盲目の美囚(前編)

レオタード姿の女が、スポットライトの照明に妖しく浮かびあがっていた。女は宙に浮いた新体操のリングに縛りつけられ、これ以上は無理というまで両脚を割り開かれている。
「あ、あれは……ミキちゃんじゃないか?……おまえたち、ミキちゃんになにをしたんだ!!」
小窓を覗かされていた黄島が叫んだ。
「フフフ……ゴーグルイエロー、いかにもその部屋に拘束されているのはゴーグルピンクの桃園ミキだ……」
スピーカーからマズルカの声が聞こえてくる。
「ミキちゃんを放せっ!」
黄島は怒りを露わにして再び叫ぶ。
「まあ、落ち着け、ゴーグルピンクを助けたければ、我々の指示どおりに行動することだ」
「なにをすればいいんだ!」
「ゴーグルピンクをおまえの舌と指を使って、イカすんだ! ゴーグルピンクの快感度が規定値以上に達したら、子供たちや仲間を解放してやろう」
「な、なんだって……」
黄島は返答に窮してしまった。いっしょに闘ってきた仲間の女性にそんなことができるわけがない。デスダークは自分にとんでもないことをやらせようとしている……。
「なあに、ゴーグルピンクは目隠しされている。おまえが声さえあげなければ正体がばれる心配はないよ」
「それに犯せと言ってるわけじゃない。ちょっと舐めたり、触ったりするだけだ……」
逡巡している黄島をマズルカは言葉巧みにそそのかしていく。
「しかし……」
「はっきりしない男だな……それじゃあ、これを聞くんだな……」
スピーカーからかすかに男の声が聞こえてくる。
「……ふ、太……私のことはいいから……デスダークを倒せ、倒すんだ……」
それはまさしく黄島の父の声だった。再びデスダークに捕まってしまったのか……。
「ひ、卑怯だぞ、おまえたち……お、親父を放せっ! 放せ~!」
父の声を聞いた黄島は気が動転してわめき散らす。
「フフフ……おまえがいま断れば、おまえの父である 黄島博士の命は……」
「やめろっ! やめてくれっ!! わかったから、お願いだ、おまえたちの言うとおりにする……」
マズルカの狡猾な罠にはまった黄島はもはや正常な判断力を失っていた。自分からドアを開けた黄島は、部屋に入るとすぐマダラマンによって貞操パンツを外され、代わって上半身のみ強化服を着せられる。おまけに鎖につながれた首輪をつけられてしまう。
気づいたときには、縛りつけられたミキの前で、呆然と立ちつくしていた。
「…………」
秘かに思い焦がれてきた美少女が空中に浮かぶリングの上にブランコのように乗せられ、美しい二本の脚が自分に向かって極限に近いほど広げられている。両腕はバンザイをした格好でリボンで固くリングに縛りつけられ、割り開かれた両脚も足首のところにロープがくい込み、なにもかもが剥きだしにされていた。
リング、リボン、ロープはいずれも新体操に用いられる手具の一つであるが、ゴーグルファイブの武器でもある。その神聖な道具によって拘束され、屈辱的な大開脚の姿勢を強要された様は倒錯感に満ちたあぶな絵のようであった。
黄島はめくるめく光景に、呆けたようにあんぐりと口を開け、ミキを見つめる。ペニスチューブから解放された肉棒はいつしか振り切れんばかりに真上に向けて突き勃っていった。

「誰っ?」
四肢を固定されたミキは、目隠しをされており、近づいてくるのが何者かわからない。
ミシリ、ミシリと床を鳴らして、何者かはそっと近寄ってくる。腋の下の臭いか、ムッとする特有の強い体臭が目隠しをされたミキの鼻を刺してくる。ゼイゼイとした荒い息遣いが近くなる。あきらかにマズルカやマダラマンではない。
