ショック! 出会い系メールの罠

 ネジレジアが壊滅し、メガレンジャー5人が高校を卒業した翌朝。千里は朝の爽やかな光の中で、妙な胸騒ぎを感じて目を覚ました。ふと枕元の携帯に目をやる。7時03分。そして、メールの着信を知らせるランプが点滅していた。
 【素敵な相手をお待ちしています。出会いはこのアドレスまで、、、。『オーブ』】
 「もう!またこんなメール~、、、。いい加減にして欲しいわ。」
 千里は携帯を戻すと、ため息を一つついて机をぼんやりと見つめた。「あれ?」目線の先に、いつも置いてあるはずのカメラが見あたらない。そこから部屋を見渡したが一見したところどこにも見あたらなかった。
 「あちゃ~。学校に忘れたのかな、、、?まぁいっか!」
 そう呟くと千里は壁に掛かっていた制服に着替えた。

 昨日と全く変わらない学園の朝がそこにはあった。後輩たちが勉学に励んでいる頃、千里はデジ研の部室に向かって歩を進める。
 「あ~ぁ、なんで卒業した翌日に学校に来なきゃいけないのよ、、、?」
 心の中で呟きながらも歩きなれた校舎の廊下を進み、デジ研の部室の扉を千里は開いた。静かに扉を閉め、部屋を見渡す。すると、角にあるロッカーの上に見覚えのあるカメラが置き去りにされているのが見えた。
 「よかった~、あった!」
 それを手にしようと一歩踏み出したとき、千里はまた、今朝と同じ胸騒ぎを感じて軽く震えた。それと同時に携帯がメールの着信を知らせる。【素敵な相手を、、、】今朝みたメールと全く同じメールに千里は少し苛立ちを覚え、部屋を後にしようと振り返った。その瞬間。目の前にあったパソコンが勝手に起動を始め、真っ黒な画面にメッセージが映し出された。
 【お前を待っている!   『オーブ』】
 そして、そのメッセージの下には地図が表れ、『オーブ』が千里を待っているであろう
場所が黄色い星印で示されていた。
 「何なの!?いったい誰が、、、?」
 薄気味悪さにパソコンに近づいてその地図に示された場所を確認しようとすると、今度はスピーカーから微かな音がもれ始めてくる。はじめは聞き取りにくかった音がだんだん近づいてくる。
 「インストール、、、インストール!、、、インストール!!!、、、インストール!!!!  メガイエロー、、、メガイエロー!、、、メガイエロー!!!、、、メガイエロー!!!!」 そこから流れてくる声は、紛れもなく千里の声だった。
 「だっ、誰なの!!?」
 千里は周りを見回し、駆けだして窓の外を見た。完璧なタイミングですべての出来事が起きている。自分が『オーブ』なる者に監視されていることは明白だった。だが、何処にもそんな姿は見あたらない。千里の背中を冷たい汗が伝っていく。これまでのネジレジアとの戦いの中で感じたのとは、また違うそれよりももっと薄暗い恐怖が千里を包んでいた。錯乱しそうな頭の中を落ち着けようとゴクリと唾を飲み込むと、千里は再びパソコンの前に戻った。いつの間にかスピーカーから流れる千里の声は消えており、そこには新しいメッセージが刻まれていた。
 【メガイエロー=城ヶ崎千里 お前は既に私のもの、、、 『オーブ』】
 「いっ、いやっ!!やめてっ!!」
 実体の見えない恐怖に、千里はカメラを取ることも忘れて部屋から駆けだした。いや、千里が気づいていなかっただけで、彼女が恐怖におびえだした頃から部屋の中からカメラは姿を消していた、、、。


 千里は疲労の色を隠せないままの表情で歩いていた。どこからか自分が監視されている。そう思うと、通り過ぎる人やビルの窓、バスの中の人や公園のベンチに座る老人までが怪しく見え、目が回るほど周りを何度も見回しながら歩いた。背中を何度も冷たい汗が流れては乾き、ブラウスは既に冷え切っている。
 しかし、それとは裏腹に千里の中には「犯人を見つけだしてやる」という決意があった。仲間を呼んだり、相談しようと思えばできるかも知れない。だが、メガレンジャーだと相手はわかっていて、自分一人をターゲットにしてきた。ならば、ほかの仲間がメガレンジャーだとバレてしまうよりは、自分一人でカタをつけた方がいいと思った。そしてその決意が、パソコンに示されていた場所に千里の足を向かわせた。それが最悪の悲劇を招くとも知らずに、、、。


 そこは制服を着た女子高生が歩くには、全く似つかわしくない場所だった。路地裏に入った雑居ビルの群。ビルからはいくつも風俗店の看板が首を出し、昼間だというのにそこをいく人を呼び込む男と女が何人も行き交っていた。ローファーが毅然とした音を立てる中、千里の猜疑心は視野に入るもの全てに注がれ穏やかになる瞬間すら無かった。
 「ここを抜けたあたりがあの場所のはず、、、。」
 大きく深呼吸をして、風俗街の最後のブロックを通り抜ける。
 ドンッ!!
