レイプ・トラップ

「これからおまえには二人の男と戦ってもらう。制限時間は15分。15分間逃げ切れば子供たちを解放する……」
「逃げ切ればいいのね」
マダラマン程度の相手なら15分間逃げ切ることは可能だ。ミキは小さな部屋の中でマズルカの声のするスピーカーを見つめる。
「最後まで逃げ切れればね……捕まったら二人がかりで犯される。覚悟はいいかい……」
ミキにとっては、またしても気も狂うようなマズルカの説明である。
「あ、相手はだれ? 誰なの……」
ミキは不安を隠せない。デスダークの怪人だったら、素手ではとうていかなわない。ブルブルと身体の震えがとまらなくなるが、自分が戦わなければ子供たちを助けられないのだとミキは自分を奮い立たせた。
「それは見てのお楽しみさ。ただし、女対男、おまけに相手は二人だ。それじゃ不公平だろう。そこで対戦の間だけ変身ブレスを返してやろうじゃないか。ゴーグルピンクの武器も使えるぞ……」
マズルカの言葉が終わるとミキの前に変身ブレスが現れた。すかさずミキは手に取るとゴーグルピンクに変身した。

ミキがゴーグルピンクに変身する少し前、別室には黒田と青山がいた。
「俺たちをどうしようと言うんだ!」
黒田が叫ぶ。
「フフフ、これからおまえたちにはマズルカと戦ってもらおう」
スピーカーからデスギラーが黒田たちに語りかける。
「相手がマズルカとは俺たちもなめられたもんだな!」
今度は青山が罵った。
「……フフフ、条件はただ戦って倒すだけじゃないぞ……」
「…………」
デスギラーの意外な言葉に黒田と青山は首をかしげる。
「マズルカを犯せ!! 15分以内にマズルカを倒して、二人がかりで強姦することができれば子供たちは解放しよう。できなかった場合は……子供たちを殺す」
「何?! そんな……」
「マズルカはおまえたちの仲間だろう!」
黒田と青山はデスギラーに反論する。
「おまえたちは何も知らないようだが、マズルカはたび重なる作戦の失敗の責任を取らされて更迭されたのだ。最後のチャンスとしておまえたちと戦うことを選んだというわけだ」
二人にとってデスギラーの説明は理解しがたいものだったが、血も涙もないデスダークのやり方からみれば説得力はあった。
(そういえば、マズルカの姿を見ない。今回の作戦に参加していないのはそういう理由だったのか……)
黒田たちが捕らえられてから一度もマズルカが現れていないことも事実だった。
「黒田、俺は前から捕まった敵の女幹部はどうして強姦や輪姦されないのか、不思議だったんだ。マズルカにはこれまで苦しめられてきたじゃないか。この機会に仕返ししてやろうぜ」
「何を言ってるんだ、青山。たとえ敵だとしても俺にはそんなことは……」
若い青山は溜まっていた性欲も手伝ってやる気満々だが、黒田はなかなか承諾しない。
「ゴーグルブラック、おまえが戦わなければ、代わりにゴーグルピンクを輪姦するぞ。強化服なしで女に飢えたマダラマンたちの部屋に放りこまれればどうなるか……」
「ま、待ってくれ! ミキには手を出すな!」
デスギラーは慎重な黒田を言葉巧みに追いつめていく。
「……相手がマズルカだと思ってなめてかかると火傷するぞ。窮鼠猫を咬むというだろう……そうだな、対戦の間だけ変身ブレスを返してやろう。この条件ならどうだ?」
デスギラーの言葉に黒田の目が光る。
(これは脱出のチャンスだ! 変身ブレスさえこちらに返ってくれば……)
黒田も承諾して二人は変身し、次の部屋に入っていった。

