『過酷なレッスンの巻』

寿里の姿を照らし始めた朝日が、眩さを増して街全体を包んだ。

「なんだ、あれは?・・・」

その光に促された一人のホームレスの男が、ダンボールで作られた家から出てくる。
と、直ぐに蹲って背中がビクビクと動き、ピンクのセーラー服を着ている女の子、寿里の存在に気づいた。男は、その女の子が苦しんでいるように見えたので、心配になって近づき、彼女の肩を叩いて声を掛けた。

「どうした?・・・どこか痛いのか?・・・」

「ゔぅぅぅぅぅ~~~・・・ゔぅぅぅぅぅ~~~・・・っうっゔぅぅぅ~~~・・・」

しかし、寿里は蹲ったまま、くぐもった呻き声をあげるだけだった。

「おい・・・どうした?・・・何かあったのか?・・・」

他のホームレス達もダンボールの家から出てくると、その男の足下に蹲ったまま呻き声を上げている、セーラー服姿の寿里の存在に驚いた。
と言うのも、この公園に訪れる者など無いに等しいからだ。
ただ極稀にだが来訪者はいる。
それは新たな居住者たる、ホームレスになる為に、世を捨てた壮年過ぎの男達だけがやってくるのである。
ところが、今、ここにいるのは紛れも無く女の子だ。
それもセーラー服の特撮ヒロインのコスプレ衣装を着た女の子なのだ(但し、それがコスプレとはホームレス達には分からなかった)。
その存在は場違いにも程があった。

「!!!・・・な・・・なんだ?・・・」

そのままにしていても埒が明かないので、ホームレス達は数人掛りで寿里を抱き起こす。その瞬間、彼らはまた驚いた。
口にはボールギャグを、手足には手錠を填められているから当然である。
ホームレス達は、驚きのあまり顔を見合わせて声を失った。
そして、その様子を遠くで眺めていた菱形は、ここが最善の場面だと、寿里の体内に深く埋めていたバイブの強度を、一気に最強モードに切り替えた。

「ごふッ!うぐぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお・・・」

肢体の芯を直撃した、その残虐的な振動に、寿里は、より低いくぐもった悲鳴を発し、肢体を激しく震わせ、男達の手を振り解くようにして、仰向きにひっくり返った。
その拍子にミニスカートがめくれて、T字型のプラスティック製ショーツが現れ、そのうえ、セーラー服の前面を真っ二つに切られていた為に、それがはだけて真っ白い両乳房も露出させた。

「これは?・・・」

仰向けに倒れて、のたうち回る寿里の股間からは、二本の尻尾が生えていた。
それを目の当たりにしたホームレス達は、更に驚きの声を上げた。
その二本の尻尾とは、バイブとプラスティック製のショーツとを繋ぎとめているソケットのことであり、そして、その尻尾の長さは10cmほどあった。
そのどよめきの中、一人の男が、ショーツからモーター音が発していることに気がついた。じっくりとそれを見てみると、その二本の尻尾は、僅かであったがガタガタと振動していることにも気づき、男は興味本位で、その二本の内の一本の尻尾─ヴァギナに突き刺さっているバイブのソケット─を握り締めた。

「ぐおッ!くぷくぷくぷくぷくぷくぷくぷ・・・」

一瞬目を見開いてくぐもった声で絶叫すると、寿里は頭を激しく振り回して悶絶し、垂れ流していた涎を泡に変化させた。
尻尾、即ちバイブを握り締めたことで、少なからず逃げていた力が全く無くなり、バイブの威力が100%発揮されるようになったからだ。

「お!・・・こりゃあ良いわ!」

男は感覚的にそれがバイブだと確信する。

「おい、こっちの尻尾も握ってみろよ!」

その男が隣にいた男に声を掛ける。

「ん?・・・おぉ・・・」

隣にいた男は、その男が言った意味は分からなかったが、とりあえず言われた通りに残りの尻尾─アナルに突き刺さっているバイブのソケット─を握り締めた。

「んごぉッ!ぬ゙ぷぬ゙ぷぬ゙ぷぬ゙ぷぬ゙ぷぬ゙ぷぬ゙ぷ・・・」

寿里の肢体が大きく跳ね、更にくぐもった声で絶叫したかと思うと、口から吹き零している泡の粒が一回り大きく変わった。そして、肢体の芯で猛り狂う二本のバイブの衝撃が全身に伝わり、寿里の肌を微細ながらも振動させ始める。
二人の男は顔を見合わせニヤリと笑い合った。

「ふぅ”ぅ”ぅ”ッ!・・・ふぅ”ぅ”ぅ”ッ!・・・ふぅ”ぅ”ぅ”ッ!・・・」

また違う男が寿里を背後から抱き起こして、両乳房を激しく揉みしだき、両乳首を激しく扱き立てた。
寿里は声を荒げ、瞳からは大粒の涙を流し、閉じることのできない口からは絶え間なく泡を吹き零している、その顔は、恐怖に戦いていた。