「こ、来ないでッ! ……出てってくださいッ!」
見えない相手に向かって、ミキは声を放つ。
目隠しをされているせいで、音や臭いに対しミキは神経を敏感にさせていた。何者かがいよいよ近づいてくると、ミキは嫌悪の甲高い悲鳴を押さえることができない。悲鳴は頂点に達した。
「い、いやッ、来ないでッ!」
何者かの動きが止まった。
「おや、ゴーグルK、そんなところで突っ立ってどうするつもりだい?」
マズルカが何者かに呼びかけている。
「右手にモニターがあるだろう。そのグラフがゴーグルピンクの快感度を表しているんだ。脈拍や心拍数、体温、発汗量、脳波、それからアソコから分泌される、フフフ、ゴーグルピンクの恥ずかしい液体の量も計測して快感度を割り出すようになっている。」
マズルカは得意げに装置の説明を続けているが、それを聞いたミキは再びマズルカによる恥辱の実験が始まろうとしていることを知って、戦慄と羞恥に身体中を震わせた。
モニターの表示が一瞬、3%になり、ゆっくりと0%に戻っていく。
「フフフ……ゴーグルK、いまグラフが動くのを見ただろう。ゴーグルピンクはお待ちかねのようだ。たっぷり可愛がってやりな。15分以内に快感度が80%を越えたら許してやる。やり方は自由だ。その辺に置いてある新体操の手具を使ってもいいし、おまえの舌と指のテクニックでイかせるのもよし。何だったら自慢の肉棒をぶち込んでやってもいいんだよ……」
再びモニターのグラフが5%近くまで上昇した。マズルカの恐ろしい言葉を聞きながら、ミキは"ゴーグルK"とはいったい誰なのか、気になってしようがない。
(ゴーグルKって誰だろう。赤間さん以外のメンバーの一人であることは間違いないわ。K……ケイ……色の名前……そういえばK色といえばブラックのこと、すると、いま目の前にいるのは……黒田さん!? 黒田のイニシャルもK、間違いないわ……)
憧れ慕ってきたゴーグルブラックこと黒田官平が目の前にいると思えば思うほど、ミキは羞恥に顔を赤らめ、冷静な判断力を失っていった。
「……く、黒田さん!……そこにいるのは、黒田さんなんでしょう?……」
「…………」
返事は返ってこない。
「……お願いッ!……助けてッ! 黒田さん、変なことをするのはやめてください!」
ミキは必死で懇願した。
それを聞いたマズルカが嘲り笑う。
「ハッハッハッ……無駄だ、無駄だ。子供たちを助けるために"ゴーグルK"は頑張っておまえをイかせなきゃならないんだ。せいぜい早いところ快感度80%に達するよう協力してやりな!……淫乱ですぐ気持ちよくなるおまえなら簡単なことじゃないか、ゴーグルピンク!」
モニターのグラフが再び上昇していった。

(少しでも好かれようなんて身のほど知らずのことを考えていたから、いままでどうしようか迷ってたんだ。そんな俺の気も知らないで、あの黒田と間違えるなんて! Kといえば黄島だってあるだろう。ミキちゃんにとって、俺なんか眼中にないんだ……)
ミキの誤解が黄島の鬱屈した嗜虐心に火をつけた。
(ようしちょっと悪戯してやるぞ……目隠しされてるから気づかれる心配はないし、よく考えたらこんな機会はもうないだろう。手加減しないぞ、ミキちゃん、俺のテクニックを見せてやる。うひひひ……)
マズルカの狡猾な罠に落ち、正義の味方ゴーグルイエローはもてない変態デブ男へと変貌していく。
黄島は目の前にいるレオタード姿の美少女をマジマジと眺めた。ミキの身体を包むのは極めてオーソドックスなデザインの長袖レオタードで、赤、青、白の三色のカラーリングがミキの可憐さを引き立たせている。