その部屋はバスケットコートぐらいの広さだったが、壁も床も天井も、黒一色の布地を張りめぐらせており、天井の蛍光灯が眩しい。床は黒い絨毯を敷きつめたらしく、それほど硬い感触はない。
正面奥の壁を背にしてマズルカが立っていた。
「ホホホホ……二人ともこれをご覧!!」
マズルカは右腕にはめたゴーグルファイブの変身ブレスを掲げてみせる。
「それは……ミキの変身ブレスじゃないか?」
「どおりでデスギラーが強気だった理由がわかったぜ……ようし、やってやろうじゃないか!!」
黒田と青山はマズルカがゴーグルピンクに変身しようとしていることを知り、身構える。部屋の中に緊張がはしった。
「ゴーグルピンク!」
マズルカはゴーグルピンクに変身したが、その直後部屋の照明が消え一瞬姿が見えなくなった。

-バターン!
いきなり小部屋の壁が回転扉のように動く。次の瞬間、ミキの体は黒い部屋のなかへ押し出されていた。
閉じようとする回転扉の隙間からゴーグルピンクのマスクが覗く。
「あ、あなたは誰?……」
「たっぷりと可愛がってもらいな、ゴーグルピンク……」
もう一人のゴーグルピンクは意味ありげな言葉を残して、扉の奥に消えた。
さっきまでいた隣の小部屋に通じるドアにミキは駆け寄ったが、その部分の壁にはハンドルもノブもなにもない。
ミキは体ごと、ドアとおぼしき部分に体当たりを試みるが、はねかえされて床に崩れ落ちた。
「だめだわ、出られない……」
ミキは二つの人影が背後から近づいてくるのに気づく。
それはゴーグルブラックとゴーグルブルーだった。マズルカは仲間同士で戦わせようとしているのか。
「黒田さん! 青山さん!」
ミキは叫んだが、返事はない。
「私はミキです。わからないの? ゴーグルピンクの桃園ミキです!」
ミキの呼びかけに二人はまったく応じようとしない。
(二人とも催眠術にでもかけられているんだわ……)
あっという間に、二人はミキを取り囲んで、左右からいっせいに迫ってくる。ミキはその間を必死にすり抜け、男たちがあわててあとを追った。
彼女の唯一の武器ともいえる敏捷性が黒田たちよりわずかに勝っており、何度も追いつめられながらもミキはすり抜け、逃げまわった。
(捕まったら、最後だわ……なんとか制限時間まで逃げ切るしかない)
青山がミキに近づいてきた。
「フッ、ようやく追いつめたぜ、マズルカ。俺のブルーリングを受けてみろ!」
青山がリングを高々とかかげ、大きく脚をかがめてブルーリングのポーズをとった。
(……マズルカですって……青山さん、何を言ってるの?……)
ブルーリングがブーメランのように襲ってくる。ミキは必死で身をかわしていたが、青山が二本目のリングを取り出したところで反撃に転じた。
「ピンクリボン!!」
ゴーグルピンクの華麗なリボンさばきが青山の放ったリングをからめ取る。
「マズルカ! 今度は俺が相手だ!」
黒田がブラッククラブを両手に持って迫ってくる。
「ピンクダイヤバトン!!」
つづいてミキはリボンをバトンに変形させた。ゴーグルピンク最大の武器であるダイヤバトンを振りかざし、ジャンプして黒田に挑みかかった。
「黒田さん! 目を覚まして、お願いッ!」
振り降ろされたダイヤバトンを黒田はクラブを交叉させて受け止める。
今度は、黒田が猛然と駆け寄って必殺の一撃を振り降ろした。身体をひねって攻撃をかわしたミキが黒田の胴を突く。
「ヤアッ!」
凄まじい迅さでミキのバトンがうなりをあげた。
「ぬうっ……」
黒田が右半身を後ろに反らせる。黒田の体勢が乱れた。すかさずミキが左の肩口に打ちこんでくる。黒田はとっさにクラブで弾こうとするが、ミキは飛び退く。
ミキは戦いながらも、何度も呼びかけつづけた。
「黒田さん、私はマズルカじゃない。ミキです、桃園ミキです! 二人とも聞こえないの?」
(二人には私の声は聞こえてないんだわ。さっき小部屋で出会った偽のゴーグルピンクがマズルカなのだろうか? すると二人は私をマズルカと思いこんで……)
黒田と青山の強化スーツはデスダークによって改造されており、ミキの声はマズルカがアテレコした声に変換されていた。
「マズルカ、なかなかやるな。敵ながら誉めてやるぜ。だがこのブラッククラブ乱れ打ちにはかなうまい」
「あっ!」
甲高い音を立ててミキのダイヤバトンが弾かれてしまう。
バトンを落としたミキに青山がじりじりと近寄ると、ミキは少しずつ後退し、壁際まで追いつめられていった。
「えぇいッ!」
ミキは自慢のハイキックで青山の股間を思いっきり蹴りあげた。手加減はしたつもりだったが、玉をつぶされ、さすがの青山も悲鳴をあげる。おもわずその場にかがみこむ青山にミキは右手のひとさし指を向けた。
「ピンクハート……きゃあっ!」
ピンクハート催眠を浴びせようとしたその時、背後から突然黒田が現れる。ミキは首を片手で締めあげられ、動きを封じられた。
(しまった……)
黒一色のその部屋は、敵の影の中に潜りこみ、背後から不意打ちをかけるゴーグルブラックの得意技-ブラックシャドウを使うにはまさにおあつらえ向きの部屋といえた。
ゴーグルの奥から黒田の瞳が冷ややかに見降ろしている。
(負けられない……子供たちを助け出すまでは……)
黒田に捕らえられても、ミキは闘志を失ってはいなかった。
しかし首にがっしりとまわされた男の腕は、爪がくいこむくらい両手の指をかけてもビクともしない。
黒田に捕まってもがくミキの前に青山もやってくる。
「うっ!」
青山に鳩尾の少し上を殴られ腹を押さえてかがみこむと、黒田が両腕の付け根を両手でがっしりつかみミキの身体を起こす。
「それ、さっきのお返しに、とどめの一撃だ」
青山はそう言いながら、ミキの股間に膝蹴りを食いこませた。
「うぐっ!」
急所を襲われたあまりの痛さに息をつまらせ、今度こそ床の上に崩れ落ちたミキは、まるで傷ついたネズミがなぶられるように、再び身体をひきずりあげられる。
マスクに指がかけられ、頭部に光るダイヤのレリーフがアイアンアームの力でつぶされていく。ゴーグルにシステム損傷の非常サインが明滅した。
「これで最後だ」
黒田はマスクの奥で勝ち誇った笑みを浮かべた。獲物と化した女戦士のダイヤがマスクから取り出されバキバキと音を立てて打ち砕かれてしまう。
「あぁああああーッ……」
マスクと強化スーツのあちこちが火を噴き、ついに機能が停止した。
ミキはピクピクと四肢を痙攣させる。
「ハハハッ……しょせん、俺たちの敵じゃなかったな」