 千里は角から曲がってきた女にぶつかって、後ろに大きく尻餅をついた。ぶつかった相手の腕の中から数枚の書類らしきものが宙を舞い、その女も尻餅をつき腰を押さえている。 「ごめんなさい、、、。考え事してたもんだから。」
 先に立ち上がったその女はそういうと「大丈夫?」と言って千里に手をさしのべた。
 「こちらこそすみません。ぼーっと歩いてて、、、。」
 ばつが悪そうに千里は答えながら、差しのばされた手を握り立ち上がる。
 「女子高生がこんな時間にこんなとこ来ちゃダメよ!」
 冗談っぽく女が微笑みながらそう話したとき、やっと千里の心に少しだけ安心感が芽生えた。
 「あっ、拾います!」
 千里は微笑み返して道に落ちた紙切れに手を伸ばす。だが、その紙切れを拾い上げた瞬間に、千里の安心感は一気に冷え切った感情へと移っていった。
 「まさかオーブ!?」
 手にした紙切れには千里が制服姿で登校している写真や、メガイエローとなってネジレ獣と戦っている写真が印刷されていた。ハッとした表情で顔を上げた千里に向かって女は拳を振り下ろすと、千里の腹を蹴り上げなにも言わずすぐ横の雑居ビルへ入り、階段を駆け下りていく。
 「グゥ、、、ま、まてっ、、、!!」
 そう言うと、千里もすぐ後を追い階段を駆け下り、闇の中へと消えていった。


 暗く静かなビルの中にコツコツとローファーの音が響く。地下2階に降りると、千里を誘うかのように突き当たりにある一番大きなドアだけが怪しい明かりを放っていた。ゆっくりと近づき、中を覗こうと千里がノブに手をかけた瞬間。勢いよくドアが開けられ、千里の手首を何かが掴んで彼女を投げ飛ばす。前方に一回転した千里はすぐに立ち上がると、振り返って先頭姿勢をとる。その視線の先には右腕が人間のそれとは違う、虫や甲殻類のような腕をもった女がそこに立っていた。
 「くっ、、、あなたがオーブ!?」
奥歯をかみしめて呟くと、千里はすぐに左手に手をやった。
 「インストール!!」
 黄色い光に包まれて、千里はメガイエローへと姿を変えるとすぐさま先頭姿勢に入る。
そして、勢いよく床を蹴り上げ女に飛びかかろうと足に力を込める。だが、
 「がぁぁっ、、、、、、。」
 その後方から肩越しに、サソリの尻尾の様なものが伸びてきて千里の首を締め上げた。
 「くぅぅ、、、っっ、、、。」
 首を絞められた状態で、千里は触手がのびてきている方をみる。するとそこに、さっきぶつかった女が微笑みながらソファーに腰掛けていた。
 「待っていたわ、千里さん、、、。その子でも、私でもなく、オーブは私たちの種そのものを指す呼び名。そして、私はその長レイラ!」
 そう言うと、レイラと名乗った女は首の触手を解いて、千里を床に落とした。
 「ゲホッ、、、ゲホッ、、、、、、いったい、、、なにが目的なの?、、、私をどうするつもり??」 むせ返す咳の中、千里はレイラを睨み付けて尋ねる。
 「私たちはある実験によって生まれた、あらゆる生物と人間とのハーフみたいなものなの、、、。いわゆる半獣人ね。でもほかの生物と違うのは男との間には子供ができないってこと。」
 のどを押さえながら千里はまだレイラを黙って睨み付ける。
 「だけど、、、女との間には子供ができる、、、。私たちはこんな身体になって、社会の表にはでれないの、、、。だから、優秀な種を絶えず残すべく10代から20代の優秀な女を常に求めてた、、、そこに、あなたの情報が入ってきた、、、。千里さん。あなたは選ばれたの、、、。そう、、、あなたには私たちオーブの種のための苗代・宿り木・寄り代になってもらうわ!!やりなさい、ノラ!」