ミキはゴーグルファイブに選ばれて以来、新体操をやめており、メンバーも彼女のレオタード姿を間近で見る機会などなかった。黄島は雑誌などで紹介されたミキのレオタード姿を眺めてはついつい興奮し、お世話になったことも数え切れないのだが、実際にこうして間近で目にするその姿は、写真や映像に撮影されたものとは比べものにならないほど光輝いていた。
新体操の選手は、激しい運動量に加えてスタイルを保つための減量などもあって、大半がスレンダーな身体つきをしている。ミキの場合も全体的なボリューム不足は仕方がないが、黄島にとって、そこがたまらなくいいのだ。
生地が身体にピッタリとフィットしていることもあって、ふくらみとも言い難い小さな胸が、呼吸するたびに動いているのがはっきりわかる。
ミキの両脚はV字に開かれ固定され、股間を隠すことすらできない。左右に割り裂かれた白い太腿の間にはレオタードをふっくらと盛りあがらせた恥丘があった。密着性の高い生地はミキの全身のラインを鮮明に映し出していたが、引き締まった身体の胴底の微妙な部分の形状もかなり露わになっており、ふっくらとしたヴイーナスの丘に固く閉じ合わされたスリットが刻まれている。
(もうだめだ。こんなのを見せられたら我慢できるわけないよ)
ミキの妖精のような魅力に黄島は理性が音を立てて崩れていくのを感じていた。
黄島は棍棒を手に取ると、レオタードの上から両胸全体を軽く撫でてみる。
「はんっ……んん……んん……」
恥ずかしさに思わず身悶えしながら、ミキは小さな声をもらした。
黄島は小さな乳首の位置を確かめるように棍棒を滑らせる。
「んはぁっ!」
棍棒が尖ってきた乳首を軽く弾くように撫でた。その瞬間、ミキは身体をピクッと震わせる。
黄島はレオタードの胸もとの中心にプックリと浮かびあがった二つの突起をツンツンと棍棒で突きはじめた。
「ひゃうっ」
さらに黄島は、小さなつまみをこねまわすように乳首をクリクリといじりまわしていく。
棍棒が乳首を弾くたびに、ミキは身体をヒクヒクと痙攣させるように身悶えしながら、全身をのけ反らせた。

レオタードの上からだというのに、じかに触られた時以上の快感が走る。新体操の手具によって身体を弄ばれていることがミキの被虐感を増幅させ、ゴーグルブラックの武器が棍棒であることも追い打ちをかけた。そして自分の身体をいじっている男が憧れていた黒田だと思うと、羞恥と哀しみに打ちのめされてしまいそうになる。
(しっかりするのよ、ミキ……私が挫けたら、みんなを助けられない……)
気丈にも立ち直ろうとするミキを嘲笑うかのように、不意に丸みを帯びた棍棒の先端が股間の割れ目に触れ、ゆっくりとなぞりはじめた。
「ひッ!」
ミキは反射的に脚を閉じようとしたが、両脚は完全に拘束されており、ミキは肉づきも青々しい細腰を恥ずかしくもピクンと跳ねあげることしかできない。
「黒田さんっ、や、やめて! そ、そんなところ触らないで……お願い……」
ミキの言葉に相変わらず返事はない。いやミキが懇願するたびに棍棒の動きが激しくなっていくようだった。
レオタードの布越しに棍棒が何度も上下するとくっきりとスジが浮き出ていく。
(ああ……黒田さんが私のアソコをいじっている……アソコの形が布越しにくっきりとわかってしまう……恥ずかしい、ああ……)
最初は浅く、少しずつ、少しずつ、割れ目の奥深く食い込んでいく手具の動きに、はじめのうちこそ、歯を食いしばって耐えようとしていたミキだった。しかし棍棒の先端が、ある一点を捉えた瞬間、なけなしの忍耐力は砕け散り、ビュクンと卑猥に身体をくねらせてしまう。