青山の手が、胸のエンブレムを引きちぎり、強化服がビリビリと引き破られた。エンブレム部分にはCPUが格納されており、電子回路が露出する。銃弾さえ跳ね返す強化スーツが切り裂かれていく。
「いやぁあああーッ!……」
機能停止した強化スーツなどただの高分子特殊繊維のボディ・スーツにすぎなかった。
青山は強化スーツのバックルを掴むとベルトもろとも引きちぎってしまう。強化スーツがバナナの皮をむくように剥ぎ取られていく。輝くような内腿の白さが男の目を眩しく射った。必死に閉じ合わせる両脚はしなやかに伸び、素晴らしい曲線美をみせる。
科学の粋を集めたゴーグルファイブの強化スーツが、同じゴーグルファイブの強化スーツの力で瞬く間にただのボロ布へと変えられていく。やがて顔を覆うマスクと白いグローブとブーツだけを残し、ミキの白磁の裸身が黒い空間に浮かびあがった。
胸と股間にはシリコンラバー製のプロテクターを兼ねたインナーが装着されていたが、簡単に引き剥がされてしまう。
「変身するとミキの胸が大きく見えていたのはこのヌーブラのおかげだったのか」
青山はしきりに感心している。
はじけるように上を向いた乳首が顔を出し、それにつづく、なだらかな丘陵が男たちの目にさらされてしまう。
「こいつは驚いた、この女もかなりの貧乳だぜ。ミキより小さいんじゃないか?」
「ほんとにペッタンコだなぁ。こういうのを壁女っていうのか」
男たちは侮辱に満ちた言葉でミキの身体を評して喜んでいる。
青山がラバーパンティの縁に指をかけると、青山の手を取り払おうとミキは思わず手を出す。
「ほう、マズルカ、まだ少しは力が残っていたんだな。でもこの両手は邪魔だから、こうしてと……」
黒田は大きな片手で、女の両手首を束ねるようにしてぐいっと握りしめ、頭の上のほうへ持ちあげてしまう。
「おねがい。それだけは……」
(あの翳りを失った恥丘が黒田さんたちにも見られてしまう……)
ミキはいやいやをするように首を振った、
「もう一度蹴りあげられたいのか」
「ああ……」
絶望的な呻き声を洩らして、ミキはうなだれる。青山に股間を蹴りあげられた時の、絶息するような苦痛を思い出したからであった。
ミキの大切な部分を覆う最後の砦が、静かに股間から引き剥がされていくのを肌に感じながら、ミキは羞恥で全身をピンク色に染めあげていった。