 その声とともに、さっき千里を投げたノラと呼ばれる女が千里に飛びかかる。千里は素早く身をかわそうとする。しかし、千里の想像以上にノラの動きは早く、千里の鳩尾に一撃をくわえたかと思うとすぐに千里の背後に回り、後ろ手に千里の右腕を拘束し関節を決めた。
 -メキッ、、、バキッッ!!!!!-
 「ああああぁぁぁぁーーっ!!」
 ほんの1・2秒の間に千里の右肘の関節が破壊され、千里は悲鳴をあげた。今まで戦ったどのネジレ獣よりも素早い動き。千里が対応しきれず、軽くパニックに陥っているうちに2発3発と次の攻撃が千里の身体を襲い、ついに黄色いスーツをまとった戦士が床に突っ伏した。
 「ふふふっ、、、。」
 不敵な笑いを浮かべると、レイラはソファーから立ち上がり千里に近づく。折れた右腕を押さえながら、ヨロヨロと千里は立ち上がるとマスク越しにレイラを睨み付け、そして何とか戦闘態勢をとろうとする。だが、千里が戦闘態勢になるよりも早く、レイラの右腕がまるで鞭のようにしなってこめかみを捉えた。
 「アアアァァァーーーッッ!!」
 大きく崩れそうになった黄色い身体を、今度はレイラとノラが脇から抱えると、壁際に置かれていた斜めに傾斜した十字の拘束台に素早くはりつけ、両手首をプレートで固定した。
 「くっ、、、はっ、、、離しなさい!!」
 「そんなことするわけ無いじゃない、、、。」
 身を捩る千里にレイラは話しかけると、鞭状に変化していた腕を元に戻して千里のマスクに手をかけた。
 「じゃまだわ、これ。」
 そういうと、その手にレイラは力を込める。すると-ミシッ、、、ミシッ、ミシッ、、、-鈍い音が響き始め、その音はもちろん千里の耳にも届いた。
 「あっ、、、ああっ、、、。」
 マスクの下で、千里は恐怖に歯をカタカタと鳴らし目をつむった。どうすることできなかった。無抵抗になる気はなかったが、今まで戦った敵の中で最も強く、自分一人の力ではかなわない相手だと言うことを、千里は心のどこかで悟っていた。
 -、、、カラーン、、、、、、-
 乾いた音が響いて、床にメガイエローのマスクが落ちる。千里の素顔があらわになる。
 「んんっ、、、あっ、、、。」
 それと同時にノラは千里の顎を掴むと自分の唇を千里の唇に重ね、拒む唇を分け入って濃厚なディープキスを行った。
 「あっ、、、んんんっ~、、、、、、、、、んっ!!ゴクッ、、、!!!」
激しく千里の口腔にまとわりつくノラの舌の先から「何か」が分泌され、どうにもできずに千里はそれを飲み込んでしまった。
 「なっ、何をしたの!?」
 ノラが唇を離すと、千里は目を丸くして激しく問いかけた。
 「第一段ってとこね、、、。」
 レイラが答えると、隣でノラが陰湿な笑みを漏らし片手を千里に向けてかざす。
 「ああぁ、、、ぁ、、、ぁ、、、がぁ、、、、、、。」
 すると千里が苦しげなうめき声をあげ始め、顔色も一瞬にして青ざめていく。額と頬を冷や汗が伝い始め、喉元が大きく動いた瞬間、、、-ゲェェ、、、ゲボッ!ゲボッ!!-千里はその凛々しくそして愛らしい唇を大きく開き嘔吐を始め、胃液と胃の内容物を黄色く輝くボディーの上に吐き出した。
 「ゲホッ、、、いっ、いったい私の身体に何をしたの、、、??」