「あんっ」
判明してしまったウィーク・ポイントの周りを、棍棒が円を描くようにして優しく撫でまわったかと思うと、上下左右に不規則な変化を加えつつ、執拗に擦りあげられていった。
「ああぁっ! ひひゃあぁぁっ……」
股間から生まれた悦びの電流が全身を駆けめぐり、身体が硬直して一瞬、息が止まる。
「ゴーグルK、棍棒の根本にスイッチがあるだろう。ちょっと押してごらん。面白いことになるよ。フフフ……」
次の瞬間、今まで感じたことのない強烈な刺激が脊髄を駆け抜け、ミキは再び身体を硬直させた。
「……いいッ!」
男性の生殖器官に酷似したその手具の先端が、ミキの肉芽に卑猥な振動を送り込んでくる。棍棒は電気按摩と化してミキを責める。
-ヴィ――ン
冷たい棍棒の先端が執拗に柔らかな肉芽の膨らみに押し当てられ、敏感な部分を揉みほぐされる感覚に、ミキは身体をぴくつかせた。まだ薄皮に包まれた可憐な肉芽に対して、振動の度合いはますます強くなり、今まで以上に無慈悲な振動が肉芽と秘口をびりびりと震わす。
-ヴィ――ン、ヴィ――ン
激しい瞬悦に襲われたミキは、反りかえりながら身悶えを繰り返すしかなかった。
「あっ……だめっ……あんっ……だめっっ」
押さえ切れない嬌声が、喉の奥から引っ切りなしにこみあがってくる。いじりまわされるうち、股の媚肉はじんわりと熱を持ちはじめていた。
もはやミキの秘裂はレオタードに包まれているとは到底思えないほどしっかりと手具の突起を掴んで、あさましい快感に恥じらいもなくのた打ち回る。身体中から力が抜け、呼吸がどんどん速くなっていくのが自分でもわかった。そして秘裂がジュンと潤いはじめたのも感じていた。

それは棍棒が食い込んでいるというより、咥え込んでいると形容する方が適切だったろう。黄島は目を疑ったが、太い棍棒の先端がミキの体内にどんどん入っていくようだった。さらに棍棒の先端にはネバつくものが付着し、ピチャピチャと妙な音も立てはじめている。
(おかしい……いくらレオタードが伸縮性があるからといって……これはいったい……)
黄島は手をさかんに動かしながら、棍棒の挿入された部位に顔を近づけた。
(…………)
黄島の動きが一瞬止まる。
「ゴーグルK、ようやく気づいたようだね。そのレオタードはわがデスダークが開発した特殊な繊維で作られていて、普通に着ている分にはまったく問題がないが、しばらく水に浸かっていると溶け出してしまう。ゴーグルピンクは自らの愛液でレオタードを溶かしてしまったのさ。ハーハッハッハッ……」
マズルカの言葉に驚いた黄島は股間からグショグショに濡れた棍棒を引き抜いた。
「うッ!」
引き抜かれた瞬間、ミキが小さく呻く。
恐る恐る、黄島は人差し指をミキの股間に近づけそっと触ると、そこにはレオタードはもはや跡形もなく、美少女の可愛らしい性器が露出していた。ミキの性器には当然生えているはずの恥毛は一本もなく、幼い童女のようなツルツルの肉丘の中央に一本縦に肉皺が切り込まれている。
(ミキちゃんはパイパンかぁ……とっても可愛いなぁ……)
黄島はミキが子供たちによって剃毛されたことを知らずに、珍しそうに肉の丘を突いたり、摘んだりしていじりまわした。
ミキは顔を真っ赤にして、さかんに首を振っている。
黄島は手具が取り除かれた後、元に戻りつつあったスリットに、強化服のグローブをつけたまま、右手の人差し指と中指をいきなり侵入させた。
「あああ、いやッ!」
ミキは若々しい肢体をくねらせる。
-ゴプポッ!