黒一色に塗りつぶされた部屋の中で、白いグローブとブーツだけを身につけた仮面の女が体を丸めてうずくまっていた。胸と下腹部を手で覆い隠し、黒い絨毯の上で小刻みに震えている。
羞恥で身をよじり、ういういしく羞じらう姿に男たちは異様な興奮を感じていた。これからこの女を穢していくのだと思うと、黒田と青山はこみあげてくるような男の獣欲を覚え、嗜虐感に酔いしれていく。
黒田たちは知らなかったが、部屋の中にはデスダークが開発した男を性的に興奮させ、暴力的に行動させる無色無臭のガスが充満していた。
「俺が後ろから抱きしめて壁になるから、青山、おまえは前から来い」
黒田は部屋に入る前に渡された潤滑クリームを手に取ると、そのキャップを外して、もう硬化しはじめている体に塗りこんだ。
「これだけ塗っておけば、そっちが“処女”でも大丈夫だろう。さあ立つんだマズルカ!」
黒田は両の腋の下に手を差しこむと、ぐったりして重くなっている女の体を背中から両腕でがっしりと胸乳を締めあげるようにして抱きとめる。
黒田は両の掌で小さな乳房をすっぽりと覆うとマッサージするように揉みしだきはじめた。
「あっ……や、やめてっ!」
性感帯を刺激されたのか、女はピクッと背筋を反らす。
青い果実のような乳房を握りつぶすようにして揉みしだきながら、淡紅色の可愛らしい乳首だけを指の間にはさんでしごく。敏感な乳首はたちまちツンととがりはじめた。
「さ、脚を開くんだ」
色黒く、雁高のいくぶん細身ではあるが人並み以上に長い肉棒を手でしごき、佇立させたまま、女の前に立った青山は、強引に脚を左右に開かせる。
男に対して力で抵抗する気力と体力を完全に消耗しつくした女は、抵抗する気配さえなさそうだった。まさに赤子同然の無力さといえた。
青山は固く閉じた股間の割れ目に強引に指をもぐりこませ、肉の突起をさぐりだすと、女は白い裸身をのけ反らせて、喘ぎにも似た呻き声をもらした。
「う、う……ううッ……」
青山はますます征服感を煽られて、花びらにもぐりこませた指先に神経を集中し、指先の間で勃起しはじめた女の突起をいたぶっていった。
「あっ!……だめ……」
何度も身をのけ反らせ、身悶えしつつも、男の巧妙なテクニックに女性の本能を目覚めさせられた女幹部は、知らない間に性の高ぶりに追いあげられていくようだった。
「うっ! おねがい……」
指先を花びらの奥深く没したまま、微妙な責めを加えていくと、豊かな臀部を左右に振っていやいやをする。それが男の目にはたまらなくエロチックに映った。
「これがデスダークの女幹部、悪魔のようなマズルカとはね。デスマルク大元帥が見たらなげくぜ、なあ、黒田」
女は狂ったように首を振りつづけた。
「あ、ああッ……」
ジーンと全身を貫く性感に、おもわず体を硬くする女の乳房を、背後から両の掌で鷲づかみにした黒田がやんわりと揉みあげるようにしぼったり、グラインドさせたりし、ときどき、硬く勃起した乳首を指先でつまんでは、小さな悲鳴をあげさせる。
「ほう、あっという間に濡れてきたな。なかなか感度はいいわけだ」
指先に感じる花びらの奥の締まりぐあいで、本能的にそう見抜いた青山がつぶやくようにいうと、女は羞じらうように首を横に振りつづけた。
「あ!」
男の鉾先が花びらにあてがわれた瞬間、その熱さに女は全身がすくませ、声をあげた。
「両手を俺の首に蒔くんだ。そうそう。じゃあ入るぜ」
女の太腿を両手で抱きかかえるようにしてかかえあげた青山は、女の中心部にあてがった体をゆっくりと沈めていく。