 嘔吐によって切れ切れになった息で、千里はノラを睨み付けながら言った。だが、ノラは何も答えない。
 「あなたの身体の中には、さっきのノラのキスのときに分泌された微生物のようなノラの子供たちが入っているの、、、。ノラはこの子の意思によって、その子供たちに命令してあなたの体内のあらゆる器官を操作することができるのよ!!その気になれば食道を食い破って血を吐かすことだってできるわよ、、、!」
 「そっ、、、そんなっ!!」
 千里は焦り、拘束された身体を乗り出すようにして驚嘆の声をあげる。だが、そんなことは意に介さないような落ち着きはなった声でレイラは、
 「さぁ、こんな汚れたスーツは脱ぎ捨てないと、、、。」
 と言うと、サソリのそれと同じ形をした尻尾の先端を千里の首もとに近づけた。さっきまで身を乗り出す勢いだった千里の顔がみるみる恐怖におびえた表情になっていく。
 「いっ、いやっ、、、やめて、、、、、、。」
 首を小さく横に振りながら千里は呟くが、尻尾の先端が千里のスーツの首もとにふれると、そこから胸元へと下に下がっていく。すると、今まで千里をどんな戦いからも守り続けていた黄色く光るスーツが、まるで電線の入ったストッキングが裂けていくときのようにあっさりと裂けていく。そして、スーツは防衛機能を完全に失うと、小さな黄色い光を放って消え去り、千里を元の制服姿へと戻していった。
 何が起きているのか、千里には全く理解できなかった。胸騒ぎ、謎のメール、オーブ、謎の女、、、。理解するにしては、あまりにも展開が早すぎて思考が全く追いつかない。ただ言えることは、目の前にいる女が自分にの敵であり、自分を狙っていると言うことだけだった。ここから逃れる術すら、もう思い浮かばない。自分の知性をフルに活用しても浮かび上がるのは恐怖だけ、、、。千里は尻尾をかざしながらジリジリと近づいてくるレイラに怯え、そこから目をそらすことしかできない。そこにはメガレンジャーとして戦ってきた、才色兼備の少女の姿は無くなっていた。
 

 「さあ、次のステップに進みましょう、、、。」
 レイラは静かにそう呟く。するとノラの背中から4本の触手が伸びて、千里の膝あたりと紺のハイソックスの足首に絡み付き、千里の足を持ち上げてそれをM字に開かせた。スカートが捲れあがり、そこから純白のパンティーが露わになる。
 「いや、、、やめて、、、、、、。見ないで、、、、、、、。」
 恐怖と同時に襲い来る羞恥心に、千里は小刻みに首をふって俯く。だが、レイラはさらに千里に近づくとそのパンティーに手をかけスルスルと膝のあたりまでずらして、
 「これから私たちの種子を植え付けるのに、、、。体内は綺麗でいてもらわなくっちゃね?」 
 と語り、ノラに顎で合図を送った。するとまた、ノラが千里に向けて手をかざす。
 「あっ、、、あぁぁんっ、、、、、、、、、、、、だめっ!!こんなの、、、、、、ぁぁあぁぁ。」
 千里の身体全体がプルプルと小刻みに震え出すと、千里は下腹部と内股に力を込めた。 「ふふっ、、、我慢することはないわぁ。早く出して楽におなりなさい、、、。」
 「アアぁぁーーーー!!いやぁぁぁぁーーーーー!!」
 レイラがそう言い-パチンッ-と指を鳴らすと、千里は一瞬目を丸くして叫びをあげ、その露わになった股間の茂みの隙間と尻から、彼女の体内に溜まっていた排泄物を勢いよく吐き出した。
 「あぁぁぁ、、、、、、。も、、、もういや、、、、、、。」
