赤い奔流

 桃園ミキが相沢あかねと共に恥辱と官能のバイブ地獄に悶えていた頃、とある山中の石切場にミミズクモズーとマダラマンたちによって怪しげな祭壇が設けられつつあった。そこに絵本を配っていたデスダークの古紙回収トラックが到着し、デスギラーが絵本を持って降りてきた。
「よおーし、早速始めろ!」
デスギラーがミミズクモズーに生贄の儀式開始を告げる。
「はあッ!」
「ゴーグルピンクを閉じこめたこの絵本を……」
デスギラーが絵本を燃えさかる火炉のなかに投げ入れようとしたその時だった。
「待った! そうはいかないぜ!!」
「何者?」
デスギラーたちは一斉に振り返る。声は古紙回収車のほうからだった。トラックの荷台の古新聞を押しのけてゴーグルイエローが現れた。
「とーう!」
「たあっ!」
ブルー、ブラック、そしてレッドの順にゴーグルファイブの男たちが現れた。
「デスギラー、おまえたちの悪巧みをむざむざ見逃すゴーグルファイブじゃないぞ!」
レッドが叫ぶ。
「なんとでもほざけ、ゴーグルピンクの最期を見よ! モズーやれ!」
とうとう絵本が火炉のなかに放り込まれた。
「ああっ……」
「ピンクを死なせてたまるか、ブラッククラブ!!」
ゴーグルブラックの二本の棍棒が祭壇に炸裂したが、弾き返されてしまう。
「効かない……」
「デスマルク大元帥から直々にいただいた悪魔の火だ。おまえらごときに消せるものか……ハーハッハッハッ……」
「よし、メガトンボールだ!」
イエローこん身の一発が炸裂した。
たちまち大爆発が起こり、祭壇が倒壊する。デスギラーやミミズクモズーは慌てて退却していく。
「おのれ、ゴーグルファイブ!」
「ひとまず退却するんだ!」
デスギラーたちは悔しそうに捨てぜりふを残して去っていくが、その顔はどこか笑っていた。
ゴーグルファイブの4人の男たちは祭壇から転がり落ちた絵本を拾い上げ、ミキを助けようと絵本を開いたが、その瞬間、開いたページから目映い光が発せられた。
「うっ、め、眼がぁ……」
「うわーっ! 眼が見えない……」
4人は強力な怪光線の影響で目がまったく見えなくなってしまった。
目眩ましに合い、フラフラと足取りのおぼつかない4人を物陰からデスギラーたちが覗いている。
「モズー、今だ、やれっ!!」
ミミズクモズーはすぐさま立ち上がると4人に向けて胸の絵本を開いた。
「おまえたちも悪魔の絵本のなかに吸い込んでくれるわ。見ろー!!」
声のするほうを思わず振り向いてしまった4人は、あっという間に絵本のなかに吸い込まれていった。

「まず、変身を解いてもらおうか。さもなくば、子供たちとゴーグルピンクの命は……」
捕らわれた4人の男たちは変身を解かされた。
「服も全部脱ぐんだ」
「言うことを聞いたら、人質を解放してくれるのか?」
赤間が問い返す。
「そんなことを言っている余裕はあるのかな……」
子供たちの悲鳴が聞こえてくる。
「ひ、卑怯だぞ……」
黒田は最後まで抵抗を試みたが、命令に従わなければ子供たちやミキを殺すと言われると、為す術もない。もちろん変身ブレスも奪われてしまった。
「さあ、ひとりずつ、別々に部屋に入るんだ」
4人は不思議なことに手足の拘束はされなかった。その代わりに貞操帯のような鍵付きのパンツをはかされてしまう。
「いったいどういうつもりなんだ……」
「こんな楽な監禁はないな。じっくり脱出を考えられるぜ」
赤間と黒田は訝しがったが、黄島と青山は喜んで部屋へ入って行った。
そのパンツは少し特殊な構造をしており、ペニスを金属の管状のものに挿入し下向きに固定、ペニスがチューブから抜き取れないようにパンツ全体で根本から押さえつけるといった代物だった。排泄用の穴は開いていたが、射精はおろか触ることすらできない。
おまけに部屋にはオナニーのおかずが山積みにされ、低い音であの時の声がかすかに聞こえてくる。壁にはグラドルやAV女優の水着やヌードポスターが隙間なく貼られており、さらに天井のスクリーンにその手のビデオがエンドレスで映し出されていた。ゴーグルファイブとはいえ、若い健康な肉体を持った男子である。敵の基地に監禁されていても、身体は徐々に悶々としてくる。
「こんな仕掛けだったとは……」
黒田はデスダークの奸計に憤ったが、もはや手遅れだった。貞操パンツのせいで常にペニスを意識してしまい、4人の息子たちは狭いステンレスチューブの中で勃起を繰り返す。少しでも気を紛らわせようとしても壁に貼られたポスターが目に入り、目をつぶっても官能的な嬌声が聞こえてくる。
「なんとか、気を紛らわせて頑張るんだ……」
「もう、おれは限界だ。耐えられないよ……」
4人は精神力で持ち堪えていたが、黄島のように泣き言を言うものも出はじめる。しかし誘惑に負けて勃起すると、その瞬間、貞操帯の中で激痛が走った。さらに支給される食料や水にはガラナなど精力剤がたっぷりと仕込まれており、4人の肉体は"性欲"という魔物によって少しずつ蝕まれていった。
捕らわれてから3日が経過し、まず赤間が呼び出された。