「ああ、だめっ……いや……」
ミキは身体をよじるようにして男の侵入を食いとめようともがくのだった。やがて、男の体が無理無体な力で分け入ってくる。
「うっ……!!」
まだ潤いのたりない乾いた身体を、硬直した灼熱の肉棒がぐいぐいこじあけるように入りこんでくる感触に、ミキは小さく悲鳴をあげた。
「うっ……くっ……い、いたいッ……」
青山の肉棒は肉壁をひきずりこむようにして、ジワジワと柔肉を貫いた。
「うむ……ううむ」
たちまちミキは口もきけなくなって、絶息するような呻き声をあげた。
青山はしだいに動きを烈しくしていく。その動きにつれ、いつしか花奥が露をふくみはじめ、ねっとりとからみつくようにしてふくらみ、息づいてくる妖しい反応をみせはじめる。
「ああッ……いやあ……あ、ああ……」
心のなかであらがいながらも、肉体が平気で裏切り、男の体の受け入れの準備をはじめているのに、ミキは狼狽した。
「いやッ、だめ……」
大きなものを詰めこまれたような、充実感が膣孔いっぱいに広がり、男は体内深く、どこまでも押し入ってくる。それに耐えようとするたびに、長大な青山の肉刀が、華奢なミキの身体を引き裂くように深々と攻めこんでくるのだった。深く突きこまれるたびに、膣壁が突き破られるのではないかとさえ思え、ミキは恐怖の叫び声をあげた。
「やめて、やッ、こわい! やめてくださいっ……そんなに奥まで、入れないでぇ……」
もがけばもがくほど、逆に肉体の奥底深く誘いこむように思えて、つい身体を相手のなすがままに開いてしまう。またそのほうが苦痛を和らげられるような気もしたのである。
「ひぃーッ」
肉棒の尖端が子宮口に届き、ズンと突きあげられた。ミキは今にも気がいかんばかりにのけ反った。

いったんつながってしまうと、青山は女の両腿から手を放し、両足を床につけさせてから静かに腰を動かしはじめた。
あいかわらず、がっしりと背後から胸元をかかえこみ、壁の役割をしていた黒田が青山に声をかけた。
「こっちもそろそろ、入っていいかな?」
「ああ、いいぜ」
「じゃあ、アンカーが碇をおろしますか……」
青山の腰の動きの反動で、女のまん丸い尻たぶが黒田の体を快く刺激しているため、すっかり興奮した黒田が、なんの予備交渉もないまま、小さなアヌスを太く硬い体で一気に攻めたてた。

