りながら、はるなは無意識にスカートの下の締め込みへと手を遣る。
(あたし…これからどうしたらいいの…?)
純白の布地に締め付けられた秘部からは、再び蜜が滲み始めていた。