芳香を放つ蜜が破水した。内部に蓄積されていたらしいが、可憐な美少女にふさわしからぬ湧出量に黄島は驚く。閉じようとしていた花びらは左右にパックリと捲れあがり、いまだ薄皮に包まれた突起が姿を現した。ごつごつしたグローブの指先で擦ると、たちまち肉芽はヒクヒクうごめいて充血していく。
ベトベトに濡れた黄島の指先は、溢れかえる体液を潤滑油代わりにしつつ、花園を蹂躙していく。膣口から新たな愛汁が飛び散って、出し入れされる指は無論の事、黄島の右手全体をあっという間に濡らしていった。

「……お願い、もうやめて……黒田さん、やめてください!」
嗚咽とともにミキは消え入りそうに訴える。
「………」
今度は分厚い唇がミキの肩先に落とされてきた。
ひと舐めでベットリするような唾液だらけの舌が、華奢な肩を舐めずってゆく。ミキは眉をたわませ、貌を背ける。
「ああ、いやぁ……」
緊張に張り詰めたミキの筋を舌がゆっくりなぞってゆく。次に捕らえられたのは、肩から胸の美しさを創っている鎖骨だった。薄い肌膚を通して細造りの骨をしゃぶるようにチュウ、チュウと音が立つ。
ミキの髪が嫌々するように激しく振られる。
鎖骨のすぐ下には小ぶりで清楚な乳房があり、レオタードに浮き出した小さなポッチ-硬く勃起した乳首が並んでいる。
「ひッ!」
縛った縄がきしみ、ミキはのけ反った。堅く尖らされた舌の先がツンツンと乳首を突きはじめたのだ。痛みを感じるほど、丸められた舌先は堅い。
左から右、右から左と、乳首が執拗に突かれる。リズムも規則性もないために、ミキには気の緩む暇もない。やがて乳首が分厚い唇で挟まれると、唇から繰り出された舌先で、ツンと澄ました乳首の頸が折られる。上下にピンピンと弾くような微妙な動きだった。舌先が蛇のように気味悪く動く。
「……あうッ!」
あまりに淫靡な動きに、括られた身を反り返したミキは、かえって乳暈ごと唇の中に飛び込ませてしまう。
「あッ!」
叫んだ時は遅く、乳首が乳暈から引き離されるような吸引が待ち受けていた。口の中を真空にするほどの吸い方で伸びた乳首の根本のわずかな部分に舌先が入り込む。
「うううッ、あはッ!」
舌が次にどこを襲ってくるかに怯えるうち、身体中がかえってピリピリになってしまう。暗闇の中に閉じ込める目隠しの効果がそれに輪をかける。ミキはひっきりなしの悲鳴を押さえきれなくなっていた。
男はまるで乳飲み子のようにミキの乳にかぶりついている。すでに乳首周辺のレオタードは溶け去り、二つの乳房は尖った乳首もろとも露出し、唾液にまみれて光っていた。
「あああ、いやッ!」
乳房を離れた唇が腋窩を襲う。拘束された腕の根本を舌はピチャピチャと舐めずってゆく。舌はところかまわず出没する。くびれたウエストをくすぐったかと思うと、形の良い臍がこじられる。臍が嬲られたと思うと、その舌が臍から真っ直ぐに、絹毛の生え際までウネウネと下ってゆく。
腋の下、臍、乳房、わき腹、レオタードのいたるところが、股間のそれと同様、舌で溶かされ、ミキの白く滑らかな肌がそこかしこで露出していった。
「あッ! あッ! 駄目ッー!」
男の頭がミキの下腹部へ近づいたと思うと、ほのかにふくらむ恥丘ごと、噛みしだくように食らいついてきた。最後に残された垂涎の部分に魔手が伸びる。