「きゃあっ!」
さっきから、ぼんやりと、ミキは二人の会話を聴いてはいたものの、まさかアヌスを襲われるとは夢にも思わなかっただけに、その痛さとショックは想像を絶した。
張りつめた肉塊が、尻肉にあてがわれる。
「……黒田さん、な、なにを、なにをするの……」
黒田は逞しく屹立したものを、ミキの肛門に押しつける。
「………!」
ミキは一瞬、なにをされたのかわからなかった。が、すぐに激痛が襲ってくる。
「ああッ……そ、そこは、ちがうッ……いや、いやあッ……」
ミキのおびえた声が、たちまち激痛にのたうつ絶叫へと変わる。ミキは夢中でずりあがろうとした。それを黒田が引きもどす。
「そこでいいんだ。フフフ、オ×コはもう埋まってるじゃないか。入れるのは尻の穴しかないだろうが」
ミキをしっかりと抱きしめて抗いを封じ、黒田がせせら笑うように言った。
「いやあッ……そんなこと、いやッ、いやよッ……許してっ」
黒田は灼熱の尖端を、ミキの肛門に埋めこみにかかった。ミキは気が狂うまでに動転した。
肛門の粘膜がメリメリと音をたてて引き裂かれていく。激痛が襲ったが、それよりもおぞましい排泄器官を犯されるショック、それも二人がかりで前から後ろから犯される恐ろしさにミキは青ざめた。
「ひッ、ひいッ、い、痛いッ……いた……あ、あ、ひッ……ううむ」
目の前が暗くなり、尻から引き裂かれるような感触に全身が痙攣した。
「もっと力を抜くんだ」
黒田が叫んだ。とても一度では侵入することはできない。黒田は何度も突いた。そのたびに、ミキの肛門が徐々に拡大し、黒田が沈んでいく。ジワジワと押しひろげ、先がもぐりこむと、あとは一気に根元まで沈んだ。
「ひいッ、ひッ……きいッ」
ミキは絶叫して、背筋を反りかえらせた。肛門から腸へぎっしりつめこまれた感じで、その激痛にミキは苦しげにうめく。息もたえだえのうめき声だった。

二人がかりで前から後ろから同時に刺し貫かれ、しかも二人の男にはさまれ、文字通り、“嬲”られる 苦しさ、痛さ。ミキは歯をくいしばってうめき、グラグラと頭を揺らした。腹の底までびっしりとつめこまれ、股間は張り裂けそうだ。
(こんな……ああ、こんなひどい……恐ろしいことって……)
三度、ゴーグルファイブのメンバーに犯された精神的ショックは、はかりしえないものだったが、ミキにとって、憧れの黒田によってアナルヴァージンを奪われた絶望感はさらに大きかった。
しかし、薄い肉の隔壁ごしに、二つの男の肉体がぶつかり、かすかにこすれるたびに、異様な快感がミキの五感を襲いはじめたのである。
「あう……」
苦痛の呻きのその底に、いつしか快感の喘ぎが加わり、身をよじることもできず、二人の男たちにサンドウィッチにされた裸身に汗を噴き出させていくミキだった。
「た、助けて……ううむ……」
ミキの裸身が硬直したまま、双臀がブルブルと痙攣した。
「うむ、うむむ……」
今にも発狂しそうなミキに、押し入ってくる肉棒が粘膜をへだててもう一本の肉棒とこすれ合う感覚が、さらに追い討ちをかけた。
電極が触れ合うかのように、バチバチと火花が散る。もうミキは口もきけず、息すらまともにできない。
そんなミキをはさんで、黒田と青山は前と後ろとで顔を見合わせてニヤリと笑うと、同時にゆっくりと突きあげはじめた。
「あ……ああッ、いやあ……ひッ、ひいッ……許してッ」
ミキは悲鳴をあげ、泣き声を噴きこぼした。
それをあざ笑うように、黒田と青山は前と後ろでリズムを合わせ、次第にピッチをあげて容赦なく責めたてた。
「ああッ……ああッ……」
二人の動きが、ゆっくりとしたリズムとなって同調しはじめると、まるで波に揺られるように、ミキの身体は突きあげられ、ゆすぶられ、揉みしだかれていく。