 もう自分が女だとも思いたくない。そう思うほど、千里は羞恥心に押しつぶされ、自尊心をぼろぼろに砕かれていた。俯いた頬に一筋の涙が光る。だが、それで全てが終わったわけではなかった。
 「ふふふっ!あまりに気持ちよくて涙が出ちゃったのかしら??」 
 レイラがいたずらに問いかけるが、千里は涙ぐみ、鼻をすすったまま何も答えない。
 「まぁいいわ。そろそろ最終行程に移りましょうか、、、。」
 そう言うとレイラは、さっきスーツを破り去った尻尾を千里の首元にはわせる。
 「やめてっ!!もうこれ以上は、、、っっ!!」
 心の中で千里は叫ぶが、もう声も出ず、ただまた小刻みに首を振り、小さく身体を捩ることしかできない。
 -ぷちっ、、、ぴりっ、、、ぴりっ、、、-
 音を立てずに首元のリボンが落ちる。次にブラウスのボタンが小さい音を立てて弾け飛ぶと、ベストと共にブラウスが真っ二つに裁断されていく。そしてその隙間からパンティーと同じ色のブラが顔をのぞかせ、千里は優等生だったことを思い起こさせないほど淫靡な姿を晒した。涙で潤んだ目がぼんやりと像を結び始める。何かが目の前で蠢いていることを千里は認識して息をのんだ。
 「ひぃ!!」
 そこに見えたのは数メートルにも伸び、触手状になったレイラの股間から伸びる男根だった。その先は口のようになっていて、開閉するたびに小さな歯のようなものも見受けられる。
 「やめてっ!!どうするつもり、、、!?」
 答えは千里にも解っている。『種を植え付ける』のだ。そしてそれを見透かしたようにレイラも、
 「わかってるんでしょ?」
 と、短く答えて微笑み、その触手で千里のブラを起用にむしり取ると、乳首に触手の先端を絡ませた。 
 「私たちは女との間にしか子孫を宿す行為は行えないの、、、さっきも言ったようにね。だから私たちはこんな風に男性器も身体に持ってるの、、、悲しいけれど、、、。そして今からこれを千里さんのなかに挿入して精子をそそぎ込む、、、すると一晩経つとあなたのお腹の中に私たちの子孫が卵になってやどる、、、ということになるのよ。」
 「、、、っつ!!」
 触手の口に千里の乳頭を噛ませると、レイラは満足気な表情を見せて話を続けた。
 「ただし、、、処女のあなたには可哀想なんだけど、私たちオーブの性交に快楽は伴わないの、、、、、、」 
 「いやっっ!!!やめてよっ、そんなこと!!そっ、そんなの、、、。」
 澱んだ空気と話を遮るように千里は声を張り上げた。何人かの友人が性体験の話をしてるのを聞いたことがある。でも気持ちよかったり、快楽だったりなんて、聞いても信じたことがなかった。だが、同じ性行為をされるのなら何も感じなかったり、痛いだけよりは、快楽を伴った方がいい、、、。ましてや目の前にいる謎の種の母親になるのならなおさら、、、。 千里は最早、精神の限界に達し、そう考えるようになっていた。
 「ダメっ!!お願いだからやめて、、、!!」
 真っ直ぐにレイラを見つめ、千里は涙ぐみながら最後の懇願をした。しかし、
 「それは無理ね、、、。」
 そう呟くと、レイラは千里の乳首をもてあそんでいた男根を下げ、ゆっくりM字に開かれた千里の足にその先を持っていくと、ハイソックスの上から彼女の引き締まった足に絡み付き、はわすように男根を茂みに向けて近づけていった。
 「ひぃっ、、、!!いっ、イヤァッ、、、、、、。やめて!ヤメテよっっ!!