「さすがに若い娘だな、肌の肌理が細やかで吸い付いてくるぜ!」
「俺にもおっぱい揉ませろよ!」
「おう!」
「じゃあ、次は俺な!」
「久々の若い女のおっぱいはいいもんだなぁ!」
「柔らかいうえに張りもあって上物だな!」
「そんなに上物か?・・・なら俺にも早く揉ませろや!」
「そんなに焦んな!」
「いいから早く揉ませろって!」
「ガッツクなよ!・・・etc.etc.・・・」

男達は寿里が無抵抗なことをいいことに、白い乳房を代わる代わるに揉みこんだ。

「なんだ?・・・騒々しいなぁ・・・」

寿里を弄ぶ騒々しさで、目覚めていなかった残りのホームレス達も家から出てきた。

「うお―――――ッ!!!!!!・・・」

弄ばれている寿里の姿を発見すると。雄叫びを上げて我先と寿里の周囲を取り囲む。
寿里の視界は、欲望に満ち溢れた男達の姿で埋め尽くされた。
男達は久々に獲物を見つけた飢えた獣の如く寿里に群がり、プラスティック製ショーツに手を掛けた。
勿論、これを外して寿里を犯す為だ。
たくさんの血走った眼が眼前に迫る。
寿里は自身に群がっている大勢の男達全員に犯されると思い、その恐怖にかられて顔を引きつらせた。

「なんだよ、これ?・・・」
「外れないぜ!」
「ビクともしねぇぜ!・・・etc.etc.・・・」

しかし、股間にガッシリと食い込んだプラスティック製ショーツは、貞操帯の如くビクともしなかった。
だからと言って、男達が簡単に諦める訳などない。
一番最近したセックスが、いつだったかも記憶に無いような男達が、寿里のような美少女と事が及べると、全員が性欲を爆発寸前にまで滾らせていたから当然である。
意地でも外してやろうと、皆が躍起になった。
股間に張り付いているショーツを、外さないことにはどうにもならないからだ。
カナヅチやノコギリ等の工具を持ち出しても、何をどうしても解決策が見出せないことで、男達は苛立った。

「おい!これ、どうしたら外れるんだぁ?」

寿里の顎を掴み、顔を持ち上げて、責めるようにして問い質す。

「ゔぅぅぅ~~~・・・ゔぅぅぅ~~~・・・(わかりません!・・・わかりません!・・・)」

寿里は口にボールギャグが嵌っている為に、喋ることは出来ない。しかも、ヴァギナとアナルを同時に激しく責められていることで、悶絶させられてもいた。その状態でも寿里は、頭を何回も左右に振って、外し方など知らないと訴えるようにして、泡を吹き零しながら呻き声をあげる。
それでも男達は、尚も力任せにそれを外そうとするが、プラスティック製のショーツは外れることはおろか、ずれることもなかった。

「おい、これは外れるんじゃないか?」
「お!・・・そっか!」

一人の男が、寿里の口を塞いでいたボールギャグを力任せに引き千切った。

「う、ご、お、お、お、お、お、お、お、お、お、お、お・・・」

ようやく口の自由を取り戻した寿里の第一声は、ケモノの呻き声のような喘ぎ声だった。
なぜなら、寿里は、前後の二穴に侵入し、体内を深く抉り、暴力的に動く二本の三又バイブに責められてきたことで邪悪な快楽に蹂躙され、肢体から脳から神経の一本一本までもが、寿里の全てが快楽で麻痺していたからである。

「ぐ、が、ご、ご、ご、ご、ご、おぉぉぉぉぉ・・・」

涎を垂れ流して、涙を溢れ返して、寿里は悶絶する。

「おい!・・・このマワシみてぇな物はどうやって外すんだ!」
「答えろよ!・・・答えねえと、その可愛い顔が傷ものになるぜ!」
「早く答えるんだよ!・・・etc.etc.・・・」

ホームレス達は口々に寿里を問い詰める。

「・・・ぐゎ・・・が、ご・・・お・・・わ、わ・・・か・・・り・・・ま・・・せん・・・うぅッ!・・・わか・・・ら・・・ない・・・です・・・・・っんぐッ!・・・無理・・・矢・・・理・・・に・・・・ぁあッ!・・穿か・・され・・・て・・・いる・・の・・です、んううううううッ!・・・・・外・・・し・・・方・・な・・・んて、うがぁあッ!・・・わからな・・・い・・・で・・すぅ・・・あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙~~~ッ・・・」

全身が邪悪な快楽によって痺れている寿里は、流暢に喋ることは出来なかったが、なんとか言葉を繋いで意思を伝えた。

「無理矢理・・・穿かされている・・・のか・・・」
「・・・ということは?・・・」
「あぁ、そういうことだろう!」
「誰かが俺達にプレゼントしてくれた!ってことだろう?」
「そうだよなぁ・・・だったら、送り主様に申し訳ないから、とことん楽しんでやろうか!」
「あぁ!たっぷり可愛がってあげるとするか!・・・etc.etc.・・・」