「ここはどこかしら……」
ミキは長い眠りから覚め、うつろに目を開いた。どうやら独房の中らしい。
ゴーグルピンクの強化スーツを着ていたが、マスクはない。裸でなかったことはミキを少し安堵させたが、身体を動かそうとしてミキの顔は再び険しくなった。
(……身体が動かせない、縛られてるんだわ……)
後ろ手縛りのうえに両脚のふくらはぎと太腿がくっつくように脚を二つ折りにして縛られていた。脚を縛った縄は首の後ろに回されているため、強制的にM字開脚となり脚を閉じたくても閉じることができない。鼠蹊部から尻臀にかけて露わに曝け出される格好となり女にとってこの上なく恥ずかしいものだった。
強化スーツを着ていれば、麻縄による拘束など簡単に外せるはずだが、力が入らない。おそらくデザインだけそっくりな偽物なのだろう。
(どうして、わざわざ、強化服を着させたんだろう……)
ミキはマズルカたちの意図が理解できなかった。
「ゴーグルピンク! ようやくお目覚めのようね」
スピーカーからマズルカの声がする。
「マズルカ! こんな格好に縛り上げても私は挫けないわ。子供たちを早く解放しなさい!」
マズルカによるあの悪魔のような陵辱にもかかわらず、誇りを傷つけられた怒りと屈辱の哀しみがミキの闘志をよみがえらせていた。
「ゴーグルピンク、眠っていたので覚えてないようだが、我々はおまえの身体にある手術をさせてもらった」
「手術?……い、いったいなんの手術を……」
マズルカの言葉にミキは不安を隠せない。
「なあに、おまえの脳下垂体にちょっと細工をしただけさ。脳下垂体からは卵巣を刺激するホルモンが出ていることは知っているだろう。その脳下垂体にわがデスダークが開発した特殊なチップを埋め込み、排卵を誘発させたんだよ……」
「あれから3日もたつから、そろそろ卵子が子宮に向かって次々と出てきている頃じゃない。いまHしたらどうなるかしら、フフフ……」
ミキは絶句した。そういえば身体がだるく、熱っぽい。マズルカは今度は自分を妊娠させようとしているのか……。いったい誰の子供を妊娠させようというのだろう……。

妊娠への恐怖に顔を引きつらせるミキをみながら、マズルカは笑いが止まらなかった。
(ちょっと脅かしてやったら、本当に信じているようだわ……手術なんてしていないのに……)
マズルカは、気丈なミキを精神的に追い詰めて徹底的にいたぶろうと考えていた。妊娠の恐怖を植えつけられたミキの反応は想像以上で、かなり激しく取り乱している。
マズルカは赤間の連れて行かれた部屋へ入っていった。