  、、、、、、、、、、、、ヤァァァアアアアアアアアァァァァーーーーーッッ!!!!!!!」 ゆっくりと近づいていた男根は、千里の哀願の声を聞くとそのスピードを速め、先端が彼女の茂みに触れると同時に加速して千里のなかへと突っ込んでいった。勢いよく処女膜は破断し、鮮血が内股を伝う。
 「ぁぁああああっっっぅ!!!!、、、ひぎぃ!!あぁっっ、、、!!!ぃたぃ、、、ッタイの、、、、、、。、、、、、、もう、、、がぁっ、、、!!もう、、、ヤメッ、、、ァアァアァーーーッ!!」 男根のピストンに合わせて、千里の少し大きめな乳房が揺れ、体中から冷たい汗が噴き出してくる。身体の芯は火照って熱くなっていくが、レイラの言う通り快楽も何もなく、男根が自分の身体を貫いて、その先が口から出てくるのではないかと思うほどの痛みだけが千里の身体と心蝕み、その知性的な顔立ちを大きく歪ませた。
 「アアアァァァーーーーッ!!ダメェーーーーーーッツ!!」
 眉間にしわを寄せ、崩れていく表情。千里の目から大粒の涙があふれ、口元からは涎が堰を切ったように流れ出る。
 「さぁ、イクよっ!!!」
 レイラが宣言し、熱い塊が千里のなかにまるで溶岩がなだれこむかのような痛みとともに入っていく。  
「アァァアァァァアアアアァァァァーーーッッッッッッッッッッ!!、、、うっ、、、うぅ、、、。」
 絶叫が響くと、その後に、千里のむせび泣く嗚咽の声が残った。


 「よく頑張ったわね、、、。」
 性交の後、レイラとノラは千里にキスをすると、千里に目隠しと口枷をしてどこかに消えていった、、、。
 もう、それからどれくらいの時間がたったのかも千里にはわからない。千里は絶望のなかで泣き、疲れ切った身体を休めることもなく、まだ身体に残る貫通の痛みに悶えていた。そして、、、さっきから感じる胎内の重み、、、。
 -カツッ、、、カツッ、、、-
 誰かが近づく音がする。
 「さぁ、一晩経って、いい時間ね。」
 レイラの声が耳に響くと、千里の表情が目隠しをされたままだが、みるみる険しくなっていく。
 「はがっ、、、!!はぁぁぁああアアァァアァアァーーーーーッッ!!」
 口枷を咬まされたままで声にならない絶叫をあげると、千里の股間の割れ目をこじ開けて、
 -ぷちゅっ、、、ぷちゅっ、、、-
という音を立てて、千里のなかから卵が転がり落ちた。
 「はぁ、、、はぁ、、、。うぅ、、、、、、はぁ、、、、、、。」
 肩で息をする千里の頬に、冷たい手の感触が触れると、
 「さあ、最高のプレゼントよ、、、!!」
 と言う、レイラの声が聞こえ、口枷が外され、拘束が解かれるとともに、閉ざされていた千里の視界が一気に広がり、だんだんと目の前の風景が像を結んでいく。
 「なっ、、、なんで、、、。」
 ハッキリとした視線の先に、股間に触手状の男根を持った女の姿があった。しかし、それはレイラでもノラでもない。つい二日前まで同じメガレンジャーとして戦ってきた仲間、今村みくの変貌した姿があった。
 「あなたたち二人が交われば、いい種が残るんじゃない??いい相手がいて良かったわね、千里さん??」
 いたずらに微笑むレイラの言葉に千里がハッとする、、、。そして、恐る恐る視線を足下に下げていく。そこに見えたものは、千里がさっき産み落としたオーブたちの卵、、、それと、、、自分の股間から生えた触手状の男根だった。堪えきれない現実に、千里の精神は完全に崩壊し、千里は頭を押さえ、フラフラと円を描くように足下をふらつかせると、大きく膝から崩れ落ち、最後の声をあげた、、、

 -イヤアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーァァッっっ!!!- 

《Fin》