ショーツを脱がすことは不可能だと諦めたホームレス達だったが、それで寿里を解放しようとは、誰一人として思ってはいなかった。
美少女の可憐な口があるではないか!
その口で溜まりに溜まった己の欲望を抜いて吐き出して貰おうと、男達は会話をすることなく全員一致で取るべき行動を確かめ合った。

「うごぉおッ、うぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!・・・(やめて!やめて!やめて!・・・う!?臭い!臭い!臭い~~~ッ!・・・」

寿里の存在に一番初めに気づいた男が、寿里の口の中に垢に塗れてチーズが腐ったような臭いを発するペニスを捻じ込んだ。

「うお――――――――――ッ!・・・こりゃあ堪らんわ!こりゃあ良いわ!・・・このお嬢ちゃんの尺八は絶品だぁ!」

男は雄叫びをあげて、寿里の頭を乱暴に振り回す。

(腐ってる!腐ってる!腐ってる!・・・臭いよ!臭いよ、臭い・・・よ・・・)

手足を封じられている寿里は、為す術も無く男のペニスを味合される。

「こぽッ♪・・・こぽッ♪・・・こぽッ♪・・・こぽッ♪・・・こぽッ♪・・・」

寿里は涙を溢れ返して、垢に塗れたペニスを口で扱き立てる。

「くぅ――――――――――ッ!・・・気持ち良すぎる――――――――――ッ!・・・」

久々に受けたフェラチオが、寿里の絶品のフェラチオだったこともあって、男が昇天するのにさほど時間は掛からなかった。

「おぉ―――――ッ!!!・・・久々な・・・ものだから・・・もう・・・出ちまう・・・ぜ!」
ブシュッ!
「うぷぅぅぅうッ!(いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!)・・・」

男は何年にも渡って溜め込んで、溜まりに溜まっていた精液を、寿里の口の奥で爆発させた。その瞬間、熱いゼリー状の固形物と化した精液が、寿里の口内から喉にかけて埋め尽くし、そして、その精液が発する腐敗したような悪臭が口内に広がって、寿里の肢体は身の毛がよだつほどの気持ち悪さを覚えた。

「うぅ~~~~~ッ!・・・(臭い!臭い!臭い!臭い!臭い!・・・)」

寿里は吐き気を催すほどの腐敗臭を放つ精液を、今すぐ吐き出したいと思った。
だが、男のペニスが喉深くに突き刺さり、それが蓋の役割を果たしていることで、寿里は吐き出したくとも吐き出せなかった。しかも、後頭部を両手でしっかりと押さえ付けられて、これもボロ雑巾のような悪臭がする毛むくじゃらな下腹部に顔を埋められていた為に、口を開けることさえも出来なかった。

「うぅ~ッ、うぅ~ッ、ゔぅ゙ぅ゙ぅ゙ゔッ!・・・うッ、ごっくんッ♪・・・」

腐った精液など飲むまい、吐き出したいと抵抗する寿里だったが、間の悪いことに寿里は現在も、ヴァギナとアヌスを強力なバイブで同時に犯されていた。
その体内で暴虐的に踊り狂うバイブに齎された邪悪な快楽よって、肢体がビクンッ!と痙攣を起こした、その拍子に、寿里は精液を全て飲み込んでしまった。

(いやああああああああああああああああああああ!!!・・・やだ!やだ!やだ!やだ!やだ!・・・変な匂いのする精液を!腐った精液を飲んじゃったぁ~~~~~~~ッ!・・・)

寿里の瞳から新たな大粒の涙が溢れ出た。

「おっほっほっほっほっほっほ・・・柔らかい唇にネットリと絡み付く舌使い・・・このお嬢ちゃんの尺八は絶品だったわ!・・・それにゴックンまでしてくれるとはな!」

男は大満足だ。

「そうなに良いのか?・・・早く代われよ、おい!」
「あぁ、わかった・・・」

背後にいた男にせっつかれて、寿里の口内に射精した男は、深く突き刺さしていたペニスを一気に引き抜いた。

「おええええええええええええええええええええええええ・・・」

その直後、寿里は腐敗臭を放つ精液を飲まされたことで、胃の中から込み上げてくる不快感で吐き気を催して、粘つく口を大きく開いて嘔吐いた。
大きく口を開いたことで、口内から腐敗臭が吹き出し、呼吸したときにそれを吸い込んでしまって、また嘔吐く、そして、精液を飲み込んだことで、全身の毛穴からも腐敗臭が漂ってくるように感じて、更に嘔吐いた。
しかし、その行為はあまりにも無防備だった。
ホームレス達にとっては、寿里が自身で大きく口を開けて、ペニスを挿入されるのを待ち受けているようにしか見えなかったからである。