マズルカが去って暫くしてミキの独房に二人のマダラマンが入ってきた。マダラマンたちは後ろ手縛りのミキの身体を両側から挟むようにして抱きあげる。
「いやっ! なにをするのっ!」
縛られた両脚をバタバタさせながら、ミキが叫んだ。
マダラマンたちは無言でミキを別室に運びこむ。
「ああっ! 赤間さんっ……」
運び込まれた部屋の中央には、ベッドの上に四肢を固定された赤間がいた。赤間もミキと同じようにマスクなしの強化服姿にされている。
「ミ、ミキ……」
運びこまれたミキに気づいた赤間も叫んだ。
「やめろ! ミキをどうするつもりだ……ミキを放せっ!」
赤間のかたわらの女が振り返る。女はあのマズルカであった。
「マズルカ! 赤間さんを放しなさい!」
「だまれ! 子供たちがどうなってもいいのか。おまえたちにはこれからデスダークの実験材料となってもらう」
「実験……い、いったいなにをしようというの……」
(まさか……実験って……)
ミキは声を震わせて、不安を隠せない。
「やめてくれっ! 頼むから、こんなひどいことをするのは……」
赤間も叫んだ。
「ひどいことだってぇ。こっちの方はさっきから大喜びじゃあないか。そろそろご馳走してあげるよ」
マズルカは顔を上げ赤間の股間から手を離す。そこには完全に宙天をさして直立している赤間の帆柱があった。マズルカの巧みな愛撫によって赤間のそれは完全に勃起していた。
「いやあッ!!」
なにをされるかわかったミキがけたたましい悲鳴をあげる。
「やめろっ! お願いだ、おれはなにをされてもいい。彼女までこんなことは……」
「あいにくデスダークの考えることは、こんなことばかりでね」
マズルカはミキへ近づいていき、ミキの開ききった股間へ手を伸ばす。
「プチッ、プチッ!」
「きゃあッ!!」
マズルカはミキの強化スーツのクロッチを掴むと引きちぎるようにフォックを外した。たちまちミキの股間が露わにされる。あの翳りを失った恥丘が赤間に見られてしまう!ミキは顔を真っ赤にして両脚をなんとか閉じようともがいた。
「赤間さん見ないで……」
赤間はミキを正視できず顔を背けたが、屹立した帆柱はますますいきり立っていった。
「肉体は正直なもんだねぇ、ゴーグルレッド……さあ、うまくねらいをつけてはめこむんだよ!」
マダラマンは赤間に向けて、ミキの身体を向かい合う格好でゆっくりとおろしはじめた。下ではマズルカが肉棒をつかんで待ちかまえている。
「ああっ! やめて、それだけは……ゆ、許してっ!!」
「うわぁぁぁ!! やめろっ! やめてくれっ!!」
四肢を拘束された赤間はまったく身動きがとれない。ミキは逃げようと腰をよじり、抱きあげられた両脚をうねらせて泣き叫んだ。
「これから始めるのは腟内挿入から射精までの時間を調べる実験なんだ。日本人男性の平均は7分と言われてるから、そうね、7分以上射精を我慢できれば許してあげるわ、フフフ……ゴーグルレッド、おまえが早漏じゃなければ持ち堪えられるでしょう。フフフ、7分だよ、7分……」
「ゴーグルピンク、膣中(なか)出しされたくなかったら、こいつに頼むんだね。アーハッハッハッ……」
マズルカの言葉を聞いたミキは大きな瞳を潤ませて赤間を見つめる。それに答えるかのように赤間は無言でうなずいた。
ミキの身体がおろされるにつれて、赤間の先端がミキの内腿に触れ、そしてミキの花びらに触れた。
「……きゃッ! ああ……ひッ、ひッ……」
火にでも触れたように、ミキは悲鳴をあげてのけぞった。
「まだ入れる前からいい声をだすねぇ、そんなに早く咥えたいのかい?」
マズルカはミキの腰を操って、赤間の肉棒の先がミキの肉溝にそって二度三度となぞり、這うようにしてから、さらにミキの身体をおろしていく。先端がジワジワとミキの花びらに分け入りはじめ、それにつれて赤間の肉棒も勢いを増していった。
「あ、ああっ……あ、赤間さぁん……」
マズルカがあらかじめクリームを肉柱に塗りつけたうえに、柱を手でささえて花孔にあてがったおかげで、あっという間にミキは、赤間の体を呑みこんでしまった。ミキは自分の身体の重みで、自らを赤間の肉棒で貫いていく。
「いやあぁぁぁ……」
ミキの身体は、赤間の腰をまたぐ格好で双臀が赤間の太腿に密着し、つつましやかで清楚な花園に、赤間の逞しい肉柱を根元まで受け入れてしまう。
強制されたとはいえ、ついにミキは赤間と神聖な強化スーツ姿のまま、男と女の交わりをもってしまった。ゴーグルレッドがゴーグルピンクを犯す-その倒錯的な結合はミキに痛烈な屈辱感を与えると同時に全身を貫く被虐感をジワジワと増幅させていく。

「う……」
赤間は為す術もなく、自分の意のままにならない淫らな息子に困惑しつつも、ミキの肉体の中で息子がますますいきりたって熱く燃えてくるのを感じていた。いっしょに闘ってきた仲間である女性を犯しているという事実は、やはり男としては異様な興奮を呼びさます。強化服姿であることがそれを余計に意識させた。しかもその女性が、まだ誰も手をつけていないであろう美少女で、自分がその最初の男性となるのであれば、いくら理性が否定しても、男の情欲に潜む獣性がそれを肯定してしまうのだった。
「赤間さんっ! お願い……頑張って……おねがい……」
ミキの哀願に赤間は返す言葉がない。
「…………」
赤間はなんとか息子を萎えさせようとしているのだが、ペニスチューブから解放された肉棒は水を得た魚のように、硬く、熱く、淫らな脈動は止まりそうにない。
そのうえ赤間の肉棒を包みこんだミキの構造はなかなかのもので、肉壁の一つ一つが絡みつくように引き締まってくる。そのうえ、しとどの蜜のなかで肉棒がとけてしまうのではないかと思うほどの熱さだった。