男の舌が無遠慮に、裂かれた女の花園を下からゾロリと舐め上げ、隠れた泉から湧き出た女蜜をこそぎ取る。チュウチュウと吸う音がひどく淫靡に聞こえた。巧みに動く舌がぐみの実のような女芯をスッとすくうようにもたげてくる。
「あはぁ~ッ!」
反射的に引こうとした腰が縄に止められ、ミキの身体が大きく宙に浮く。電流のようなものが身体を貫いたのだ。
快感度モニターの数値は急上昇して70%を越えていた。ミキは痙攣の名残りが小さな震えとなって残り、目隠しの下で唇がわずかに引き攣れ、ヒクヒクしている。顔には血が昇り、胸から上の白い肌膚全体がうっすらと艶やかなピンク色に染まっている。頸には動脈が浮き、胸乳の奥から早鐘のような動悸が聞こえる。

頃はよしと見た黄島の頭が、再び、ミキの裂かれた内腿に潜り込む。
「や、やめてぇ!」
抗いでも拒絶でもなく、切なく訴えるような声がこぼれる。
股間に鼻を埋めると、強い芳香があった。ヴィーナスの小高い丘を上下にたどる。割れ目に近づくと、香りは生々しさを増してくる。
黄島は、開ききった恥溝を下から、舌全体を使って大きくひと舐めする。
「はあッ! うッ、う~ん!」
鼻からだけ洩れる甘い声があがる。舌は蟻の戸渡りから、もはや開き気味になった膣口、尿口、女芯を行き来する。女芯に止まった舌先が薄い皮を剥いで、小豆のような肉の芯を舐めると、ミキはおこりが起きたように全身をブルブルと震わせるのだ。
黄島はちらりと横目でモニターを見ると、快感度はまだ70%を上下している。
「ゴーグルK、まだ80%になってないよ。制限時間はあと3分だ。どうするんだい?」
マズルカの言葉を聞いた黄島の舌が猛攻を開始した。女芯の周囲と女芯の尖りを交互に、焦らしと緩急をわきまえた舌遣いが執念のように繰り返される。黄島は媚肉に吸いついたまま、手を伸ばして赤みを増した乳首をつまんで弾き、ひねる。ミキの紅唇からは歓喜の悲鳴が洩れ聞こえてくる。
「アッ、アッ、アッ……」
悲鳴の間隔が狭まり、よしと勢い込んだ瞬間だった。それより早くミキは急に弓なりにのけ反っていた。縄をギシッと鳴らしたミキの尻臀が一瞬浮きあがり、ドッと落ちたのだ。
ミキの絶頂の声を聞いた黄島は顔をあげてモニターを確認し、愕然となった。
「惜しかったねぇ~。最高快感度79%だよ。制限時間もオーバーしてるし、おまえたちの負けだね」
マズルカが嘲るように話すのを聞いて、黄島は訴えるような眼差しでスピーカーを見つめている。黄島の舌戯で昇りつめたミキはゼイゼイと肩を鳴らしながら、呆然自失の状態だった。
「そうだね~。ゴーグルK、頑張ったおまえに最後にチャンスをやろうじゃないか。5分延長してあげるから、ゴーグルピンクにおまえの肉棒を挿入するんだ!」
「…………」
黄島は首を横に振る。
「何を迷ってるんだい。おまえの自慢の巨根なら、快感度100%も夢じゃないだろう」
「…………」
黄島はうなだれて立ちつくしてしまう。
「それとも大切な人が殺されてもいいのかい……いいんだね……それじゃ」
マズルカがそう言った次の瞬間だった。黄島はいきなりミキの両脚を掴むと、ミキの開かれた脚の間に腰を定め、絶頂の余韻に浸っていたミキを渾身の力で一気に貫いたのだ。
「ああ~ッ! 嫌ぁ~ッ」
昇りつめた収縮で内に向かって閉じようとしていた蕾を恐ろしい力で破られ、ミキが絶叫する暇も、黄島は与えなかった。

「盲目の美囚(後編)」につづく