「おえええ・・・うぐッ!・・・うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷッ!・・・」

二番目の男が容易く寿里の口内にペニスを叩き込んだ。

スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!・・・

この男も寿里の頭を掴んで豪快にペニスを打ち付けた。

「うぅ~~~ッ・・・うぅ~~~ッ・・・うぅ~~~ッ・・・(うぅぅ・・・この人のも・・・臭い・・・死んじゃいたいくらいに臭い・・・うぅ・・・)・・・」

男達から漂ってくる腐敗臭は、寿里の臭覚だけではなく視覚にも影響を及ぼす。
それは腐敗臭で目がチカチカとし始めたかと思うと、次いで激痛に変わったのである。
寿里は、その痛みに耐え切れずに目を瞑った。
それでも閉じた瞳からは涙が溢れ出る。

ブシュッ!・・・

再び喉奥に、熱の篭ったゼリー状の精液を流し込まれるようにして、口内に射精された。
口の中が再び腐敗臭で充満し、更に熱くドロドロとした固形物を含んだ精液の不愉快極まりない感触で一杯になった。
寿里は今度こそ吐き出そうと思ったが、ここでもバイブが齎す邪悪な快楽に邪魔されてしまい、肢体が痙攣を起こしたときに、それを全て飲み込んでしまった。

(あぁぁぁ・・・もう赦して・・・赦して・・・赦して・・・)

寿里は菱形の描いたシナリオ通りにホームレス達に弄ばれ、ホームレス達も菱形のシナリオ通りに寿里を弄ぶ。

「おええ・・・うぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!・・・」

してはならないと分かっていても、寿里は再び大きく口を開けて嘔吐いてしまい、その最中に、三人目の男のペニスを咥えさせられた。この男も久しぶりの女の感触に感動して、乱暴に寿里の頭を振り回す。

「あっはっはっはっは・・・言われる通り、このお嬢ちゃんの口は名器だわ!・・・こんなに気持ち良い尺八は始めてかもしれんわ!・・・」

男は益々笑顔になって振り回す。

(うぅぅぅ・・・もう、いやだぁ~~~・・・)

対して、立て続けに悪臭を放つペニスを味合わされている寿里は涙顔だった。
無理矢理ペニスを咥えさせられている状態で、その行為自体を褒められても寿里には空しさしか感じられなかった。だが、その感情に反して寿里の唇は、更に褒め言葉を聞きたいのか、ペニスを頬張るようにしてモグモグと動いている。勿論それは男を喜ばせる為に動かせている訳ではなく、股間を責め続けるバイブの影響で肢体が頻繁に痙攣を引き起こし、それに呼応しているのである。その動きが更に男を気持ち良くさせてしまい、より大量の精液を放出させる結果を招くのであった。

「あ―――――ッ!・・・お嬢ちゃん、出すぞ―――――!!!・・・と!?・・・お!・・・」
ベチャッ!
「きゃッ!?・・・」

寿里の口内に勢いよく射精してやろうと企んでいた、この男は、射精する間際に反動をつけようとして腰を引いた。が、そこで誤ってペニスを全て引き抜いてしまい、寿里の顔面に精液をぶちまけてしまった。
愛らしい寿里の顔が、黒ずんでドロドロの精液塗れの見るも無残な顔に変わり果てた。

「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!」

目から鼻から、そして、口からも腐敗臭が襲い、寿里は錯乱したように泣き喚いた。
しかも、その強烈な臭いは、肌からも染み込んでくるように感じられた。

「何やってんだよ、てめえはよう!」
「これじゃあ、次の者が出来ねぇじゃねぇかよ!」
「独り善がりにもほどがあるぜ!」
「何とかしろよ!何とか!・・・etc.etc.・・・」

寿里の顔面に射精した男は満足そうな表情を浮かべたが、周りにいたホームレス達は、こぞってその男を非難した。

「わかったよお・・・」

その男は申し訳なさそうな表情に変わり、公衆トイレが過去に存在した唯一の名残である、コンクリート面からニョキッと顔を出している水道の蛇口の栓を開いて、腰に掛けていたタオルを水に濡らした。

「ゔゔゔゔゔゔゔ~~~~~・・・」

そのタオルを使って寿里の顔を拭い始めると、寿里は今までと違ったもがき方をして苦悶し、そして、呻き声を上げた。

(臭い!臭い!臭い!臭い~~~~~・・・)

そのタオルにも、形容し難いほどの臭いが、卵が腐ったような臭いが染み付いていたのだ。
しかも、その男は顔に付いた汚れを取るのではなく、顔に付いた精液を塗り込めるようにしてタオルを動かしている。その為に寿里は、酷い悪臭を放つタオルと精液とで顔を覆われてしまい、肢体を支配している邪悪な快楽を忘れるほど、その悪臭に苦しめられた。
タオルが顔から放されたとき、寿里の顔は正しく精液で顔面をパックしたようにヌルヌルとした状態になっていた。