犯される恐怖とは裏腹に、入ってくるものに対して身体の芯がひきつるような収縮を繰り返す。媚肉がひとりでに快感を貪る動きをみせはじめたことにミキは自分の身体が信じられなかった。
「ああ……うう、ううん……ああッ……」
ミキは額に汗をびっしょり浮かべ、顔を桜色に染めて身悶えしている。時々かぶりを振りながら、全身からこみあげる官能の渦と懸命に闘っていた。
赤間はミキを貫いたままじっと動かなかったが、赤間の肉棒は逞しく屹立したままで、ミキの柔肉はいっぱいに押しひろげられてきしみ、少しずつ、蜜を溢れさせていた。
「ああ、赤間さん……あああ……いやあ……」
ミキは弱々しく頭を振り、すすり泣きながらうわ言のように繰りかえす。いくら逃れようとしても、貫いている赤間の肉棒に、ミキの動きは封じられてどうすることもできない。
「手伝ってやらないと、このお二人さん、なにもできないらしいよ。ほおら、これならどう?」
マダラマンが同時にミキの身体をあげたり、さげたりしはじめた。肉柱の先端が膣奥を突きあげはじめる。
「あぁぁッ!! いやっ! やめてえ!」
「……くっ……や、やめろぉ……」
赤間が叫んでも、マダラマンはいっこうにやめようとはしない。
「ほおら、ほおら、どうかしら 気持ちいいでしょう?」
腰を無理矢理ピストン運動させるように動かされ、ミキの瞳から幾筋もの涙がつたう。ミキの双臀が赤間の上でリズミカルに弾み、操られるままに追いあげられていく。
「あ、あああ……あうっ……」
ミキはあられもない声の次はいいッ、と唇をかみしばったと思うと、ハアハアと息も絶えだえに喘ぎ、また声を放った。
「リーダーも頑張ってんだから、おまえもいつまでも泣いてないで感じてやりなよ」
マズルカはスーツの上からミキの乳房をわしづかみにして揉みこみ、硬くしこった乳首をつまんでひねりあげ、股間に指先をもぐりこませると、肉芽の包皮を剥きあげしごきはじめる。
「だ、駄目ッ……ああッ……」
ミキは全身を揉み絞るようにしてガクガクとのけぞった。
悶え狂う女体は、乳首をツンと尖らせ、溢れる蜜に淫らな音をたて、汗ばみ、ボウとけぶるように色づきはじめた。

マズルカによる繊細で微妙なその玩弄はミキの性感帯を刺激し、媚肉がいっそう収縮する。赤間の肉棒を喰い切らんばかりに締めつけてはフッとゆるみ、また喰い締めることを繰りかえしはじめた。その繰りかえしが赤間を刺激する。
「うっ……ミ、ミキ……」
赤間の声に呼応するかのように、ミキの乳首と女芯の肉芽が同時につまみあげられ、ひねられ引っぱられる。そしてまた媚肉が収縮を繰り返すのだった。
「いやッ……もう、いやあッ……」
「…………」
(許してくれ、ミキ……おれにはどうにもならないんだ……どんなに軽蔑されてもしかたないが……)
赤間は必死に気を紛らわせようとするのだが、咥えこんでいる媚肉の動きによって、肉棒はますます元気に、硬く、熱くいきどおってくるばかりだった。
ミキは言葉では拒絶しているが、媚肉の締めつけは激しくなる一方で、赤間は何度も射精しそうにさせられた。ミキの声も悲鳴というには次第に妙に艶っぽく湿り気を帯びたものに変わってきている。

「……あッ、あああ……い、いやッ……ああッ、あううッ……」
マズルカの指に踊らされる人形のように、ミキは赤間の上で腰をうねらせ、肉を震わせ、黒髪を振り乱して泣き叫ぶ。ミキが泣き声をあげて身悶えれば、赤間の肉棒はさらに逞しくなって、より深く入ってくるようだった。
「ひいッ……」
赤間の肉棒の先端がズンと子宮口を突きあげ、ミキは今にも気がいかんばかりに悲鳴をあげてのけぞった。
「あ……」
赤間が思わず狼狽の声をもらした。赤間の身体がにわかに背を反るように硬直する。たまりにたまった白濁がミキの膣内に噴射される。
ミキも赤間が自分の胎内でビクビクと蠢くのをはっきりと感じ取った。
「ダ、ダメ……赤間さん……な、膣中(なか)は駄目ぇ……」
熱い白濁のほとばしりをたっぷりと受けて、ミキはもう一度ガクンとのけぞると、さらに激しく痙攣を走らせる。
「ああああッ……いやあッ」
膣奥に跳ねかえって子宮へ流れこんでいく精液を感じ、ミキは泣き叫びながら何度も何度も腰を震わせていた。

「赤い奔流」End 「盲目の美囚」へつづく