「これは、たまりませんね。尻の穴にぶちんこんだんで、一段と締まりがよくなったみたい」
青山が、黒田の体をはっきりと知覚しながら、性感が倍増された快感に、おもわず話しかけた。
「こっちも、いい感じだ。食い千切られそうだよ。それにとろけるくらい熱い。潤滑クリームをたっぷり塗っておいたおかげで、非常にスムーズにいっている。処女とは思えないくらい」
二人は初めてのサンドウィッチにいつになく興奮していた。少しでも油断すると、果ててしまいそうだ。
「ひょっとしたら、そっちの方が得意だったりして……」
「いや、それはないだろう。どうなんだマズルカ、真相は?」
深々と突きあげたまま、黒田が汗まみれになった乳房のぬめりを楽しむように揉みしぼりながら聞いた。
「ああッ……助けて……ああッ、ああッ……死んじゃうッ」
「いい声で泣くじゃないか。前も後ろも同時ってのが、そんなにいいのか?」
女の身体は黒田と青山の間で、揉みつぶされるようにギシギシ鳴った。

「いやあっ……もう、やめて……お願い!」
ミキは二人の男の間で身悶え、パニック状態で哀願しつづけた。
薄い粘膜をへだてて二本の逞しい肉棒がこすれ合う感覚に、苦痛と快美が入り交じって、身体中の肉がドロドロにとけるようだ。もうミキは自分の身体がどうなっているのかすらわからない。
「ひっ、ひーっ! 助けて……こんなのいやっ!……うっ……うひっ、ひっ!」
ミキは黒田と青山に前後から操られるままに泣き、うめき、叫んだ。マスクの中で口の端から涎れが溢れる。
「激しいな、マズルカ。たいした悦びようじゃないか。フフフ」
「とてもアナルが初めてとは思えないぜ。サンドウィッチでこうも反応するとは」
黒田と青山は意地悪くミキの顔を覗きこんでからかった。
「ひいッ、ひいーッ……」
ミキは激しく興奮して声高くいなないた。部屋中に響く悦虐の悲鳴と双臀を狂ったようにこねくりまわす淫らな仕種はマゾの情感をこよなく表し、男たちのサディスティックな劣情を挑発してやまなかった。
「では、ぼちぼち、追いあげますかな?」
白いうなじにキスの雨をふらせながら、黒田が言った。
「こっちもいいぞ」
青山が答える。
ニンマリとうなずいた二人は一気に追いあげにかかった。
「ゴーグル、ゴー!!」
「ああ、だめ! いや! うっ!」
すでに錯乱状態のミキはひとたまりもなかった。前から後ろからリズミカルに突きあげこねまわされて、火柱が身体の芯を走った。
「ああッ……あああ、あうッ……」
黒田と青山は一段とピッチをあげた。もうミキはめくるめく絶頂へ向けて暴走していくしかない。
同時に激しく突きあげられ、退かれ、気も狂いそうな官能の暴風雨にもみくちゃにされながら、ミキはだんだんと遠のく意識の底で、同じことばを繰り返しつづけていた。
「だめ……だめ……もう、だめ……」

黒田と青山は床にぐったりとなっている女幹部のみじめな裸身を見おろしている。
「さあ、約束どおりマズルカを犯したぞ。子供たちやミキを解放しろ!」
黒田が叫ぶ。
「ハーハッハッハッ!! おめでたい男たちだね~」
「その声は? マズルカ?……」
黒田と青山が同時に叫んだ。
-ガ――――ッ
部屋の壁が大きく開いて、マズルカとデスギラー、そして子供たちや赤間、黄島まで中へ入ってくる。
「どうして……どうして、おまえがそこにいるんだ?……」
青山は狐につままれたような顔をしている。
「それじゃあ、俺たちは……お、俺たちが犯したこの女は……いったい誰なんだ……」
黒田はあわてて女に駆け寄るとゴーグルピンクのマスクを外した。
「……ミキ……」
マスクの下からは、汗と涙でべとべとになったミキの貌があらわれる。乱れた髪が額や頬にへばりつき、うつろに開かれた瞳からは輝きが失われていた。
ミキは全裸を隠す余裕もなく、仰向けに横たわっている。力なく開かれた股間からは血が混じった白濁が流れだし、白い内腿を真っ赤に染め、陵辱の凄まじさを物語っていた。
「お姉ちゃん!」
駆け寄ったあかねの必死の呼びかけにもミキは答えようとしない。凄まじい形相で睨みつけるあかねに対して、男たちはただ呆然と立ちつくすだけだった。

End
2007/10/08 レイプ・トラップ