「これでいいか?・・・」

寿里の顔を拭い終えた男が、他の男達に伺った。

「ひぃ・・・や・・・ほんは・・・ほ・・・ひゃ・・・だ・・・(嫌、こんなのヤダッ!ちゃんと拭いてよ!このままだったら腐った臭いが顔に染み付く!)・・・んッ!・・・うごぉッ!・・・」

寿里は、呂律の回らない口で訴えようとしたが、
「まぁ、良しとするか!・・・ガシッ!・・・ズブッ!!!・・・」
順番待ちしていた男は、もう待つことが限界だったので、それに応じて寿里の後頭部を引き寄せてペニスを突き刺した。

「ぬぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・」

自身のペニスを寿里の喉奥に達するように、根元まで咥えさせるようにして突き刺した。

「ッん、ぷぷぷぷぷぷぷッ!ッん、ぷぷぷぷぷぷぷッ!ッん、ぷぷぷぷぷぷぷッ!・・・」

根元までしっかりと咥えさせると、ペニスの全てを味合わせるようにして寿里の頭をゆっくりとした動作で揺り動かせる。

ドグンッ!
「うぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・ゔ!・・・ごくんッ!・・・」

そして、この男も瞬く間に興奮が最高潮になり、寿里の喉奥で熱い精液を大爆発させる。
寿里は喉奥に射精されたと同時に、肢体をビクつかせて、その精液を全て飲み込んだ。

「ぐぼぉおッ!・・・ゔぅ”~~~ッ!・・・ゔぅ”~~~ッ!・・・ゔぅ”~~~ッ!・・・」

射精をした男が満足そうにペニスを引き抜くと、次の順番を待っていた男が、寿里に休みを与える間もなく、嘔吐く間も与えずに強引にペニスを捻じ込み、そして、それを存分に味合わせるように寿里の頭をゆっくりと前後左右に動かせた。

(やめて・・・やめて・・・やめて・・・もう赦して・・・お願いします・・・お願いだから、赦して・・・

それからも寿里は、この公園で生活している全てのホームレス、二十人もの男達のペニスを咥えさせられ、味合わされて、口内は言うに及ばず全身に腐敗臭が臭い立つ精液を浴びせられる。
その凄惨な光景を目の当たりにしていた会員達は、全員がドン引きしていた。

「ちょっと、やりすぎじゃね?・・・」
「確かに・・・そうだよなぁ・・・」
「菱形さん、このままじゃ、寿里ちゃんおかしくなりますよ?・・・」
「おい、菱形?・・・菱形?・・・etc.etc.・・・」

口々に菱形を嗜めた。が、

「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!・・・いいぞ!もっとやれ!・・・もっとだ!もっとだ!もっとだ!・・・ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!・・・」

菱形は手を叩いて大喜びをしていて、会員達の声は聞こえなかった。

「・・・」

他の会員達は狂気に満ちた菱形の顔を見て、寒気を感じ何も喋らなくなった。



ブシャアッ!
「ぅ・・・ごくん♪・・・」

いつしか寿里は口内に射精されても、悲鳴を上げることも抵抗もしなくなり、されるがまま精液を飲み込んでいた。
なぜなら、寿里は、二本の三又バイブによって数知れず絶頂に導かれたことと、ホームレス達によって大量の精液を飲まされたことで、体力と気力の両方を奪われていたからだ。
しかも、バイブは二本とも未だ健在で寿里の体内を凄まじく猛り狂い、ホームレス達は体力の限界を超えても沸々と湧き上がる昂ぶった感情に支配されて、寿里を徹底的に陵辱し続けていた。

「ズボッ!・・・」

寿里は、自慢の白い柔肌を肢体の芯から昂ぶる感情で紅潮させ、これも自慢だった白い乳房も揉みくちゃにされて真っ赤に変色させ、淡い桜色した可憐な乳首をも焦げ茶色に固く巨大に勃起させ、愛らしい顔も汗と涙と精液でグチャグチャにされていても、休む間も無くペニスを咥えさせられる。

「うぷッ♪・・・うぷッ♪・・・うぷッ♪・・・うぷッ♪・・・うぷッ♪・・・」

そして、寿里は肌に触れられただけで逝ってしまいそうになるほど、全身が性器になったような過敏な感覚に陥り、尚且つ、肢体が昂ぶり過ぎて常にエクスタシーを感じている絶頂状態に置かれていても、されるがままペニスを口で扱いている。

ビチャッ!
「ぅ・・・」

また射精された。
それも顔面に。
だが、もう誰も文句を言う者はいなくなっていた。
なぜなら、既に寿里は、顔のみならず全身までを、精液でドロドロにされていたからだ。
それは、男達全員が時間の経過に伴い、昔に観たAVのようにぶっかけたいと、寿里の顔にぶっかけたい願望を抱き、その欲望を躊躇うことなく実行に移していたからだった。
見る見るうちに寿里は汚れ、その姿を見て男達は益々感情を昂ぶらせた。

ベチャッ!
「ぁ・・・」

今度は首元から胸に掛けて射精された。
いつしか寿里のコスプレ衣装は、髪に付けているピンクのカチューシャのみになっていた。
全裸にマワシのような硬質プラスティック製のショーツだけを身に付けて、全身をパックしているように腐敗臭漂う精液に塗れていた。
その寿里の周りには、精液がベットリと付着したコスプレ衣装が散乱している。
ホームレス達は、寿里の肢体に付着した精液が垂れてくると、その衣装を破いては精液を拭っていたからである。

ドビュッ!
「ぅ・・・ごくん♪・・・」

長時間に渡り陵辱されている寿里は放心状態だった。
それでもホームレス達は、そんなことなどお構い無しに、寿里を欲望のはけ口として陵辱し続ける・・・



「うぷッ♪・・・うぷッ♪・・・うぷッ♪・・・うぷッ♪・・・」

日が沈みかけてきた。
この時間になっても二穴を犯すバイブは健在で、ホームレス達の欲望も燃え滾ったままあり、寿里は今も二穴をバイブで激しく犯され、ホームレスのペニスを強制的に扱いていた。

「・・・さてと・・・そろそろ終わりにしよっか・・・」

ここに来て、ようやく菱形は、ゆっくりと腰を上げて会員達に話しかけた。

「お。おう!」

あまりの惨たらしさに目を背け、携帯電話を弄っていた会員達も、ようやく終わりだと安堵して相槌を打った。

「じゃ・・・これ!」

菱形は、昨晩この公園に一人忍び込んだ際に隠していた金属バットや鉄パイプを、会員達一人一人に手渡した。

「頭や顔を殴ったらダメだよ、死んじゃうから・・・脚を中心にしてやるんだよ!」

それを手渡され驚きを隠せない会員達を尻目に、菱形は注意を与えてからホームレス達の群れへと近づいていった。

「うぷッ♪・・・うぷッ♪・・・うぷッ♪・・・うぷッ♪・・・ぅ、ぅぅ!・・・」
ベチャッ!
「ッ・・・」

またもや寿里は顔にぶちまけられた。

ドガンッ!
「ぎゃあ――――――――――ッ!!!・・・」

その瞬間、菱形はその男の背後から、その男の脚をぶっ叩いた。
蹲った男の反撃の機会を与えないように、菱形は更に脚を三度殴りつけ、男は呻き声を上げて転げ回った。
後に引けない会員達も、何事だと騒然とするホームレス達を一斉に襲撃し、ホームレス達は悲鳴を上げて次々と倒れていく。
数分後、全てのホームレスの男達は昏倒していた。

「寿里ちゃん、お疲れさまぁ・・・帰るよぉ!」

辺りを見渡し、ホームレス達が立ち上がれないと判断した菱形は、にこやかな笑顔に表情が一転し、バイブのリモコンをOFFにして寿里に近寄った。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ・・・」

寿里は頭の先から足の爪先までの全身を腐敗臭漂う精液に塗れ、視線は宙を彷徨い、全身をガクガクと震わせ、そして、魂が抜けたように精気の無い顔をしていた。

「ぁ゙あ゙~~~ッ!・・・」

ショーツ型のバイブと手錠を取り外そうと、会員達が寿里の肢体に触れた途端、寿里は絶叫し、肢体を激しく悶絶させた。
今まで絶え間なく膨大な快楽を与え続けられた結果、寿里は過度の興奮状態に陥っており、肌に触れられただけで絶頂に達してしまったのである。
このまま寿里を放置する訳など出来ぬ為、会員達は仕方なく達し続ける寿里のことは目を瞑って後片付けに入った。
寿里は絶叫し続け、絶頂に達し続けながらも、バイブと手錠を解除される。それから、ホームレスから剥いだ上着を肢体に覆われて、そして、ダンボールハウスの前に置いてあった一輪の手押し車に乗せられた。

「げほッ!げほッ!げほッ!・・・うげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・」

寿里は手押し車に乗せられた瞬間、激しく咳き込み、吐き、そして、意識を失った・・・



その翌日の昼頃。

「・・・!・・・おえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・」

今日も浴室で吐き気を催して、寿里はようやく目を覚ました。
意識を失ってから十二時間以上が経過していた。

(ここは?・・・あ、そうだわ・・・昨日も・・・気を失ったんだ・・・)

思い返そうとしなくても、昨日の記憶が戻ってきた。
二十人のホームレスのペニスを口で扱いては、吐き気を催すほどの腐敗臭がする精液を嫌と言うほど大量に飲み、そして、その精液を大量に全身に浴びた。
その為か、呼吸をする度に胃から不快な臭いが込み上がってくるように、肢体からは嫌悪な臭いが漂ってくるように感じられる。しかも、意識を失くす前に嘔吐した臭いも混ざっている。気が狂ってしまいそうな爆裂的な汚臭に、寿里は全身を包まれていた。

シャ――――――――――――――――――――――――――――――――――ッ!・・・

すぐさまシャワーを浴びて、汚れた肢体と汚臭を洗い落とす。

「おえええええええええええええええええええええ・・・」

何度肢体を洗っても、何度髪の毛を洗っても、そして、何度うがいをしても、何度歯を磨いても、昨日味合わされた精液の腐敗したような汚臭と不快な感触が取れない。

「おえぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・うっ!・・・げはッ!げはッ!げはッ!・・・」

吐きすぎて喉に異物が痞えて、今度はむせ返った。

「毎度、毎度、おえ、おえ、おえ、おえ、うるさいねぇ・・・」

浴室の入り口で菱形が立っていた。
菱形達は午前中出かけていたが、寿里の様子を窺いに廃工場に戻ってみると、寿里が意識を取り戻しているようだったので、浴室まで上がってきていたのだった。そして、浴室の中へと入ると、いきなり寿里の髪の毛を乱暴に掴み上げて顔を覗き込んだ。

「うぅぅぅッ!・・・すみませんでした・・・」

寿里は、ひたすら謝った。

「ちっ!・・・」

菱形は舌打ちをしてから、寿里の頭を放り投げるようにして手を放した。

「今から僕達は、メシ食ってくるから寿里ちゃんはお留守番しといてね!」

「はい、わかりました・・・」

命令には絶対服従の寿里の答えは一つだ。

「帰って来たら、また楽しいことして遊んであげるからね!」

「はい、宜しくお願いします・・・」

心身共にかなり衰弱している寿里は、感情も、抑揚も無い、平坦な返事を繰り返す。
その応対で、いよいよ寿里が精神を追い詰められていると確信した菱形は、尚も寿里を逃げ場の無い所まで追い詰めてしまおうと、止めの策の手の内を明かした。

「寿里ちゃん!・・・楽しいことが何か今、教えてあげるね・・・寿里ちゃんはこれから僕達の為に、この体を使って生活費を稼ぐんだよ!」

「はい・・・」

菱形の言っている意味を考えることも無く返事をする。

「内容はね・・・くくくくく・・・AVに出演して貰うよ!・・・アハハハハハハハハ!・・・AVと言っても配信専用の裏モノだからさ!・・・直ぐには寿里ちゃんって正体はバレないから、安心して出演できるよ!・・・ま、裏モノなので撮影はハードらしいんだけどね!・・・大勢の男優に犯されるようにセックスするんだってさ!・・・聞いた話だけど、たくさんの女優さんが壊れちゃったほど激しいそうだよ!・・・でも、淫乱でド変態の寿里ちゃんなら大丈夫だよね!・・・何本も撮影して、何人とも、何十人とも、何百人ともセックスして僕達の為にお金を、い~~~~~っぱい稼いでね!」

これまで寿里を徹底的に犯し続け、衆人に晒して弄んでいた菱形だったが、会員以外の男には誰一人として本番行為はさせてこなかった。
しかし、寿里が陵辱されている姿を見ていく内に、徐々に菱形の内面に変化が生じていた。
それは汚されても、汚されても、尚も美しさを保ち続ける寿里を「汚らわしくなるまで犯したい!」、「醜い姿に変貌させたい!」、「壊してしまいたい!」という加虐心が大きく成長していったからだ。
それまでは自分の中で成長する加虐心に悩みながらも、見知らぬ男達による本番行為だけは決して行わせてこなかった菱形だったが、ここに至ると、その心を押さえ付けることも、制御することも不可能になるまで大きくなっていた。
「美しい物は破壊することで、より美しく再生される!」
寿里を陵辱し続けたことで得た未知の真理を、菱形は深く追求したくなっていた。
それには心身共に破壊し尽くすようにして、寿里を陵辱しなくてはならない。
菱形が出した答えは、寿里をAVに出演させることで、寿里の身も心もプライドも何もかもも破壊してしまおうというものだった。

「はい・・・え?・・・ええ?・・・」

狂ったような菱形の発言で、寿里は我に返って表情が一変した。

「何、驚いた顔してるの?・・・寿里ちゃんは、これからもずっと僕達の奴隷として働いて貰うんだからさ!・・・アハハハハ!アハハハハ!アハハハハハハハハ!・・・」

「あ・・・あ・・・あぁ・・・」

自然と瞳から涙が零れた。

「じゃあ、僕達は行ってくるよ。寿里ちゃんは一人で留守番だからね!・・・性奴隷生活が嫌だったら逃げても良いんだよ!・・・だけど、逃げたら例のモノを全世界に配信するからね!・・・アハハハハハハ、アハハハハハハハ!・・・」

寿里に念を押すと、菱形は高笑いをして浴室から出ていき、廃工場の前で車に乗って待っていた会員達と出掛けていった。
寿里は絶望の中、その場に突っ伏して泣き叫んだ。

「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!・・・」

泣いても、どうにもならないことは分かっていた。
自分自身が撒いた種だ。
誰にも責任を擦り付けることは出来ない。
寿里はひたすら泣きじゃくった。

一時間ほど泣きじゃくった寿里は、何かを思い出したように肢体を起こし、泣き続けながらも肢体を洗い始めた。菱形達が帰ってくるまでに風呂を終えていないと、更に酷い目に遭わされるのが分かっているからだ。寿里は肢体に纏わり付く腐敗臭を取り除こうと、何度も念入りに肢体を洗い流した。
その後は湯船に浸かって凝り固まった肢体を丁寧に解した。
それから浴室から出た寿里は、菱形が用意していた衣服、綺麗にクリーニングされていた白のミニのワンピースに着替えた。それは菱形に浚われたときに寿里が着ていた、恵理の私服であった。

「・・・これを着て連れて行かれるんだ・・・」

菱形が言っていたように、このあとAV撮影の現場に連れて行かれると想像した寿里は、絶望感が一杯に篭った深い溜め息を吐いてベッドに崩れるようにして腰掛けた。

そのとき、
ドガガガガァ――――――――――――――――――――――――――――ンッ!!!
「きゃッ!・・・何!?・・・」

今居る菱形の廃工場の裏にある大きな建屋から、激しい爆発音と激しい振動が発生し、
「なぁ~にをやってんのよッ!あんた達――――――――――ッ!」
「申し訳ありません、お嬢様!」
「申し訳ないザンス!」
「申し訳ないでゴンス!」
聞き慣れた声も聞こえて来た。

拉致されて身も心もボロボロになるまで犯されて、心底衰弱していた寿里だったが、そこはレスキューフォースの現役隊員である。寿里は、何をすべきかと考えるまでも無く、本能で何が起こったのかと確認する為に、その建屋へ向かっていた。
しかし、体力が著しく消耗していた寿里の動作は鈍く、その建屋の入り口で見張りをしているアクストにあっさりと見つかってしまった。

「きゃッ!?・・・」

アクストを倒す力など全く無い寿里は抵抗する間もなく、あっさりと捕まってしまいマーエンと三幹部の前に連行された。

(寿里さまぁ~♪・・・)
(寿里ちゃんザンス☆☆☆・・・)
(寿里ちゃんでゴンス☆☆☆・・・)

愛しの寿里が目の前にはいるが、首領のマーエンが目の前にいることでマール、サーン、シーカは素知らぬ態度を取る。
直ぐにマーエン直々の尋問が始まり、寿里に対し「何故ここにいるのダー?」と詰問する。
と、寿里は何を思ったか、咄嗟に嘘を並べた。

「ネオテーラの秘密のアジトを見つけたって通報があったのよ!・・・あたしが一番に到着したんだけど・・・もうすぐしたらレスキューフォースがここにやって来るわ!覚悟しときなさいよ、あんた達!」

寿里の嘘を信じ込み、アジトが見つかってしまったからには撤収をと決めたマーエンは、マール、サーン、シーカに此処に存在する全ての証拠の隠滅を図る良い方法を早急に考えろと命令する。
その命令を聞いた寿里が、これまた何を思ったのか大きな声で叫んだ。

「ガソリンなんか撒いて火を付けちゃ絶対に駄目ッ!」

「これは名案だ!」と、マールとサーンとシーカはアクストに、寿里の言った通りに建屋にガソリンを撒き散らして火を放つように命令する。
命令に従ったアクスト達が火を放つと、その火はみるみるうちに燃え広がり建屋はもちろんのこと、菱形の廃工場をも瞬く間に飲み込んだ。

(燃えろ!燃えろ!燃えてしまえ!・・・これで恐喝の証拠も少しは減るわ!)

寿里は燃え上がる炎を見て、自分自身でも信じられない、レスキューフォースの隊員としてあるまじき言葉を呟いていた。



火災の通報を受けた多数の消防車が現場に到着したときには、ネオテーラの秘密基地であった建屋と菱形の廃工場は跡形もなく燃え尽きていて、そして、その周辺一帯をも焼け野原と化していた。
そのときにはもう寿里の姿はおろか、ネオテーラの姿も完全に消え去っていた。
寿里は菱形達に次いで、今度はネオテーラに拉致されてしまった。



その数時間後、焼け野原と化した火災現場で呆然としている男達の姿があった。
昼食から何も知らないで帰ってきた菱形達だ。
菱形は全てを喪失してしまった、その失望感の大きさに両膝を付いて打ちひしがれていた。

「寿里ちゃんが・・・僕の寿里ちゃんが~~~~~~~~~~ッ!!!・・・」

菱形は寿里をも失ったと思い号泣する。
そのあまりにも計り知れない多大なショックは、菱形の狂気を一瞬にして吹き飛ばすものだった。



菱形達が、実は寿里がネオテーラに浚われたという事実を知ったのは、この数時間後に、青木が世界消防庁とレスキューフォースの会話の盗聴に成功したときだった。

「ネオテーラめ・・・許さない!・・・」

菱形は憤怒の形相になった。